三浦半島の異形のマテバシイとリスに驚く(三浦富士〜武山)
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- GPS
- 04:04
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 444m
- 下り
- 446m
コースタイム
- 山行
- 2:40
- 休憩
- 1:24
- 合計
- 4:04
天候 | 晴れ 暖気到来の暖かい日 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
G YRP野比駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・危険個所なし。よく整備されたハイキングコース。ルート明確。分岐多いが、指導標あり。 ・ただ三浦富士山頂で分岐を間違えてしまった(写真コメント参照)。 |
その他周辺情報 | 〇白髭神社の社叢林 YRP野比駅近くに白髭神社の社叢林あり。今や失われた典型的なスダジイ林(ヤブコウジ-スダジイ群集)が残っているため県指定天然記念物に指定されている。帰りに立ち寄ってみた。 https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/8120/bunkazai/ken13.html 〇マテバシイ林更新の手引き https://www.pref.chiba.lg.jp/lab-nourin/nourin/documents/r02shinringijutusidou.pdf |
写真
感想
オミクロン対応ワクチンを打ったばかりだが、この土日は雨みたいなので、急遽思い立って、三浦半島への半日ハイク。伊豆半島に続き半島づくしです。
伊豆半島と三浦半島と房総半島は植生が似ていると言います。しかし、伊豆で夢中になったウバメガシは、三浦半島で見るのはかなり難しそう。代わりに、房総半島に多いというマテバシイが、三浦半島にもあることを知り、見てみたいと思ったのでした。
マテバシイは基本的には沖縄の樹。沖縄の植物を盛んに紹介しているゲッチョ先生こと盛口満さんが、沖縄のドングリ=マテバシイの実は、生まれた南房総の実家の裏山に普通に生えていた、と書いていて興味を覚えたのです。登山ガイドでも房総の山の森のエキゾチックなマテバシイ林が見どころの一つとされていました。
よくよく調べてみると、千葉のマテバシイは、海苔養殖用の木ヒビや薪炭材を生産する ために明治時代以降に植栽されたものだといいます。しかし、植林の哀しさ、放置するとどんどん荒れていくようで、更新の手引きが発行されているようです。三浦半島も同じなんでしょう。
とはいうものの、マテバシイ林は異彩を放っていました。三浦富士の周辺は、マテバシイだらけでした。純林としてもかなり残っていました。その景観は、沖縄っぽいといってもいいかもしれません。
そして、そこにリスがたくさんいるのです。マテバシイのドングリを狙っているのでしょうか。自然林に野生のリスだったら、どれだけ素晴らしいことでしょう。しかし、彼/彼女らはクリハラリス(タイワンリス)です。外来生物として鎌倉から広がり、三浦半島全域や横浜にも侵入しているようです。駆除が難航していて、丹沢の森にまで広がった時の森林被害が危惧されているようです。
この山域に隣接して大きなリサーチパーク(YRP)が1990年代に建てられ、さらにその隣には巨大住宅団地ハイランドがあります。その中にポツンと残された白髭神社の社叢林(富塚山)は典型的なスダジイ林でした。かつては、この一帯の森はスダジイ林が拡がっていたのでしょう。そこにマテバシイが植林され、クリハラリスが生息した。しかし、開発で伐採されるよりは良かったことには間違いありません。逆に、開発されずに、よく三浦富士の森が残されてくれたと感謝しなければいけないのでしょう。
YRPが出来たばかりの30年前に見に来たことがあります。三浦富士には登りませんでしたが、周りはもっと緑豊かで、細い道を山の中にはいったところにYRPがあった、と微かな記憶が残っています。以来、久しぶりに来たわけですが、大違いです。
あと30年したら、いや100年したらどうなっているのか。スダジイ林に戻っているのか、森がなくなっているのか。でも、マテバシイ林が立派に残っているというのが、一番、美しいな。
(参考文献)
盛口満「雑木林のフシギ」(ヤマケイ文庫 2018)
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