【大谷山で逢いましょう】青い空、碧い湖、緑の大草原。そして、風に立つ孤高のライオン。
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- GPS
- 07:27
- 距離
- 15.0km
- 登り
- 1,111m
- 下り
- 1,110m
コースタイム
- 山行
- 6:47
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 7:23
天候 | 快晴☀️だが爆風🌪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
○マキノ高原→赤坂山→寒風→大谷山→白石平は、 整備の行き届いた登山道。快適な尾根道。 ○下山ルートは石庭への登山道の途中からバリエーション尾根道を通行。初心者は要注意。 ○ラストは林道で368.8mピークへ。ここからはマキノ高原まで地図上にルート記載無いが実際にはしっかりとした登山道(ハイキングルート)あり。 |
その他周辺情報 | マキノ高原に、マキノ高原温泉さらさ |
写真
感想
前日の仕事中に腰と股関節に少し違和感を感じていた。山へ行けるか不安に思いながら就寝したので早朝から起きられなかった。やはり痛みもあるので今日は山へ行かずにゆっくり休息日に当てようかな、と思っていた。しかしそれにしてもいい天気だなぁ、とボンヤリ空を眺めていた。
と、そんな時、あるヤマレコユーザーさんからメッセージが届く。
「ウリさん、今日は山へ行く予定をされてますか?私は今、大日岳の近くにおり、このあと大御影山を目指し大谷山を経由してマキノへ下ります。」
うわぁ、大縦走だな。さすがだ。
しかし、なぜ今このようなメッセージをくださるのだろう・・そうか先日私がレココメで、近々大御影山・三重嶽の周回ルートを歩きます、と話していたので、今日もし私が実行するなら大御影山辺りで出逢えるかも!という期待の意味なのだ。
いやぁ、しかし現時点で7時30分だ。まだ自宅にいる。今から支度して今津まで車を飛ばしても、恐らく早くて9時ぐらいにしかスタート出来ないだろう。予定の周回コースは未踏の部分が殆どで、そこそこの距離もある。しかもこの調子の悪い足腰。遅いスタートではちょっと厳しいな。
でも山中で山友さんに出逢うのは楽しいものだ。何かいい方法は無いものかと考える。
「ウリさんは赤坂山から大谷山へは歩かれたこと有りますか?」と追メッセージが届く。
おお!そうか、大谷山だ!
「大谷山へは何時ぐらいに辿り着くご予定ですか?」(私)
「13:30〜14:00ぐらいになるでしょう」(彼)
「【大谷山でお逢いしましょう】」(私)
男同士なので決してロマンチックでもなく、偶然の劇的なものでもないのだが、とてもワクワクしてきた。
私はありきたりだがマキノ高原から赤坂山、寒風を経由して大谷山へ向かうことにしよう。時間は充分にあるだろう。
大谷山で合流した後は、山や谷や尾根や花や山毛欅の話をしながらマキノ高原へ一緒に下山しよう。
日曜日のマキノ高原は人と車とテントで溢れ返っていた。しまった!ここをスタート地に決めたことを少し後悔する。石庭からにすれば良かったかな。
これまた満杯の登山者用駐車場の端っこに車を停め、準備を整えスタートしたのが9時25分。ゆっくり登って赤坂山にも寄り道出来そうだ。
粟柄越えまでの登山道で、既に山頂まで登ってこられたのであろうハイカーさんと多数すれ違う。武奈の木平を過ぎて登山道が石畳風になる辺りから山毛欅の林が見られる。なかなか美しい山毛欅林だ。
稜線に上がると風が強い。暴風と言っていい程だ。帽子が飛ばされそうになるのを押さえながら赤坂山山頂に辿り着く。山頂付近には7.8名の登山者がいらっしゃる。強風の中みなさんゆっくり写真を撮られたりしているが、私はそそくさと来た道を戻る。
粟柄越付近には赤坂山名物?の高圧送電用ネコ型鉄塔が3基も4基も聳えたっている。ネコ好きには堪らない?光景だ。ネコ達は大風に決して負けることなく凛として揺るが無い。
粟柄越から寒風へと向かう稜線はこのコースのハイライトだろう。快晴の青空のもと、色鮮やかな新緑の木や下草に覆われた緩やかで雄大な稜線は、規模は小さいながらもアルプスの山を縦走しているかのような気分になる。とても美しい。
登山道に咲く花は、低木に咲く白い花が目立つ。サワフタギにカマツカ、ヤブデマリなどが多い。足元に咲く草花と言えば黄色いコナスビばかり。コナスビの黄色いペンタゴンは可愛いのだが、たくさんありすぎて飽きてきた。
と、コナスビにしては濃い黄色が目についた。わぁ、スミレだ!オオバキスミレが咲いていた。少し期待はしていたが、本当に出逢えて嬉しい。
北西からの風は相変わらず暴風である。
寒風に到着する。ここでもたくさんのハイカーさんに出逢う。みなさん東側斜面で風を避けて腰掛け、琵琶湖や対岸の眺望を眺めながらランチタイムだ。私はそそくさと大谷山への稜線へと歩みを進める。
風は益々強く激しく吹き付けてくる。稜線上を蹌踉めきながらフラリフラリとゆっくり歩みを進める。と、その尾根には360°に大きく枝葉を広げる巨樹があった。何の樹だろうか。HITACHIのCMを思い出すような雄大なる樹。とても気になる木だ。
大谷山へは一旦鞍部へと下るのであるが、その手前付近からの行く先の眺めが素晴らしい。広く大きく緩やかな緑の丘に登山道の一本道。空は青く、琵琶湖が碧い。
緑の丘を登り詰めると、いよいよ大谷山の山頂だ。12時40分。ゆっくり来たつもりだったが早過ぎた。彼がやって来る時間まで1時間ぐらいある。
景色を眺め、写真を撮ったりしていると、あまりの風の強さに汗冷えしたのか寒さを感じた。ウインドシェルを羽織って少し南側(近江坂分岐の方向)へ移動し、低木の陰で休憩する。お腹も空いたのでお握りと菓子パンを頬張る。矢張り少し寒いので、コーヒーを沸かす道具を持参すれば良かったと後悔する。
食事を終えて、更にもう少し南西へ進んでみる。ちょうど石庭への下山路の分岐の箇所が広場になっていた。(白石平という名前が付いているようだ)
この地からの眺望が何とも言えずに良いのだ。若狭湾方向の眺めもさることながら、琵琶湖側に見下ろす斜面の樹林帯がまるで草原のような広がりを見せており、その草原は緩やかに琵琶湖岸へと繋がってゆくかのように見える。南東にはリトル比良〜比良山地の山並みも美しく見えている。
やはりまだ少し寒いので、景色を眺めながら、膝や股関節を屈伸してみたり、腕をグルグル回したり、早朝の公園のお爺さんのように運動をしていると、背後から「ウリさん!」と声がかかった。
yamaneko0922さんである。
久しぶりの再会だ。コロナが拡大する直前の3月15日の山行以来である。
「わぁ、ヤマネコさん、お疲れさまでした!」
「ずいぶんお待たせしてすみませんでした。」
本当にお疲れのようだ。声が細く、かすれてるように感じた。そりゃそうだろう。すでに朝から20km近く歩かれているのだ。汗だくでいらっしゃる。私がウインドシェルなんかを着込んでいるものだから、きっと驚かれたことだろう。
お聞きすると、大御影山からの途中、近江坂分岐を行き過ぎて林道まで辿り着いてしまい、引き返してこられたとのことだ。
きっと私を待たせてはいけないと思い、焦って必要以上にテンポアップされたに違いない。
ゆっくりマイペースの山行のお邪魔をしたのでは無いかと、申し訳なく思う。
暫し休憩がてら、その地で周囲の山々の山座同定などしながら好展望を楽しむ。
そして大谷山へと移動した。やはり暴風に曝される。しかし強風に煽られても蹌踉めくことなく山頂に立ち、満足そうに景色を眺めておられるヤマネコさんの姿は、もはや山猫ではなく、風に立つ孤高のライオンに見えた。
風のせいでお互いの声が聞こえ難いのだが「ここは日本海側からの風の通り道ですね。だから高木が育たない。」とヤマネコさんが仰る。なるほどな、と思い「鈴鹿で言えば竜ヶ岳がそんな感じですね。」なぁんて良く知ってるかのように申し上げた。「その通りですね。」と言ってくださる。
そして「大谷山の山頂よりも先ほどの場所の方が展望が良かったですね。」と私と同じ印象を持たれたようだ。
大谷山からは道標に「展望ルート」と何とも魅力的な表示がされている道を石庭の方へと下ってゆく。緩やかな尾根道が続くのだが、なるほど随所に寒風やマキノ高原側の展望が開ける。
道は間もなく好展望だったマキノ石庭分岐(白石平)からの道と合流した。古道であるとヤマネコさんが仰る掘割式のこの道は石庭へと繋がっていくのだが、私たちは途中で登山道から離れバリエーションの尾根道を進み、一旦林道へ降りたかと思うと、林道をそのまま登り返し、緑が池という人工のものと思われる池の畔を通り過ぎて、やがて368.8mのピークへと上がった。平凡な小ピークには四等三角点の石柱があり、レンゲツツジが咲いていた。
レンゲツツジが有毒であるとか、躑躅という漢字は何故に足辺(あしへん)であるかなど、さすがヤマネコさんと思わされる蘊蓄を聞きながら、地図にはルートとして載っていないのが不思議なくらいの良く整備された登山道をマキノ高原に向けて軽快に下ってゆく。
すると、何と道の傍らに望外の花がひっそりと2輪だけ咲いているのだ。その清楚で可憐な花は、ササユリだった。
2輪のササユリはそっと私達の下山を見送ってくれるのだった。
有意義で印象深い山行にお導きくださったヤマネコさん、ありがとうございました。
誰と逢われるのかな〜なんて読み進めて行くと…山猫さんだ! 大日岳から?山猫さんがどのように7:30に大日岳におられてマキノまで歩かれるというアプローチはどうされていたのかも興味が湧きますね。
このお山は積雪期にしか行ったことがありませんが、草原の一本道的な趣もあっていい感じなんですね。赤坂山だけで帰られる方も多い中、これは勿体ないと思いました。
山猫さんが言われていた「日本海側からの風の通り道」は積雪期でもよくわかります。寒風から粟柄越までの稜線はカリカリで雪が少ないんです。鈴鹿の竜ヶ岳と同じと聞くと「なるほど」って納得です。
そうそう、山猫さんが「風に立つライオン」って凄くぴったりした表現ですね。
このルートの夏季は辛いかな? 木陰を探して木の下でゆっくりすると涼やかな風を感じられそうで良い感じって空想してますが、木が無いような??
「白石平」がいい感じとのこと。了〜解です。百瀬川源頭部経由で石庭方面へ下りず大谷山へ戻られたのかな?なんて思いましたが、山猫さんのルートだと抜土の分水嶺から上がって来られるんで白石平で山猫さんを待たれたんだ。
↓では、白石平をパスして新道の「展望ルート」を下るプランですが、何方も良さそうで迷っちゃいます。今回歩かれたルート取りだと両方歩けますけどね。高低差30m程なんでいいかな?
石庭へ下りると、バス路線が廃止されたあとの乗り合いタクシーが15:57にあるのでマキノ駅まで上手く帰れると国境からの縦走プランはしてあるんですけどね。
ののさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
ののさんとの仰木峠で待ち合わせた事を思い出しますね。山中でお逢いする約束。ちょっと粋だし、なんだかドキドキします。
ヤマネコさんの山行記録は、そろそろアップされることでしょう。私も楽しみにしてるのです。
粟柄越から寒風、さらに大谷山への稜線は美しいですね。アルプスを思い出すというと大袈裟ですが、開放的でダイナミックな展望も魅力的です。
真夏はしんどいかもですね。伊吹山みたいに直射日光がモロに当たるので工夫が必要かな。
大谷山と白石平の間は僅かですので、是非とも白石平からの眺望も見てみて下さい。思いの外、素晴らしいと思いました。
そのまま石庭へ下られてもいいし、展望ルート分岐へ戻っても大したことありませんよ。
痛み大丈夫でしょうか。粋な山での待ち合わせ、ワクワクしますね。
それにしても爆風でしたね。「南比良で言えばホッケ山がそんな感じですよね」のホッケ山で、飽きもせず御来光待ちしてたら何度も砂が目に入りました。(早よレコ作らな)
♫あなたを待てば 雨が降る〜♩
♫山猫待てば 風が吹く〜♩
フランク永井ですかね、しっかし古いなあ🤣
脚や腰の痛いのは楽しい山行で忘れてしまいました。仕事で体調を崩し山で治す!いつものパターンです😁
そうですか、あの日ホッケ山におられたのですね。爆風でしたでしょう。鈴鹿で言えば竜ヶ岳のよう・・もういいか😅
しかし天気は良かったので御来光ハイクも成功だったのでは?琵琶湖に光の道が出来ましたか?レコを期待しています!
そうそう、ヤマト来そう?見つけました😁
まずはお付き合い頂き、どうも有難うございました。
大谷山の手前、白石平に辿り着いた時点で確かに疲れていたのかもしれませんが、そこから先、本来は寒風を経由する一般登山道より長いはずのルートを、コースの長さや疲労をあまり自覚することなく、むしろ楽しく下山することが出来たのはなんといってもウリさんがご一緒していただいたお陰です。まさにウリさんが「ブースター」でした。私一人であれば、このコースを辿ることも気力するなかったかもしれません。
ご一緒に歩きながら申し上げましたが、私一人では笹百合すら目に入らなかったかと思いますが、登山路の脇で慎ましやかでありながら気品を伴なって咲いている笹百合に気が付くこともなかったのではないかと思います。
それにしても、その直前に「そろそろ、次は山に笹百合を見に行きたい」とウリさんが仰っておられたのが、まるで山の神様に聞こえたみたいでしたね。
「風に立つ・・・」ではなく、「風に立つのがやっとな山猫」でした。
ヤマネコさん、
あの爆風の中まともに立っていることが出来るのは強靭に建設されてある赤坂山のネコ鉄塔ぐらいでしょう😅
孤高の、という表現を使わせていただいた点、失礼しました。マイナスのイメージもある言葉ですがその意味ではありません。
前日の野坂岳からスタートされテント泊、この日の大日岳からの大縦走を経て大谷山へ辿りつかれた姿を見ていて、その山行スタイルや情熱が気高く誇りに満ちているなぁと実感したが故に出てきた言葉でした。
笹百合、まさに山の神様からの贈り物でしょうか。二人して興奮してしまいましたね。
しかし、まだもう少し鑑賞し足りない感がありますので、よろしくお願いします😁
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