【七星作戦】星空とともに、本来の七ツ森【己26.4*】
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- GPS
- 05:47
- 距離
- 14.2km
- 登り
- 1,327m
- 下り
- 1,328m
コースタイム
- 山行
- 4:59
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 5:48
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
榛名や赤城で見たような七つの隆起で、いずれの山も急坂。奥に進むにつれ岩場が増え、道も荒れ気味に。 |
その他周辺情報 | 駐車場の近くにモアモカコーヒーという喫茶店がある。 |
写真
感想
ある日のこと、
NHKニュース「プラネタリウムで震災当日の夜空を・・・」
私「ふ〜ん、観に行ってみるか・・・」
しかし、東京でやっているのは大体平日、土休日には別の用事が・・・というわけで、仙台まで観に行くこととした。もちろんそのためだけに行くにはお金がかかり過ぎるので、近くで歩けるところが無いか探す。そうした所にあったのが七ツ森。
星といえば北斗七星。北の七ツ星に対応して七ツ森を歩くのが良かろうと、当日、仙台市天文台で整理券をゲットした後に登山口へ急行した。
【松倉山】
仙台市天文台から15kmくらいだろうと思っていた七ツ森は25km程離れており、1時間弱ほどかかってしまった。駐車場には多くの車が停まっており七ツ森が人気の山であることがうかがえる。
どうも道が不案内なので、最初は先行する老夫婦の後を付いていき、いよいよ本格的に斜面を上る段になってガッツリと歩き出す。「七薬師掛コース」と銘打っているほどであるから信仰の山である。手を合わせて入山する。
樹林帯の急坂を上る。ロープを渡してあるほどだから、かなりの急傾斜だ。しかし、高度はたかだか2,300。尾根に登れば山頂は間近。
尾根上の丁字路で左に曲がると山頂だが、山頂標識は右に曲がった先にある。左側の方が標高が高いように思えたが、昔は右側の方が展望が良かったのかもしれない。今となってはいずれも木々に覆われている。なお、各山頂に薬師如来が祀られているが、それは右側のピークに存置されていた。
【撫倉山】
登り始めて暫くすると、さっきまでいた松倉山や仙台平野が見えてくる。山頂の展望も期待できそうだ。途中、山頂へ上っていく道と山腹を巻く道の分岐があるが、特段標識が無いようなので、漫然と歩いていると気がつかずに進んでしまう可能性がある。
こちらも急坂で、さらに岩がゴツゴツと露出している。隆起状の山の連続に「こりゃあ火山だな」と思ったが、後で調べたらやはり火山だった。
山頂に上ると、今まで歩いてきた山々や雪を戴く泉ヶ岳等々、展望が270℃くらい広がる。山頂から少し離れた岩に上ると木の枝の上に立てるので、さらに展望が良い。
急な上りの後には急な下りが待っている。梯子と鎖のほぼ垂直な岩場下りがある。
【大倉山】
大倉山へは落葉樹帯の中、やや道が落ち着く。山頂の他、石標のあるピークがもう一つある。上りは落ち着いていたが、下りはやはり急降下。下から上ってくる人が見えた時に石を蹴飛ばしたらころころ転がっていってしまったので、擦れ違いはかなりの手前から脇に避けた。
【蜂倉山(鉢倉山)】
再度、ロープの張ってある急な傾斜。山頂は樹林帯。下る途中で、尖った遂倉山と大きな鎌倉山が見えてくる。
【鎌倉山】
沢を渡ると鎌倉山の麓へ。カタクリが所々に咲いていて春の訪れを告げる。相次ぐ急登に疲れてくるも、足を止めることなく山頂に到達。この山頂の薬師如来は屋根つきだ。
【遂倉山】
地面から飛び出た七ツ森の中でも遂倉山は特に鋭く尖って見える。山頂は木々に囲まれているが、梯子で昇れる展望台があり、そこから周囲を眺めることができる。この展望台、結構高く、ほぼ垂直な梯子を上り下りすると若干恐怖を感じる。
【たがら森】
遂倉山の山頂裏手に踏み跡らしきものがあったが、たがら森方向ではないし、地面も軟らかいので違うだろうともと来た道を戻る。その戻る途中にたがら森への分岐がある。往路では気がつかなかった。危ない危ない。
このたがら森が本来、七ツ森の七番目なのだが、今では七ツ森湖の対岸にある笹倉山が七つ目だそうである。なぜ外されたのだろう?位置的にはたがら森の方が合っているが。山頂にも薬師如来は安置されていた。
事前情報では、藪漕ぎ、廃道といった感じのイメージだったのだが、意外と道はしっかりしている。ただし、他に周囲で歩く人がいなくなったため慎重に。分岐でも「廃道注意」とあったが、下り道はロープも渡してあり廃道といった感じではない。しかし、ロープを持たないとまともに下っていけないような急坂で危険な感じがした。
七ツ森の北側の里に抜けたときにはホッと一息。
【モカモアコーヒー】
七ツ森の入口にある、古民家を改造したオーガニックな感じの喫茶店。コーヒー豆の販売も行っており、基本的にはコーヒー店だが、飲み物のバラエティは豊富。時間に余裕があれば、七ツ森散策の感想戦を行うも良し。
コースタイムを気にするひとは、駐車場から徒歩1分なので、一旦駐車場でゴールしてから寄ると良し。
【星空とともに】
そして本打ち。プラネタリウムなんかに来るのは子供の時くらいということもあって、何だかドキドキする。
そして投映開始。音楽に乗ってあの日の夜空が映し出される。停電で暗闇となった街を照らした唯一の灯火。綺麗である。
震災後の新聞等への寄稿から星空に言及したものを取り出して淡々と朗読が進む。「星空とともに」が話題になって以降にそのような言説を求めれば、意識するとしないとに関わらず脚色が入って大仰な記述になってしまうだろう。しかし、これらは震災直後のものばかりで、率直な気持ちを綴ったものと思う。
穏やかに朗読が進む中で、あの日に思いをいたす。あの寒く冷たい夜のことを。
いつしか、場内には鼻をすする音が彼方此方で聞かれるようになった。
というわけで、わざわざ仙台まで足を伸ばした甲斐があった。
いつまでもあの日に囚われている訳には行かない。時代は先へと進んでいく。前を向いて進んでいくのが復興だ。しかし、時には立ち止まって往時を偲ぶひとときがあってもよい。
〜おしまい〜
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