天狗山ダイレクト
- GPS
- 07:02
- 距離
- 2.6km
- 登り
- 457m
- 下り
- 447m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ。午後から雨予報のため、夜明けとともに行動。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道を外れる場所を間違わなければ、アプローチは明瞭。取りつきも事前に写真等で確認しておけば間違えないと思う。 |
写真
感想
マルチピッチの実戦経験積みのため天狗山ダイレクトにチャレンジ。
三つ峠のゲレンデしか経験がなかったためちゃんとした(?)アルパインは初めて。
総論として、我々のレベルでも少しのチャレンジと大きな楽しみのあるとても良いルートだった。
おすすめしてくれたtoomyさんには感謝!
気持ちよく登れて多少自信もついたし、やはりゲレンデとは登り方も装備も変わってくるのでとても良い前哨戦になった。
なお北鎌&小槍の予行演習の意味合いも含めて沢靴とアプローチシューズの両方を試したところ、慣れもあるだろうが沢靴の方が圧倒的に安心感があった。
アプローチシューズ購入時にフリクションがあれば沢靴同等に登れるのではないかと考えていたが、tartletさんご指摘通りソールの柔らかさがけっこう影響した様子。
アプローチシューズで行く自信が持てれば北鎌行く際の足回りがかなりスッキリ解決したんだけどなぁ…
いずれにせよ収穫の多い有意義な山行だった。
こんな感じのマルチならまた行きたいなぁ
以下、登攀内容を含む忘備録。
奇数ピッチをtartletさん、偶数ピッチを僕が担当。
2P
左から回り込むあたりから脆そうな見た目に高度感、そしてプロテクションが取れないことにけっこうドキドキ。
剥がれないか念入りにチェックしつつ登ると、見た目に反して脆い岩はほとんどなく案外ガバなホールドが多かったので登れた感じ。
とは言え岩稜に上がる箇所でランナー無しは怖すぎたので、出っ張った岩にスリングをカウヒッチしてランナーとし越えた。
核心ピッチをこなせて確かな満足。
4P
斜度はあるが序盤のクラックや立木も含めてホールドは豊富。
岩稜に乗って傾斜が緩くなったのでもう歩いて行けるだろうとピッチを切ったが、よくよく考えると確保なしで歩くには少しだけ険しい感じだったので、もうちょっと先を終了点とすればよかった…
4P〜5P間
コンテで歩き。
ちゃんとやったことなかったのでtartletさんに教えてもらう。
5P
中盤にある残置ハーケンがほぼ全てのプロテクションな感じでリードだと嫌な感じだろうな…
左壁に足を移すのがちょっと怖かったが移してからは突っ張りの形で安定して登れた。
レイバックは出来ず。
6P
序盤にカムで2箇所プロテクションを設置。
トポ通り、後半に土の乗ったスラブという感じの箇所がありちょっと気を使った。
先ほどの反省からやや進んだ先でピッチを切ったが、今度は木との摩擦でややロープが重かった。
6P〜7P
歩き。
三段岩壁の麓で時間をもらい沢靴→アプローチシューズに換装。
7P
換装後の1発目だったからか、序盤の立った壁は少しスタンスが小さめでけっこう嫌な印象を受けた。
8P
右側にフレークが少しかぶるようなスラブで、やはりシューズの不安は少しあるもののフレークを後ろ向きにプッシュしたり背中を当てたりする感じが楽しかった。
ボルト、ハーケン、カムでプロテクション。
終了点は岩稜を乗り越えた先の太い木を使ったので、木からスリングをけっこう伸ばして岩稜の上でビレイした。
・終了点の方が低い位置関係ならロープアップは奥から手前へ
・コンテは両方落ちた時に木で引っかかることも想定して長さを考える
天狗山ダイレクト、どの記録を見ても「もろい、もろい」と記載されていたが、近年人が多く入っているからか、「触れば落ちる」といった石はそれほどないように感じられた。とはいえ、ホールドとして使えばすぐに剥がれてしまいそうな岩はところどころにあり、ゲレンデしか登ったことがない人は面食らうかもしれない。踏み跡は十分あり、必要最低限のところはペツルor残置ハーケンがあり、初心者の自分にとってはありがたい。そして眼下に広がる川上村の光景が美しく、非常に良いルートだと思う(アプローチ、下山が短いのも非常にポイント高い)
以下、記録詳細。
元々今夏はアルパインに入る予定はあまりなかったのだけど、北鎌尾根の計画を考える中で「小槍も登りたい」とutagが提案。私もゲレンデ以外のルートは経験者に連れられての初級ルート2回しか経験ないし、utagはそもそも経験がないはず。「いきなり小槍に入るのはいかがなものか」という話になり、練習としてどこかに入ろうということになったのが、この計画。土日のどちらかでという計画で、土曜日の天気予報が微妙なこともあり、「ちゃんと寝てから日曜日朝イチで登ろう」ということになった。結果的に、涼しいうちに登りきることができて、タイムマネジメント的には良かったと思う。
装備的には、北鎌本番を意識しようということで、私は沢靴で登ることに。夏にネオプレーンの靴下で過ごすのは苦行でしかない。ついでに臭い。
駐車場からは30分ほどで基部への分岐へ。写真では見ていたが、うっかり見過ごして少し通り過ぎてしまった。その先は踏み跡もしっかりあり、あまり間違えることなくたどり着くことができそう。今回は、奇数ピッチを私、偶数ピッチをutag(歩きパートを除く)で登ることに。
1ピッチ目(tartlet):いきなりコケコケの岩。朝イチなので焦らず、感覚を取り戻すかんじで。支点は全て木で取るかんじ。そのような場合、60cmスリングより120cmスリングの数があったほうが良いと悟った。
2ピッチ目(utag):嫌らしそうだなぁと思っていたピッチ。直上後左にそれるが、横のトラバースの足順を間違えたのか、結構怖かった。
3ピッチ目(tartlet):開拓者さんのルート解説によると「ヤブを通って」と書いてあったので、右側のヤブの中の踏み跡に入ってしまったが、多分ルートミス。沢ヤの想像する「ヤブ」と一般人のヤブの感覚が異なったんじゃないか説。わりと直上気味で良かったのかもしれない。
4ピッチ目(utag):あまり記憶なし
岩稜歩き:コンテで
5ピッチ目(tartlet):門といわれる場所。下の左壁にあるハーケンを見逃し、上部右ハーケン(なんか墜落したっぽく曲がってる)まで全く支点が取れなかったのが、気持ち悪い。が、下部のハーケンはどうやって使うものやら。。最初どう登っていいか分からなかったが、左足を左壁に置けてからは、確かに「左壁のガバを使ったレイバック」で登れて楽だった。(utagはレイバックは無かったというので、好みによるのかも)
6ピッチ目(utag):落ち葉で気持ち悪い斜面、は確かにあった。ちょっと脆い個所がある。
岩稜歩き:コンテで
7ピッチ目(tartlet):すごいそそり立ってる壁が格好いい。分かりやすくペツルが2か所あり、ルート取りは明確。1ピン目から2ピン目までで、あまりハンドホールドがしっかりしていない箇所があり、体重移動に気を付けながら徐々に登っていくかんじに。
8ピッチ目(utag):ペツルが無ければ「ここいくの?」という左のスラブ壁。結構足が細かく、ハンドホールド含めて3Dムーブになる。ここも結構怖かった。
9ピッチ目(tartlet):念のためにロープ出す、程度のオマケピッチ。
ここでロープとガチャをしまい、頂上へ。頂上には2人休憩をしている人がいて「こんなところに岩場があるの?」と驚かれた。しばらく休憩して下山、ちょうど12時ごろには終了。結局雨に降られることもなく、3ピッチ目だけ灼熱地獄だったけどそれ以外はちょうど良く雲に太陽が遮られ、この時期にしては非常に良いコンディションになった。下山後にutagのツェルトで2人寝られるかのチェックをし、諸々の打ち合わせをして解散。すべて下道で帰ったが、それでもスーパーに寄って16時までには帰れるという、非常に有意義な休日になった。
【備忘録】
・終日Tシャツ、腕の保護のためにアームカバー着用。utagは腕に擦り傷作ってたから、カバーしててよかったかも。ちなみに3ピッチ目だけ太陽サンサン状態だったが、その状態がずっと続いてたとすると結構辛かったと思う。水の量は700mlくらいは飲んだかな。
・ほとんどがナチュプロ、終了点もペツルがないとなると、三つ峠で準備してた支点セットはあまり意味がない。木で支点を取ることが多い場合は120cmスリングを多めに持ってた方が良さそう。
・行動食。おにぎり、3本入りのスティックパン、レモンパイ。大した運動量もなさそうなものだけど、下山後にはアメリカンドックだのアイスだの食べてたから、結構消耗してたんだろうか。
・沢靴での登攀。これくらいのルートであれば沢靴で問題なかった。多少細かいスタンスが取りにくくて、「あー、クライミングシューズなら楽なのに」と思う瞬間はあったけれども。ちなみにギアラックから沢臭がものすごくて、帰宅後にすぐに洗剤で洗った。
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