【茅ヶ岳夏の陣(東茅作戦)】太刀岡山〜黒富士〜曲岳〜金ヶ岳〜茅ヶ岳【丙53.6】


- GPS
- 09:10
- 距離
- 22.8km
- 登り
- 2,236m
- 下り
- 2,244m
コースタイム
- 山行
- 8:00
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 9:10
天候 | 遠方若干霞むも終日晴れ 富士山も夕方まで見える。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
いずれのピークも火山特有の突起状。当然直下は急登だ。 太刀岡山:初っ端から急登。ロッククライマー等による踏み跡が錯綜。現実の道よりも地図上のルート通りに歩こうとした結果、途中から正規ルート外を歩く。 黒富士:黒富士は盲腸ルート。そこへ行く分岐までの急登の連続がかなりきつい。下りに使うには傾斜が急すぎる。 曲岳:直前急登だが、そんなに長くは続かない。 金ヶ岳:観音峠に下ってからの登り返しに加え、徐々に角度を増す傾斜、岩場の登攀もあり、かなり注意を要する。しかも、なかなかピークにたどり着かない。 茅ヶ岳:金ヶ岳から大きく下った後の急な登り返し。茅ヶ岳〜金ヶ岳だけなら問題ないだろうが、最後に持ってくるとヘロヘロになる。 |
写真
感想
(関連)茅ヶ岳冬の陣・西茅作戦
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1027282.html
【契機・計画】
昨年、寒風吹き荒ぶ中、茅ヶ岳に登頂。下山後温泉に入ることを主眼においていたので軽めの西回りに留め、冬を越したら東回り山行を行うつもりでいたが、季節的にちょうど良い頃合となったので決行する。当日の予想最高気温は32℃。
これから暑くなるので、一定の標高の稜線を一定時間歩き続けられるかどうかの試金石となる重要な縦走山行である。と言いつつも、エスケープについては全く考えず。ただただ完遂、完踏あるのみ。
【山行概要】
(太刀岡山)
入山して早々急な上り。道ははっきりしっかりしていたが、GARMIN搭載地図上では道が鋏岩の下を巻いてから尾根を登るようになっていたので、そちらに進んでみる。地図上の道と実際の道が異なることは往々にしてあるので、それだけで道を外れることは無いのだが、踏み跡のような、道らしきものが延びていたことが推進力となる。
太刀岡山はロッククライミングに来る人が多いらしく、クライマーが登攀ポイントを探すのか、踏み跡が錯綜している。私はそれを断続的に辿っていったということになる。おかげで鋏岩を真下から見上げたり、その他諸々の岩の造詣を楽しめたことは、それはそれで良かった。
岩場の端まで来て山頂方向に尾根が延び、なおも踏み跡らしきものが認められたので、その尾根を詰めて上ることにする。まだ時間も早いし、いつでも引き返せるという思いがあった。しかし、踏み跡はあくまでも踏み跡のようなもの。人がつけたのか獣がつけたのかもわからない。進む方向は木の枝や岩場で微調整が必要であり、「いつでも引き返せると思っていたら、いつの間にか引き返せないような所まで来てしまっていた」ということにもなりかねない。これは、単に下るのが困難なほどの危険箇所に迷いこむという意味だけでなく、道なき道を右に左に進むうちに、どこを登って来たのかわからなくなるという意味も含む。
そのため、正規の稜線、尾根に合流できると確信できるまでは、上っては来し方の確認を繰り返し行う(確信が持てないような所を歩くなという話ではあるが)。
結果、何とか幸運にして、無事、太刀岡山の山頂の先に出ることができた。
今回含め、今年の山行は強引に道無き道を突破する例が相次いでいる。結果として無事帰還しているものの、あまり良くない傾向だ。今まではたまたま大丈夫だったが、本来であれば進退窮まって生死に関わることになってもおかしくない。変な気を起こすことなく自重して、正規の道を歩くよう意識的に努める必要がある。
(黒富士)
太刀岡山で稜線に乗り、少しは楽ができるかと思ったが、道はどんどん高度を下げていき、越道峠から鬼頬山まで約1.4kmで350m(平均傾斜25度)の急登。これは平均なので所により、これに倍するかと思えるほどの超急登となる。太刀岡山までに冷や汗も含めて結構汗をかいたので、省エネモード希望だったが、山はそれを許さず、江戸時代の建物の階段のような斜面をガシガシ登る。黒富士で昼食を摂ることだけを考えながら。
(金ヶ岳)
黒富士で栄養補給をしたこともあり、升形山、曲岳は落ち着いて通過。ちょっとした岩場も楽しい。ただ、気温が上がってきている中、観音峠へ大きく下ってからの上り返しを歩ききれるか、一抹の不安があった。しかし、稜線には涼しい風がそよ吹いていてオーバーヒートを抑えてくれる。
そして約2kmで350mの登りに突入。越道峠〜鬼頬山間ほどではないが、後半に持ってくるのは結構辛い。山頂部が見えているうちはまだまだ遠いと肝に銘じ、あとどのくらいなどと考えず、ひたすら歩く。
そして、ようやく上りきったわけだが、金ヶ岳へはさらに一旦下って登り返さないといけないと思い出した時には若干気分が萎えた。山頂まではたかだか数分だったが、メンタルへのダメージがややあり。そして到達した金ヶ岳山頂には日陰がそれほど無かった。長居をすることなく茅ヶ岳へ向かう。
(茅ヶ岳)
石門の陰で休み、茅ヶ岳へ。金ヶ岳〜茅ヶ岳間も大きく下ってから上り返すのだが、これが最後だという思いがあったからか、さほど辛く感じないまま登頂できた。何事も気の持ちようということだろう。ほぼ360度の展望を見納めて、暫し戦士の休息を楽しむ。
【総括】
今回の山行のハイライトは、まさしく太刀岡山ということになるが、もう一つ気になっていることがある。今回の山行記録はコースタイムに対し概ね0.5〜0.6の速さで踏破したことになっているが、道中、私は「ペースが遅いなあ」と思いながら歩いていた。
最近は特にコースタイムに対して速過ぎるほどのペースで歩く山行が多くなっているが、過去の経験からすると、あまり度が過ぎると標高が1000mでも2000mでもすぐに登頂できるような気になってくる。これはあまり良くない。要するに、自分は足が速いからすぐに到達できるはずと思いがちになるが、実際はなかなか着かないので焦りと精神的な疲労を来たし、それは身体の疲労にも影響を与えることになる。
これからの季節、酷暑白昼の標高2000、3000の稜線の長丁場を乗り切るに当たっては、しっかりと自省し、驕らず高ぶらず、一歩一歩を着実に、目的地、さらには無事下山を目指して謙虚な気持ちで歩くことが大事である。サクッと行けるだろうという気持ちで臨んでは途中で気持ちが中折れし、山行の成功は望めないだろう。
調子に乗っている時ほど謙虚になることが何事においても肝要である。
〜おしまい〜
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する