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中央アルプスの真ん中にそびえる展望抜群の三百名山

越百山(こすもやま)は長野県にそびえる標高2614mの山で、日本三百名山に選ばれています。

中央アルプスの主稜線上、ちょうど中央付近に位置していますが、訪れる人は比較的少ない山です。
また、北方の木曽駒ヶ岳からはじまる中央アルプス縦走登山では、この越百山がよく締めくくりの山とされています。縦走路の稜線上は花崗岩が点在するハイマツ帯で、雄大な眺望を楽しみながら歩くことができます。

一方で、越百山の隣の南越百山より南の稜線は笹に覆われています。特に奥念丈岳から安平路山(あんぺいじやま)にかけては、登山道が笹薮に埋もれて不明瞭なことがあります。

ユニークな山名の由来は諸説ありますが、一説によれば「百の峰を越えてようやく辿り着く山」という意味が込められているようです。
南アルプスを一望する山頂部

越百山の山体は主に花崗岩です。山上は所々に花崗岩の大岩が転がっています。
山頂は砂礫の小さな広場で、三等三角点が設置されています。

360度の展望に恵まれており、中央アルプスの山々を隅々まで見渡すことができます。
連なり続く南アルプスの向こうに富士山を見ることができるほか、御嶽山や北アルプス、八ヶ岳も望むことができます。
越百山登山の要衝・越百小屋

越百小屋は、越百山山頂から西へのびる遠見尾根を下ったところに建っています。
木造作りの外壁に赤い屋根が印象的で、こじんまりとした佇まいとアットホームな雰囲気が魅力です。
越百山登山は道のりが長く、1泊以上かけたプランが望ましいため、多くの登山者がこの小屋に宿泊して臨んでいます。
王道ルートの「越百サーキット」

越百山登山で人気があるのが、「越百サーキット」と呼ばれる周回ルートです。

起点となる入山口は、伊奈川ダム付近にあります。

そこから遠見尾根を伝って越百山へ登頂した後は、仙涯嶺(せんがいれい)、南駒ヶ岳へと稜線を辿ります。
南駒ヶ岳からは北沢尾根を下り、伊奈川ダムへ戻ります。

かつては伊奈川ダムの上部に駐車場が設けられ、車でアクセスすることができました。しかし2018年の豪雨災害の影響で、現在は関係車両以外の通行が制限されています。車で入れるのは伊奈川ダムのおよそ1km手前のゲートまでで、そこから先は徒歩で向かうことになります。なお、ゲートの周辺には一般利用者向けの駐車スペースはありません。

ゲートを越えてしばらくは林道歩きです。今朝沢橋を過ぎ福栃平の福栃橋を渡ると、遠見尾根の取り付きに出合います。

ここからは本格的な登山道が始まります。この道は「越百山新道」と名付けられており、1979年に整備された比較的新しい登山道です。
時々、つづら折りも現れる急な登りが続きます。樹林帯で、林床は笹が茂っています。

途中には下の水場と上の水場があり、貴重な給水ポイントです。

越百小屋を過ぎるとしだいに展望が開け、目指す峰々を望む壮大な景色が広がります。

越百山に登頂した後は、中央アルプスの主稜線を北上します。

仙涯嶺は花崗岩が林立する荒々しいピークです。
山頂直下は足場の悪い岩場が続き、鎖場も設けられているため慎重な通過が必要です。

その後、南駒ヶ岳に至り、北沢尾根から下山します。
ロングコースの「越百サーキット・フルコース」

なお、伊奈川ダム付近から越百岳へ登り、南駒ヶ岳を越えて空木岳(うつぎだけ)まで大回りして戻るルートも「越百サーキット」と称されることがあります。
この場合は、先述の越百山から南駒ヶ岳までの周回ルートを「ショートコース」、空木岳まで足を延ばすルートを「フルコース」と区別することが多いです。

宿泊地は越百小屋、空木駒峰ヒュッテ、木曽殿山荘があり、行動ペースに合わせて選ぶことができます。

空木岳に登頂後は、木曽殿越から下山します。

空木岳六合目では北沢を横切りますが、かつて掛けられていた吊り橋は、2021年の豪雨で流出しています。
増水時は渡渉することができないため、事前に最新情報を確認したり、直近の降水量から水量を予測して行動する必要があります。
越百山の難易度(信州 山のグレーディング)
20. 周 空木岳→越百(今朝沢橋) 難易度D ★★★★☆(4)| 登山口 | 伊奈川ダム手前のゲート |
|---|---|
| 周辺の山小屋 |
越百小屋 摺鉢窪避難小屋 空木駒峰ヒュッテ 空木平避難小屋 木曽殿山荘 |
基本情報
| 標高 | 2613m |
|---|---|
| 場所 | 北緯35度40分45秒, 東経137度48分11秒 |
・中央アルプス(木曽山脈)の主稜線上の山。宇宙をイメージするような読み方。
・南駒ヶ岳から奥念丈岳、念丈岳にかけては、有志の団体によって定期的な笹刈りが実施されている。
・奥念丈岳〜安平路山の区間は、猛烈なヤブこぎで一部の人しか歩かない。
⚠️大桑村登山情報
https://www.vill.okuwa.lg.jp/kanko/miru-asobu/chuoalpstozan/chuuouarupusutozanntozannjouhounooshirase.html
🏡越百小屋
http://yamare.co/i1580
・南駒ヶ岳から奥念丈岳、念丈岳にかけては、有志の団体によって定期的な笹刈りが実施されている。
・奥念丈岳〜安平路山の区間は、猛烈なヤブこぎで一部の人しか歩かない。
⚠️大桑村登山情報
https://www.vill.okuwa.lg.jp/kanko/miru-asobu/chuoalpstozan/chuuouarupusutozanntozannjouhounooshirase.html
🏡越百小屋
http://yamare.co/i1580
| 山頂 | |
|---|---|
| 展望ポイント |
山の解説 - [出典:Wikipedia]
越百山(こすもやま)は、長野県上伊那郡飯島町と木曽郡大桑村にまたがる標高2,614 mの山。北には南駒ヶ岳、南は奥念丈岳へと続く木曽山脈(中央アルプス)南部の主稜線上にある。別名が越百岳(こすもだけ)。周辺の木曽山脈の山域は1951年(昭和26年)11月22日に長野県の中央アルプス県立自然公園(後の中央アルプス国定公園)に指定された。山頂の南にある南越百山(標高2,569 m)から北側が高山帯で、その南側が亜高山帯となる。山頂は見晴らしが良く、東に赤石山脈(南アルプス)とその稜線越しに富士山、周辺の中央アルプスの山々、西に白山、御嶽山、乗鞍岳、穂高岳などを望むことができる。日本三百名山および信州百名山のひとつに選定されている。


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