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八甲田大岳(はっこうだおおだけ) / 八甲田山
青森県
最終更新:ヤマレコ/YamaReco
湿原散策とバックカントリースキーが楽しめる青森県の火山群
八甲田山は青森県にある山塊の総称です。
最高地点は標高1585mの八甲田大岳で、ほか高田大岳、赤倉岳、櫛ヶ峯、乗鞍岳など18峰から構成されています。
日本百名山に選ばれており、夏季のハイキングはもとより、積雪期はバックカントリースキーの山としても有名です。
南北で大別される火山群
八甲田山は火山群で、気象庁の常時観測対象です。
山域は「北八甲田」と「南八甲田」に大きく分けられ、境は国道103号線が横断しています。
北八甲田は約100万〜40万年前の火山活動でできた「八甲田カルデラ」が元になっています。八甲田カルデラは直径約10kmと巨大で、北東部は「田代平」なる広々とした湿原です。
八甲田カルデラの南側には八甲田大岳や井戸岳、赤倉岳などが盛り上がって並んでいます。これらは40万年前以降にできた小型の成層火山で、ピークは頂点が窪んだ円錐のような形をしています。
現在も火山活動が活発で、過去6000年間に少なくとも8回の噴火活動があったとされています。近年は火山性ガスによる死亡事故が発生しています。
片や南八甲田は、北八甲田よりも古い火山です。活動時期は約110万年から30万年前と推測されています。
火山の特徴は山域全体にわたって見ることができ、切り立った爆裂火口壁や、火口に水が溜まった火山湖などが点在しています。
悲劇を生んだ豪雪地帯
八甲田山は1902年(明治35年)に発生した「八甲田雪中行軍遭難事件」の現場としてよく知られています。事故は日本最大級の山岳遭難事故とされており、旧日本陸軍の訓練で参加者210名のうち199名が命を落としました。
山域は豪雪地帯にあり、天候悪化による吹雪が原因のひとつとされています。
数多の湿原がある山
「八甲田」はたくさんの峰や池塘、湿原を持つ意とされています。
「八」は数が多いこともしくは「やち(萢、谷地:湿地のこと)」を指し、「甲田」は池を指す「耕田」や「神田」が転訛したと言われます。一方で「甲田」は、甲(たて)状に盛り上がった峰と田代(湿原)だとする解釈もあります。
山名の由来とされる高層湿原や池塘はあちこちで見ることができます。
「毛無岱(けなしたい)」と名付けられた湿原は特に広大です。上毛無岱(かみけなしたい)と下毛無岱(しもけなしたい)の2段に分かれており、その間は急な階段で結ばれています。
階段から俯瞰する下毛無岱は壮大で、八甲田山を代表する風景のひとつです。
鏡沼は八甲田大岳の山頂そばの火山湖で、モリアオガエルやクロサンショウウオなどが生息しています。
東北北部の山々を見晴らす山頂
八甲田大岳の山頂は広々としており、遮るものがない眺望を楽しむことができます。
高田大岳や雛岳といった周囲の山や、岩木山、八幡平、鳥海山など東北屈指の名山を望みます。津軽海峡や、北海道の日高山系の峰々が見えることもあるようです。
麓は温泉地が豊富
火山の恩恵により、山麓はいくつもの温泉が湧出しています。
酸ヶ湯温泉や、八甲田温泉、日本三大秘湯に数えられる谷地(やち)温泉などが挙げられます。
酸ヶ湯温泉近くの地獄沼は、爆裂火口跡に温泉が湧く底なし沼です。強酸性で90度以上の熱湯が毎分2700リットル湧いており、辺りは硫黄臭に包まれます。
定番は酸ヶ湯温泉からの周回登山
八甲田山登山で主に歩かれているのは北八甲田です。登山初心者にも挑戦しやすいエリアで、登山道はよく整備されています。
中でも定番ルートは、酸ヶ湯温泉を起点とした周回です。
最もコンパクトに巡る場合は、「地獄湯の沢」を登って最高地点の八甲田大岳を踏み、毛無岱湿原を下って戻ります。
酸ヶ湯温泉から仙人岱を結ぶ道は、火山の荒々しさを間近に感じることができます。火山性ガスで木々が枯れた荒地や、崩れて岩がごろつく谷筋を通行します。
途中で立ち寄れる山小屋は仙人岱避難小屋と大岳鞍部避難小屋です。八甲田山全体を通して、山小屋はこの2箇所の避難小屋のみです。
ロープウェーでお手軽登山も
また北八甲田は、八甲田ロープウェーが山上まで通じています。こちらを利用して八甲田大岳に行き来するプランも人気を得ています。
ロープウェーは夏季のみならず冬季も運行しており、気軽にスノーシューハイクに出かけることも可能です。
登山口 |
酸ヶ湯温泉(大岳登山口) 大岳登山口(湯坂側) 城ヶ倉温泉 八甲田ロープウェー山頂公園駅 赤倉岳登山口 箒場登山口 猿倉温泉登山口 |
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周辺の山小屋 |
大岳鞍部避難小屋 仙人岱避難小屋 |
基本情報
標高 | 1584.61m |
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場所 | 北緯40度39分31秒, 東経140度52分38秒 |
山頂 | |
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展望ポイント |
山の解説 - [出典:Wikipedia]
八甲田山(はっこうださん)は、青森市の南側にそびえる大岳(標高1,585m)を主峰とする18の山々からなる複数火山の総称。日本百名山の一つ。「八甲田山」と名がついた単独峰が存在するわけではなく複数の成層火山や溶岩円頂丘で構成される火山群である。青森県のほぼ中央に位置し、約20km南には十和田湖が位置する。東北地方の脊梁奥羽山脈の北端である。
主峰は大岳(八甲田大岳)の標高1,585m。これは青森県の最高峰「岩木山」標高1,625mに次ぐ高さである。
八甲田山周辺は広く十和田八幡平国立公園に指定されている。また、八甲田山周辺は田代平や寒水沢上流の一部を除く広い範囲が国有林や保安林に指定されているほか、大岳周辺から蔦温泉周辺にかけて国指定の鳥獣保護区特別保護地区に指定されている。
周辺は世界でも有数の豪雪地帯である。明治35年に青森の歩兵第五連隊が雪中行軍の演習中に記録的な寒波に由来する吹雪に遭遇し、210名中199名が遭難死した事件(八甲田雪中行軍遭難事件)が発生、それを基に新田次郎の小説『八甲田山死の彷徨』が書かれ映画化もされている。なお、陸上自衛隊青森駐屯地に駐屯する第5普通科連隊も、(遭難死した青森歩兵5連隊の隊員慰霊も兼ねて)毎年厳冬期に八甲田山系での冬季雪中戦技演習を行なっている。