とうとう来た。稲荷信仰の聖地、「お山」こと伏見稲荷大社。当然、神体山である稲荷山への入り口は大社の奥にある。では行きましょう。
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とうとう来た。稲荷信仰の聖地、「お山」こと伏見稲荷大社。当然、神体山である稲荷山への入り口は大社の奥にある。では行きましょう。
まだ午前中だというのに今日もすごい日差しだ。本当に日向にはいられないくらいの陽気だ。この日の京都では熱中症で搬送された人が300人以上もいたそうだ。
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まだ午前中だというのに今日もすごい日差しだ。本当に日向にはいられないくらいの陽気だ。この日の京都では熱中症で搬送された人が300人以上もいたそうだ。
本殿で参拝した後、左手奥の鳥居から奥社奉拝所へ向かう。美しい境内だ。
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本殿で参拝した後、左手奥の鳥居から奥社奉拝所へ向かう。美しい境内だ。
白狐社・奥宮を経て有名な千本鳥居をくぐって進む。このあたりは自撮りカメラマン達の熾烈な戦場。
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白狐社・奥宮を経て有名な千本鳥居をくぐって進む。このあたりは自撮りカメラマン達の熾烈な戦場。
10分くらいで奥社奉拝所。ここはその名の通り一の峯上社への遥拝所となっている。左手の鳥居からはいよいよ本格的な「お山」の開始だ。
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10分くらいで奥社奉拝所。ここはその名の通り一の峯上社への遥拝所となっている。左手の鳥居からはいよいよ本格的な「お山」の開始だ。
このあたりから立ち並ぶ「お塚」が見え始める。お塚信仰というのは稲荷信仰の特徴的な習俗で、信者がそれぞれ独自の神名を持った守護神のお塚を稲荷山の山中に建てるのである。
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このあたりから立ち並ぶ「お塚」が見え始める。お塚信仰というのは稲荷信仰の特徴的な習俗で、信者がそれぞれ独自の神名を持った守護神のお塚を稲荷山の山中に建てるのである。
この神名はオダイ(稲荷巫女)によって告げられることもあるという。人々の願いがそれぞれに異なるように、これらの神々は全て信者個人個人に対応した稲荷大神の分霊と解釈される。
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この神名はオダイ(稲荷巫女)によって告げられることもあるという。人々の願いがそれぞれに異なるように、これらの神々は全て信者個人個人に対応した稲荷大神の分霊と解釈される。
静けさ漂う、谺(こだま)ヶ池。人探しをしている時、ここで柏手を打つとその相手のいる方角から谺が帰ってくるという。近代以前、別れ別れになった家族や友人と再会するのは非常に困難だっただろうな。神頼みでもするしかない。
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静けさ漂う、谺(こだま)ヶ池。人探しをしている時、ここで柏手を打つとその相手のいる方角から谺が帰ってくるという。近代以前、別れ別れになった家族や友人と再会するのは非常に困難だっただろうな。神頼みでもするしかない。
灯明が絶えることはないという熊鷹社。ちょうど祝詞を上げている修行者がいた。
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灯明が絶えることはないという熊鷹社。ちょうど祝詞を上げている修行者がいた。
三つ辻を右折し、四つ辻を目指す。なんと千本鳥居は奥宮からこのあたりまでずっと続いている。一説によると山中には約3000基ほどが立っているという。足元は息が切れることもないなだらかな階段。
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三つ辻を右折し、四つ辻を目指す。なんと千本鳥居は奥宮からこのあたりまでずっと続いている。一説によると山中には約3000基ほどが立っているという。足元は息が切れることもないなだらかな階段。
稲荷信仰の隆盛を見た江戸時代の頃から「鳥居を通る=願いが通る」という掛け言葉から信者が鳥居を奉納する習俗が盛んになった。一番大きいのは130万円。
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稲荷信仰の隆盛を見た江戸時代の頃から「鳥居を通る=願いが通る」という掛け言葉から信者が鳥居を奉納する習俗が盛んになった。一番大きいのは130万円。
奥社から巡拝しつつのんびり歩いて30分。四つ辻到着。茶屋が立ち並ぶ憩いの場所になっている。辻というのは人と人が出会う場所。そして古来、人と人ならぬ者が出会う場所でもあった。
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奥社から巡拝しつつのんびり歩いて30分。四つ辻到着。茶屋が立ち並ぶ憩いの場所になっている。辻というのは人と人が出会う場所。そして古来、人と人ならぬ者が出会う場所でもあった。
四つ辻からは唯一というべき展望が得られる。京都市街は今日も暑そう。ここは夜景も綺麗らしい。稲荷山は24時間解放されており、夜間の登拝も自由である。
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四つ辻からは唯一というべき展望が得られる。京都市街は今日も暑そう。ここは夜景も綺麗らしい。稲荷山は24時間解放されており、夜間の登拝も自由である。
ここからは時計周りに御膳谷・剣石・一の峯上社〜三の峯下社を巡るのが正式なルートと昔から伝わる。
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ここからは時計周りに御膳谷・剣石・一の峯上社〜三の峯下社を巡るのが正式なルートと昔から伝わる。
七神蹟の一、御膳谷奉拝所。かつて御饗殿(みあえどの)があり、三ヶ峯へ神饌を供したという。宇迦之御魂神は食物の神である豊受大神でもあるため、ここが重要視されるのは想像に難くない。
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七神蹟の一、御膳谷奉拝所。かつて御饗殿(みあえどの)があり、三ヶ峯へ神饌を供したという。宇迦之御魂神は食物の神である豊受大神でもあるため、ここが重要視されるのは想像に難くない。
山中にはお茶屋や自販機が点在し、休憩や水分補給に困ることはない。この日は旅行の荷物を入れた35Lザックを背負っていたが、飲料はその場その場で買っているのでまだ楽だった。
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山中にはお茶屋や自販機が点在し、休憩や水分補給に困ることはない。この日は旅行の荷物を入れた35Lザックを背負っていたが、飲料はその場その場で買っているのでまだ楽だった。
七神蹟の一、御剣社(長者者)。稲荷山の三の峯からは奈良時代を遡るとされる銅鏡が出土し、伏見稲荷鎮座以前からここは古代祭祀の地であったことが明らかになっている。
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七神蹟の一、御剣社(長者者)。稲荷山の三の峯からは奈良時代を遡るとされる銅鏡が出土し、伏見稲荷鎮座以前からここは古代祭祀の地であったことが明らかになっている。
その原始の巨石信仰の様子を伺わせるような剣石(かつては雷石とも呼ばれていたという)がここの御神体となっている。興味深い場所だ。
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その原始の巨石信仰の様子を伺わせるような剣石(かつては雷石とも呼ばれていたという)がここの御神体となっている。興味深い場所だ。
ここから山頂まではひと登り。再び千本鳥居が続く。午前ながら気温は高く、すでに35℃近いようだ。低山の樹林の中なので風もない。キツイ。
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ここから山頂まではひと登り。再び千本鳥居が続く。午前ながら気温は高く、すでに35℃近いようだ。低山の樹林の中なので風もない。キツイ。
伏見稲荷山山頂(233m)到着。境内の奥者からのんびりのんびり歩いて1:40というところ。毎日の散歩にちょうどいいくらいだ。
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伏見稲荷山山頂(233m)到着。境内の奥者からのんびりのんびり歩いて1:40というところ。毎日の散歩にちょうどいいくらいだ。
山頂に座する一の峯上社。和銅四年(711)二月初午の日に稲荷大神が天降ったという神蹟の中の神蹟だ。とうとう参りました。
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山頂に座する一の峯上社。和銅四年(711)二月初午の日に稲荷大神が天降ったという神蹟の中の神蹟だ。とうとう参りました。
祀られる祭神は末広大神。もちろんこちらも稲荷大神の分霊の一つということなのだろうが、本社の中央三座に祭られる「宇迦之御魂大神」「佐田彦大神」「大宮能売大神」と神名が異なる理由はすでに歴史の闇に失伝してしまっている。
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祀られる祭神は末広大神。もちろんこちらも稲荷大神の分霊の一つということなのだろうが、本社の中央三座に祭られる「宇迦之御魂大神」「佐田彦大神」「大宮能売大神」と神名が異なる理由はすでに歴史の闇に失伝してしまっている。
稲荷山は三つのピークからなる山で、それぞれの山頂に上社・中社・下社が鎮座している。こちらは二の峯中社・青木大神。御神木の杉の神格化だろうか。一説によると佐田彦大神の別名とも。
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稲荷山は三つのピークからなる山で、それぞれの山頂に上社・中社・下社が鎮座している。こちらは二の峯中社・青木大神。御神木の杉の神格化だろうか。一説によると佐田彦大神の別名とも。
三の峯下社・白菊大神。この歪曲した幟にはどのような意味があるのだろう。一説によると宇迦之御魂大神であると言うが、最も高貴な霊格を示す白と菊の組み合わせから、どこか皇室の祖神である天照大御神を思わせる神名でもある…。
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三の峯下社・白菊大神。この歪曲した幟にはどのような意味があるのだろう。一説によると宇迦之御魂大神であると言うが、最も高貴な霊格を示す白と菊の組み合わせから、どこか皇室の祖神である天照大御神を思わせる神名でもある…。
その後、荷田社を経て四つ辻、三の辻に戻り、千本鳥居とは別方向から伏見稲荷本社に戻る。ここは伏見豊川稲荷さん。
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その後、荷田社を経て四つ辻、三の辻に戻り、千本鳥居とは別方向から伏見稲荷本社に戻る。ここは伏見豊川稲荷さん。
石造りの神鏡に彫られた「豊川大神」の文字が目を引く。明らかに神仏分離令以前のものだ。
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石造りの神鏡に彫られた「豊川大神」の文字が目を引く。明らかに神仏分離令以前のものだ。
白玉神社の前で合流して境内に戻った。一回りの所要時間は2:50というところか。普通に歩けば2時間でいけるだろう。しかし、暑くて暑くて本当に辛い。照りつける日差しからは圧力さえ感じる。
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白玉神社の前で合流して境内に戻った。一回りの所要時間は2:50というところか。普通に歩けば2時間でいけるだろう。しかし、暑くて暑くて本当に辛い。照りつける日差しからは圧力さえ感じる。
夜の宵宮祭まで参集殿で一休み。屋外でのんびりできるような気温じゃない。
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夜の宵宮祭まで参集殿で一休み。屋外でのんびりできるような気温じゃない。
日没後の宵宮祭・万灯神事。
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日没後の宵宮祭・万灯神事。
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この佳き日に始めて参じることが適い、誠に有難く存じます。改めて稲荷大神さまに厚く御礼申し上げます。
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この佳き日に始めて参じることが適い、誠に有難く存じます。改めて稲荷大神さまに厚く御礼申し上げます。