霧訪山
- GPS
- --:--
- 距離
- 21.4km
- 登り
- 948m
- 下り
- 990m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
帰り:JR岡谷駅 |
感想
霧訪山という山がどこにあって、なんと読むのか知っている人は少ないかもしれない。
霧訪山は、長野県塩尻市小野にある1305mの低山で「きりとうやま」と読む。
高山がひしめく長野県で埋もれてしまっているこの山は、私には少しばかりなじみのある山だ。
20年以上前、私はこの小野という集落に住んでいたことがある。小学5年から中学2年までの4年ほどの短い期間ではあったが、ここも私の故郷の一つとして思い出深い場所になっている。
この小野に住む人たちにとっては、山と言えば「霧訪山」であり、学校の校歌にも出てくるし、文化祭の名前も霧訪祭だった。
地元の子供であれば、必ず登っているはずの霧訪山も、転校生の私には登る機会がなかった。
3年ほど前に山に登り始めてから、時々思い出し、気になっていた霧訪山に登ることにした。
朝8時35分、小野駅に降り立った。前日は、岡谷の宿に宿泊したので、朝もゆっくりできた。
心地よい春の日差しの中、懐かしい道を弥彦神社に向かって進む。25年近く経っているにもかかわらず、あまり町並みは変わっていない。
弥彦神社に着くと、今年は、御柱祭(諏訪の有名な御柱祭の小型版のような祭)の年のようで、その準備が行われていた。
弥彦神社から、かつての通学路を通り、懐かしの両小野中学校に着いた。校舎は私が通っていた頃のままだ。校門は、誰でもご自由にどうぞ、という感じで開かれていて、平和な田舎を感じさせる。
ただ、小野も過疎化、少子化が進んでいるらしい。私が住んでいた頃は、1学年で80〜100人くらいの子供がいたのだが、今や1学年20〜30人にまで減ってしまったとのことで、寂しい限りだ。
中学校を通り抜けると、辺り一面の畑になる。畑の間を500mほど進んで左に折れたところが登山口だ。「霧訪山登山口」と書かれた立派なゲートがあり、登山届けを出すポストまである。
いきなりの急登だが、階段が整備されていて、とても歩きやすい。松茸がとれるらしく、登山道以外に入るべからず、という注意書きが頻繁に出てくる。
しばらく急登を続けると、開けたところに出た。かっとり城跡という標識がある。
更に登ると、数人の登山者が登っているのが見えた。この山に登る人がいると思っていなかったので驚いたが、登山口の駐車場に止めてあった数台の車は、皆、登山者のものだったらしく、その後も、何人かの登山者に出会った。
霧訪山山頂までは樹林帯が続き、眺めはほとんどないが、山頂に着くと、それは一変する。360度の展望が開けている。
この日は、ガスがかかって遠くの山は霞んでいたものの、槍ヶ岳、穂高岳、木曽駒ヶ岳、八ヶ岳といった山々が確認できた。冬のよく晴れた日なら、甲斐駒や南アルプスも見えるらしい。
これだけ眺めの良い山も珍しい。小野の人たちに愛されるのもよく分かる。
山頂でしばらく眺めを楽しんでいると、後続の人たちが登ってくる気配がしたので、下山することにする。
下山を、同じルートではつまらないと思い、大芝山方面に少し進んだところからの下山コースをとることにした。しかし、途中、道を間違って、大芝山への縦走路を進んでしまった。すぐにおかしいと気がついたが、このまま戻るのも悔しいので、大芝山まで行くことにする。
大芝山は、何にもない山だった。なだらかな登山道の途中に山頂の標識があり、山頂に着いた感じが全くない。樹林帯の中で展望もない。
大芝山の先の道は、少し薮っぽい。そこから引き返し、さきほど見逃した下山ルートを探す。
今度は、見つけることができた。大芝山へ向かう進行方向からは、死角となる巻き道のため、見落としやすい。この道は、登山道ではなく、送電線の巡視路のようだ。「No.22→」と書かれた小さなプレートのみで、道標はない。
いきなり道が悪くなり、崩れかけた巻き道を進む。しばらく進むと尾根に乗り、そこから数分で、No.22の送電鉄塔に辿り着いた。
そこからは、再び道が良くなり、林道まで下りることができた。後は、その道を下りるだけだ。
古町地区に下りてから、再び、中学校、小学校に続く懐かしの道を歩いた。
私のかつての同級生の多くは、この小野に残って暮らしているらしい。
私は横浜に住み、東京で働いているが、毎日が慌ただしく、人だらけで正直疲れることばかりだ。
こんな静かな田舎で暮らしている級友の方が、ずっと賢いように思える。
小野駅に向かいながら、この後どうしようかと考えたが、電車のつながりも悪いことだし、天気もよいので、小野峠を越えて、岡谷に抜けることにする。
小野峠に向かう途中に、シダレクリキャンプ場がある。ここも、子供の頃に泊まったことがあるので懐かしい。枝垂栗と呼ばれる、折れ曲がった枝の栗の木が沢山自生している光景は、二十数年ぶりに見ても、なかなか壮観だ。
小野峠では、諏訪湖が眼下に広がり、その先に八ヶ岳連峰が眺められる。
そこから勝弦峠に進んで、子供の頃に遊んだヤマビコ公園を通り、岡谷まで下った。
帰りは、上諏訪駅の足湯で足の疲れを癒してから、普通電車で5時間かけて横浜に戻った。
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