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Yamareco

最終更新:ベルクハイル
基本情報
標高 4808m
場所 北緯45度49分56秒, 東経06度51分54秒
カシミール3D
モンブラン(4808m;※)はフレンチアルプス、モンブラン山群(Mont Blanc Massif )のうちの一峰であり、このモンブラン山群の最高峰である。
更には、ヨーロッパアルプスの最高峰でもあり(※※)、「ヨーロッパの屋根」という異名も持つ。
フランスとイタリアとの国境稜線上に位置しており、南面はイタリア側に属する。

※ 本項でのモンブランの標高は、スイス政府のネット地形図の標高値を採用した。
※※ なお、広義の「ヨーロッパ」地域の最高峰は、コーカサス山脈のエルブルース山(Mt. Elbrus;5642m)である。

スイスアルプスのマッターホルン(Mattethorn)と並んで、ヨーロッパアルプスの山々の中では非常に有名で世界的にも良く知られている山であり、ヨーロッパアルプスを代表する山と言える。

モンブラン(Mont Blanc(仏))という名前のうち「モン」”Mont”は、フランス語で「山」を意味する。英語の”Mountain“ と同義語である。「ブラン」“Blanc”は、フランス語で「白(い)」を意味する。つまり日本語に訳すと「白き山」という意味である。
なおモンブランは、フランスとイタリアとの国境にあるが、イタリア側からの山の名前は、「モンテ ビアンコ」(Monte Bianco)である。同じく「白き山」という意味である。

地質学的には、モンブランを含むモンブラン山塊(Mont Blanc Massif)は、花崗岩(Granite)で形成されている。この花崗岩体は、ヨーロッパで「バリスカン造山運動(Variscan mountain-forming event / Variscan orogeny)」と呼ばれる、古生代後期の地殻変動によって形成された、とされている(文献2)。

地形学的には、モンブランを含むモンブラン山塊(Mont Blanc Massif)は(他のヨーロッパアルプスの山々と同じく)、第四紀後半に、繰り返し訪れた氷期(及び現世)において、成長した氷河によって削られて、現在の険しい山容を形成した(文献2)。

モンブランの山容は北側(フランス側)と南側(イタリア側)とで大きく違っている。普通、色々な写真で知られている、白い氷雪をまとった優美な姿は、北側(フランス側)からの姿であり、フランス側からの2つの登攀ルートも氷雪面を歩くルートである。
一方、その南側(イタリア側)は険しい岩壁状となっており、容易に登攀者を寄せ付けない。この岩壁は、フレネイ岩稜(群)”Piller Freney”と呼ばれている。


モンブランは、ヨーロッパアルプスの最高峰であるため、その標高に関しては、幾度も詳しく測量がなされ、時代とともに、公表されるその標高は微妙に異なっている。
その理由の一つは、モンブランの山頂部分は、岩でできた山の本体の上に、数十mの雪氷が積もっているためであり、その雪氷の堆積/融解の変動によって、測量結果が異なることが多い。

 近年での測定状況を(文献2)に基づき、以下、少し詳しく述べる。
20世紀後半の長い間、モンブランの公式の標高は、4807mとされてきた。
2002年にはGPSを始めて用いた測定により、4807.4mという値が得られている。2003年には4808.5mという値が得られたが、2002年の夏にヨーロッパを襲った熱波によって、山頂部の氷雪は溶けて、以前より約75cm、標高が低くなったと推定されている。
 それ以降、モンブラン山頂の標高を測定することで、山頂部の氷雪の融解度合いをモニタリングする(=地球温暖化の影響をモニタリングする)という目的で、モンブランの標高は約2年ごとに測定されている。
それ以降、モンブランの(見かけ上の)標高(測定値)は、4807m〜4810mの間で変動している。
なお、2005年の調査で、山頂部の氷雪部の下にある、本当の山体(岩盤)の標高が測定され、4792 m、という値が得られている。岩盤の最高地点は、現在の氷雪部の最高地点より約40m 西側に寄った場所である。
このことから見ると、本来のモンブランの山頂である岩盤の最高点の上には、20mほどの厚みで、氷雪が乗っかっていることになる(文献2)


モンブランの初登頂に関する物語は、良く知られている。
以下、(文献1)、(文献2)に基づいて、モンブラン初登頂にいたるまでの物語を記載する。
スイスの自然科学者、H. B. de Saussure(ド・ソシュール)は、1760年にシャモニーを訪れてモンブランを始めて見てから、モンブランに興味を抱き、自然調査と初登頂を望むようになった。
ド・ソシュール自身はその後、登頂にトライするものの登頂は果たせなかったが、その後彼は、「モンブランに初登頂したものには、200金タラ―の賞金を出す」と宣言し、他のものに初登頂の夢を託した。
その後、1786年8月に、Jacques Balmat(ジャック・バルマ/職業は山での水晶取り)と Michel Paccard(ミッシェル・パッカール/職業は医者)による2人パーティにより、モンブラン北東面のボソン氷河(Gla. Des Bossons)からのルートにより、初登頂を果たした。
 なお、その翌年には、ド・ソシュール自身も、彼らとともに登頂を果たしている。


モンブランの一般的な登攀ルートについて、(文献1)、(文献2)に基づいて説明する。
モンブランは普通、フランス側(シャモニ側)から登られるが、フランス側からの主要なルートは2つある。
一つは、グーテ山稜を通るルート(以下「グーテルート」と略)で、もう一つはエギーユ・デュ・ミディからスタートしてモンモディを経由して登る縦走ルート(以下「モンブラン縦走ルート」と略)である。
(他に、ボソン氷河を登る初登ルートもある)。

まず「グーテルート」について説明する。
「グーテルート」は、シャモニー側のレ・ズーシュ(Les Houses)という村からロープウエーと登山電車を使って、モンブランの北西側にあたる、ニー・デーグル(Nid d’Aigle;2372m)駅まで行き、ここからスタートする。
ここから緩やかな斜面を登り、テートルース小屋(Rif. Tete Rousees;3170m)に至る。ここからが本格的な登攀開始である。この少し先に、大クーロワール(Grand Couloir )と呼ばれる、大きな岩溝があるが、上部からの落石が絶え間なく落ちてくる危険な場所である。ここを越えると、岩稜の登りとなり、標高差 約700mの登りで、エギーユ・デ・グーテ(Aiugille du Gouter;3817m)の山頂付近に建つ、グーテ小屋(Cabine l’Aigiulle du Gouter)に至り、一泊する。
グーテ小屋からは緩やかな雪稜をたどって、ドーム・ド・グーテ(Dome du Gouter;4304m)を登り、更に、ボス山稜と呼ばれる、頂上手前の細い雪稜部分を慎重にたどってモンブラン山頂に着く。
なおグーテ小屋からモンブラン山頂までは、なだらかな雪の斜面が続くが、天候不良時、視界不良時にはルートロスしやすく非常に危険な場所となる。

本ルートは、ニー・デーグルからグーテ小屋まで、登りで約5−6時間、標高差は約1500m。グーテ小屋からモンブラン山頂まで、登りで約4−5時間、標高差は約1000m。
ルートの難易度は、フレンチグレードで、F(6段階のうち最も易しい)。
岩稜の登りのピッチグレードは、最大で供


続いて、「モンブラン縦走ルート」について説明する。
このルートの出発点は、シャモニーの街からロープウエーで到達できる、エギーユ・デュ・ミディ(Aiguille de Midi 3848m)の駅で、ここからスタートする。
ここからいったん300m下って、メールドグラス氷河(Mer de Glace)の上部に降り立つ。この辺りは、コル・デュ・ミディ(Col de Midi;約3530m)と呼ばれている。この近くには山小屋(コスミック小屋;Ref. Cosmiques)があり、そこに一泊する。
コスミック小屋からは、メールドグラス氷河上部(クレヴァス多い)を横断して、直接、モンモディの北東側から氷雪の斜面(クレヴァスあり、雪崩に注意)に取りついて斜上していけば、モンモディ(Mont Maudit;4465m)の山頂に至る。そこからいったんコルに下り、モンブラン山頂へのやや急な氷雪の斜面を登り、山頂に至る。

(なお(文献1)では、この「モンブラン縦走ルート」の難易度などの記載なし)


※ 本稿は、(文献1)「アルプス4000m峰登山ガイド」リヒャルト・ゲーゲテ著、島田 訳、山と渓谷社 刊 (1997)、及び ウイキペディア英語版の、" Mont Blanc " (文献2)の項を参照して記載した。

※ ウイキペディア英語版の、モンブラン(Mont Blanc )の項

https://en.wikipedia.org/wiki/Mont_Blanc
山頂

山の解説 - [出典:Wikipedia]

モンブラン(仏: Mont Blanc 伊: Monte Bianco)は、フランスとイタリアの国境に位置する、ヨーロッパアルプスの最高峰。標高4807.81 m。ヨーロッパでは、アジアに近いコーカサス山脈のロシア領に属する複数の山(エルブルス山など)に次ぎ高い山であり、西ヨーロッパでは最高峰である。

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