また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

岩手山(いわてさん) / 南部富士

登山コースが豊富な岩手県最高峰

"岩手山"
"岩手山"

岩手山は岩手県に属しています。標高は2038mで、県内で最も高い山です。
日本百名山に選ばれており、火山の荒々しさやコマクサなどのお花畑が魅力です。また登山コースは7つと多彩で、多くの登山者を呼び寄せています。

見る角度で顔が異なる山

"西岩手火山:鬼ヶ城の切り立った崖"
"西岩手火山:鬼ヶ城の切り立った崖"

山体は「西岩手」と「東岩手」に大別される2つの成層火山が合体して構成され、地形は複雑です。西側は岩壁が立ち険しく、一方の東面は優美に裾野を引きます。

"南東の朝島山から望む岩手山"
"南東の朝島山から望む岩手山"

仰ぎ見る位置によって山の姿は異なります。シンメトリーな山容を捉え「南部富士」ないし「岩手富士」と呼ばれたり、非対称性から「南部片富士」と称されることがあります。
また「巌鷲山(がんじゅさん)」なる別名も持ちます。春先に山肌に現れる鷲の雪形が由来とする説がありますが、他方では「岩手」の音読みが "がんしゅ" であるから、とも言われています。

荒々しさが残る火山

"御鉢を巡る登山者ら"
"御鉢を巡る登山者ら"

岩手山は約70万年から30万年前に誕生したと考えられています。
先にできたのは西岩手火山で、その外輪山の東側に、やや重なるように東岩手火山が生まれました。

"大地獄谷"
"大地獄谷"

西岩手火山のカルデラは大地獄谷と呼ばれています。火山湖の御釜湖御苗代湖があり、火山性のガスが噴出しています。

"妙高岳"
"妙高岳"

一方、東岩手火山のカルデラは整った円形です。大きな窪地の中は、中央火口丘の妙高岳が盛り上がっています。また外輪山の薬師岳は、岩手山の最高地点で山頂とされています。

"焼走り熔岩流と岩手山"
"焼走り熔岩流と岩手山"

過去、大規模な爆発と山体崩壊は、少なくとも7回あったとされ、現在は気象庁の常時観測対象です。1732年の噴火で流れ出て固まった熔岩は、現在も黒々とした岩原として残り、国の特別天然記念物「焼走り熔岩流」に指定されています。
火山の恵みを受け、網張温泉や八幡平温泉など、麓はいくつもの温泉が湧いています。また地熱発電所も設けられています。

圧巻のコマクサの花畑

"コマクサ"
"コマクサ"

岩手山は、 "高山植物の女王" と謳われるコマクサの群落が見所です。見頃は7月で、焼走りコースの中腹や、山頂付近で鑑賞することができます。
荒涼とした火山地形は、淡いピンクの花を可憐に引き立て、見る人を夢中にさせます。

北東北の山々を一望

"山頂部(積雪期)"
"山頂部(積雪期)"

山頂部は草木が無く、漠々たる荒原です。また積雪時は、見惚れるような一面の銀世界が展開されます。

"薬師岳より和賀岳(左)、鳥海山(中央)、秋田駒ヶ岳(右)を望む"
"薬師岳より和賀岳(左)、鳥海山(中央)、秋田駒ヶ岳(右)を望む"

展望は素晴らしく、秋田駒ヶ岳早池峰山八幡平などを望みます。やや離れては、八甲田山岩木山鳥海山も確認できます。

"岩手山山頂"
"岩手山山頂"

山頂(薬師岳)は石祠が鎮座し、数々の剣が奉納されています。

歌人や文豪も愛したふるさとの山

"岩山:岩木山を望む場所に石川啄木の歌碑が建つ"
"岩山:岩木山を望む場所に石川啄木の歌碑が建つ"

岩手山は数々の文学作品や絵画に題材とされてきました。
平安時代末期に編纂された千載和歌集や、鎌倉時代の続古今和歌集に入集された詩歌にも登場しており、昔から親しまれていたことが伺えます。
歌人の石川啄木(いしかわたくぼく:1886-1912年)が詠んだことは、特に有名です。彼は歌集「一握りの砂」に収められた歌で "ふるさとの山" と礼賛しました。
作家の宮沢賢治(みやざわけんじ:1896-1933年)も、岩手山にまつわる歌やスケッチを遺しているほか、30回以上登山を行ったとみられています。

かつては女人禁制の霊山

"岩手山神社"
"岩手山神社"

古来、岩手山は信仰の山で、信者は「お山がけ」なる登拝を行っていました。お山がけは身を清めて白衣をまとい、「六根清浄」を唱えながら登る修行です。多くの霊山と同じく、明治時代まで女性は立ち入ることができませんでした。
登山道のいくつかは参道として拓かれたもので、登山口周辺は岩手山神社があります。

"石仏が並ぶお鉢"
"石仏が並ぶお鉢"

山頂部の御鉢には、石仏が点々と置かれています。

"岩手山神社奥宮"
"岩手山神社奥宮"

岩手山神社の奥宮も据えられています。

多彩な7つのコース

"岩手山登山コース"
"岩手山登山コース"

岩手山は主に7つの登山道が設けられています。
それぞれに名前が付けられており、「柳沢コース」「焼走りコース」「上坊(うわんぼう)コース」「七滝コース」「松川コース」「網張コース」「御神坂コース」です。

代表的な柳沢コース

"柳沢コース"
"柳沢コース"

柳沢コースは信仰の道です。古くから表参道として利用され、今日も、登山コースの代表格です。

登山口はキャンプ場です。一角に薪が積み上げられており、登山者は任意で八合目避難小屋までこれらを歩荷します。

"柳沢コース:四合目"
"柳沢コース:四合目"

登山道には「一合目」「二合目」・・・といったポイントが設けられ、登る際の目安を担います。

"八合目避難小屋"
"八合目避難小屋"

八合目には八合目避難小屋が建ちます。夏季は管理人が常駐しており、寝泊まりの他、売店の利用ができます。

熔岩流とコマクサが見事・焼走りコース

"焼走りコース"
"焼走りコース"

焼走りコースは焼走り熔岩流から出発します。

"焼走りコース:第1噴出口跡"
"焼走りコース:第1噴出口跡"

ダイナミックな熔岩流や噴出口跡が望めるほか、コマクサの大群落も見どころです。

見どころたっぷり七滝コース

"七滝コース"
"七滝コース"

七滝コースは他のコースと異なり、谷に沿って道が付いています。

"七滝"
"七滝"

途中の七滝は、水が階段状に流れ落ちる立派な滝です。ここまでのトレッキングも人気で、冬は氷瀑を鑑賞するスノーシューハイクも盛んです。

"鬼ヶ城の岩尾根"
"鬼ヶ城の岩尾根"

さらに同コースは、大地獄谷の御苗代湖に立ち寄ったり、鬼ヶ城の懸崖の上を歩いたりもでき、変化に富みます。
登山口 馬返し登山口(柳沢コース)
焼走り登山口
上坊登山口
七滝登山口
松川登山口
網張登山口
御神坂登山口
周辺の山小屋 八合目避難小屋
不動平避難小屋
平笠不動避難小屋
基本情報
標高 2038.2m
場所 北緯39度51分08秒, 東経141度00分03秒
カシミール3D
山頂
展望ポイント

山の解説 - [出典:Wikipedia]

岩手山(いわてさん)は、岩手県の北西部にあり、二つの外輪山からなる標高2,038mの成層火山である。青森県から岩手県を経て福島県に連なる奥羽山脈の岩手県域北部に位置する岩手山は、岩手県の最高峰であり、県のシンボルの一つとされている。日本百名山に選定されている。
岩手県八幡平市、滝沢市、雫石町にまたがる。西に姥倉山、大松倉山が続くものの、奥羽山脈の主稜からは離れており、独立峰に近い。東の盛岡側から見る姿は富士山のように長い裾野を引く整った形で、「表岩手」と呼ばれる。南の雫石町や北の八幡平市松尾方面から見ると、外輪山の連なりが凹凸をなし、「裏岩手」と呼ばれる。山域は、1956年(昭和31年)に十和田八幡平国立公園に指定された。山頂には一等三角点『岩手山』(重点整備点)が設置されている
別名に巌鷲山(がんじゅさん)があるが、本来「いわわしやま」と呼ばれていたものが「岩手」の音読み「がんしゅ」と似ていることから、転訛したものだとも言われる。春、表岩手山には雪解けの形が飛来する鷲の形に見えるため、これが山名の由来になったとも伝えられる。静岡県側から見た富士山に似ており、その片側が削げているように見えることから「南部片富士」とも呼ばれる。古名に「霧山岳」「大勝寺山」。俗称に「お山」。「子富士」とペアで「親富士」と表現することもある(原敬句碑より)。
古来信仰の山で、山頂外輪を取り囲むように石仏、山麓の滝沢市・盛岡市に岩手山神社が祭られる。前九年の役以後、巌鷲山大権現大宮司として伊豆国出身の「栗谷川(厨川、工藤)家」が代々祭事を務めることとされていたが、後に祭祀権をめぐり攻防があった。

付近の山

この場所に関連する本

この場所を通る登山ルート

「岩手山」 に関連する記録(最新10件)

八幡平・岩手山・秋田駒
  26    12 
Syobotora, その他3人
2023年09月25日(日帰り)
八幡平・岩手山・秋田駒
  35    20 
2023年09月25日(日帰り)
八幡平・岩手山・秋田駒
  20    19 
2023年09月24日(日帰り)
八幡平・岩手山・秋田駒
  23     15 
2023年09月24日(日帰り)
八幡平・岩手山・秋田駒
  23    11 
2023年09月24日(日帰り)
八幡平・岩手山・秋田駒
  32     14 
2023年09月24日(日帰り)
八幡平・岩手山・秋田駒
  44    29 
mako-sanあずちゃん, その他1人
2023年09月24日(日帰り)
八幡平・岩手山・秋田駒
  102    18 
2023年09月23日(日帰り)
八幡平・岩手山・秋田駒
  11    8 
2023年09月23日(日帰り)
八幡平・岩手山・秋田駒
  20    35  2 
うぃん, その他1人
2023年09月23日(日帰り)
ページの先頭へ