勝成山(中国大会県予選で佐伯高校が3位に入賞したけれど…)
- GPS
- 03:45
- 距離
- 10.3km
- 登り
- 659m
- 下り
- 666m
コースタイム
- 山行
- 3:06
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 3:45
墓地〜上勝成山のタイムレース区間(標高差340m)は、佐伯高校の選手は前々日の練習でチームとして31分17秒のタイムを出していた(ザック重量は4人の選手の体力差に応じて調整し、4人合わせて44kg)、本番のこの日も31分台だったようだ。
特Sから最終ゴールまでは200分という規定時間があったようだが、それはクリアしている。
ちなみに、チームリーダーで2000年とやま国体の広島県選手にも選ばれたIくんは、その1週間前の練習では重量11kgで20分38秒というタイムだった。
アクセス | 大会1日目は佐伯高校および周辺の山で各種講習会とテスト(天気図・登山知識・読図)を行い、佐伯高校グランドで幕営 |
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写真
感想
佐伯高校勤務時代(1995〜2000年度)の最後の年に、中国大会予選となる県高校登山大会が学校近辺の山で開催された。1996年のひろしま国体のコースを使いながらの大会であった。
地元の佐伯高校としては頑張らないわけにはいかないと思い、練習に励んだ。その成果あって、大会では全国でも強豪の修道・広島学院に続く第3位に入り、大会関係者の皆がびっくりした。田舎の小さな学校で、元々は陸上部だったクラブで登山活動を本格的に初めてまだ3年目くらいだったからである。
もちろん中国大会にも出場できる成績だったが、実は当時の校長がこの大会への参加許可を出していなかった。私自身不可解であったのだが、夏休み中に部員が県高体連登山部のリーダー研修会に参加したのを快く思ってなかったらしい。
(私自身は富山県での国体強化練習もあって、リーダー研修会には参加できず、部員のみが1人で参加したのだが、校長としてはそれをよく思わなかったのかもしれない。必ずしも各校顧問の引率が必要なわけでなく、広島県高体連部内の何人かの顧問が指導する研修会であったのだが)
中国大会は幻に終わったが、この県大会は忘れえぬ大会となった。
当時の選手が書いた文章があるので、それを引用しておこう。
(以下、引用)
【Oくん】
この中国大会予選は佐伯高校山岳部にとって、とても意味のあるものだった。なぜかというと、佐伯高校は過去3回A隊に出場していたが、いずれも良い成績とは言えなかったからだ。しかし、今大会は違った。踏査、体力、マナーいずれも高得点で、なんと強豪の修道、広島学院に続いて第3位だった。すごくうれしくて目頭があつくなった。この成績を無駄にしたくないので、これから佐伯高校で山岳競技を頑張りたい人は、これ以上の成績をねらってもらいたい。
【Kくん】
なんと、練習も積み重ねてきた僕たちに、わけのわからん校長が前日になって出るなと言いだした。でも出る。絶対に出る!
1日目、それぞれの講習会。僕は知識だ。ちょっとしたミスで減点。くやしいけどもうおそい。まぁいい。次で頑張るしかない。テントをたてたり、夕食を作ったり…。いつ何時、何の理由で減点されるかわからない。細心の注意を払ったけど…。夕食の材料に新鮮な野菜や果物がなかったことやその他もろもろ…。まぁいい。気にしないように次を頑張ろう。
夜の交歓会。佐伯高校で行なわれた大会だから「佐伯高校、始めに何かやって下さい」なんて言われるかと思った。でもそんなことはなかった。いろいろゲームをしてそのつどバツゲームがあったり…。いきなりすごい技を見せてくれる人も…。とても楽しかった。寝る時間だって守らなければ減点だ。9時30分に明かりを消してもう話さないようにした。
次の朝、4時半起床だけど、少し早く起きてしまった。4時半になるとすぐに朝食をとり片づけ。いよいよタイムレースだ。体力面で非常にダメな僕は、これがとても不安だ。30分以内に行ってしまいたかったけれど、31分かかった。がんばったけど、まぁしょうがない。そのままコースを歩き疲れたけど規定時間の200分以内に帰るため、最後は走った。何とか200分以内にゴールについた。すぐに昼食をとり、あとは結果を待つだけ。今まで中大の本選に出たことのない田舎の弱小高校だ。今回も…。しかし結果は3位。大健闘だ!いつも静かな顧問の西部先生が、叫びながら僕たちパーティ4人全員一気に抱きついてきた。本当に喜んでくれた。僕たちもがんばった甲斐があるってもんだ。中大本選出場権をつかみとり、3位という結果と共にその場をあとにした。
数日後、文句ばかり言ってた校長は、僕たちの本選出場権をなかったことにして、僕たちの夢は大会に出る前に散った。もうすでに締め切りが過ぎて、本当に出られなくなった。中大出場は幻となった。けれど、どれだけ苦しくても悔しくても、校長の反対にあっても、僕たちががんばった事実は残った。大会に出たすべての選手と役員そして僕たち自身と、人間に比べずいぶんと大きな山と空は、僕たちの努力をどこかで覚えていてくれるのだろう。
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