身延山・七面山修行走ロングコース


- GPS
- 06:59
- 距離
- 36.6km
- 登り
- 3,330m
- 下り
- 3,328m
コースタイム
- 山行
- 6:31
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 6:46
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
舗装路、林道、登山道、さらには赤沢宿の風情ある石畳の急坂など、バリエーションに富んだコースでして、トレランレースとしてはロードが多めです。 |
写真
感想
とにかくキツく厳しいレースでした。
特に七面山。
2年前にはコロナ禍で本大会が開催できず、代わりに開催した七面山のみのミニレースで一度登ったことはありましたが、その時はスタート地点の角瀬から七面山経由のコースをぐるっと1周するだけでしたので、比較的元気に登れました。
でも今回は最初に身延山まで900mほど登った後、林道・舗装路で700mほど駆け下ってそれからの登り返しでしたので全然違いました。
七面山の登山口までは、恐らくそこそこいい順位で辿り着けたと思われますが、その順位は相当な脚へのダメージと引き換えに得られたポジションでした。
登り始めてさほど経たない内に足の筋肉にピクピク来る嫌な兆候。
これは無理すると足がつって大変なことになる、3年前の修行走のように・・・
3年前は開催されたものの、身延山から七面山方面へ繋ぐ林道が台風で崩落し、通行止めとなってしまったために身延山のみでの開催となりました。そしてその身延山を1周・2周・3周するというそれぞれの部門が用意されました。
元々ロングコース出場を考えていた自分は迷わず3周にエントリーしました。
1周10数劼離魁璽后1周目はかなり快調に駆け抜け、順位も結構上の方だったと思います。2周目も1周目ほどではないものの、まだまだ元気に周れましたが、それでも下りに入った途中から、足に少し痙攣が走る兆候が見られ始めていました。そして3周目。体力的にもさすがに落ちてきていたこともあり、登りも歩く場面が多くなっていたものの、それでも大きく順位を落とす事無く山頂まではたどり着くことができました。そして後は最後の下りだけ、となった矢先。足全体がつってしまい大変なことになりました。ふくらはぎを伸ばそうとすると前の筋肉がつり、前を伸ばそうとするとふくらはぎがつる、大腿部も同じような状況で、ここまで酷いのは生まれて初めてでした。冗談抜きで動けなくなってしまい、すぐそこのエイドまで這ってでも戻ってリタイアを申告しようかとも考えました。そんな自分の脇を後ろから来る選手が次々と快調に追い抜いていきます。そんな中、一人の方が声をかけてくださいました。選手兼救護担当のマーシャルの方でした。とは言ってもトレーナーなどの専門の知識があるという訳ではないため、このつった足をどうにかしてもらえる訳ではなく、それでも心配してくださって、補給のジェルをいただいたり、どうにか何とか動けるようになってからは、一緒に伴走してくださいました。最初のうちはそれこそ恐る恐るゆっくりと、またつらないように慎重に、という感じでしたが、不思議なものでこうして話し相手ができると気分も紛れ、精神的にも落ち着いてきます。そして徐々に足の方も回復してきて、それに伴いペースも徐々に上げられるようになりました。トレイルや林道が終わって舗装路に入り、途中石畳を経由して三門が見えたら後ちょっと。最後の商店街の直線は全力ダッシュで駆け抜けてゴールするまでに回復していました。ホントに人間の身体って不思議ですね。
さてさて昔話はこれぐらいで。
そんな足全部つって動けなくなるトラウマを思い出させられるような兆候が今回の七面山の登り初期に早くも見られたため、ここは無理しちゃだめだと思い、とにかくまずは七面山を無事に登って下り切ることに専念しました。
というのも、七面山をクリアして終わりではもちろんなく、その後再度、最初に身延山から快調に駆け下ってきた舗装路を半分ほど登り返さないといけません。少々の登り返しならまだしも、七面山の登り初期で足にダメージを感じるほどの下りです。ぶっちゃけ快調に駆け下りながら、帰りはここを登り返すのかぁ、やだなぁ・・・と感じていたほどの中々の急勾配です。それを考えると七面山を何とかクリアできた程度の状態ではとても完走は覚束ないと思いました。
なので登りはとにかく無理せず。かといって遅すぎず。足に無理をさせないと自分で思える中でも一番早いペースで登って行きました。それってどの程度のペースか分かりづらいですが、簡単に言うと、元気な強靭な足をお持ちの選手には結構抜かれましたので、大して早くないです。
それでも何とか七面山の登りをクリアし、最高点の山門をくぐって石段を下り、その先の建物内のエイドでしばし補給と休息。そこから境内を抜けて林道に入ると下りが始まります。しっかり休んだしここまでセーブしてきたので、気持ち的にはここから切り替えてガンガン攻めていきたいところだったのですが、実際には自分の足はそれに耐えられるような状態ではなく、3年前のあのトラウマの1歩手前といった感じ。実際に走り出して少ししてホントに足がつって、そこそこ大変な状態にもなりました。あの時ほどではないにせよ、足全体がつってヤバい状態にもなりました。幸い早めにつり状態からは脱出できましたが、そこからはまた無理せずとにかくつらずに下り切ることだけを考えて進みました。なので当然ペースもゆっくり。かなりの数の選手に追い抜かれました。
そんな中、七面山の下りも8割方終わった辺りだったかと思いますが、後ろから自分の名前を呼ぶ声が聞こえました。振り返ると一緒に参加していた会社のトレラン部仲間の1人でした。その彼、スピードはあまり無いものの、タフで頑丈という特性の持ち主で、自分が万全ならこの距離では負けない自信があったのですが、ここで追いつかれたということはそれだけ自分のダメージが大きかったということを物語っています。せめて付いて行きたいところでしたがそんな状態でもなく、すぐに話されてしまいました。
とは言えそこから程なく七面山の下りもようやく終わり、少しロードを走ると角瀬のエイドが待っていました。自分がエイドに入ったちょうどそのタイミングで、先ほど抜かれたトレラン部仲間の彼がエイドを出るところでした。時間にして数分程度の差でしょうか。ここでしっかり補給して回復し、この後の登り返しを乗り切って、最後の下りに入った辺りで再度追いつければいいなと、この時は思ってました。
そしていざエイドを出て再出発。
ここからは基本、コースが分かっていますので、どの程度大変かも把握できています。とにかく、身延山からの下りで七面山方面へ分岐して緩く登り切った十萬部寺まではほぼロードの登りが続きます。そのキツイ登りとここまでの足の状態を思うと若干憂鬱になってしまいますが、ゴール目指して行くしかありません。
この時点でのポジションは正確には分かりませんが、恐らくは真ん中よりは下だったと思います。七面山で抜かれまくりましたので。
足はまだまだ回復したとは言えない状態で、ちょっと無理をすればまたピキッ!とすぐにつりそうな感じでしたが、幸か不幸かほとんどが登りでしたので、そこをしっかりした足取りで歩く程度ではそれほど大きな衝撃も無いため、割と坦々と進むことができました。
そうしたところ、エイドを出てまだそれほど行かない辺りだったと思いますが、自分と同じぐらいのペースで進んでいる方に追いつき声を交わしました。すぐに離せるほどのペース差ではなかったので、何だかんだ話している内に仲良くなり、そのまま一緒に進むことになりました。ここで貴重なペーサーをGETできたのはこの後の展開で非常に大きかったです。過去にも何度か経験がありますが、特に後半の辛い時に、声をかけて励まし合える人が隣にいてくれるというのは、精神的に非常に効果が高いです。そのおかげで辛かった痛みなどもいつの間にか忘れて、最後はガンガン走れるようになったというのは、3年前もそうですが他にもありました。
そんな感じでモチベーションもペースも上がり、登り返しを走るまでは行きませんが、明らかにいいペースになったのが自分でも分かりました。そんな感じでしたので、登り返しの中ほどだったと思いますが、下りに入ってから追いつくことを目指していたトレラン部仲間に早くも追いつきました。その彼はひとりで黙々と登っていましたので、やはりペーサー効果は絶大ですね。そこからは3人で一緒に頑張ろうと声をかけたのですが、彼は我々のペースに付いてくることが出来ずに離れて行ってしまい少し残念でしたがこれも勝負の世界。
それからもうしばらくペースを維持して登り続け、ようやく待望の十萬部寺にたどり着きました。ここからはもう基本下りしかありません。とは言え急に切り替えてガンガン走れるほどの足の状態ではありませんでしたので、ようやく軽く走れるようにはなったもののまだまだ安全運転ペース。幸いなことにここまで同行していただいた方も私のペースがちょうど良かったようで、この先も一緒に進んで行けるのはありがたかったですね。
そんな感じで分岐の感井坊まで来たら、想定外の非オフィシャルのエイドを用意してくださっていて、ホッと一息ついて少し元気になりました。
そしてここからは最後の本格下り。とは言えまだまだ足は少し心配な状態。ペーサー効果で七面山の下り始めに比べれば雲泥の差の回復具合ではありましたが、それでもまだデカい衝撃があるとつるかも?な感じ。なので結構いいペースにまで上げられはしましたが、少し加減をしつつとにかく行けるところまで行くぜ!な感じで林道を下っていきました。
そうこうしている内にいつの間にか足もほぼほぼ大丈夫な状態になり、途中少し荒れたトレイルを下る辺りに差し掛かった頃には、いつの間にか気が付けばほぼ全開でガンガンに駆け下ってました。おかげで七面山で抜かれた全員というのはとても無理ですが、そこそこの人数を抜き返すことができました。ちなみにこの辺りまで来ると、それまで同行してくださっていたペーサー氏も付いてくることができず、徐々に離れてしまいました。林道が終わり残すはロードのみとなり、硬い路面で衝撃も大きかったと思いますが、幸い脚は持ちそうだったので、ペースを緩めることなく駆け抜けていきました。とは言っても実際にはどの程度のペースだったんですかね?自分では結構いいペースで下っているように思っていましたが、実際にはそう大したことないかもしれませんね。疲労困憊状態でのことですし。
そしてロードから石畳に入った辺りからは3年前の記憶が蘇ります。残りあと僅か。そして再びロードに出てすぐに三門が見えてきました。山門を過ぎて最後の直線、商店街に入ったらお約束の全力ダッシュ。沿道から「出し切って!」と声援がとても嬉しかったです。そしてそのまま全力でゴールテープを切ることができました。
タイムは6時間46分ほどで、当初想定していたよりもかなりかかってしまいましたが、とにもかくにもリタイアすることなく無事にゴールできてホントに良かったです。ちなみに終盤まで同行してくださった大恩人のペーサー氏も自分から遅れること2分ほどで、ゴールを出迎えることができました。その後に記念撮影してお互いの健闘を称えあいました。
それからほどなく自分のゴールから10分少々後には、途中で追いつき追い越したトレラン部仲間も無事にゴールしました。この10分少々の差がペーサーの威力ですね。(笑)
そうそう、実はこの時、ここにも上げている動画を撮影したGoProが帰ってから見当たらないことに気付きました。思い当たるのはただ1つ。ゴールした仲間と会場で座り込んで話したり体を休めたりしばらくした際に、恐らくその場に置いたまま忘れて着替えの宿に戻り帰ってしまったということだと思われます。
取り急ぎ大会事務局へ忘れ物の届けが無いかメールを送りました。その後公式facebookを確認すると、忘れ物の告知が載っておりそこにあるではありませんか!メールで詳細を申告していたこともあり、すぐに送っていただき、無事に戻ってきてくれました。届けていただいた方、どなたか存じませんが本当にありがとうございました!そして迅速にご対応くださった事務局の方にも感謝感謝。
次回は今回のような残念な走りにならないようにしっかりと鍛え上げ、リベンジと恩返しにまた行きたいと思います!
長々と失礼いたしました。
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