里見八犬伝めぐり〜武蔵國編・其の肆（犬士会同穂北荘ノ巻）

2025年12月06日(土) [日帰り]

• GPS: 10:37
• 距離: 14.5km
• 登り: 4m
• 下り: 2m

コースタイム

日帰り

• 山行: 6:52
• 休憩: 3:45
• 合計: 10:37

距離 14.5km 登り 10m 下り 1m

8:53 JR北千住駅
9:13 9:30 千住本氷川神社
9:43 水戸佐倉道・日光道中 石標
9:45 日光道中・下妻道分岐点
10:28 石不動尊・八彦尊道碑
10:48 10:53 梅田神明宮
11:02 11:06 梅田稲荷神社
12:06 12:16 梅島駅
13:43 13:47 小右衛門富士
14:26 14:58 島根富士塚
15:41 15:42 保木間氷川神社富士塚
16:25 18:55 足立区生物園
19:26 19:28 竹ノ塚駅
19:30 ゴール地点

千住河原で勃発した捕り物に端を発する穂北庄と八犬士のつながりに思いを馳せながら開宿400年の千住宿から梅田、穂北（保木間）そして流山道へつながる旧日光街道を散策するコース設定です。

天候

晴れ時々曇り

アクセス

利用交通機関：

電車

起点：JR常磐線 北千住駅
終点：東武鉄道伊勢崎線 東武スカイツリーライン 竹ノ塚駅

コース状況／危険箇所等

気ままな町歩きですので、交通事故以外の危険はありません。

写真

12/6 8:22

今回はJRの北千住駅を起点にします。なぜなら〜

12/6 8:25

JR北千住駅1番線ホームによる駅そば屋さんで「名物ゲソ天そば」が食べたかったから〜とっても美味でした♪

12/6 8:53

北千住駅前は最近のウサトレのホームグラウンドっぽい。「ぜんぜん山歩いてないじゃん」との天の声も聞こえてくるが、ウサクマはあのハシビロコウさんのように「動じない」。

12/6 9:15

今回のメインは千住宿から旧日光街道を北上し、「梅田」そして、里見八犬伝で八犬士の後ろ盾となってくれる「穂北」の地に比定される保木間ですが、その前に、前回足早に駆け抜けてしまった千住本氷川神社へ再度立ち寄ります。

12/6 9:17

向拝に千鳥破風、前面に唐破風という二重の破風が付いた木造妻切造りの社殿表のガラス戸に境内の大銀杏が見事に映り込んでいますね。

12/6 9:29

今回はゆっくりとお詣りして、かわいい雪だるまの冬限定御朱印もいただきました。またこの狛犬さんが凛々しいんだな〜

12/6 9:37

旧日光街道へ出る角にある和菓子屋「たから家」さんの店前には、つきたてのお餅が〜懐かしい、くまの実家でも、昔はこういう「のし餅」を作ってお正月を迎えていました。

12/6 9:39

そしてウサクマお気に入りの黒ネコタが看板の居酒屋「八古屋」さん。表の雨戸だけでなく店の脇にも黒ネコタ、いたんですね〜

12/6 9:40

下りたシャッターの多くには千住界隈にちなんだ浮世絵がペイントされています。こちらは歌川広重「名所江戸百景・浅草田甫 酉の町詣」ですね。遊女屋の窓から鷲神社詣で行列を眺めるネコタに侘び寂びが漂っていて、ウサクマのお気に入りにの1枚です。

12/6 9:43

みたらし団子が美味しい「かどや」さんを過ぎると旧水戸街道との分岐。角には「水戸佐倉道・日光道中」石標が立っていました。この石標は新しいもので古い石標は足立郷土博物館にあるとのこと。

12/6 9:45

そして、さらに50m先には下妻道との分岐。角には「下妻道・日光道中」石標が立っていました。このまま真っ直ぐ行くのが旧下妻道、旧日光街道はここで左へ折れます。

12/6 9:50

荒川土手に突き当たりました。この荒川は1910年の「関東大水害」を機に、東京下町を洪水から守るために造られた放水路で、東京都北区の岩淵水門で隅田川（旧荒川）と分岐し、足立区・葛飾区・江戸川区などを経て東京湾に注ぎます。

12/6 9:59

千住新橋で荒川（放水路）を渡ります。当然明治以前には存在していない川なので、八犬伝の時代にはここは陸続き。旧日光街道をブッツリ分断しちゃって、しかも川幅めっちゃ広いな〜

12/6 10:10

荒川を渡ると、いよいよ梅田郷の真福寺。千住宿ウサトレで訪れた柳原郷に続いて、八犬士の後ろ盾となった穂北の荘を構成する三郷の2つ目に足を踏み入れました。

12/6 10:13

山門の脇に古い庚申塔が祀られていました。右から天保三年(1832年)、享保四年(1719年)、正徳三年(1713年)と刻まれており、ちょうど馬琴先生より少し先輩ですね。

12/6 10:18

路傍ではハナツクバネウツギが満開でした。

12/6 10:21

放水路で分断された旧日光街道は、ここから再開。年季の入ったタヌキさん親子がいました〜Xmasなのかな？トナカイコスプレした子タヌキちゃんが可愛い〜

12/6 10:28

「明王院の八彦尊」を祀る萬徳山梅林寺明王院（赤不動）への分岐に、明王院不動尊への道標となっていた導き不動のひとつ、石不動尊と八彦尊道碑がありました。

12/6 10:38

レンガ舗装された路地に入ります。通りには「神明宮通り」の街灯が建っているので「ああ商店街なんだ〜」だと気づく。実は古い通りで、王子に至る「王子道」と呼ばれていたそうな。

12/6 10:41

千住の宿町商店街にも似た雰囲気ですが、少しこじんまり。素敵なパン屋さんを発見。猫のパンをゲットしました〜♪（夕方食べたら美味しいクリームパンでした）

12/6 10:48

その先には通りの名前にもなっている「梅田神明宮」に立ち寄ります。イチョウは終わってしまったけど地面はまだもふもふの銀杏の絨毯。

12/6 10:50

茅の輪が掲げられていましたので、ウサさん、ひょいっとくぐりま〜す。6月初旬に近所の荒川河川敷で葦草を刈り取って作ったそうです。蘇民将来 蘇民将来。

12/6 11:03

そして、その先には平安時代末期の武将、志田先生義広（源義広、頼朝の叔父）が建立したと伝えられる梅田稲荷神社。散りかかった紅葉がいい感じ。江戸時代には旧梅田村の鎮守でした。

12/6 11:05

派手さはありませんけど、凛として、それでいて柔和なまなざしの狛狐さん。子狐ちゃんたちも可愛い〜はぁ…なんだか気も休まる梅田の地。でも八犬伝的には、ここは敵の領地を忍び行く場面

12/6 11:08

お隣りの遍照院の大銀杏。目いっぱい下から見上げるアングルで撮ったら、なんかイチョウが丸い〜珠？これも珠か〜？

12/6 11:47

梅田地域学習センター前に掲げられた「梅田寄席」の幟（のぼり）。30年以上の歴史があって、噺家が月替わりで出演し、古典落語から新作落語まで、劇場とは違う身近な雰囲気で楽しめる伝統芸能の会だそうです。

12/6 12:06

ちょうどお昼に東武鉄道伊勢崎線（東武スカイツリーライン区間）の梅島駅到着。梅田なのに梅島？と思ったら、この辺りは戦前に東京市足立区に編入される前は梅島町。そして梅島は梅田村と島根村の頭文字を合わせて梅島、らしい。

12/6 12:10

駅前からすぐのところに梅島天満宮がありました。天満宮といえば「梅」、江戸時代に編纂された江戸近郊地誌『四神地名録』にもこの一帯に梅林があったことが地名に梅が付く根拠の1つらしい。

12/6 12:18

さてお昼になってお腹すいてきたのでランチ狙いで駅前へ。途中、住宅地のど真ん中で、とっても素敵な観音様（梅島観音）に出会いました〜なぜここに？（由来まったく分からん）

12/6 12:23

ランチはマグロ♪ランチはマグロ〜♪「まぐろ白川」さん到着〜あれ？準備中？まだやってないの？扉ガラガラ〜「今日の仕込んだ分、全部終わりました〜」・・・マジかーーー！（まだ12時半にもなってないぞ Ψ＞＜）

12/6 12:37

ネタがなきゃ終わって当然なので次イコカ〜と、旧日光街道へ戻って「上海亭」さんの「ダブル餃子セット」（名物「もちパリ餃子」2人前、ライス、スープ、御新香、杏仁豆腐）で大満足です♪

12/6 13:28

おそらく期待のマグロを食べたより3倍満腹になって、のんびりとベルモント公園へ。足立区と西オーストラリア州ベルモント市との友好親善公園。雲行き妖しいですが、赤レンガで異国的な雰囲気がいい感じです。

12/6 13:44

公園からそのまま少し北上すると、小右衛門稲荷神社です。こちらの境内にも富士塚（小右衛門富士）がありました。千住からこのあたり、本当に富士講が盛んだったのですね〜富士塚だらけ。

12/6 13:54

旧日光街道に戻って島根交差点あたりで振り仰ぐと、怪しげな雲行きだった空に、再び青空が垣間見えてきました。

12/6 14:03

将軍家の御膳所寺院であり朱印地寺院であった天下長久山国土安穏寺への角に、いかにも日蓮宗な渋い題目碑と、「将軍家御成橋・御成道松並木跡」の石標柱。かつてここから国土安穏寺へと続く松並木があったそうです。

12/6 14:20

旧日光街道沿いに歩を進めると、お〜なんか、可愛いのが鷲神社へいざなっています。鷲神社でなんで柴ワン？八犬士からの使徒か？

12/6 14:23

環七北通りを越えて「島根」に入ると、古代の海岸線に神々が舟にてお着きになった処とされ、日本武尊が先着する神々を尊び祀ったとされる鷲神社です。

12/6 14:28

本殿左奥には「島根富士塚」。ちょっと空模様が怪しいので、おどろおどろしい雰囲気ですね。

12/6 14:31

往時、島根の若者たちは「十三夜行」として島根富士講から出発し、村ではその帰着に合わせて牛車に万燈を仕立て、島根ばやしのお囃子入りで村中の人が出迎えたそうです。

12/6 14:38

このあたりは無人な神社が多いなか、こちらでは島根富士浅間大神御塚と足立宮淵江領鷲神社、2つの素敵な御朱印をいただきました。

12/6 14:43

社殿右手に伺うと八代将軍徳川吉宗公が御成りになり、座られたという「将軍石」がありました。裏面には「将軍様の気持ちになって、ゆったりおすわり下さい」とのこと。

12/6 14:44

「此の紋所が目に入らぬか〜」って、これ、社務所で気に入られたウサさんがおかみさんから頂いた「鷲神社」の名入り栗羊羹です〜

12/6 14:46

おかみさん曰く「ここの日本武尊像は剣を鞘から抜いている姿で、とっても珍しいのよ〜」

12/6 15:01

鷲神社のちょっと先、六月一里塚跡・・・といっても、一切の痕跡も遺っていないため、比定地付近の稲荷社と六月町バス停を撮影してみました（笑）

12/6 15:07

関西ではお馴染みの「たこせん」を、関東で一番最初に提供し始めたという老舗の駄菓子屋さん。いかにも小学生が学校帰りにたむろしそうで懐かしい雰囲気だな〜

12/6 15:11

旧日光街道と六六通りの分かりづらい変則的5差路交差点の角に「増田橋跡」の道標がありました。「北へ旧日光道中」「西へ旧赤山道」。赤山道は、今の埼玉県川口市赤山にかつて陣屋が置かれ、そこに至る道だそうです。

12/6 15:27

梅田から歩いて2時間あまり、旧日光街道と舎人公園通りの交差点を越えると、ついに穂北に比定される「保木間」の地へ。

12/6 15:29

保木間一丁目に入ってすぐ、一方通行の狭い路地で日光道中から東に分岐すると、流山方面への主要街道「流山道」です。ここは保木間を東西に走る歴史的な古道。八犬伝の物語の時代にも存在したんだろうね。

12/6 15:35

この地域の旧「保木間村」の鎮守で、村の中心・拠点とされていた「保木間氷川神社」。八犬士の後ろ盾になってくれたことに、感謝しつつ手をあわせます。

12/6 15:37

散り残った銀杏がひらひら舞って、まじで時間の境目がゆるむ感じ。ここを八犬士たちが通ったとしても全然不思議じゃない。信乃たちがここを本拠にして、里見家再興の作戦をこっそり練ってたのかな、とか（妄想全開）

12/6 15:40

本殿から左奥に進むと榛名神社の鳥居と、登山禁止の富士塚「保木間富士」が聳えていました。でも、ここって富士山じゃなくて榛名山なのかな？でもでも、榛名山も「榛名富士」と呼ばれるから富士塚でもいいのか。

12/6 15:44

「天照太御神」が隠れた岩戸の前で、薄衣を纏って、胸を露わにして踊り狂った（それってストリップ？）という女神様、天宇受売命の木造。でも、ちょっとお顔に悪戯されちゃってるね〜罰当たりな！

12/6 15:49

この神社は、6月の「里見八犬伝めぐり〜下野國編・其の壱（庚申山化猫退治ノ巻）」で訪れた足尾銅山の鉱毒事件の公害訴訟に尽力した田中正造が、上京してきた被害住民に解決を誓い（保木間の誓い）、帰郷に導いた地とされています。

12/6 15:52

昔ながらの古道「流山道」を少し歩いてみたました。西日を背に受けながら歩んでいくウサクマの長〜い影。怪しげな雲も晴れて茜色の「実相寺監督の世界」だな〜メトロンとか住んでそう（笑）

12/6 16:03

しばらく歩くと「流山道プチテラス」という史跡があり、道標の裏には「成田山まで是より十六里」と記されていました。

12/6 16:04

プチテラスにはベンチのほかに、この周辺の流山道の道筋の解説板も設置されていました。プチテラスの左側の細いほうの道が「流山道」のようです。

12/6 16:17

それに今日は穂北（保木間）の公園でお祭りがあるというので、寄ってみることにした。途中の前堰公園越しの静かな夕焼けが落ち着きますね〜

12/6 16:22

保木間の中心にある、自然が豊かな大きな公園「元渕江公園」に到着〜

12/6 16:30

急速に夕闇が迫る中、公園の広場ではスタッフの皆さんが走り回り、お祭りの準備も佳境のようです。

12/6 16:54

お祭り開始まで公園内を散策。池に映る夕暮れの空と木立がとても美しい。周りに高い建物も少なく、とてもいい雰囲気で、「穂北の荘」ってこんな雰囲気だったのかな？　なんて妄想がどんどん膨らむ〜

12/6 17:02

5、4、3、2、1、ピッカーン⭐️（17:00）いきなり池に光る珠が浮かび上がった〜そう、きょうの17時からは、クリスマスイルミネーションな光の祭典が開幕。ウサクマの目には、これは仁義礼智忠信孝悌の光る珠に見えてしまうな〜

12/6 17:05

いろんな動物のイルミネーションが可愛くて、光の動物園みたいで気分も上がります。

12/6 17:12

光るウサギもちろんいましたよ〜でも光るクマは見当たらない（＞＜

12/6 17:20

高い木立もしっかりイルミネーション。んん〜幻想的だにゃぁ♪

12/6 17:37

でも、ちょっと寒くなってきたかな？暖かいテントに暖かい食べ物、穂北の衆のおもてなしはすごい。

12/6 17:53

そして最後は、併設されている足立区生物園でホタル観賞。もちろん撮影はできませんが、完全入れ替え制でものすごい密度のヘイケボタルの光を堪能できました。

12/6 18:00

観察展示室でお魚さんやデカいトカゲさん、大温室で夜の蝶（夜の街で人々を魅了するお姐さんのことではない）の休む姿を見て回ります。

12/6 18:59

昔は足立区にもホタルは自生していたという歴史があって、その光を後世に伝えるためにイベントが行われているそうです。 穂北の荘でホッと一休みする犬士たちも、ホタルを眺めたりしたのかな〜

12/6 19:01

出口に到着〜幽玄な蛍の舞と冬の夜の光の祭典、穂北ありがとう。七つの珠と現代の光が交錯する保木間の地、これにて巡礼完了。

12/6 19:03

竹ノ塚駅までの道もイルミネーションが続いているらしい。バスで北千住に戻ろうと思ったけど、このまま竹ノ塚駅まで歩いちゃおう♪

12/6 19:23

竹ノ塚駅でゴール♪お疲れさまでした。

撮影機器：

iPhone 15 Apple

装備

個人装備

長袖シャツ ズボン 靴下 防寒着 日よけ帽子 靴 ザック 昼ご飯 行動食 飲料 予備電池 GPS ガイド地図（ブック） ファーストエイドキット 携帯 時計 カメラ

感想

hadzuki

南総里見八犬伝ゆかりの地めぐりウサトレも、安房国を飛び出して、坂東（関東）一円にその守備範囲（攻略範囲）を拡大してきたウサクマです。先日の「千住宿」八犬伝めぐりウサトレで、千住の南東のハズレにある穂北の三郷のひとつ「柳原」に巡りました。自然豊かであり、葛飾北斎の躍動する浮世絵もあり、とても印象的だったので、今回は千住宿からさらに旧日光街道を北上し、「梅田」そして、「穂北」の地に比定される保木間に向かって、八犬伝めぐりを開始します。

里見八犬伝の物語の中で、敵方の関東管領 扇谷定正の領地でありながら、穂北・梅田・柳原の三郷の自治を行う穂北の荘は、以降八犬士たちの力強い後ろだてとなり、親兵衛を除く七犬士が穂北に会同した。

なので、やっぱり拠点は千住宿。JR北千住駅1番ホームのそば処で名物の温かいゲソ天そばをかき込んで、いざ出発〜

ここに来る途中でネットで調べたところによれば：

荒川（現・隅田川）北岸部の足立郡千住村は、古くから水上交通の要所とされていた室町時代、幕府方、山内・扇谷上杉方、鎌倉公方（古河公方）が争い戦国時代の遠因の一つとなった享徳の乱（1455年 - 1483年）で下総千葉氏により下総国を追われた武蔵千葉氏は武蔵石浜城から拠点を移し、この地を支配していたという。

なんだなんだ、これってまさに里見八犬伝の序盤の話ではないですか。しかも石浜城を納めていた千葉氏といえば、八犬伝では管領派。里見八犬伝においては敵方の領地だったとは！

前回の千住宿ウサトレでは、あんなにはしゃいでいたのに、知らぬが仏。今回は足早に荒川放水路に向かいました。八犬伝の時代にはまだなかった「荒川放水路」を千住新橋で渡ると、開ける視界、真っ青な空に荒川も青く澄んでますね〜西方面には秩父の山々も見えて爽快でした。

そして何よりも荒川を渡ったその地は、穂北の三郷のひとつ「梅田」。八犬士の同志が集う町まで来たので、なんだかホッとしているウサさんでした。

荒川から北の旧日光街道は、お店が少なめだったけど、梅島駅に近づくと色々なお店がある。冬で寒いし、お店で何か食べようとマグロのお店に行くと、ランチ営業中にも関わらず「準備中」の札が・・・お店を覗いてみたら、食べてるお客さん越しに「きょうの分は終わりました〜」とのつれないお言葉。

ひぇ〜もしかして、敵方管領の土地では、ご飯食べさせてもらえないのか？

恐る恐る旧日光街道沿いの餃子のお店に行ってみたら、こちらでは快く迎えてくれて暖かい餃子を食することができました♪

久々に食ったな〜餃子10個！・・・でも15個はイケそうな気がするくま〜

梅田から歩いて2時間あまりで、ついに来ました、穂北に比定される「保木間」の地へ。保木間、梅田、柳原の穂北の荘を構成する三郷は、生活圏として歩けない距離ではない、とはいえ、それなりに離れていること、そしてその三郷を束ねる「穂北の荘」の広さが、実際に歩いて実感できました。

旧「保木間村」の鎮守で、村の中心・拠点とされていた「保木間氷川神社」をお詣り。隣に榛名神社の鳥居があり、登山禁止の富士塚が。せっかくなので八犬伝の時代に遡った気分で、富士塚の麓に立ってみると、風が吹くたび、散り残った銀杏がひらひら舞って、マジで時間の境目がゆるむ感じがします。

保木間氷川神社の静けさって、なんか深い感じがしました。ただの住宅地の一角のひっそりとした神社の佇まいじゃないって感じ。ここを八犬士たちが通ったとしても、全然不思議じゃないよね〜（妄想暴走）。

そして最後は、足立区生物園が併設されている元渕江公園。池に映る夕焼けと木立のシルエットがとても美しい。高い建物が少ない分、木立を越えて見える人工物がなく、空と木立と池のみが目の前に広がります。

「穂北の荘」ってこんな雰囲気だったのかな？

ここでまず信乃、道節、現八、大角の四犬士が受け入れられ、今後武蔵国での八犬士の拠点になっていくのかなぁ。

（仁）・義・礼・智・忠・信・孝・悌……新兵衛を除く七つの珠がついにここで揃うのかなぁ。

イルミネーションで池に浮かび上がる光る珠。七つの珠と現代の光が交錯する保木間の地で、仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌・・・心に灯して、これにて里見八犬伝めぐり 穂北の荘巡礼　完了です〜