瀬戸内アルプス【周防大島】雲に浮かぶ島々
- GPS
- 05:39
- 距離
- 10.8km
- 登り
- 818m
- 下り
- 668m
コースタイム
天候 | 曇りのち🌞 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年06月の天気図 |
アクセス |
嵩山登山口に1台デポして 文殊登山口からスタート |
コース状況/ 危険箇所等 |
標識、階段など充実 よく整備されています |
写真
感想
ヤマネコさん、ヤマイズさんとの喜びの再会ハイク。
現在どなたともご一緒できないほど、鈍足なので躊躇していましたがお二人にお会いしたい気持ちが勝り海に向かって南下しました。穏やかな稜線と雲に浮かぶ島々をヤマネコさんのおかげで満喫できました。海水浴には何度か来た周防大島ですが初めての山道、鈍足に合わせてリードしてくださいました。そして展望レストランでのお料理や食後のハーブティ、心に残る名店でしたよ。なんといっても雲の中の山道から、ぴたりと最後に青い海と空で完結は出来すぎでしたね。雨予報も気にせず行く気満々だった夫も喜んでいました。何から何までありがとうございました。
この瀬戸内アルプスの主座は600mを越える嵩山、嘉納山、文殊山、源明山の4つのピークからなるが、一筆書きは出来ないので、四座の縦走が難しいところだ。周防大島のあたりは土日と強雨の予報だったので、キャンセル料が派生する直前の水曜日の夜になって雨の予報が曇りに転じる。そこでhobbitさんご夫妻をお誘い申し上げたところ、広島から周防大島まで足を運んでくださることになったので、車二台を使っての縦走を計画することが出来る。
この週は猫の目のにコロコロと変わる天気予報に一喜一憂する羽目になる。金曜日の時点では少々の雨を覚悟してはいたが、前日になると午後は晴れの予報となる。
前日の夜になって、家内がガス・コンロを忘れたことに気がつく。用意した調理道具と食材が全て無駄になるかと思われたが、百均ショップで固形燃料とゴトクが手に入ることを。何と有難いことに国道から文殊堂への分岐のすぐ近くに百均ショップがある。
嵩山の上の方は完全に雲の中だ。山頂の電波塔は上の方が見えないほど濃い霧がかかっている。すぐに霧の中からhobbitさんの声が聞こえ、魔法のように車と共にhobbitさんが現れた。
嵩山から文殊堂に移動する途中、百均ショップで無事、固形燃料を入手する。文殊堂の少し手前で「6月24日から道路工事のため文殊堂まで行くことができません」と通行止めの立て看板がある。この日は日曜日なので、工事が行われていないことを期待して先に進むと、工事が行われている気配は全くなく、すんなりと文殊堂に到着することが出来る。
文殊堂はその前には銀杏の大樹が聳え、堂宇は小さいながらも神秘的な雰囲気の漂う趣のある場所だ。右手の長い石段を登ると、登りつめたところにある巨石にはユキノシタがびっしりと張り付いている。薄暗い巨石の下には何体かの石仏が祀られていた。
古くから登られていたのであろう。樹高の高い樹々の間に幅広い登山道が続く。登山道には無数の小さな五弁の花が落ちている。hobbitさんがすかさず定家葛(テイカカズラ)の花であることを教えてくれる。
濃厚な霧の中を登ってゆく。歩いている最中(さなか)にも音もなく、ひらひらと一片の雪のようにテイカカズラの花が霧の中を舞い降りてゆく。霧の林の中は微かな芳香が漂っているように思われるが、テイカカズラの花によるものだろうか。
文殊山の山頂が近づくと植林帯となる。山頂は広々とした草地になっている。展望台があり、晴れていれば360度の展望が広がるのだろうが、景色は白い霧の中だ。足元の草もすっかり露に濡れており、経年劣化で防水性が失われている私のトレッキング・シューズは中に水が染み込んでくる。
嘉納山への登山道に入る。すぐに舗装林道と交差する。山頂の展望台を作るための資材はこの林道を通ってきたことを理解する。林道の近くでは西洋紫陽花の群落が花盛りだ。林道を作る際に植栽されたものだろう。
先に進むと、霧の中から忽然とソロの女性ハイカーの方が現れる。植林へと入ってゆくが、植林の儒は枝打ちをされた気配がなく、大きく成長しすぎた枝が支幹のようになり、歪な樹形を示す杉の樹が多い。尾根の林相が植林から自然林に変わると、足元には数多くのホタルブクロが現れる。
嘉納山は小さな山頂広場の周囲はわずかに切り開かれているが、相変わらず眺望は雲の中だ。山頂のすぐ南には物々しい電波塔があるが、第◯管区◯◯◯◯本部とあるので、テレビや携帯の電波のためのものではなく、海上を往来する船舶のためのもののようだ。
源明山に向かう。最初の階段の下降を下ると尾根はなだらかになり、左側は植林、右側は照葉樹が続く。後ろから賑やかな人の声が聞こえたかと思うと、トレラン・スタイルの若者三人が足早に我々を追い越していった。
源明山の手前の鞍部があるが、鞍部の手前、ca630mの小ピークは小さな岩場となっており、好展望が期待できそうだ。雲の下から嘉納山から嵩山に眼下には雲の切れ目から漁港が見える。安下庄(あげのしょう)の港湾のようだ。
源明山に向かって鞍部に下る。旧源明峠と記された道標がある。峠の東側には鬱蒼とした樹林の中に安下庄に下るための古道が続いているようだったが、峠の反対側は道は消えているようだ。かつては安下庄と島の北部を結ぶ交通路だったのだろう。峠からは源明山への登りに差し掛かるとすぐにも上から先ほどのトレランの三人組が下降してくる。
源明山の山頂には大きな石碑が建立されている。幕末の長州藩と幕府軍の四境戦争の戦跡を明治百年を記念して作られたらしい。こんな平和に思われる場所が幕末の激戦地であったとはなんとも意外だ。
山頂の周囲はどうも虫が多そうであり、眺望も期待できないので、先ほどのca629mの展望地に向かう。ランチはネギと舞茸、ベーコンをバターとオリーブオイルで炒めたところにライスを投入してリゾットを作る。料理が出来る間にhobbitさんにご自宅の菜園で採れたえんどう豆の豆ご飯と胡瓜のお漬物を頂く。hobbitさんお手製の豆ご飯に前日に枝からもいだばかりの胡瓜は抜群の美味しさだ。
調理にそれほど時間をかけたつもりは楽しいランチの時間は瞬く間に過ぎる。気がつくと嘉納山の山頂からはすっかり雲がとれて稜線が姿を現す。嵩山の山頂部にわずかに雲が残っているが雲が取れるのは時間の問題だろう。
嘉納山に引き返すと柔らかな木洩れ陽が林床を明るく彩り、先ほどとはまるで違う雰囲気となる。急に空気の湿度が低くなっていくのが感じられる。尾根には相変わらず涼しい風が吹いており、汗をほとんどかかなくて済むのが有難い。
嵩山に向かうには嘉納山の山頂をトラバースする林道がある。私一人のみ再び嘉納山の山頂に寄り道させて頂く。山頂の雲は晴れてはいたが、元来、嘉納山からの眺望はあまり良くないようだ。北側の久賀港を見下ろすことが出来るのみだった。
本日、最後のピーク嵩山へと向かって、尾根を緩やかに下ってゆく。竹の美林が広がる鞍部を過ぎて嵩山への九十九折りを登ると車道に出る。驚いたことに狭い車道を上からも下からも続々と車が往来している。どうやら嵩山は展望地として人気の場所らしい。
いよいよ嵩山の山頂の展望台に上がると、圧巻の海景が視界に飛び込んでくる。北には安芸灘に浮かぶ島々、南には平郡島の浮かぶ伊予灘の彼方には佐田岬の丘陵が見えている。驚いたことに海が霞んでいるため、島々がまるで雲の上に浮んんでいるように見え、なんとも幻想的な光景だ。
視線を四国本土の方に移すと雲の上に見えている高い山々は石鎚山地に思われる。西に歩いてきた源明山から嘉納山へ至る稜線を一望すると、この日の山行の充足感に浸る。
嵩山の山頂から展望テラスに向かう。山腹から突き出たテラスからは蛇行しながら安芸灘に向かって伸びてゆく周防大島の東側、その先には再び雲に浮かぶ島々の絶景が広がり、この楽しい山行の最後を締めくくるのに相応しい壮大な光景であった。
広島から足を運んでくださり、山行にお付き合い下さったhobbitさんご夫妻に感謝。
コメント
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待ってました!
今回も海を見ながらハイクですね
昼食もおいしそうで楽しそうです
リス君の生息密度も高そうです
取り付きは結構な勾配ですね
いきなりの負荷は苦手です
odさん こんばんは
なにしろ快足のヤマネコさんですから
ついて行くのはムリムリと思いましたが
そこはさすがのお人柄、
さりげなく緩めてくださいました😂
最初の階段はやる気満々でしたが
徐々にエンストしました。
こんな人によくお付き合いくださったと😅
odさん お待たせしました!
日曜日はくしゃみが出ませんでした?
>今回も海を見ながらハイクですね
4日間、連日、綺麗な海景を堪能したのですが、嵩山はそのフィナーレに相応しい、実に素晴らしいところでした。
>昼食もおいしそうで楽しそうです
我が家はホビさんの菜園で採れたえんどう豆と胡瓜に感動しておりました。
翌日、家内さ早速にも教えて頂いたレシピで真似をしておりましたが、ほびさんのお味には及びませんでした。
>取り付きは結構な勾配ですね
いえいえ、先日の城山の取り付きの方がきつかったですよ。
でもodさんは平気な顔をして登っておられたではないですか
hobbitさん、タオルが似合うお父さん(笑)、yamanekoさん、yamaizuさん、こんばん和。Ennaです😁
黄色ガードレールはそちらでしたか〜🤔 周防大島、ええトコですね〜👍️
釣りとかツーリングによく訪れましたが、お山はまだです😅
幻想的なAM〜美味しそうな豪華ランチ🤤〜絶景の〆👍️。。カンペキです🎉
7月にSさんと行きたくなりました😄✌️
えんなさん こんばん和
えんなさんはもうちょっと先の海繋がりでしたね。
お天道さんが味方してくれましたね。
大島は久しぶり、海水浴ばかりで山の上からこんな景色が見れるとは
この歳までしりませんでした😅
霧の中の道も最終は晴れると信じていたのでわくわくしました。
ヤマネコさんに感動のご馳走と景色を頂きました。
こんばんは。
学生時代の練習船の頃、周防大島にある大島商船の学生と同室になったことがあります。「ミカンがいっぱい成る島」と言っていたのをおもいだしました。「♪はるかに見える 青い海 お船が遠く かすんでる」。いちど訪ねてみたくなりました。そして広島も。
まーすけさん こんばんは
島への橋を渡ったところ
大島商船高専の看板がありました!
ミカンとお魚が美味しい島、詩のとおりの景色です。
段々畑は高齢化のためか荒れていましたが
白い花は終わり可愛い緑の実がたくさんついていました。
是非、瀬戸内の穏やかな海をご覧ください。
27歳のカメさんはどこかでスイスイ泳いでいるのでしょうか。
瀬戸内アルプスと、呼ぶのですね!
梅雨の山は天気予報が良くても雨になる事が多いのに、皆さま持ってますね!
日頃の行いの良さと、リス神様のお陰でしょうか?
最後は晴れて素敵な景色が広がりましたね!
楽しい縦走ができましたね。
お疲れ様でした!
あんのうさん こんばんは
アルプスたくさんありますねー
私は海水浴しか来たことないので瀬戸内アルプス
知りませんでした。
笑ったけど小さなアップダウンで息切れして
侮ったことを反省しました。
あらゆるタイプのリス君がいました。
土石流、飯盒炊爨、タバコなど。
ヤマイズさんは優しいので調子に乗って
纏のことも説明して大はしゃぎしました
みなさまこんにちは。
展望レストラン、すごくおいしそう!(昼休憩前というのもありますが )
ボリュームもたっぷりで。
食べてる間に晴れ間も見えていうことなしですね。やっぱり瀬戸内アルプスは晴れてもらわないと!
三鈷茸、初めて知りましたが、ありがたい形状をしてます。ここまで名前の由来にぴったりなキノコもそうそうないですね。
もみじさん こんにちは
ジュウジュウよい匂いが流れましたか。
レシピはしっかり習いましたがリュックで担いでくれる人はいないので
お家でおさらいします。
久しぶりに海を見ました。
ピーカンの空にはない別の美しさがありました。
もみじさんも三鈷峰を見て来られましたね。
サンコタケはどこにでもありますが
へしゃげていたりつぼんでいたりで
ちゃんと三鈷型のはなかなかないです。
こちらも雨が降りそうで降らない、
モヤモヤした日曜日でしたが
瀬戸内で、楽しそうな事しておられたとは!
靄がかかって幻想的な尾根道も、
晴れて様相がすっかり変わる、
一粒で2度美味しい感じですね。
後半の眺めが素晴らしいです(^^)
いつかほびさん隊、山猫さん隊と一堂に会したいものです。
へへさん こんにちは
いつも駆け回っておられるヤマネコさんが
ひとときののんびりハイクをご用意くださいました。
雨予報で諦め半分ながらも
喜びをリュックに詰めて
体調や自粛やらでもう皆様にお会いできないと
閉ざしていましたが「再会」を目標に頑張らなくちゃ。
この周防大島の瀬戸内アルプスは実に素晴らしいところなのですが、hobbitさんご夫妻のお陰でとても楽しい山行になりました。
>一粒で2度美味しい
確かに同じルートで行きと帰りで景色が違うと嬉しいですね。
>後半の眺めが・・・
最後の嵩山からの眺望は実に壮大かつ海霧に島々が浮かび上がる景色は幻想的で、hobbitさん達とご一緒出来て良かったです。
>いつか・・・
同感です。
みなさん こんばんはリス🐿
毎朝雨の中、桃が忙しくて昨晩は拍手のみで巣箱で寝てしまったリロ
海にも雲海が出来るとは山国育ちのリスは知りませんでしたので
目からどんぐりリロ
三鈷茸ってあの金剛杵の三鈷杵にそっくリロ
自然ってすごい形を生み出すリロ
密教は自然から想像して仏具を作りだしたことがうかがえるリロ※リスの想像
リロちゃん こんばんはリス
桃ちゃん、大雨すぎないよう、日照りすぎないよう
美味しくできますように。
先日、頂き物ですが早生なのにとっても美味しかったリロ
雲の上に島がのっかっているのを
おばさん初めて見たリロよ。
長生きはするものリロね。
そうそう、その三鈷ですリロ
サンコタケ(くさいそうです)
見たので煩悩に打ち勝ってゴールできたリロ
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