小富士山
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- GPS
- 01:10
- 距離
- 2.1km
- 登り
- 153m
- 下り
- 157m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく踏まれたルート。 |
その他周辺情報 | まえどれ市場食堂 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
雨具
靴
ザック
非常食
飲料
地図(地形図)
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
ストック
カメラ
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感想
新しい土地に移ると、まず『分県登山ガイド』を買い込んで行き先を決めることが習慣になっている。子ども時代を兵庫県で過ごしたといっても、当時は六甲山と北摂の山くらいしかいったことがなく、それ以外の地域に山は全く知らなかったので、3年余り前に仙台から越してきたときも掟通り『分県登山ガイド 兵庫県の山』を購入した。そこに載っていた雪で覆われた4月撮影とされる藤無山の写真に惹かれて、4月早々この山に登ってみたが、雪のかけらもなく失望したものだった。東北の雪の山への思いは募るばかり。
その後、だんだんと兵庫を中心に近畿、四国の山々の様子がわかるにつれ、この本を開くこともなくなっていったが、そこに紹介されている山のうちで、「ここに行く日は、果たしてくるのか」と思うところはやっぱり登らずに残ってしまっていた。その最右翼に位置するのが、本日、ついに登頂を目指す「小富士山」なのだ。だいたい海に近い標高200メートルに満たない山、にもかかわらず場所が姫路となると我が家からはそれなりの距離である。その山に登るためにわざわざ出かけようというモーティベーションが湧かない。それに「富士山」というところには登らないポリシーがある(そのわけはいずれ時と場所を改めて明かしたい―誰も興味ないっか)。
これだけのマイナス要因があるにもかかわらず、なぜ小富士山か。理由は二つある。まず、ヤマレコの記録に「ゆっくり」と書かれたくないばっかりに六甲で飛ばした結果、もともと壊れている左膝を致命的に痛めてしまい、痛みと腫れが引かないという身体的理由が第一。秋真っただ中で冬の足音が聞こえてこようという季節にこのざまじゃ、雪の山には耐えられまい。ここはちょっとおとなしくして、降雪に備えよう。ほんの軽いハイクで我慢するしかない。第二の理由は、小富士山は姫路妻鹿漁港に至近で、昼網の新鮮な魚をゲットして夜の肴にしようじゃないかという純粋極まりない欲求があったからだ。幸い、高速道路の週末割引が今週から復活。ガソリン代高騰の中、少しは経費が節約できる。このプランを明かすとパートナーのkinuasaは「妻鹿漁港で海鮮丼を食べる」というアイデアに取り付かれ、その結果、「小富士山登山」が現実のものとなったわけである。
件の『分県登山ガイド 兵庫県の山』には「仁寿山・小富士山分岐に車をとめられるが駐車場はない」という難解な記載があり、とにかく分岐点に行ってみようということで狭隘道路に入り込んだものの、「一般車進入禁止」の金属杭に阻まれて分岐に達することはできない。そこで近くの農家のじいちゃんに聞いてみると、八幡神社の近くに駐車できるというではないか。実際、神社の東側の溜池横に十分な駐車スペースがあるのだった。そこから北側を見ると、山腹に岩の鎧をまとった小富士山の小綺麗な姿が目前に臨まれる。
支度をしてまずは八幡社にお参りをし、登山開始である。雨水に洗い流されて露出したのであろう。むき出しになった岩盤の上を登山道はゆるゆると上っていく。足元にはそろそろ終わりのアキノキリンソウやコウヤボウキが秋らしい彩を添えている。振り向けば、木々の間に海側の眺望が開ける。眺めは登るにつれ広がり、秋というよりは春先のような優しい陽光のもと、徐々に高度を上げていく。やがて左手に大岩が現れ、正面に鎖が垂らされている。かつての行場だそうだが、膝のトラブルを押して来た身としては、登るわけにもいかない。おとなしく登山道を辿り、回り込んでこの大岩の頂部に立つ。頂部には鎖はないから、途中からは自力で登る仕掛けなのかもしれない。この先、道は幾度か分かれたり合したりしながらそこそこの斜度で登ってゆく。間もなく眼前に堂宇の屋根が現れ、山頂に達する。
社から山頂の南端へと向かえば瀬戸内海の眺めが目に飛び込んでくる。振り向けば姫路市街が眼下に一望される。ここからは仁寿山方向へとよく踏まれた道を下る。道は左右二股となり、我々は「右楽道」と記されたルートをとる。シダが繁っているところはきれいに切り払いされ、快適に下れば、まもなく仁寿山分岐に至る。この地点からひとくだりすると、舗装された林道に飛び出す。車止めに制されて進入できなかったあの車道の上部に出たのだ。あとは淡々と舗装道路を下って、八幡宮まで、あっという間であった。
ここからは今日の第二のミッション、昼網ゲットである。勿論、海を眺めつつ海鮮丼を頂くというkinuasaの夢は、見事現実のものとなった。
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