山越えの心細さよ【如意越 長等山園城寺(三井寺)】

2020年01月11日(土) [日帰り]

• GPS: 08:43
• 距離: 16.8km
• 登り: 926m
• 下り: 921m

コースタイム

日帰り

• 山行: 7:59
• 休憩: 0:42
• 合計: 8:41

距離 16.8km 登り 926m 下り 927m

8:34 銀閣寺橋西詰公衆トイレ
8:59 9:00 霊鑑寺
9:38 9:39 楼門の滝
10:38 10:48 如意ヶ岳
11:16 11:17 皇子山
11:35 11:38 長等山
12:23 12:35 三井寺 金堂
14:52 長等山
15:12 15:12 皇子山
15:44 15:45 如意ヶ岳
16:15 16:17 大文字山
16:32 16:47 大文字火床
17:08 17:08 水場
17:16 銀閣寺橋西詰公衆トイレ

天候

晴れ時々曇り

アクセス

利用交通機関：

自家用車

銀閣寺観光駐車場を利用。駐車料金は1040円

コース状況／危険箇所等

コース全体に渡って倒木が多いが、歩ける程度には処理されている。派生の踏み跡が多い。

その他周辺情報

珈琲店再願
〒606-8404 京都府京都市左京区浄土寺下南田町１３３
075-751-7968
https://goo.gl/maps/NWjXt8G7732PrPVFA

三井寺（園城寺）
〒520-0036 滋賀県大津市園城寺町２４６
077-522-2238
https://goo.gl/maps/85UVGR4yjbjywkTC6

れすとらん風月
〒520-0036 滋賀県大津市園城寺町２４６
077-524-0638
https://goo.gl/maps/b46f1iMmc3AMdvfBA

写真

1/11 8:34

銀閣寺観光駐車場を出発。2月の早朝ということあって、スペースには余裕がありました。

1/11 8:35

まずは哲学の道から鹿ヶ谷を目指す。

1/11 8:46

コーヒーのテイクアウト、深煎りで香ばしいコーヒーだったが、ちと暑すぎるので冷めるまでカイロ役。

1/11 8:58

鹿ヶ谷への目印にしていた霊鑑寺。

1/11 9:07

鹿ヶ谷の民家を抜けて。

1/11 9:08

浪切不動明王。工事のためなのかブルーシートが目立つ。

1/11 9:13

鹿ヶ谷の登り口。

1/11 9:15

鹿ヶ谷は京都トレイルのルートになっているので大変わかりやすい。

1/11 9:18

台風の爪痕は残るが、歩くには充分なくらい復旧されている。ローカルに感謝。

1/11 9:28

道はいいが、景観のない登りが続くので少し飽きてくる。

1/11 9:30

楼門の滝。水量が少ないので迫力に欠ける。

1/11 9:33

水はそんなに冷たくないらしい。

1/11 9:34

急に歴史を感じる石段とボルダー群。

1/11 9:38

俊寛という僧侶が眠っている？らしい。

1/11 9:42

ナラ枯れした木々が崩壊した、木の墓場のよう。死と再生の風景。

1/11 10:02

東45の道標で、鹿ヶ谷の登りがひと段落。

1/11 10:10

如意ヶ岳を目指してなだらかな道を歩く。目立った倒木は処理されているが、いくつかは残っているので避けながら進む。

1/11 10:12

ちょっとしたアスレチックのようになっている。

1/11 10:22

標識も整備されているので方向には迷わない。

1/11 10:34

如意ヶ岳山頂は航空設備のために立ち入り禁止。ここで、一息入れる。

1/11 11:05

山頂からしばらくすると舗装路に繋がる。適当なところでトレイルに復帰。

1/11 11:07

空も開けて、明るくなってきた。

1/11 11:10

日本庭園のような空間で落ち着く。

1/11 11:36

道から少しそれるが、長等山山頂に立ち寄る。大津の景色が広がってよい山頂だった。

1/11 11:52

坊越峠から先は三井寺の境内に入る。入山料は後払い。

1/11 12:05

三井霊園の管理事務所だろう。綺麗なトイレがあったので使わせてもらった。

1/11 12:13

三井寺の勧学院。三井寺は天台宗の総本山延暦寺に対抗して、天台宗寺門派の本山となった。ここで、たくさんの人たちが仏教を学び深めていったのでしょう。

1/11 12:13

大変大きなお寺。修験道体験6時間、と案内にあったが、6時間修行をするのかな？

1/11 12:18

金堂は本尊の薬師如来が納められている。他にも諸仏像が並べられて、売店もある。商品が充実していて、とても良かった。仏像プロマイドは全てのお寺で採用してもらいたい。

1/11 12:18

堂前灯篭。天智天皇が、大化改新で蘇我氏を討ったことの罪滅ぼしのために、薬指を切ってこの台座下に埋めたと言われている。まさか天皇家にも指詰文化があったのか…

1/11 12:48

ちょうどお昼ご飯時に着いたので、レストラン風月に寄った。観光客向けのご飯処と思って侮っていたが、とてもしっかりとした料理が出てきて大満足だった。

1/11 12:53

名物の力餅。柔らかいお餅にほんのり甘めのきな粉が絡んで美味しい。

1/11 13:05

三井の晩鐘。鐘型の器を開けると…

1/11 13:06

お盆いっぱいに広がる。

1/11 13:30

お腹を満たしたところで、いよいよ目的の観音堂へ。

1/11 13:32

観音堂に入る手前に、ちょうど如意越の起点が示されていた。

1/11 13:32

如意越の説明書き。

1/11 13:36

観音堂までは長い階段を登る。

1/11 13:37

西国14番札所、三井寺観音堂に到着。

1/11 13:38

見下ろすと、うっすらと琵琶湖疎水が。

1/11 13:39

三井寺観音堂。

1/11 13:51

なんだかんだで初詣になるのでおみくじを引いたら、大吉だった！にもかかわらず、「旅行はやめた方が良い」、それは困る。

1/11 14:18

無事お参りして、また如意越で京都に戻る。時間と体力は気になるが、帰りはまた違った風景が見られるはず。

1/11 15:23

三井寺から歩くと、行きとは違った道に入った。こちらの方が案内が多いので、オリジナルなのかも？

1/11 15:31

日が沈み始める頃の眺めは、物悲しげな美しさがある。

1/11 15:33

行きは通り過ぎてしまった所で舗装路に合流。

1/11 16:09

如意越のルートから、大文字山山頂方面への道に入る。

1/11 16:15

山頂の眺めはイマイチという事前情報であったが、そんなに悪くはなかった。夕陽を受けてついついしてしまう、大文字。

1/11 16:18

京都の街が見えると安心したようで、元気になる。

1/11 16:31

大文字山の火床から一望できる、夕陽に照らされた京都の街は絶景だった。

1/11 16:44

夕日を眺めてしばらくのんびりと過ごす。

1/11 17:09

暗くなる前に下山。一帯の林は神社仏閣などの修復、復元のための木材となるらしい。丁寧に手入れされている。

1/11 17:15

銀閣寺参道も店じまい。

撮影機器：

iPhone XS Apple

感想

heshu

今月の西国巡礼は14番の長等山園城寺(三井寺)。参拝ルートとして京都から大文字山と如意ヶ岳を越える如意越という古道を採用した。
西国巡礼道としては、石山寺から歩くか、あるいは小関越という古道が最もポピュラーなようだが、この如意越も、京都から三井寺への参拝ルートとして江戸時代には多少ポピュラーだったらしい。山越えの険しいルートなので、健脚者に限られたようだが。

数年前の台風によって、京都の東山、北山周辺は倒木などでかなり荒れたと聞いていたが、地元の方によるのだろうが再整備が進んでいた。古道も人が歩かなくなれば自然に帰ってしまう。古道を歩くという行為は、歴史を継承し、自身がその一部になる意義あるものと思う。

レジャーとしてハイキングやキャンプがたくさんの人に楽しまれるようになった。楽しい、気持ちいい、非日常の体験として紹介されることが多い。この西国巡礼もレジャーのひとつであろう。しかし、実際は多くの困難が伴い、楽しい体験ばかりではない。
不安や焦り、恐れといった苦悩に対して、あるいは疲れや痛みなどの苦痛に対して、外部に救いを求めず、自分たちの力で乗り越えようとする意思の力を育むことが巡礼の意味であって、観音信仰の本質なのではないだろうか。
まだまだ道は見えず、旅は続く。