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ダンブランシュ(Dent Branche) / Dent d' Herens

最終更新:ベルクハイル
基本情報
標高 4357m
場所 北緯46度02分03秒, 東経07度36分43秒
カシミール3D
スイス中南部、ヴァリス(Wallis/Valais)山群のうち、マッタータール(Mattertal)の谷の西側に並ぶ大きな山列のうちの一峰で、オーバーガーベルホルン(Obergaberhorn)の西側 約4kmに位置する。また地理的にはエラン(エランス)の谷(Val d' Helens)の最奥部にそびえる一峰とも言える。
ヴァリス山群の、他の4000m級の高峰に囲まれた奥まった位置にあり、後述のとおり、初登攀は周辺の4000m級の高峰より少し遅かった。

一般的には「ダンブランシュ」(Dent Branche)と呼ばれるが、元々は「ダンエレン(ス)」(Dent d' Herens)と呼ばれていたらしく、今でも「ダンエレン(ス)」と呼ばれることがある(英語版ウイキペディアより)。

ちなみにダン(Dent)はフランス語で「歯」の意味を持つ(英語のデンタル
"dental"と類似語)。ヨーロッパアルプスのフランス語圏では、険しい岩峰を表現する言葉としてしばしば使用される(ドイツ語圏での"Horn"と似た使い方)。
またブランシュ(Branche)は、フランス語で「枝」の意味を持つ(英語のブランチ "branch" と類似語)

山容は、中腹まで氷河に覆われたミラミダルな巨大な岩峰であり、山頂から四方に険しい岩稜を伸ばしている。文献1では、「王者の威厳をたたえたアルプスの峰」と評している。

登攀ルートは、エラン(エランス)の谷側から拓かれている。
エランの谷の奥、レ・ゾーデル(Les Hauderes;1450m)という小集落までバスで行き、そこから歩き始め、途中から氷河上のモレーンや雪原などを越えて、ダンブランシュ南稜直下に位置するダンブランシュ小屋(ルシエール小屋とも呼ぶ、Cabane de la Dent Branche/Cabane de la Roussier;3500m;)に至り、一泊する。
小屋からは、すぐ東側の主稜線(南稜)へ這い上がり、その後は急峻な南稜沿いにいくつかの岩峰を越えて頂上に至る。

レ・ゾーデルからダンブランシュ小屋まで、登りで約5〜7時間(標高差 約1700m)、ダンブランシュ小屋から頂上までは登山者の力量や状態によるが、順調な場合、登りで約4〜6時間(標高差 約850m)。
登攀ルートのルートグレードは、フレンチグレードで、AD(+)。
岩場のピッチグレードは、部分的には靴魎泙燹

地質学的には、ヴァリス山群の他の高峰と同様、山体(および登攀ルートの南稜)は片麻岩でできている。

ダンブランシュの初登頂は、1862年7月に、 T. S. Kennedy、 W. Wigram 及び2人のガイドを含む4人パーティーによって、現在の一般ルートとなっている南稜経由でなされた。


※ 本稿は、(文献1)「アルプス4000m峰登山ガイド」リヒャルト・ゲーゲテ著、島田 訳、山と渓谷社 刊 (1997)、及び ウイキペディア英語版の、"Dent Branche" の項を参照して記載した。


※ ウイキペディア英語版の、ダンブランシュ(Dent Blanche)の項

https://en.wikipedia.org/wiki/Dent_Blanche
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