6歳児とゆくお手軽ハードな九鬼山
- GPS
- 04:06
- 距離
- 7.6km
- 登り
- 658m
- 下り
- 670m
コースタイム
天候 | 小雨のち曇りと強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
整備は完璧 だがひとつ間違えば滑落する箇所だらけ 九鬼山山頂からややくだったところに木がまるごと折れて他の木にぶら下がっているところあり |
その他周辺情報 | 都留市「より道の湯」 |
写真
感想
東京は雨が降るという。
でも山梨は曇りだという。
おととい、息子が都留市の温泉に帽子を忘れてきた。
となれば山梨に行くしかないね!
キノコ探しに、山に行こうよ!
というわけでまたしても九鬼山。時間切れで登れなかったこと2回、今回はちゃんと登っておきたい。
というのはとうちゃんのわがままでもあるから、今回は「やまにのぼってこーらをのもう」の山登りとした。幼子はふつう体に悪いからと親に飲ませてもらえない、しかしそれゆえに幼子にはあこがれがたまる、そんな飲み物である。息子はふたつ返事でOKであった。
富士急・禾生駅から国道をしばらく歩き、コンビニでコーラとお茶を買い登山口へ。
細かい雨が軽く降っている。強くならないことを祈る。気温も高め、この時点ではあまりよいコンディションではない。
禾生駅スタートの九鬼山登山道はふたつ、「愛宕神社ルート」と「杉山新道ルート」。後者は前回ほぼ登りきったし、杉林でキノコが少ないので前者を選ぶ。愛宕神社に一礼して登山開始。
昔からの登山道なのか、切り通しのような歩きやすい道が続く。息子の望むキノコも、親友だと考えているザトウムシたちも、早い段階から登場する。息子のモチベーションは高い。よし。
と、林のなかに真っ赤なキノコを発見。きっとドクベニタケだな、どれどれ……いや、違うね。ちがうよ。近寄ってよく見ると、これは! 長年追い求めてきた! タマゴタケ様じゃないですか!!!
素人キノコ隊なので、原則として「採っても食べない」のだが、タマゴタケは別。特徴が多く、紛らわしい別種もない。この子は大事に保護してうちに連れ帰ります。「きょうであえるなんてねえ、いいひだねえ」と息子しみじみ。大切なカメムシタケもそういえばこの九鬼山でゲットしたのだった。
シロハツモドキとおぼしき、白くてガッシリしたキノコがフェアリーリングを作っている。ナカグロモリノカサもたくさん出ている。どちらも毒だが、見た目はかなりファンタジーだ。
ゆるやかだった道がだんだんと急になってきた。雨はいつしか上がり、気温は少し下がった。しかし、息子に「なんでパパそんなにあせびしょびしょなの?」と言われるありさま。暑い。息子はケロッとしている。
このあたりで「本日気温高し、登山を即刻中止せよ」みたいなメールが入る。そうな、次のポイントで判断しよう。その間、息子は捕まえたコガネムシが手にフンしたことにブチギレていた。「もうバイバイするからね!!」 うん、ぜひそうしてあげて。
ホウキタケの仲間やギンリョウソウ、名前はわからないけれどかたちのよいキノコなど、キノコはかなり豊作。そして雨なのでカタツムリにも遭遇。自然がいろいろ教えてくれる山でよかった。さもなくばコーラで幼児を釣って無理やり山登りに付き合わせるアホなパパではないか。
カタツムリのぬるぬるをカラマツの葉でとってみよう! というトライアルを思いつく息子に、そのぬるぬるはカタツムリさんの服なんだ、とらないであげようと説明。傷や外敵から体を守る効果があると聞いて、なるほどそうなのかと理解する息子。まああと服にカタツムリのヌルヌルつけてほしくないよね父としては。
急になっていた道が尾根へと上がる。田野倉駅方面、「池の山ルート」との合流地点である。ここで息子は家から持ってきたナタデココドリンク(ヨーグルト味)をいただいて休憩。尾根道になったし、ここから楽になるかな?
と思ったら、甘いにもほどがあった。手書きの看板、急坂注意とか書いてある!
実際、ここからの登りはかなりの急さであった。細かいジグザグにしてあるところもあったけど、直登するところ多し。さすがの息子もしんどいようで、ペースが遅くなる。必死で励ます父。
そんなとき、かなり強い風が吹き上げてきた。荷物が飛ばされそうになるけれど、体が軽くなる。暑さもなくなった。タマゴタケといい、この山に歓迎されてるみたい。
なんとか登っていくと、見たことのないくらい大きなミミズに遭遇。「なにこれ!」「ミミズだよ、ずいぶん大きいけど」 感心している様子。
そんな道に、ものすごく怖い場所があった。幹直径40センチほどのスギが1本、根元から折れて飛ばされたのか、隣の木に高い位置でひっかかっている。道は、その下をくぐっている! 強風で折れたスギがあおられて揺れてる!! うーわーヤバい、走って通り抜けよう!
必死の思いで急坂を登りきると、最後の尾根へ。杉山新道とはここで合流。気持ちよくゆったり歩けば、九鬼山山頂!!
雨予想もあった中だから、富士山は期待していない。それでも、眼下に広がる都留・大月・猿橋の街と対岸の連山が一望できてもう、お見事……!
景色を堪能したら、おにぎりタイムである。この日は珍しく、朝、梅ではなく辛味噌のおにぎりを食べたいと妻にオーダー。僕の分は梅、ということで三角のと丸の、ふたつビッグおにぎりにしてくれた。……どっちの形がどっちだっけ?
とりあえず食べさせてみる。半分まで食べたところで梅と気づきキャンセルのお申し入れ、残された半分おにぎりを僕がいただき、息子は辛味噌おにぎりを堪能。サラミ入りチーズを食べ、コーラを飲んでおなかいっばいだね!
さて時刻は14:00。禾生駅・田野倉駅からの電車は15:24あたり、これの次が16:21あたり。道しるべによると愛宕神社コース85分、杉山新道95分で禾生駅。一方で田野倉駅におりるコースは120分。15時台の電車に乗れたら温泉タイムが長く取れるけど、無理するのもよくないね。まだ行ったことのないコースにしよう、ということで札金峠経由で田野倉駅を目指すことに。
と、これが相当ハードなコースでした。山頂直下は、左右が切り立った、しかも前方にも急角度な痩せ尾根をくだる。ロープを持たないとヤバそう。息子が落っこちないように声をかけながらおりていく。彼の口ぶりからすると、パパのほうがよほど落ちそうで危ないと思っている様子。
いったん松林のゆるやかな道になったと思ったら、こんどは木の少ないものすごい急斜面を細い踏み跡で横切るロープつきトラバース! これ足滑らせたら数百メートル落ちるよ! 冷や汗をかきながら通過。
トラバース道は尾根へと合流、いきなりのんびりとした道になった。「紺屋の休場」と呼ばれる、公園広場みたいな開けた場所がある。眺望よし。
札金峠の少し手前から、田野倉駅方面にくだってゆく。このあたりにはなぜか陶器の破片がたくさんあった。息子の推理としては「むかしおさむらいさんがごはんをはこんでいたが、おとしてわってしまった。そのおさむらいさんはかわいそうに、ころs」なんだよその怖い話!
そして登山道は林道に出て、登山ほぼ終了。田野倉駅まで15分という看板があった。のんびり駅に向かおうね、時間は……15:10。え、あれ、どうなってんの? 15時台の電車間に合いそうじゃない? 2時間かかる道をどんなスピードておりてきたんだこれ?
よし、走るか。逃すと1時間待ちぼうけだ。せえの、
「ゆっくりいこうよ。そんなにながくおんせんにはいったらゆでだこになっちゃうよ」
そ、そうだね。
かくして僕たちは電車を1本あとのにして、コンビニでアイスを買った。田野倉の駅でカマキリを取り逃がし(て激怒し)つつのんびり過ごし、都留市駅そばの「より道の湯」を再訪して帽子を取り戻しつつ温泉を楽しんだのだった。
かなりラフに決めた山登りだったけれど、結果的に今回も楽しいことが盛りだくさんだった。やはり自然のなかには何かしらの面白いことがたくさんある。それにきっちりお付き合いしてくれる息子、ほんとうにありがとう。
追記:
タマゴタケは翌朝、シンプルなバター炒めに。異様な、ほんとうに異様なウマさだった。なんかこう、未来の化学調味料というか。キノコ自体の味がよいというのではなく(味はかなりライト)、強力な旨味成分があるという感じ。カサの部分はバターの味がブーストされてカマンベールチーズのような味。柄は食べて数秒たったあとに旨味が押し寄せてきてしばらく消えない。こんな食べ物、初めて食べた。ちなみに息子はいっさい手をつけず。
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