29.羅臼岳 「空と海が出会う場所」
- GPS
- --:--
- 距離
- 13.2km
- 登り
- 1,437m
- 下り
- 1,430m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2007年08月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
○駐車場は狭いので、早めに着いて場所を確保する必要があります。駐車場はホテル地の涯の駐車場も兼ねているので、停める場所に注意したいものです。ちなみに僕はホテルからちょっと離れた沿道にレンタカーを停めました。 ○僕が登った時期の大沢には雪渓は完全に溶けており、アイゼンは不要でした。 |
写真
感想
第29座 空と海が出会う場所
利尻岳登山から5年ぶりとなる北海道上陸となる。セントレアから女満別空港への往復航空券は満席のため得られず、羽田から女満別空港の往復航空券は何とか確保した。これで何とか北海道にいけると思うとホッとする思いである。
前日のうちに東京に移動し、8月12日、朝も早い時間に羽田空港へ移動し、そこから飛行機に乗って女満別空港へ向かった。北海道の空域に入り、僕の目に飛び込んだのが阿寒岳だった。
「お、幸先がいい」
と僕は思った。これだけ天気がいいと、雨の心配は取りあえずないだろうと思った。
女満別空港に着いた僕はバスや電車を乗り継いで知床斜里駅に着いた。ここからは予約したレンタカーでの移動となる。スタッフから説明を受けた後、レンタカーに乗り込みいざ出発! 駅から走り始めてしばらくすると、僕の目の前には羅臼岳、右手前方に斜里岳が見えた。
「おお、また幸先がいい」
と調子に乗ってスピードを出し過ぎないようにした。このあたりはスピード違反の取締りをよくやっている地点であるからである。
知床自然センターに着いたが、駐車場は満車で、さらに奥にある駐車場へいこうとした時、一台のクルマが発車した。僕はその開いたスペースにクルマを入れた。ここからはシャトルバスでの移動となる。まずはカムイワッカの滝へ向かった。僕がここに来たのは18年前であった。その時は無謀にも裸足で沢を登ったのだが足の裏が痛くて苦労した記憶と硫黄の匂いがきつかった記憶しか残っていなかった。それを踏まえて渓流登り対策として沢靴を購入したのであった。
カムイワッカの滝に着いた。ここにはたくさんの家族連れがいて沢を登り降りしていた。僕も沢靴に履き替えて、沢を登り始めた。沢靴は濡れた岩肌でもグリップ力は強力ですいすいと登ることが出来たが、数分登ったところで行き止まりであった。工事中で一の滝で行き止まりなのはシャトルバスの中で聞いていたのだが、こんなに短いなんて・・・・。
何のために沢靴を買ったのだろうか・・・・。
気を取り直して知床五湖へ向かうべく再びシャトルバスに乗った。知床五湖はたくさんの観光客で賑わっていた。それにめげることなく湖めぐりに向かった。ここでもヒグマが出没したらしく二ノ湖しか見ることが出来なかった。結局知床にいった実感がないままに知床自然センターに戻った。遊歩道を通ってフレペの滝を見た。この滝は岩から水が噴出して海に落ちていた。別名を「乙女の涙」ということあるなぁと思った。そろそろ日が落ちてきたので岩尾別YHへ向かった。
8月13日、一睡も出来ないまま早朝を迎えた。まずは木下小屋に向かってクルマを走らせた。約10分で木下小屋近くにあるホテル地の涯に着いた。僕は路上の駐車スペースにクルマを停め、木下小屋に向かった。準備体操やストックの長さを調節した後の4時50分に出発した。二日連続で眠れなかったものの、体調に異変は感じなかった。オホーツク展望台を通り、水場がある弥三吉水に着いた。飲んでみると冷たくておいしかった。先はまだまだ長いとさらに登り始めた。
大沢まで来た。ここまで来ると森林限界を越え視界が開けて、目指すべきピークが見えていた。この一帯は雪渓が夏でも残ると聞いてはいたのだが、雪渓は登山道から外れた一帯に残されており、登山に支障が出るまでには至ってなかった。このピークを登りきると羅臼平に着いた。ここで山頂がある岩塊と対峙した。ここで休憩を取った後、ハイマツを縫うように歩いていくと岩清水という水場に着いた。ここは岩肌から広い範囲に水滴がポタポタと雨のように滴り落ちていた。僕はそこでも水を飲んだ。その上に山頂があるのだ。
10時50分、僕は山頂に着いた。空は晴れており展望も良かった。北東に目を向けると硫黄山や知床半島の先端部分が見えた。反対に目を向けると羅臼湖が見えた。羅臼の街並みが見える向こうに島が見えた。あれが国後島だと近くにいた男の人が教えてくれた。僕は海外には一回も行ったことがないが、「外国を見た」記憶は18年前の1989年、北海道にバイクでツーリングをした時に宗谷岬で見た樺太を見たのが最初であった。こうして僕は肉眼で「外国を見ている」のである。果たして僕はどこかの外国に足を踏み入れる機会が訪れるのであろうか?
山頂にしばらくいるうちに5人くらいの中高年の登山グループがザックから横笛を取り出し、「知床旅情」を奏で始めた。そのグループの会話を聞いていると大阪弁だったので、関西地方から来た方々らしい。かれこれ1時間近く山頂にいたので、そろそろ下山しなければと思い、ザックを背負い下山を始めた。登ってきた道をそのままたどるだけで、15時45分に木下小屋に着いた。地図上での所要時間より約2時間オーバーしていた。ホテル地
の涯の下にある露天風呂に入ろうかとも考えたが、時間がなかったので、汗を拭いてクルマに乗り込み、今日の宿泊地である清里イーハドーヴYHへと向かった。
斜里岳に続く・・・・
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