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ハイキング
阿蘇・九重
トホレコ☆リターンズ 5・阿蘇を越える。
2008年04月15日(火) ~
2008年04月18日(金)


- GPS
- 80:00
- 距離
- 75.3km
- 登り
- 1,818m
- 下り
- 1,297m
コースタイム
4/15 熊本を後に
4/16 阿蘇山麓に齧り付く
4/17 阿蘇山麓湧水めぐり
4/18 阿蘇を越える
4/16 阿蘇山麓に齧り付く
4/17 阿蘇山麓湧水めぐり
4/18 阿蘇を越える
過去天気図(気象庁) | 2008年04月の天気図 |
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アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
4/15 市電で駅へ戻って荷物を回収。昼近くなってからボチボチ出発する。この先のとりあえずの目標地点は別府温泉である。別府からさらに国東半島を回ってみるつもりだが、その先のことは温泉に浸かりながら考えることにしよう。というわけで東へ進路をとるのだが、熊本から別府へ抜けるとなるとどんなルートを取るにせよ一山越えねばなるまい。熊本と大分の間には阿蘇が立ちはだかっているのだ。北側を回り込んで峠を越えていく方法もあるが、ここまで来たら阿蘇を避けていくのは潔くない。やはり山頂を極めておいて大分へと雪崩れ込むのが筋ってもんだろう。 天気はすっかり回復してほのぼのとした陽気である。荷を背負っていると汗が出る。上着を脱いでシャツ一枚になって歩く。一昨日から急に痛み始めた右足首は、一日休んだくらいでは回復しない。むしろ酷くなっていやしないか?昨夜は湿布を貼って寝たのだがまるで効果なし。ひょこひょことビッコ勝ちに歩いていると、ほんたうに阿蘇を越えられるのか不安になってくる。まあ、様子を見ながら麓までは歩いてみよう。 都市郊外の道は例のごとく退屈である。この苦行は都会の惰眠を貪ったあとのお約束なのだ。国道57号線が九州自動車道を越えた先に運動公園がある。足は痛てえし、やる気も出ない。今日のところはさっさと行動を打ち切って、ここで野営と洒落込む。仲々立派な公園で、ジョギングする人たちがたくさんいる。 4/16 今日はお天気下り坂である。なんとか一雨来る前に阿蘇山麓まで歩いてしまいたいものだ。運動公園を東に抜けて近道していくことにする。しかし立派な公園だな。野球場など何面もある。出口がどっちなのか分からんぞ。そうこうするうちに方角が分からなくなる。まあ適当でいいか。 公園を抜けると、東と覚しき方角へ狙いを定めて歩いていく。程なくして雨。足の具合は相変わらず良くない。菊陽というところで、馬肉専門店を発見。アフターダークカフェに馬肉を送って見ることにする。これは別に自分のお金じゃないし、自分のための買い物でもないのだが、何となく名物を購入した充実感があるから不思議だ。熊本の居酒屋でご馳走になった馬レバーがあまりにも美味しかったので、馬刺しと一緒にレバーも送ることにする。残りの在庫が200gしかないとのこと。馬肉専門店でもあまり在庫がない、レアな商品なのだ。 足の痛みで一向にペースが上がらない。大津というところに道の駅があるようなので寄ってみる。先日の「北竜」の道の駅みたいに、上等な生鮮野菜が手に入るかと期待していたのだが、なんだかちょっと立派な土産物屋さんという感じのところだった。結局何も買わずに、57号線を歩いていく。車が多く非常に歩き辛い。こんなことなら裏道をずっと行けば良かった。ふと気づくと道はいつの間にか結構な高台に登っており、さっきまで歩いていた裏道がずっと下の方に見える。これから山肌を登っていくわけだし、今更下に降りてみようという気が起きない。雨はハラハラと断続的に降り続いている。ペースが上がらないので体は冷える一方だ。行動を打ち切ろうにも、国道沿いには野営適地が皆無。 立野を過ぎた先で大きな橋を渡る。阿蘇大橋というやつだ。ここから道はやや南よりになる。阿蘇南方の山麓には、元気に迸り出ることで有名な湧水群があるということなので、道中冷やかしていくつもりである。日は早くも暮れなんとするも、相変わらず野営適地が見当たらない。もうこうなったらヤケだな。雨なんて気にしないもん。夜通し歩くんだもん。などと半ばヤケになるころ、ようやくおよろすい感じの野球場を見出す。小さな四阿が外灯の光の下にたたずんでいる。うまいことに水場もある。なんだか忽然と現れたね。神様がちゃんと用意しておいてくれたとしか思えない。ナイス、神様。 テントを張ってから栃木原温泉をアタック。「いろは館」と言ったろうか。物静かで雅な宿で日帰り入浴を試みる。オフシーズンなのか利用客の姿が見えない。湯殿には電気すら付いていない。むーん、独り占め。火山の麓だけあって、源泉掛け流しの上等な湯である。ひでえ一日だったけど終わり良ければ、ってやつだな。 4/17 雨は上がって濃い霧が立ちこめている。妙に気温が高く、まったりとした朝だ。9時頃のんびりと出発。今日のところは高森あたりまで進んでおいて、天気と足の具合を見つつ明日の進路を決めるとしよう。南方に山肌が見えている。カルデラの縁なのかもしれない。雲の薄絹を纏って荘厳な風情である。南阿蘇鉄道のかわいらしい一両列車がその下を通り過ぎていく。 本日のメインイベントは湧水くゎんこうである。白川水源が有名なようだが、阿蘇山麓のこのあたりには他にも多くの湧水池が点在している。まずは「塩井社湧水」の看板が目に入る。路傍の水路をサラサラサラと流れる湧水と覚しき透明な流れに沿って、静かな小路を辿っていくと神社に出る。塩井神社である。こんもりとした林に囲まれて薄暗い下に湧水池が暗く木漏れ日を反射している。梢から何か落ちてくるのか、時折水面に小さな波紋が広がる。こちらの守り神は水の女神様だそうである。僕は自分の守り神は雨の女神様に相違ないという妙な妄想を持っているので、なんとなく親近感を覚える。お賽銭を投げて詣でた後で、湧水をいただく。いろんな湧水を飲んで来たが、ここの水は相当美味しいんじゃないだろうか。やはり山肌からぴゅーっと吹き出しているやうな水は良い水が多い。 案内板を頼りに付近の湧水を回ってみる。寺坂、湧沢津、池の川、明神池、等々。どれもこぢんまりとしたものだが、ブルージーな風情を湛えて侮りがたい。滋味溢れる佇まいである。寺坂湧水など鉄橋の橋桁のすぐ脇に溢れ出ており、いとおかし。他にもまだ湧水はあるようだったがいい加減面倒になってきた頃、ようやく白川水源に到着。ここはブルースというよりポップな風情だ。くゎんこうバスの姿も見え、大変な人出である。くゎんこう地として確立されている感がある。入場料も100円取られる。何事も人が集まると仕掛けが大掛かりになるものだ。湧水はその名声に恥じることのない立派なもので、見応え充分である。水量がハンパねぇ〜。ほんたうに湧水なのか?というやうな勢いでこんこんと迸り続けている。 明日の進路を占う意味合いも込めておみくじを引いてみる。大吉と出た。今日は足の具合もだいぶ良いやうである。天気さえ保ってくれたら、やはり山越えだな。おみくじによれば恋愛運も良好らしい。ひょっとしたら山頂で素敵な出会いが待っているかもしれない。しかし「慢心せずに今のうちから来年のことを考えておけ。」というやうなことが書かれていた。耳の痛い話である。 高森の町でデコポンと高野豆腐を買ってから、さらに4kmほど歩いて月廻り温泉に行ってみる。ここはグラススキーやパークゴルフが楽しめるらしく広々とした施設である。駐車場脇の桜の木の下で野営。 4/18 阿蘇登山はお天気次第というつもりだが、朝から冴えない空模様である。荷物をまとめて歩き出したとたんに雨。おいおい勘弁してくれよ。やはり俺の守り神は雨の神様に違いない。大陸から高気圧が張り出して来ているはずだが、寒気が入ったとみえて気温が低い。南阿蘇休暇村にビジターセンターがあるというので、雨宿りがてら寄ってみる。まだ開館まで時間があるので、くゎんコーヒーなど啜りつつ天文雑誌など読みふけってみる。ダークマターってなんなんだろうなぁ、などと思っているうちにビジターセンターが開く。ここでは1/5万の地形図をコピーしたものが配布されている。丁寧にコースタイムまで書き込まれている。これさえあれば安心だ。雨もすっかり上がったようで、阿蘇登山を敢行することにする。鍋の平経由で日の尾峠を目指す。そこから東尾根の登山道を行けば山頂まで二時間ってとこだろう。 雲はどんどん吹き飛ばされて峠に着く頃には晴れ間も見え始める。山頂は風が強いかもしれない。阿蘇東尾根の登山道は踏まれることの少ないマイナールートらしく、「このルートはザイルが必要」などという剣呑な看板も立っている。中高年登山者向けの警告だとは思うが、注意しなければなるまいな。まあ、ダメそうなら引き返したっていい。などと思いつつ歩いていくが別に危険そうな箇所もなく無事東峰に到着。立派な登山道とは言えないかもしれないが、荒れているわけでもなく充分利用可能。登りだと足首への負担は却って少ないらしく軽快なペースでここまで来た。稜線をぐるりと回ってロープウェイまで行けば立派な道が付いていることは想像できたが、ロープウェイの下を歩くってのも気がすすまない。ということで、酔仙峡へダイレクトに降るルートを使うことにする。分岐に荷物を置いて高岳を往復。酔仙峡ルートを登ってきたという夫婦が、このルートは降りに取ると大変そうだなどと教えてくれるが、まあ大丈夫だろう。しかし下り始めてすぐに後悔し始める。急な下り斜面は予想以上に足首に負担がかかる。普通の状態ならどうということもないのだが、足が痛くて仲々ペースが上がらない。ご夫婦の忠告を聞いておくべきだったな。ヨチヨチ歩きでなんとか下山。登りより時間がかかった。 登山口には立派な四阿があって野営適地ではあるが、時間もまだ早いし宮地まで下ることにする。無理な下山が祟って足がジンジンする。しかし天気は麗らかで風が心地よい。尾根に妙な模様が付いているのが。伐採痕かなんかだろうか。山麓には牧場があって、のどかな風景が広がっている。写真など撮りながらのんびり下っていく。しかしこんな足でよく乗っ越せたものだ。阿蘇登山を楽しむ人は多いと思うが、この道を歩いて町まで行く人は皆無であろう。あまつさえ山頂近くまでロープウェイが通っているのだ。 一本道を何処までもまっつぐに歩いていくと、やがて宮地の町に着く。国道57号線を渡ってさらにまっつぐ行くと阿蘇神社に到着。仲々立派な社である。鳥居のそばに湧水がある。ここの水も美味しい。はやくも夕闇が近づいている。神社裏手の駐車場の脇にちょっとした広場があったので隅っこのほうで野営することにする。野営適地とは言い難いが、もう野営地を探すのが面倒だ。参道筋を冷やかしてみる。あちこちに湧水は湧いているが風呂屋がない。コロッケと鶏肉、豆腐などを買って帰る。 夜になると駐車場は車の出入りが激しく落ち着かない。酔漢共がらぁらぁと歌う声が遠くに聞こえる。ヤンキーやおまわりさんが乱入して来なかったから、まあ良しとするよりあるまい。 |
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