信州松代に英ちゃんの風が吹いた ★横川駅(坂本宿)から碓氷を越えて再度輪行( ・∀・)
- GPS
- 24:00
- 距離
- 66.2km
- 登り
- 795m
- 下り
- 815m
コースタイム
最初は伊豆サイと考えていたが雨が残る予報だったので、富岡ポタリングに変更。
そして当日朝、”これでいいのか??”と未完走物件のチャレンジに決定した。
コースは横川ー軽井沢の碓氷実走と、軽井沢ー坂城を飛び道具で交わし松代までを走る、弾丸サイクリングである(w
中山道の核心部・碓氷を越え富岡入り、一等工女として製糸を極め、松代の新製糸場に帰郷・指導にあたった”英ちゃんの道”である。
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JR信越本線・横川まで輪行
横川駅から自転車(碓氷へ)
9:00横川駅(坂本宿・国18号)ー9:50めがね橋と新碓氷川橋梁すりすりー10:30碓氷峠ー10:40軽井沢駅
軽井沢から飛び道具‼(再度輪行)
11:08発(30分待ち)しなの鉄道・軽井沢駅ー12:07坂城駅
坂城駅から再度自転車(英ちゃんの松代へ行き折り返す)
12:20坂城駅ー13:30松代ー13:50屋代高校前駅
屋代高校前駅から飛び道具‼(再再度輪行)
14:01発(5分待ち)しなの鉄道・屋代高校前駅ー15:17中軽井沢駅
中軽井沢坂から再再再度自転車(碓氷から横川へ)
15:25中軽井沢駅ー15:40碓氷峠ー16:08横川駅
16:30信越本線・横河駅に着き輪行帰宅
天候 | 関東は雨が残るようなので晴れ地域へ |
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過去天気図(気象庁) | 2018年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
帰り:JR東信越本線・横川駅から輪行 自転車使用。途中飛び道具(しなの鉄道)使用 |
コース状況/ 危険箇所等 |
碓氷峠を越えている道は幾つかあるのですが →いわゆる新道の碓氷バイパスに迷い込まないように クルマが多く道幅が狭いので、接触される危険がある(らしい)※情報交換による →(今回は通ってない)アプトの道は遊歩道なので自転車の乗車はできません。押しならOK 徒歩のハイカーに衝突する恐れがあるため |
写真
装備
個人装備 |
ロードレーサー+LOOK靴
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感想
富岡日記・横田英著より
■一同帰り用意
一行は待ちに待ったる製糸場が国元へ立ちまして、喜び勇んで種々用意を致します。中には何分なれぬ少女が国元に居ります時は金銭は皆親の手より外自分に使用致しましたことない中に、 月給の一円七十五銭もとれば、何を買ってもあるように思いまして、銘々呉服屋から帯だの帯揚だのと買いまして、また小間物屋などから色々需もとめました。皆賄方(まかないかた)の家内が店を出して売りますから、月々払いでありました。俄かに帰国のことになりましたから、中には十円から払わねばならぬ人もありました。五円または六円と大かたはあります。それを払わねば帰ることが出来ま せぬ。 皆帰る中に残る人があっては気の毒だから是非是非貸して上げて下さいと申しまして、ようよう皆形が付きました。それで皆大喜びで一同退場致しまして、この度は青木屋と申す宿に一泊致し ました。
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10代で高給取りとなった少女心理につけ込んだ。ブランドもののローン買わせ(w
今でも病院職員なんかの看護女子中心のコミュニティーでは、高額の装飾品セールスが盛んだったりする。明治のローンは引っ越しには対応していなかったようだ(w
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富岡日記・横田英著より
■白桃の枝と暇乞い
一同退場致します時に、銘々これまで心安く致しました人々の部屋へ暇乞いに参りました。皆 別れを惜しみまして、互に涙でろくろく言葉も出ぬほどでありましたが、残る人々は別して故郷 へ帰ります私共を見まして実に羨ましく思って居られました。わけて静岡県の今井おけいさんは、 私が帰ると申しました時から涙ばかりこぼして居られましたが、いよいよ退場の時、出口の所へ 後から駆出しておいでになりまして、桃の小枝を持っておいでになりまして、私の髪へ挿さして下さいまして、「これは白桃の枝だから、これを挿して居れば暑気に当らぬ呪禁まじないだから、道中挿し て行って下さい」と涙ながらに申されまして、後をも見ずにお顔にお袖を当てて御自分のお部屋 の方へ駆けて行かれました。私もその時の悲しさは今でも忘れません。そのやさしき親切なる御心立てを折々思い出して懐かしく思います。春ごとに白桃の花を見ますと、何となくその人にお 目に懸かるよう思われまして、白桃を愛して居ます。
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・・これは萌える(w
明治7年(1874年)のことである。
なお”今井おけいさん”伊豆松崎から入場した六人娘(静岡)には含まれていないので、伊豆以外の静岡出身工女さんなのだろう
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富岡日記・横田英著より
■富岡町出発並びに高崎見物より道中
しかし高崎に着致しました頃は晴れまして、同地の知人(富岡に出て居た工女にて帰宅した人々) も幾人か宿屋へ尋ねくれまして、同地にて糸を繰り居る所も見に参りましたが、皆七輪で炭火でありました。兵営なども見物致しまして、その日は同地に一泊致しまして、その翌目は坂本に泊り、翌日たしか碓氷峠を越しましたが、段々旅費が不足になったと申すことで、皆草鮭わらじをはきまして越しました。能く覚えませんが軽井沢に泊ったようにも思います。
その翌日は終生忘れぬ宿泊であります。宿は信州田中宿の家号は忘れましたが見るもいぶせき 宿屋に泊りました。家は煤すすけてかたがり、何とも譬えようのない一室に皆居りますと、隣室には 御嶽行者らしい若者が大勢居りましたが、宿の人に頼まれてお給仕に代る代る出て参りました。 これも上等の宿に泊れば宿泊料がかかるから致し方ないとのことでありました。
その宿に泊りました時は、もはや宿料に不足を生じましたとのことで、一行の内何ほどでも持って居る人は貸してくれと申されまして、銘々持合せを出してやりました。私なども一銭も残さず出しました。そのようにして翌日は上田で昼食の時は、裏通りのちょっとした茶屋に入りまして、外に一同休んで居りまして、迎いに参られた人が途中まで金子持参の人の迎いに出ましたら、ようよう道で行逢いましたとのことで、それで払いをして、その日は板城宿に一泊致しまして、翌早朝矢代本陣柿崎へ着致しました。
認したためめましてはそのようにもありませんが、道中旅費不足のため、宇敷、海沼氏は申すまでもなく、一同の心配はとても筆に尽くされませぬ。只今なら電信為替で直に間に合いますが、 実に開けぬ時代のことは、只今の方は御存じありません。
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少し長い引用でありますが、ここには重要なキーワードが含まれている
・高崎に宿泊した際、地元(高崎)に帰郷した元富岡工女の高崎製糸場を視察した。富岡より設備は劣っていた
・金欠なので宿屋で賄いをして宿泊料金を節約(w
・道中・故郷の使いと合流したのでお金に余裕ができ、坂根宿では賄いをしなくて済んだ(w
英ちゃんたちの帰郷一行は実にワイルドだったようだ(爆)
おいらは、軽井沢から”しなの鉄道”に乗り上田を通過、以前リタイヤ近くの坂城駅で降りたったのである
坂城よ わたしは帰ってきた!!
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富岡日記・横田英著より
■行列順
一行一同柿崎の玄関より広庭に出、門前に早朝から待たせて置きました人力車に乗りました。 一行十四人に付添人三名都合十七名車に乗りました。その頃至って人力車が少くありましたので、坂城矢代松代とこの三ヵ所の人力を早朝から午後二時過ぎまで止めて置きましたのであります。
致し方なく第一番に私、第二番に和田初子、 第三番に小林高子、第四番に酒井民子、それより段々に列を正しく挽出しましたが、何が田舎のことではあり、十七台も車が続くようなことはこれまでないこととて、家に居る人は駆出す、道を行く人は止る、畑に居る者は鍬を棄てて駆付け見て居ると申す有様、十四名揃いの衣服で同じ年頃の者が揃って居ます、風俗もよほど違って居りましたから、皆珍しがって見物致すのでありましょう。
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千曲川沿いの中山道、いよいよ松代中心街に飛び込んでいく
英ちゃんたち一行が”最後のカネ”をここ松代で使う。人力車の行列は帰郷のクライマックス。松代に飛び込んで行く
帰りの”しなの鉄道”BOXシートで前に座っていた女性が、”横軽”廃線区間をバスで越えたらしく、横川発の信越本線に座っていた。
以外な再会に相手もびっくりしていた。おいらは自転車、彼女はJRバスでの廃線区間連絡であった。
当時の文化や産業等の様々な道に触れることができ感謝である。
英ちゃんありがとう( ・∀・)
逆さまに妙義聳ゆる青田かな ほの香
ふくらみて玉蜀黍の花群れぬ ほの香
緑陰や山に分け入る行幸路 ほの香
新繭や一つ一つの頼もしき ほの香
鮎なれば千曲荒瀬の受け交わし ほの香
街道に汽笛響くや夏の雲 ほの香
ペダル止め降る碓氷の風涼し ほの香
玉繭の明治の記憶人は旅 ほの香
英ちゃんへ
叡智は天英知は努力ほととぎす ほの香
育英の富岡の灯や夕涼み ほの香
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