能郷白山


- GPS
- 32:00
- 距離
- 23.3km
- 登り
- 1,564m
- 下り
- 1,570m
コースタイム
3月29日標高1140mC1(8:10)→登山口(10:10)→能郷バス停(12:30)→薄墨温泉(13:30〜14:40)→樽見(15:10)→大垣→名古屋
天候 | 概ね晴れ |
---|---|
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
越美国境の最高峰、名古屋から北に見える山並みの一番奥に見える。スキな人しか知らない名古屋から見える名峰だ。木曜日、最近見かけないほど立派な高気圧が一日だけやってくる。でも一日で通過して翌日は雨が確実、くるくる変わる春の天気だ。朝一番の列車で行って、初日のうちにアタックを済ませてしまうつもりでカメと出かける。カメはほとんど10数年以上ぶりの山スキーだ。 大垣から根尾川源流に延びる樽見鉄道のかわいい一輌電車に乗って終点樽見へ。列車は桜や菜の花の咲く土手や、青い淵をまたぐ鉄橋を何度も越えてゆく。トンネルをくぐるのが運転席の横から見られ、大いに入山気分が盛り上がる。能郷谷へはタクシーで入る。谷両岸の山に雪さっぱり無し。しかし、かいま見えた能郷白山と前山が純白で、一安心する。 能郷集落を過ぎ、4キロほど進んだ八谷出会い手前のあたりで杉の倒木で阻まれ車を放す。林道はほぼ雪無し。春の落石多し。地図とは違い林道は登山道の尾根末端まで左岸をゆく。本谷のせせらぎを渡って急な尾根にとりつく。標高900mあたりまでは雪が無くスキーを担ぐ。この後も幅が狭くて急な尾根のため、シール登行に不利で、シールワークに慣れていないカメが大いに苦戦する。前山からの南尾根に上がった所で重荷を下ろし、帰ったらここに泊まるつもりで山頂アタックに出かける。アタック装備は僕が持ち、カメは空身になった。傾斜もそれほどではなくなったので快適に高度を稼ぐ。圧倒的な高気圧のおかげで空は澄み渡っている。時々風が吹くので暑くなくて助かる。高度を上げ、伊吹、金糞、御岳などが青い空に浮かび始める。このあたりで初めて能郷白山が見えた。前山への大斜面は下りが楽しみだ。途中、雪洞を発見。前山を超えると、初めて白山が見えた。高く大きく、とにかく白い。遠く北アルプスも北から南まで全部見える。前山で午後3時、今回も夕焼けの登頂になりそう。能郷白山までは100m下って200m登る。傾いた日差しに、能郷白山頂上直下南東面の大雪面がテラテラに光る。エンボスの、白黒写真のように鮮やか。この斜面をエンヤコーラと登り切ると、野球場のように広い山頂台地だ。北の部子山、銀杏峰を間近に確認。先々週行こうと思ってたんだけど・・・。 下りは早い。結構急な山頂斜面をバンバンバンと滑り降り、前山までの緩い登り返しをシール張って我慢した後は、お楽しみの前山南斜面を既に日陰に沈んだ天場めがけて滑り降りる。遠くの空の下の方はうっすらオレンジ色で東の空にはクリーム色の満月も浮かんでいる。今日は恵まれた日だ。いいから山頂に来い!と招かれたようなものだ。カメの山スキーは滑降に関しては文句無し。学生以来なのに大したものだ。テン場は東風を避け、スキーと立ち木でツエルトを張る。少ない枯れ木でたき火もする。日が暮れるととたん空は雲に覆われ、あたりは濃い霧に包まれた。ジャガイモとにんにくをたくさん入れたマーボー雑炊を食べ、炭のにおいをかいで暖まって寝る。 翌朝はぐっすり眠りこけて遅く起きたが、まだ雨は降っていない、ラッキーだ。急な尾根をブッシュかき分け滑り降り、林道でふきのとうをたくさん採って、のんびりパンにチーズを塗って食べたりしながら能郷まで歩く。バス停は能舞台のある神社の横。かなり頻度の少ない村営バスにわりといい時間で間に合い、くねくねの狭い道を帰る。途中一人で乗ってきた少年の場合は「たっちゃんのウチまでお願いします」と玄関先から母親が運転手に告げるのを聞いた。どこで乗り降りしてもいいバスなのだ。薄墨温泉への分岐点の橋で下ろしてもらう。「あと五分もすれば無料送迎バスがくるから」と運転手。すべてがラッキーだ。温泉は1000円と観光客向き価格だが立派な風呂だ。露天風呂に浸かって空を見てもまだ雨は降らない、ラッキーだ。樽見への送迎バスに乗るときになってやっと雨。大垣駅前でうどんを食べて名古屋へ。ツイてる二日間だった。 |
写真
感想
越美国境の最高峰、名古屋から北に見える山並みの一番奥に見える。スキな人しか知らない名古屋から見える名峰だ。木曜日、最近見かけないほど立派な高気圧が一日だけやってくる。でも一日で通過して翌日は雨が確実、くるくる変わる春の天気だ。朝一番の列車で行って、初日のうちにアタックを済ませてしまうつもりでカメと出かける。カメはほとんど10数年以上ぶりの山スキーだ。
大垣から根尾川源流に延びる樽見鉄道のかわいい一輌電車に乗って終点樽見へ。列車は桜や菜の花の咲く土手や、青い淵をまたぐ鉄橋を何度も越えてゆく。トンネルをくぐるのが運転席の横から見られ、大いに入山気分が盛り上がる。能郷谷へはタクシーで入る。谷両岸の山に雪さっぱり無し。しかし、かいま見えた能郷白山と前山が純白で、一安心する。
能郷集落を過ぎ、4キロほど進んだ八谷出会い手前のあたりで杉の倒木で阻まれ車を放す。林道はほぼ雪無し。春の落石多し。地図とは違い林道は登山道の尾根末端まで左岸をゆく。本谷のせせらぎを渡って急な尾根にとりつく。標高900mあたりまでは雪が無くスキーを担ぐ。この後も幅が狭くて急な尾根のため、シール登行に不利で、シールワークに慣れていないカメが大いに苦戦する。前山からの南尾根に上がった所で重荷を下ろし、帰ったらここに泊まるつもりで山頂アタックに出かける。アタック装備は僕が持ち、カメは空身になった。傾斜もそれほどではなくなったので快適に高度を稼ぐ。圧倒的な高気圧のおかげで空は澄み渡っている。時々風が吹くので暑くなくて助かる。高度を上げ、伊吹、金糞、御岳などが青い空に浮かび始める。このあたりで初めて能郷白山が見えた。前山への大斜面は下りが楽しみだ。途中、雪洞を発見。前山を超えると、初めて白山が見えた。高く大きく、とにかく白い。遠く北アルプスも北から南まで全部見える。前山で午後3時、今回も夕焼けの登頂になりそう。能郷白山までは100m下って200m登る。傾いた日差しに、能郷白山頂上直下南東面の大雪面がテラテラに光る。エンボスの、白黒写真のように鮮やか。この斜面をエンヤコーラと登り切ると、野球場のように広い山頂台地だ。北の部子山、銀杏峰を間近に確認。先々週行こうと思ってたんだけど・・・。
下りは早い。結構急な山頂斜面をバンバンバンと滑り降り、前山までの緩い登り返しをシール張って我慢した後は、お楽しみの前山南斜面を既に日陰に沈んだ天場めがけて滑り降りる。遠くの空の下の方はうっすらオレンジ色で東の空にはクリーム色の満月も浮かんでいる。今日は恵まれた日だ。いいから山頂に来い!と招かれたようなものだ。カメの山スキーは滑降に関しては文句無し。学生以来なのに大したものだ。テン場は東風を避け、スキーと立ち木でツエルトを張る。少ない枯れ木でたき火もする。日が暮れるととたん空は雲に覆われ、あたりは濃い霧に包まれた。ジャガイモとにんにくをたくさん入れたマーボー雑炊を食べ、炭のにおいをかいで暖まって寝る。
翌朝はぐっすり眠りこけて遅く起きたが、まだ雨は降っていない、ラッキーだ。急な尾根をブッシュかき分け滑り降り、林道でふきのとうをたくさん採って、のんびりパンにチーズを塗って食べたりしながら能郷まで歩く。バス停は能舞台のある神社の横。かなり頻度の少ない村営バスにわりといい時間で間に合い、くねくねの狭い道を帰る。途中一人で乗ってきた少年の場合は「たっちゃんのウチまでお願いします」と玄関先から母親が運転手に告げるのを聞いた。どこで乗り降りしてもいいバスなのだ。薄墨温泉への分岐点の橋で下ろしてもらう。「あと五分もすれば無料送迎バスがくるから」と運転手。すべてがラッキーだ。温泉は1000円と観光客向き価格だが立派な風呂だ。露天風呂に浸かって空を見てもまだ雨は降らない、ラッキーだ。樽見への送迎バスに乗るときになってやっと雨。大垣駅前でうどんを食べて名古屋へ。ツイてる二日間だった。
コメント
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こりゃ夫婦で良い山行です。何と16年前!
3枚目写真の奥方のポーズが決まってマス。
私も近いうちにやってみようと思いました(独りで)。機が熟したら児連れで再登するといいのではないでせうか。
能郷白山、上部はスキー天国だけど、中間部はシールテクを必要とするね。北大でないとあんまりこのルートスキーで行く人は多くないと思うな。かみさん若いね。
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