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最終更新:ヤマレコ/YamaReco
登山コースが多彩な宮崎県最高峰
祖母山は大分県と宮崎県、熊本県にまたがる標高1756mの山です。山域は3県に属していますが、山頂は大分県と宮崎県の県境にあり宮崎県最高峰を担います。
九州地方を代表する山のひとつで、日本百名山のほか、花の百名山にも選ばれています。
成り立ちは古い火山体ですが、今は手つかずの自然をまとい豊かな生態系を誇ります。また山上部の岩峰は急峻で見応えがあり、深く刻まれた谷は神原渓谷や川上渓谷など、麓に名勝を築きます。
"祖母"が祀られる霊山
祖母山は古くから信仰の対象で、数々の神話も伝えられます。
裾野に神社が点在するほか、山頂には健男霜凝日子(たけおしもごおりひこ)神社の上社と祖母嶽神社上宮が鎮座し、複数の神が祀られています。御祭神の一柱である豊玉姫命(とよたまひめ)は、日本の初代天皇である神武天皇(じんむてんのう:紀元前660-585年)の祖母であり、これを山名の由来とする説があります。また、祖母にちなんだ「姥岳」という別称も持ちます。
かつては名うての鉱物採掘場
過去に祖母山東麓は、銅や錫、銀などの産出地でした。
江戸時代に開鉱し、日本有数の鉱山として名を馳せましたが昭和中期に閉山しました。その一つである「尾平(おびら)鉱山」は周辺の地名として定着し、岩石廃棄物の堆積地や選鉱場の遺構などがあります。
アケボノツツジに癒される
手つかずの自然が多い祖母山では、植物の観察も魅力のひとつです。
山頂部はアケボノツツジの名所です。5月にはピンク色の花が可憐に咲き、冬は霧氷をまとって白く輝きます。
山名にちなんだ草花の、ウバタケニンジンやウバタケギボウシは、祖母山のみに自生する固有種です。
またニホンカモシカの生息地としても知られています。
ウォルター・ウェストンゆかりの山
祖母山はかつて、「日本の近代登山の父」と称されるウォルター・ウェストン(1861-1940年)が登った山です。彼は著書に登山録を綴り、眺望に優れる山として世界に紹介しました。
その功績がたたえられ、五ヶ所高原の三秀台にはウェストンのレリーフを嵌め込んだ大きな鐘が建てられています。毎年11月3日には「宮崎ウェストン祭」が催されています。
阿蘇山や九重山を望む山頂
ウォルター・ウェストンが登った頃、祖母山は九州で最も高い山だと見做されており、彼もそう信じていたようです。実の九州本土最高峰は九重山に譲りますが、山頂の眺望の良さは引けを取りません。
稜線続きに近接する傾山をありありと望み、また九重の山々や阿蘇山など、九州山地の名峰がよく展望できます。
ポピュラーな北谷登山口
祖母山は登山道が張り巡らされており、ルートの選択肢が多い山です。
代表的な登山口は北谷登山口、神原(こうばる)登山口、尾平登山口です。
北谷登山口からは「千間平コース」と「風穴コース」に分かれています。
千間平コースは県境をたどる尾根道で、九州自然歩道に指定されています。3県の県境が交わる三県境には、それを伝える看板が立ち境界杭が打たれています。
道は樹木に覆われていますが、山頂手前の国観(くにみ)峠は広い平坦地で開けています。お地蔵様が据えられており、その背後には祖母山山頂部の堂々とした姿を望みます。
風穴コースは名の通り、巨岩の間から涼風が吹く天然のクーラーを通ります。
瀑布を望む「神原コース」
神原登山口からの道は「神原コース」と呼ばれています。
神原渓谷の上流にあり、登山口付近では一合目の滝(別名・暁嵐の滝)を見ることができます。また五合目まで道は二手に分かれており、川の右岸に沿って進めば寝覚の滝と御社(おやしろ)の滝を鑑賞することができます。
五合目には五合目小屋が建っており、国観峠まで登れば千間平コースと合流します。
鉱山跡地からの2コース
尾平登山口は鉱山で名を馳せた尾平地区から登ります。こちら側から望む祖母山は荒々しく、いかにも岩山といった風貌です。
「宮原コース」と「黒金山尾根コース」の2つの道が選択でき、どちらも標高を示す札が100mごとに立っています。
宮原コースは標高1400mの地点に宮原と呼ばれる分岐と小広場があります。ここから山頂へは馬の背なる痩せた尾根が伸びており、見晴らしを楽しむことができます。
山頂手前には、祖母山九合目小屋があります。
黒金山尾根コースは健脚向けです。序盤の川上渓谷は、増水時は状況に応じて渡渉する必要があります。また上部は特に傾斜がきつく、梯子がいくつか掛けられています。その険しさから天狗の棲み処を表現したのか天狗岩屋、天狗岩、天狗の水場などのスポットがあります。
登山口 |
北谷登山口 一の鳥居 神原(こうばる)登山口 尾平登山口 上畑登山口 神原(こうら)登山口 親父岳登山口 とろく橋 |
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周辺の山小屋 |
祖母山九合目小屋 祖母山五合目小屋 |
基本情報
標高 | 1756m |
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場所 | 北緯32度49分41秒, 東経131度20分49秒 |
山頂 | |
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分岐 | |
展望ポイント |
山の解説 - [出典:Wikipedia]
祖母山(そぼさん)は、大分県と宮崎県の県境にある標高1,756mの山。九州山地の中核をなし祖母傾山系に属するで日本百名山に選定されている。祖母連山の主峰で、山頂部は大分県豊後大野市、竹田市および宮崎県西臼杵郡高千穂町の境にあり、山腹は熊本県、大分県及び宮崎県の3県にまたがる。祖母山自体の成因は隆起であるが、その元となる山地が火山活動によって形成されたため巨大な花崗岩が随所に見られ、低山部では渓谷、中高山部では断崖が多い地形である。
登山ルートは整備されたコースから、断崖を登りながら進むコースまであり、四季を通じて登山客が訪れる。頂上付近はどのコースを辿っても急な岩登りコースがあらわれる。
1965年(昭和40年)に10,240haが祖母傾国定公園の指定を受けた。
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