神室連峰 砂利押沢支流 火打沢
- GPS
- 06:42
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 1,172m
- 下り
- 1,175m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
最上川水系 土内川流域 砂利押沢支流 火打沢 ■アプローチ〜砂利押沢遡行 駐車地点から林道を20分程進むと右手に砂利押口の登山道の看板があり、土内川に降りるように道が続いている。 土内川に降り立ったら登山道は無視して土内川を遡行。450m付近の左岸から砂利押沢が合わさりこれに入る。 滝は少なく簡単だが、この日は増水のせいでなんでもない小滝も越えるのに躊躇した。 短いミニゴルジュもあるが、難しい所はない。 570m付近の左岸から出合ってる沢が火打沢である。 ■火打沢遡行 体感1級上 水量多い SBなし ラバー✕ 滑りが結構あるのでフェルトの方がいいと思う。 滝は簡単な小滝が3〜4個程。あとはゴーロで遡行価値はあまりない。下降に向いてるような沢である。 終盤辺りに右岸が盛大に崩れてる場所があり、落石で沢が埋まってしまうくらい大量の岩が堆積している。不安定な岩が右岸から落ちてきそうで非常に怖い。通過の際は落石に要注意。 最後の詰めは、分岐は全て水量の多い方へ進み、源頭を確認してから藪漕スタート。コルを目指して15分程で登山道に合流。 ■砂利押沢下降 火打岳から小又山方面に進み、火打岳北峰とP1071のコル付近に砂利押口へ降りる踏み跡がある。道標は壊れていたが踏み跡は明瞭。 少し下ると水場とキャンプ場の看板があり、水場とされている沢にトラバースして、そのまま砂利押沢の枝沢を下降する。 滝が2〜3個あるだけで、下降は容易。ほとんどゴーロだけであまりにもつまらないので、途中で沢沿いについている登山道に上がり、そのまま土内川まで下る。 砂利押コースの登山道だが、マーキングは豊富だが一部不明瞭だったり、渡渉ありヘツリありで一般登山道としては危険個所が多い。この日のように増水してる時は登山靴では無理だろう。 |
写真
装備
個人装備 |
30mザイル ガチャ類 ビバーク装備
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感想
記録のない神室の沢にソロで入るのは少し躊躇われたが、滝は少ないとの情報だけは知っていたので試しに遡行してみる事にした。
入渓地点の土内川へ降り立つとかなりの増水具合である。
7月に土内川本流を遡行した時は気にもしなかった場所でも簡単には通過出来なくなっていた。
土内川は川幅が広い個所があるので、渡渉するのにもソロ男性でギリギリの水量だった。これ以上の水量ならスクラム渡渉やロープが必要だったろう。
砂利押沢に入っても水量は多く、簡単な所でもかなり慎重に通過して火打沢へと入って行く。
火打沢は元々規模の小さい支流の支流の沢なので、多少増水していても問題はないのだが、それにしても何も無い沢であり、なんの印象も残らない沢だ。
強いてあげれば、右岸からの崩落で沢が落石で埋まってる個所があり、そこだけが緊張の通過であり1番印象に残る場面であった。
今回のルートは下りは砂利押沢の下降なので、火打岳のピークを踏む必要がある。
誰もいない火打岳の山頂でボーッとしながら、
「夏はこんなに山頂狭かったんだっけ」
と思いながら、久々の火打岳山頂をゆっくり過ごさせて頂いた。
下降に使った砂利押沢も、これもまた超平凡であった。上部に出てきた小滝を2つ程クライムダウンした以外はずっとゴーロ。
しかも滑りも酷く、
「ダメだ、つまらん!今日はハズレのスカ沢だ」
と、さっさと登山道に上がった。
登山道を黙々下って行くと、沢の渡渉に差し掛かった辺りで前から沢屋の格好をしたソロ男性が登ってきた。
こんなとこで人と会うなんて珍しいなと思って話をしてみると、その方もこんなとこで人と会うなんてと驚いていた。
見た目は沢屋かと思ったが、どうやら地元の釣り師の方らしく、神室の沢は良く入られるらしい。
色々情報を頂いてお別れしたのだが、その方が別れ際に、
「神室の沢は素晴らしいんです。渓相もいいし人は少ないし。また来て下さい」
と仰ってるのを聞いて、つまらんハズレ沢だと思っていた自分が恥ずかしくなった。
以前、ある方のブログで、遡行価値とはなんのか、そんなのは所詮人間のエゴであり、ありのままの自然を素直に受け入れるのが沢登りではないのか。
みたいな事を書かれていたのを思い出し、それに共感した自分がいたはずである。
どの山にもハズレはないのと同じで、どんな沢にもハズレのスカ沢なんてないのである。
滝があれば面白い、難しいから価値があるなんて、ありのままの自然を楽しむのが醍醐味の沢登りにおいて失礼極まりない感情だ。
と、頭ではわかっているのだが、まだまだその域には達せない自分がいるのが現状である。
いつの日か、本当の意味でありのままの自然を楽しめる沢屋になりたい。
そんな事を思わされた神室の沢であった。
コメント
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ありのままの自然を楽しむ...その域に達するには、僕もまだ時間がかかりそうです。
ただ、関東以北の沢(特に東北)は日本古来の自然が多く残されており、水も豊富で動植物にも恵まれているため、どのような渓でも贅沢な自然を味わうことができると思います。
関東には、堰堤と林道と植林の連続で本当に遡行価値の無い沢のほうが多いです。
イワナもいないし、ゴミっためだし、植物は少ないし暗いし...
僕らは人間であり、人間にエゴは存在しているのがむしろ正しいと思っています。
なるべくそうではない理想の人間像はありますが、それはある意味自然に反するかもしれません。
自分がイイと思う沢をみつけ、存分に探究し味わう。
そんなmooreeさんを応援していますよ
東北の沢はそうですね、森が豊かで手付かずの自然が多いイメージがありますね。
関東の沢はほとんど入ったことがないですが、堰堤や林道が多いのも、それもまた自然の在り方なのでしょう。
人間と自然の共存は永遠のテーマですが、人間のエゴかあるからこそ存続されている自然もありますね。
エゴと云うと何かマイナスのイメージがありますが、一概にそうとも言えないのだと実感したりもします。
bicycleさんは猟もやってらっしゃるので、人一倍その辺りの感性が豊かで尊敬に値します。
せっかく大好きな山域で沢登り出来てるのだから、感謝しなくてはいけませんね。
もっと広い視野で楽しみたいと思います。ありがとうございました😁
興味深い感想でした。
個人的には自然としての沢の価値と沢登りの遡行対象としての価値は違うかなあと思ってます。
釣り師なら魚のいない沢はハズレな沢になるでしょうし。
ノボリストでヘツリストな私は泳ぎ系は苦手です。
オヨギストな沢屋なら水の無い沢はハズレなのかもしれません。
サケノミストならアルコールがあればどんな沢も愛せるかもしれませんね(笑)
なるほどな〜、自然としての沢の価値と沢登りとしての価値は違う、ですか。
確かにそうですね。
釣り師にしても沢屋にしても、人それぞれなので千差万別の楽しみ方がありますが、私もノボリストでありヘツリストですので、その辺りの醍醐味は欲しい所ですね😁
ただ、自分はそういったアクティビティ的な要素は実はオマケみたいなモノで、ただ沢に身を置く事だけで本当は楽しい筈なんですよね。
やはり欲がありますから滝が欲しいなんて思っちゃいますが、調査遡行で1個も滝がなかった!ハズレ沢だ!なんて嘆いても、本当は充分沢を楽しんでる筈なんだと思います。
人それぞれですから感じ方はバラバラでいいんですが、こんな話しを出来るだけでも私はとても嬉しいし楽しいです😊
機会があれば焚火しながら話を出来たらいいですね🍶
私は自他共に認めるサケノミストなので😁
ありがとうございました👍
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