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景鶴山(けいづるさん)

都道府県 群馬県 新潟県
最終更新:BLACKTIGER
基本情報
標高 2004m
場所 北緯36度57分25秒, 東経139度12分38秒
カシミール3D
 尾瀬ヶ原の北方に位置する山。日本300名山[日本山岳会選定]・越後百山・群馬百名山。独立標高点・2004m。群馬県と新潟県の県境、いわゆる上越国境の東端に位置する。

景鶴山所有者の尾瀬林業(東京電力の関係会社)は植生保護の観点から昭和41年(1966年)より登山禁止としている(正式に登山許可を求め尾瀬林業に問い合わせた者もいるようだが原則不許可、あるいは環境省からの許可を要するとの公式見解だった由)が、それまでは登山道があり登山雑誌などにも紀行文が紹介されていた。

 登山の実態は保護植生の露出がない積雪期(厳密には残雪期)に黙認されているのが現状。なお無雪期登山は許可の有無はさておき濃密なヤブが繁茂し時間・労力・興味の観点から篤志家向き。

 景鶴とは当て字であり、頂上の岩峰を避け山腹を横切ることできることからくる地元の方言である「ヘイズル」(這い摺る)を陸地測量部の役人が聞いて「景鶴」の漢字を当てたと云われている。頂上部は岩峰となっておりニュー岩(ヌー岩)と呼ばれている。ニュー(ヌー)とは藁(わら)や薪(まき)を積み上げたものを指す。(北八ヶ岳にもニュウという名前の山が存在する)

 残雪期の登頂ルートは〆山尾根(笹山[△1537.9m])〜与作岳経由)を利用するもの景鶴尾根[景鶴山より派生する南東尾根]を利用するものB臟鯊山等西側よりアクセスするものの3つが考えられる。山行記録では,最も多く利用されており△その次、はスキーを利用した登山で使われている。

 尾瀬ヶ原の形成の歴史において景鶴山は重要な役割を演じている。
“瀬は数百万年前までは檜枝岐層群(ひのえまたそうぐん)と呼ばれる古生代の地層や
花崗岩などが基盤となった平坦な高原上の地域。浅い谷が北東に向かって流れ西端に蛇紋岩(じゃもんがん)の山体が隆起しやがて至仏山になった。

∩新世(510万年〜170万年前)になると火山活動が始まり、最初に噴火したのが景鶴山だった。景鶴山の山頂部は岩峰になっていて熔岩が突き出したように見えるが実際には周囲の熔岩がほぼ侵蝕され堅い部分だけが残ったもの。現在、景鶴山熔岩は景鶴山の南東部の山麓に残っているほかに尾瀬ヶ原の南側にあたるアヤメ平の山腹の半分位を覆っている。つまり景鶴山熔岩は尾瀬ヶ原の対岸まで流出したがほとんどが侵蝕されてしまった。龍宮小屋の近傍の皮籠岩(かわごいわ)も景鶴山の熔岩であることが確認されている。

9洪契ぁ170万年〜1万年前)になると火山活動は更に活発になり尾瀬沼の北側や東側(檜高山(ひのきたかやま))・アヤメ平・ススヶ峰・皿伏山(さらぶせやま)などが 次々に噴火した。この時期の火山の熔岩は粘り気の低いもので山容のなだらかな盾状火 山を形成した。尾瀬沼から眺める皿伏山はその典型的な姿である。

ず埜紊盆ヶ岳が噴出してほぼ現在の姿となった。燧ヶ岳は噴火を始めたのは更新世後期の30数万年前ぐらいと考えられている。それゆえ山体の侵蝕はあまり進んでいない。尾瀬ヶ原はこの頃までには只見川(ただみがわ)の源流となる沼尻川 [ぬしりがわ]・猫又川などで景鶴山熔岩が侵蝕され平坦な土地になっていったと推定されている。
山頂
危険個所 ニュー岩への登路
展望ポイント 燧ケ岳・至仏山・アヤメ平・平ヶ岳・会津駒ヶ岳・日光白根山・上州武尊山

付近の山

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