大峰奥駈道南部縦走(前鬼〜熊野本宮大社)
- GPS
- 80:00
- 距離
- 57.1km
- 登り
- 4,442m
- 下り
- 4,708m
コースタイム
- 山行
- 10:05
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 11:45
- 山行
- 8:06
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 9:00
天候 | 1日目〜3日目:晴れ時々くもり 4日目:くもりのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
往路:本宮大社前から龍神バスでJR紀伊田辺駅へ。紀伊田辺駅から特急くろしおに乗車。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
□あまり覚えていませんが、登山道は明瞭で、かつ新宮山彦グループ等による標識が充実しており、目印と登山地図を参考に慎重に歩けば迷うことはないと思います。 □槍ヶ岳、地藏岳の鎖場の上り下りは、3点支持で慎重に通過する必要があります。 □最後の熊野川渡渉は増水時は中止し、備崎橋を渡ります。 |
写真
感想
1日目:阿部野橋から近鉄特急さくらライナーに乗車し、旅の始まりはゆったりとスタート。
上市駅から小型バスに乗換え、湯盛温泉杉の湯での再乗換え時にしばらく食べられない「そば」を食べ、前鬼口バス停に到着。3人組の学生であろう若者と年配者3人と私の7名の登山者が下車した。
以前北部を縦走した3年前にタイムスリップしたかのように懐かしい見覚えのある風景、美しい池原ダムと新緑を目にしながらアスファルトの林道を前鬼まで歩く。 下界と山界のつなぎ、これからはじまる長く厳しい山登り前の慣らしのようだと感じつつ・・・。途中の不動七重滝の迫力と美しい前鬼川を横目に見て、この日の宿泊地の前鬼小仲坊へ到着。
宿坊の佇まい、頭を丸めた五鬼助さん、犬のジン。3年前と同じで、変わらないことの良さがここにはあると感じた。
この日は離れの宿坊で素泊まり。布団で寝るのは気持がいい。
2日目:この日はコースタイム約11時間のロングコース。最大の山場と言える。
朝早く出発するため、同宿の方に遠慮しながら簡単に準備し、出発。テント泊の若者3人組は既に出発していた。周囲はまだ薄暗く、熊鈴を鳴らしながら太古ノ辻までひたすら登っていく。
さあここから南だ。と気持ちが高まる。太古ノ辻から天狗山、天狗の稽古場あたりまではブナ林あり草地ありの奥駈らしい気持のいい道であったが、この日の行程は全般的に忠実に山々を越えていくことの繰り返しで、厳しかった。途中、振り返ると釈迦ケ岳が遠く望め、周囲も山々に囲まれ、山奥に来たことを実感する。
持経ノ宿に到着したときは疲労困憊でフラフラだったが、昼食と休憩で体力を回復させ、最後の行仙岳を越えて何とか行仙宿に到着した。
評判どおり新宮山彦グループの方々による山菜の天ぷら、缶ビール等による親切なおもてなしがあり、1,000円(当時)で泊まれるほっと一息つける貴重な山小屋だった。グループのみなさんには本当に頭が下がる。
3日目:この日はコースタイム8時間なので、あまりプレッシャーを感じずに出発。
最初に笠捨山への長い登りと下り、次に槍ヶ岳と地藏岳の鎖場が待っており、さすが修業の道だと感じる。これら難所を抜け、香精山からは長い下り、そして玉置山まで長い緩やかな登りがあり、途中舗装道路と交錯したり、玉置山展望台もあり、下界が近いことを感じる。うれしいのか残念なのか複雑な気持ちになった。
途中、修験者の格好をした青い目の外国人女性とすれ違ったのは驚いた。大峰奥駈道の魅力は外国人にも通じるのだと感心する。
あとで驚いたことにこのすれ違った女性は玉置神社禰宜?のEさんの奥さんであった。宿泊の手続きをした社務所で、Eさんが「途中、変な外国人女性に会わなかったですか?」と尋ねてこられた。夫婦愛が感じられるいい質問だった。
玉置神社は深い山の中にある古い造りの神社であったが、その古さ、周囲の高木、静けさ等、パワースポットとして堂々たる風格。早速お参りしたあと、備えている御神酒を何杯かいただいたあと、ほろ酔い気分で境内を散策する。
一番風呂でこれまでの疲れを癒し、煮物中心の夕食を腹いっぱい食べ、夜は宿坊でぐっすり眠り、しっかり体力が回復できた。この日、同宿の方は2組で行仙宿でご一緒した方々であった。
※玉置神社の宿坊での宿泊には、事前に参籠の申込書と誓約書を送付し、許可を得る必要がある。
4日目:いよいよ最終日。天気は曇りで、同宿の岐阜からのお二人によるといつ雨が降り出すかわからないとのこと。午前4時30分から朝食をしっかり食べて、お弁当をザックにしまい出発。
厳かな雰囲気の玉置神社を後に緩やかに下っていく。がここからも巻道ではなくきっちり山を越えていくコース。奥駈の本領発揮だ。金剛多和では一足早く出発された同宿の茨木市のお二人に追いつき、お弁当の目はり寿司をいただく。3個入っていたがボリューム満点で一個だけ食べて残りは行動食用にとっておく。
このあたりから雨が本格的に降り出し、レインウエアの上下を着こみ、最後に雨に降られるのも大峰らしくていいと何となく納得しながらひたすら歩く。
途中から熊野川や町が見え隠れしてきたが、展望台から望む熊野の町の景色はしみじみ最終目的地に近付いてきたことを感じさせた。
途中舗装道路と何回も出合い、ショートカットもできたが、最後まで奥駈道をたどって熊野川に到着した。直前で名古屋からの若者二人組が私に追いつき、彼らは備崎橋から渡ろうとしたが、熊野川渡渉を教え、一緒に熊野川を渡ってお別れした。
最後は熊野本宮大社へのお参り。人も多く、神様すべてにはお参りできなかったが、充実感でいっぱいであった。
帰りはバスでJR紀伊田辺駅へ。そこから特急くろしおに乗車。1本の缶ビールと電車の揺れが心地よかった。
振り返ってみると、しんどかったが、大峰奥駈道を歩く見知らぬ者どうしの一期一会など、楽しさもたくさんあった充実した山旅となった。
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