西穂高岳
コースタイム
25日 7:50頃 西穂山荘 8:50頃ロープウェイ西穂高口駅 13:50頃ビバーク決定
天候 | 24日晴れ→吹雪 25日26日吹雪 27日晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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写真
感想
24日からの2連休、25日の天候が思わしくないのは分かっていた。候補は南八ヶ岳と西穂高岳に絞っていて、目的は岩場でのアイゼン歩行に慣れることと、冬季のテント泊を体験することだった。西穂高岳にしたのは、山荘が通年営業であったことと、ゴールデンウィークにジャンダルムや北鎌の話が出ていたためで、ロープウェイが使えるのは単に楽としか考えていなかった。今となってはこの計画が甘かったとしか思えない。
1月23日(水)晴れ
山岳会の新年会もお休みして21時、一路初めての飛騨高山へ。ロープウェイ駐車場には2時頃着。冬場は駐車料金無料の表示。ロープウェイの始発は9時なので、ゆっくりと仮眠する。
1月24日(木)晴れ→吹雪
穏やかに晴れている。でも翌日悪いのは変わりない。8時半すぎに駅が開き、観光の方々とともに始発に乗るべく列に並ぶ。往復料金2800円、8キロ以上の手荷物は片道300円。量りがあり、荷物をはかると19キロだった。土曜日の越後白山のおかげでそれすら軽く感じられた。女一人でテン泊装備だからか、多くの観光の方に声をかけられた。「縦走かい?」「遭難するなよ」この時も明日は風強いし天気悪いんだよなって苦笑してたんだ。運良く最後の1人で始発ロープウェイに乗り込み、西穂高口駅へ。登山届けを提出し、山荘に向かう。届け口には風速15m以上になると運休します。その際、ロープウェイ駅に留まってもらうことになりますとアナウンスされていた。
山荘までは雪もしまっており、ツボ足で一時間ちょっとで着いた。途中で見た西穂高までの山並みはゴツゴツしたかっこいい山で、青い空とピラミダルな白い西穂が絶妙なバランスで目の前に現れ、登高意欲が湧いた。山荘前では小屋番さんが写真を撮っており、晴れて良かったですねと出迎えてくれた。この時点でテントにするか日帰りにするか、はたまた小屋にするか迷っていたが、とりあえずテント泊の手続きをして、小屋番さんに西穂高目標で独標で状況判断すると伝え、装備を軽くさせてもらった。小屋では預かることはしないが、下駄箱に置いて良いとのこと。
「ロープウェイって止まることあるんですかね?」「ありますよ」
ここまで聞いていたのに、ピーカンの天気に浮かれてたのかもしれない。
いずれにせよ早く登って山荘に帰って来るにこしたことはなかった。青空の下、広がるのは憧れの山々!登り始めた頃に山荘に泊まった方々が山頂より帰ってきて、素晴らしい山の様子を話される。「泊まりなら山頂行けるんじゃない?」なんて言葉にも後押しされてサクサクっと一時間で独標へ。独標直下の登りが足場もホールドも不安定で、不必要な体力を消耗した。着いた独標から見る奥穂、吊り尾根、前穂などの山並みはそれに勝るものであり、西穂高岳まで行ったらどんな山並みが待っているんだろう?また目的の岩稜帯の歩きにはこの時点では程遠く、まだ12時を回ったばかりということもあり、次のポイントピラミッドピークへ向かった。30分ほどでピラミッドピーク到着。ちょっと雲が出てきたもののまだ青空。岩稜帯のアイゼン歩行も一歩一歩緊張感があり、清々しい。ここまで来るとやはり西穂高岳山頂の欲が出て、タイムリミットを2時に設定し、先へと向かった。西穂高岳の向こうはどんな風景が待っているだろう!と楽しみにしていたのも束の間、徐々に山々が雲に包まれ、山頂に着いた時にはあたり一面ガスに覆われていた。
タイムリミットを設定すると何故かいつも丁度その時間に着いてしまう。時刻は13時53分、早々に写真を撮って山荘へと向かう。
ピラミッドピークまではガスではあっても楽しく下りられた。その後、風が強まってきて、視界不良。迷いかねない尾根も出てきて下りては登りで○印とトレースを細かく確認して進む。一難去ってまた一難。またどっちの尾根だ?その繰り返し。時折ホワイトアウト、上も下も分かんない。一時間前はピーカンだったのに!「もうダメかも」言葉に出してすぐ否定した。こまめに行ったり戻ったりして、印を見落とさなければ下りれる自信があった。しかし、独標を過ぎてたおやかな尾根に変化してから、一度すっかり方向を見失った。現れたのは真っ白い雷鳥が七羽ばかり。嬉しくもなんともなかった。でもやはり珍しいので写真にだけはおさめた。しばらくして段差を作るための人工物がうっすらと吹雪の中から浮かんできて、危機的状況から逃れられた。西穂丸山から先は細かに標識が立ててあり、吹雪は強まる一方だったが、容易に山荘へ辿り着いた。服装はアウター上下に薄手のズボンとシャツ、下着も上下夏用、厚手靴下一枚に目出帽とニット帽、手袋は3枚。吹雪で顔が痛かったけど、全然寒くなかった。テント設営までその格好だった。雪も重ためだったため、比較的気温は高めだったのかもしれない。
下山中ずっとテントやめて小屋で泊まると繰り返し呟いていたが、稜線から抜けると風も弱くなり、簡単にテントがたてられそうだったのと、何もしないで小屋にいるのも退屈な感じがしたので、予定通りテントを張った。浮いたお金で真澄の熱燗。1合升の香りがよくて、もちろん真澄も美味しくてあったまった。小屋であったまらせてもらいながら、ロープウェイの運休も考えて、朝一番に乗れるように降りようと思った。しかし、稜線での強風と山荘の風は比べ物にならなかったし、であればロープウェイ駅は余計弱いだろうから運行するだろうとたかをくくってエスケープも何も考えなかった。
テントでご飯を食べて、湯たんぽとお湯を作って21時頃就寝。けっこう底冷えして定期的に起きた。テントの除雪までは必要がない感じだったが、一晩に20〜30cmは積もったかと思う。
1月25日(金)吹雪
5時半頃に起床して、8時前には出られるようにと準備した。手際の悪いわたしもここぞという時と察したようで、我ながら早い準備ができたと思う。それでも出発は一番最後になったようで、始発に間に合うよう黙々と歩く。途中で宿泊者の4名を追い越したので、わたしが先頭になったかと思ったら、駅に着いたら小屋番のお二人がいらっしゃった。彼らも今日から休みとなり、ロープウェイを使う予定だそうだ。
しかしながら早々に残念なお知らせをいただく。本日は運行中止とのこと。下山途中は風が弱まっており、これならばいけるのでは?と思っていただけに残念なお知らせだった。明日も天気が悪いのはわかっていたし、この程度の風で運行停止ではこの先も難しいだろうと判断できた。小屋番さんから自分の足で下山できる道はないか聞くと、旧ボッカ道は雪崩の危険が高くオススメできない、もちろんロープウェーの下を降りるのは職員の方の責任問題となるのでできない、ならば一旦西穂山荘へ登り返して上高地に下りる道しかないだろうとのことだった。上高地へ下りるところには夏場の目印はあるものの、冬にそれが確認出来る状況なのかはわからないとのこと。自分では地形を読んで適切なルートで降りれる自信がなかったため、結局諦めロープウェーの運行を待つことになった。
そんなこんなで結局二日間ロープウェーは動かず。1日通して運行しなかったのは今シーズン2回目とのこと。それが二日続けてである。そんなことはここ何年もないとの話。そんな時に行くなんてホントばかだよなあ!!
さて、ステーションビバーク中の生活と言うと、お土産がわんさか売ってる、しかも食品衛生責任者さんが宿直と言うラッキーさ(しかもめちゃフレンドリー)。加えて何かのイベントで畳を使う予定があり、ストーブポカポカ、畳で就寝、加えてわたしはテント装備なワケで、ぬっくぬくと言う。何もすることないのだけが切なかった二日間だった。ロープウェーの方にはホント良くしてもらいました。
1月27日(日)は穏やかに晴れてきて、風もない朝。26日なんて信じられない吹雪でしたからね。。
にしてもあのピーカンのすぐ後に吹雪ってことも有り得るってのは、まあね、天気予報通りなんですけどね、あるんですねえ。完璧なめてました。
いろいろ書きたいことはあるけれど、とりあえず報告おわりっ☆
hirappeさん、おはよっす!
生還おめでとう
1/14に西穂行ったけど、一般道見ると頭が出てるから雪
はまだましみたいですね。 独標以下の写真は身震いが
します。撤退時期の判断が難しいケースですね。
でわでわ
無事でなによりですね!
次につなげる良い経験となったわけですね
天気予報悪かったもんなぁ。
良く一人でこの時期、この予報で西穂に行きましたね!
度胸ありますね〜!
それにしても二日間も缶詰じゃあ肝臓がやられちゃうわねぇ
お疲れ様でした!
ワシも数年前にまさしく北鎌のトレーニングとして西穂にお世話になりましたよ。
あの時は4月の頭でしたが、雪が締まりすぎてカチカチ。アイゼンをガッシと踏み込んでも爪の跡もつかない硬さ。ピッケルのスピッツェもわずかに点の跡が着く程度でした。
そういう条件ではもし風が吹いたりしたらロープ出すにしても支点もとれず満足に確保なんかできないし、バランスくずしたら一発でお陀仏だなぁと思いながら慎重に歩いたっけ。
行きはドピーカンだったけど、帰りはピラミッドピークを過ぎた辺りから一瞬にしてガスられてしまって視界がなくなり、目がテンになったのでした。
テン場からのピストンは短時間で超お手軽でしたが、私も短い時間に色々と勉強になったなぁと思った記憶があります。
石橋を叩きすぎて手が疲れちゃうタイプの人間になってしまいました
山ってあなどれませんねぇ
最近静かだな〜っと思っていたら、西穂に行っていたんですね
コースタイムは25日までなのに日程は27日までになっていて、?でしたが缶詰めされちゃったんですか
それでも初日に西穂まで行って、戻って来ちゃうんですから凄いですよね!
単独で、しかも人の入らない平日に
ホワイトアウト時での冷静な判断もさすがです
厳しい状況で小屋に戻ってきてテント張るのもイヤになりそうなのに、しっかりテン泊とは心身ともにホントにタフだ〜!!!
何はともあれ無事の登頂と下山、お疲れさまでした
はじめまして(*´∀`*)
祝福どうもありがとうございます♪
しばらく温かい日が続き、山荘付近で最低気温がー5度と言う日もあったそうです
今回も比較的重たい雪が積もったとのこと(小屋番さん、ロープウェー職員さんからの情報です)
今回は完全に日帰り装備で山頂往復タイムリミット決めて目指すか、もうひとつの候補の八ヶ岳に変更するかがよかったんでしょうねえ、荒れるのが分かってて行ったのはなぜだったのか、今となっては興味本位だったとしか思えません
コメントありがとうございました☆
ありがとうございますう!
ホントどんな度胸なんだか(^-^;
今となっては興味本位だったとしか思えません
あーほーかーーー!!!
でもわたしはどうも懲りないようで、gogoちゃんの行った4月の雪にも興味深々で、行ってダメと思ったら帰ればいいさと(;^ω^)
でも今回はそれができなかったんだなあ
行って帰れないのはきついっ
十分な計画と体力作りや練習ですね
今回は計画をまるっきりミスってしまった(´;ω;`)
新たな計画は十分に煮詰めてから実行に移して行こうと思います!
gogoちゃんの言葉でいつも冷静さと山の愉しさをもらいます
山はホントに侮れないっ、だから魅力的☆
ケンさん、ご心配ありがとうございます!
しっかし丸二日間も悪天候でロープウェー運休につき足止め食らったというところで、全て反省材料となってしまいましたあ(;▽;)
風速15mで運休と書いてありますが、常に10〜15mの風が吹いてても運休ですからね
25日の2000m付近の風が13mだから大丈夫だろうではないんですよ
ああああああ、天気読みやロープウェーの判断、とにかく山の選択が甘かったあああああ゚(゚´Д`゚)゚
26日はもう信じられないぐらいの強風でした
西穂山荘だったら飛ばされてたでしょうね
これからまた慎重な計画で山をたのしみまーす(*´∀`*)♪
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