奥久慈ハイキング、西金駅から不動滝
- GPS
- 02:31
- 距離
- 9.3km
- 登り
- 208m
- 下り
- 194m
コースタイム
天候 | 曇り、時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
通常はつつじが丘駐車場を利用します。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
林道のアスファルトは交通量が少なく、コケが生えていて滑りやすくなっています。 林道から登山道への入り口は、草が生えていてややわかりにくいのですが、川沿いの護岸の上を歩くような要領で進むと踏み跡が明瞭になってきます。 登山道は滑りやすいため用心します。 特に滝の近くの木橋は大変に滑りやすい上に崩落が進んでいるので、なるべくなら避けて歩きます。 滝つぼ周辺は落水のしぶきで霧雨状態ですので、濡れたくない場合は雨具を用意します。 |
写真
装備
備考 | 水、行動食、雨具、スマホGPS,ファーストエイド、手袋、デジカメ、帽子、手ぬぐい |
---|
感想
紅葉の季節には結構な登山者が出る湯沢源流。その入り口にあるのが不動滝だ。
コンクリ作りの鳥居まであって大事にされているようだが、流れる水はちょろちょろちょろ。紅葉にしか来ないハイカーにはともすれば馬鹿にされがちな不動滝である。
しかし馬鹿にしてはいけない。不動滝が本気を出せば、落ち口から3段の滝となって滝つぼに注ぎ落ちる。その激しい水流に滝つぼ周辺には霧雨が一日中降り注ぐ。更には落水が巻き起こす風に草葉は騒がしく揺れ動くのだ。登山口からアプローチすると、天候が急変したのかと勘違いするかもしれない。
−−−自分のためのメモ−−−
2週間前に右ひざに痛みが出た。直後は普通に歩いていても痛みがあり、気持ち悪かった。長い山歩きをしたとか、ジョギングをしたとかの直後に悪くなるのであれば、原因がはっきりしているが、今回はそういった自覚がない週の後半、普段なら週末の強めの運動の疲労が抜けたころに出た痛みだったからいやだった。こういう痛みは故障というよりもオーバーユースや加齢による劣化を意味している。回復は難しいかもしれないではないか。
痛みは2日目にはなくなったものの、少しジョギングすると違和感が出た。大事をとって以後ジョギングはほとんどなし。サボり癖をつけないために、運動着に着替えての散歩だけにした。身体は動きたがっているが、動いてまた悪くならないかが気になり、2週間様子を見た。その様子見が今回のハイキングだった。
土曜日の朝までかなり強い雨が降り続いた。熱海では土石流が発生して甚大な被害が出たようだ。これだけ降ったあとには本気の不動滝を見ることができるに違いない。朝遅めにスタートして西金へ向かった。
もう7月だというのに涼しい。歩いていなければ肌寒いくらいだ。これが異常なのか、いわゆる梅雨冷えなのかは微妙なところでどちらにも解釈できそうだ。自分は前者にとっているのであるが。いずれにしてもホタルが出るにはまだ涼しすぎるだろう、などと考えながら湯沢から佐中方面へと進んでいった。
山田へと続く細い道には昨年同様にカワトンボがうじゃうじゃ出ていた。これは帰りに撮影していこう。
山田越しに湯沢源流の峡谷が見えてくる。雲や霧のかかり具合では、とてつもない懸谷に見えてくるものであるが、往路から望む本日の峡谷はやさしめの里山だった。しかし、あの奥で本気の滝が待っている
登山道に入ると早くも水のとどろく音が耳に入る。序盤のミニダムを落ちる音だ。この水量が落ちるのだから、間違えがない。ミニダムを過ぎて川を高巻くように歩くと、眼下のロックガーデンを白く渦巻いて水が流れている。何気なく真正面を見るともう滝が見えるではないか。不意打ちを食らった。本気の不動滝を知っているはずの自分も、不動滝は滝つぼの近くにいって初めて見えるものだと思っていた。今日は腐りかけた木橋を渡り始めたころからその片鱗を覗くことができたのだった。
滝つぼには水音がとどろき、落水で風が吹き草木をなびかせる。見上げれば滝は落ち口から3段にもなって滝つぼへと注いでいるのだった。カメラで撮影しようにもなかなか全貌を撮影することができない。高巻く側に立つと落ち口が岩の影になって3段の上部が見えない。鳥居のそばでは滝により過ぎていて滝つぼまでを写すことができない。
そうしているうちにデジカメの具合がおかしくなった。何度スイッチを入れなおしても、メモリカードを初期化するかと聞いてくる。どうやら不動滝様はこれ以上モデルになるのを拒んでいらっしゃるようだ。本日はここで引き上げるようにしよう。滑って谷に落ちないように用心しながら登山口へ。乾いた車道脇でメモリを抜き差しして再起動したら事なきを得た。滝から帰ってくると機械の不具合が解消するという展開は、この手の怪談話のお約束どおりである。
帰路は癒される美田を見ながらぶらぶらと歩き、カワトンボを撮影した。今回は警戒心が強くてほとんど寄れなかったし、日差しが弱くてエメラルドに輝く胴体をきれいに撮影することはできなかったが、肉眼で楽しんだからよしとしよう。
黒い虫がゆらゆら飛んでいた。両手で包むようにして確保すると、黒い胴体に赤い頭(頭と思っていたのは実は胸)。いないと思っていたけれどこれはホタルではないか?黒い虫はたちまち飛んでいってしまい、デジカメ撮影する余裕はなかったが、その先で同種の黒い虫が葉に止まっているのを撮影した。実はホタルに似ているホタルでない虫というのはいくつかいるようなので帰宅してから調べることにしよう。(付記、オバボタルかゲンジボタルのどちらかの模様。オバボタルは幼虫だけが光るらしい)。
下山しながらアジサイの香りを取ってみた。アジサイの香りを取るなんてこと今までしなかったし、アジサイに香りなんてないと思っていたのだが、花を近づけてみると微かにミントのような、歯磨き粉のような香りがする。自分がつけていた日焼け止めという名の虫除けのせいかと思った。しかし帰宅してから虫除けの匂いをかいでみるとどうも違う。アジサイの香りのほうがよりクラシカルな歯磨き粉の香りに近かった。面白い発見だ。
林道沿いににぎやかに咲いているカンゾウの黄色い花を楽しみながら西金駅へ近づいていった。ピストンで林道を戻るのは久しぶりだし、雨の後のピストンはほとんど1年ぶりだ。水をくんで帰ろうということで、旧道へ入った。旧道といっても数年前まではこちらがアプローチだったのだが。
倒木が道を塞ぎかけているようなところを通り抜けて、山水の落ち口で喉を潤し、ペットボトルを満たした。普段の水道水と違ってカルキ入りではないから微かに甘ささえ感じる。蒸し暑さも忘れる。
西金駅駐車場で、雨の後にだけ見える久慈川対岸の幻の滝が見えた。夏は緑が濃くなるからなかなか滝本体を見ることができない。再び得をした気分。
さらに西金駅の線路には、いつも停車している真っ黒の無蓋車をつないだディーゼル機関車が停止していた。どうやら山砂利を積んだ無蓋車を引いてこれから出発する様子。ごつい胴体の上にちょんと運転席が飛び出しているシルエットは戦闘用みたいないかつい感じがする。
ひとしきり撮影してカメラをしまったところへ水郡線が水戸からやってきた。あわててカメラを取り出し、何とかディーゼル機関車、無蓋車、水郡線のセット写真を撮影することができた。そろって見るのはこれが初めてかもしれない。気がつくと車の中にディーゼルエンジンの排気ガスの匂いが充満していてちょっと妖しい満足感に浸りながら帰路についた。そのときにはこの臭いはケロシンだと思っていた。実際石油ストーブのようなにおいがして懐かしさを感じたのだから。しかしケロシンと軽油は別物である。
かくして奥久慈のヤマレコは今回も鉄レコで締めくくられた。
一番肝心の膝の具合は悪くない。今回の歩行距離は平坦地とはいっても9kmを上回っている。膝の裏側の腱に痛みが出ているのが懸念材料だが、一番心配だった膝のお皿とか膝の脇に痛みが出なかった。無理のない範囲でじっくりトレーニングしていこう。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する