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最終更新:半袖大将
海に浮かぶ百名山最北の山
利尻山は北海道の利尻島にある山で、日本百名山の中では最北に位置しています。ピークは北峰と南峰、その間に本峰があります。最高地点は標高1721mの南峰です。本峰と南峰は崩落が激しく、現在は立ち入りが禁止されています。そのため登頂できるのは、標高1717mの北峰のみです。
山裾は海岸まで広がっており、遠くから見ると島全体が利尻山であるかのようです。「利尻」の名はアイヌ語が由来で、「高い(=リ)島(=シリ)」を意味します。整った円錐形の独立峰で、「利尻富士」と呼ばれることもあります。
はるか昔に休止した火山
利尻山は成層火山です。活動が盛んであったのは約20万年前から4万年前で、この時期に主な山の形が作られました。最後の噴火は約8千年前から2千年前とされています。活動休止から長い年月を経ており浸食が著しく、山頂部は鋭く尖り、山腹は深い谷を刻んでいます。
北峰より南峰の方を見遣ると、天を衝くように岩が立っています。この岩塔は「ローソク岩」と呼ばれ、マグマの通り道である「火道(かどう)」の名残です。噴き上がった溶岩が火道の中で冷え固まり、風雪の浸食に耐えて削り残った部分です。
海に囲まれた360度の眺望
利尻山は古くより信仰の対象で、人々はこの山に航海の安全と豊漁を祈ってきました。加えて漁師らにとっては、海上の目印でもありました。北峰の山頂には、利尻山神社奥宮の祠が鎮座しています。祠には願い事が書かれた船舶のプロペラがいくつか掛けられています。
遮る物がない展望で、利尻島全体が見渡せるほか、海の向こうには礼文島、北海道本島を望みます。遠くはサハリンも確認できます。
また、切り立った尾根の先に見る南峰とローソク岩は凄みがあります。
貴重な固有種「リシリヒナゲシ」
利尻山は高山植物の宝庫で、花の百名山の一座でもあります。標高2000m足らずですが、寒冷地のため森林限界は低く、様々な高山植物が自生しています。円錐形の山体のため、高度による植生の変化が分かり易いことも特徴です。
"リシリ"を冠する植物も多く、「リシリリンドウ」「リシリゲンゲ」「リシリブシ」などが挙げられます。「リシリヒナゲシ」「(リシリ)ボタンキンバイ」は利尻山のみで見られる希少種です。
山域にはエゾシマリスが生息しており、運が良ければ可愛く走り回る姿を目にすることができます。離島であるがゆえヒグマ、キタキツネ、シカなどの大型哺乳類や、ヘビはいないとされています。渡り鳥にとっては、天敵がおらず格好の休憩地です。利尻島で飛来が確認された野鳥は320種を超え、麓の森やポン山などでは、クマゲラに出会うこともあるようです。クマゲラは国内最大級の黒いキツツキで、天然記念物に指定されています。
2018年5月にヒグマの痕跡が発見され、106年ぶりの上陸となりました。北海道本島から海を泳いで渡ったとみられています。同年7月を最後にその痕跡は見られなくなり、すでに島内にはいないと結論付けられています。
山を守る「利尻ルール」
利尻山は火山性の脆い地質のため、踏みつけによる登山道の浸食と裸地化が深刻化しています。特に山頂付近は、火山礫「スコリア」が露出した急斜面で崩れやすく、登山道が深く抉れてしまった箇所も見られます。そのため土留めや階段を設置するなどの、補修活動が行われています。
更に以下の「利尻ルール」が提案されており、登山者への協力が求められています。
*利尻ルール*
〃搬咼肇ぅ譴鮖箸
▲好肇奪の先にゴムキャップを付ける
植物の上に座らない、踏み込まない
山中にトイレはありません。代わりに携帯トイレブースがいくつか設置されています。携帯トイレは予め持参しておき、使用後は登山口の回収ボックスまで持ち帰ります。携帯トイレは島内の役場や商店、宿泊施設などで購入することができます。
ポピュラーな「鷲泊コース」
9時間28分/12.4km
鴛泊登山口(52分)→4合目(71分)→6合目(114分)→8合目(長官山)(14分)→利尻岳避難小屋(79分)→沓形分岐(29分)→利尻山(16分)→沓形分岐(43分)→利尻岳避難小屋(11分)→8合目(長官山)(64分)→6合目(41分)→4合目(34分)→鴛泊登山口
山頂まで通じる道は「鴛泊(おしどまり)コース」と「沓形(くつがた)コース」で、一般的な登路は鴛泊コースです。
途中にある避難小屋は、緊急時以外は使用できません。必然的に日帰り山行となりますが、コースタイムが長く、早出の必要があります。
鴛泊登山口は3合目からで、北麓野営場があります。(登山口:利尻山北麓野営場)
登山者の中には、海水に触れてスタートする0合目からの登山に挑戦する人もいるようです。
登山道は1合ごとに標識が設けられており、道のりの目安になります。
北麓野営場からスタートするとすぐに「甘露泉水」です。名水百選に選ばれているおいしい水で、最後の水場です。長時間行動に備えてたっぷりと給水しておきます。
6合目は第1見晴台です。正面には長官山を、振り返ればペシ岬や鴛泊湾、礼文島を望みます。
7合目は「胸突き八丁」です。つづら折れの急登が続きます。
やがて森林限界を越え、8合目の長官山です。眼前に雄々しくそそり立つ山頂部が、登高欲を掻き立てます。
9合目の道標には「ここからが正念場!」と記されています。足場が悪い急な登りで、滑らないよう気を引き締めて登ります。
利尻山神社の祠とローソク岩を視界に捉えれば、登頂は間もなくです。
一方、沓形コースは岩崩れの危険があり上級者向けです。(登山口:沓形登山口)
尾根は痩せて険しく、岩場の「背負子投げ」やガレ場のトラバース「親不知子不知(おやしらずこしらず)」などの難所があります。
かつては南麓から登る「鬼脇コース」もありましたが、崩落が酷く今は廃道です。
登山口 |
利尻山北麓野営場 沓形登山口 |
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基本情報
標高 | 1721m |
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場所 | 北緯45度10分42秒, 東経141度14分31秒 |
山頂 | |
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展望ポイント |
山の解説 - [出典:Wikipedia]
利尻山(りしりざん)は、北海道の利尻島に位置する独立峰で標高1,721m。利尻町、利尻富士町の2町にまたがる成層火山で、利尻礼文サロベツ国立公園内の山域は特別区域に指定され、深田久弥による日本百名山に選定されている、新日本百名山、花の百名山及び新・花の百名山に選定されている。国土地理院では利尻山(りしりざん)という名称がつけられているほか、「利尻岳」、「利尻富士」、「利尻火山」とも呼ばれる。高山植物が生息し、夏季は多くの登山客が訪れる。
約20万年前から活動を行い、約4万年前頃に現在の形に近い物となった。南山麓で8千〜2千年前以前に起きた噴火でマールやスコリア丘を形成して以降、活動を休止し火山活動を示す兆候は無い。活動を休止してからの期間が長いため、山頂部を中心に侵食が著しく進み、火口などの顕著な火山地形は失われている。従って、火山の内部構造を観察できる。
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