笠置山(過去レコです)。
- GPS
- --:--
- 距離
- 7.8km
- 登り
- 805m
- 下り
- 801m
天候 | 雨。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2004年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はありません。 |
写真
感想
先日、寒陽気山に登った際に笠置山の辺りを通った所、ヒトツバタゴの自生の案内が出ていた。世界中でヒトツバタゴ(ナンジャモンジャ)が自生している場所は、中国と韓国、日本では対馬とこの東濃地方だけである。このヒトツバタゴが何故か自宅の玄関先にもあるが、すでに連休中に満開となり、今では花は全て散ってしまっている。ヒトツバタゴは、桜が咲く頃に若葉が出て桜が散った後に花が咲くが、柔らかい綿におおわれたように、晴れやかで克つ清楚な美しい花である。笠置山のヒトツバタゴは五月の末から六月の始めにかけて咲くという。平成16年5月17日、この日は未明から土砂降りで大雨注意報が出ていたが、自生のヒトツバタゴの花は如何なるものかと、昨日買い込んだ膝のサポート機能がついたタイツを試しがてら出掛けた。
中央道を恵那インターで降り、県道68号線を白川方面に向かい、木曽川を渡った所で右折して細い道に入る。細い道から2車線の立派な道に出ると姫栗のバス停があり、そこの大きな案内板で笠置山登山口への道を確認する。道は細いが鋪装されており、大雨ではあるが支障は無く、どんどん高度を上げる。登山口の前には駐車場があるも、この悪天候では当然駐められている車は無い。レインウェアーを着込んで、10時5分、登山口に入る。ヒノキの若木が植えられた道を10分程歩くと、国の天然記念物に指定されているヒトツバタゴの大木が柵に囲われて立っている。若葉一杯におおわれているが、残念な事に花が咲くにはまだ早い。花が咲けば新聞やテレビで報道され、こんな雨の日でも多くの人が見に来るのであろう。柵の外には二つの看板が立てられている。一つはヒトツバタゴ自生地の説明であり、もう一つは「はしご田散策道」の説明である。笠置山頂上までおよそ2劼砲錣燭蝓幅1mの散策道を「田園空間整備事業」として農林水産省と岐阜県の補助を受けて作ったとの事が記されている。丸太に似せたプラスティック製の土留めの階段が、ヒノキの植林の中、延々と上に伸びている。階段は一段一段がバラストで固められ、その上をチップ材が重ねられている為極めてクッション性が良い。莫大な費用を要したものと思われるが、多くの場所で階段は水の通り道と化し、覆ってあるチップ材は流されバラストが露出し、凹んだ部分に水が貯まっている。ひどい所では、堰を切って何十段もの階段を怒濤の如く水が流れ、その凹みを一層深くしている。この「はしご田散策道」は今年の3月、すなわち2ヶ月前に完成したばかりの事であるが、もうこの有り様である。途中、2ケ所だけ階段がとぎれ石のごろごろした山道を登る所があり、巨石が点在するこの山にふさわしい道にホッとする。一体「田園空間整備事業」とは何のためのものなのか?理解に苦しむ。40分程でヒノキ林から林道に出て明るくなる。道の向こう側に登山口があり、そこに入ると再び暗くなりヒノキ林の中の階段が延々と続く。「山頂まで400m」の標識があり、もうすぐ頂上かと思いきや、それからまだまだ登る。階段を登り切ると笠置神社の参道となり、立派な鳥居の向こうに社が建っている。登山口から1時間5分であったが、もっと時間が経ったような感じである。雨脚がひとしきり激しくなり、ひと休みしようとするも、笠置山神社は柵に囲まれて中には入れない。裏に回ると社殿のひさしが柵の外までのびており、ようやく雨をしのぐ事が出来た。社の左側に「山頂展望台150m」の標識があり、頂上はまだ先なのかとそれに従って下って行くと、物見岩に出る。あくまで山頂は社の建っている所であり、そこは展望台があるだけであった。木製の展望台に上がると南側の視界が開け、中央アルプスや南アルプスの山名を記した案内図がある。ガイドブックには「足元をさえぎるものがない雄大な景色」と記されているが、降り続ける雨の中、灰色に塗りつぶされた画面にその景色を想像する事も出来ない。買いたてのデジカメを雨に濡らせてまた壊してもいけないが、また来る事もないだろうからと三脚を立てて記念撮影をする。社の周辺には大きな岩が沢山あり、中にはペトログラフ(岩刻文字)の遺跡も混じっているらしいが、どれがそうなのかは分からない。岐阜県の天然記念物に指定されているヒカリゴケを見て、11時50分、下山開始。水の無い階段ではチップ材に衝撃が吸収され膝の負担は少なくてすむが、一向に降り止まない雨で階段を流れる水の勢いは増し、下るのには慎重を要する。笠置山は雨乞い祈願の山であるが、お願いした覚えも無いのに大サービスであった。丁度1時間で登山口に帰り着いた。
かくも無駄な階段を作るぐらいしか使い道が無いのなら、農林水産省の予算は削減すべきである。
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