紅葉の黒部峡谷🍁(黒部ダムから下ノ廊下)
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- GPS
- 11:19
- 距離
- 26.3km
- 登り
- 2,541m
- 下り
- 3,440m
コースタイム
- 山行
- 6:26
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 6:48
天候 | 初日(10/27):晴れのち曇り(夕方雷雨) 翌日(10/28):曇り(下山後雨) 寒気を伴う気圧の谷が通過する影響で雷雨予報だったが、進行が遅れたことから山行中に降られることは無かった。 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
JR信濃大町駅06:15→扇沢駅06:55 扇沢駅07:30→黒部ダム駅07:46 合わせて3,450円(1,650+1,800) 立山黒部アルペンルートHPからWEBきっぷを事前購入できる。バスは予約画面を見せるだけ、扇沢からのバスはQRコードで発券するだけ。扇沢駅のチケット売り場は非常に混むため、この方法を強く推奨。 帰り: 欅平駅10:01→宇奈月駅11:21 紅葉の時期だが悪天候ということもありガラガラだった。窓なし車両寒すぎンゴ…🥶 |
コース状況/ 危険箇所等 |
歩道区間は非常によく整備されており、覗き込みでもしない限り危険はない。両日とも終盤は道の細さにも高さにも飽きるので、集中力を保持するのが肝要。むしろ歩道区間以外のが事故りやすい。 ここでは、他の記録ではあまり言及されない歩道区間以外についても特筆する。 ●黒部ダム〜ダム下渡渉地点 バスを降りたら直進して日電歩道方面へ。トイレはここ以降小屋までないので注意。トレイルは急な下りから始まる。 ●ダム下渡渉地点〜新越沢二股 この区間(内蔵助谷出合と別山谷出合の中間あたり)までは普通のトレイルだが、起伏が激しく疲れる。阿曽原小屋のブログで問題視されていた内蔵助谷出合にある内蔵助平分岐だが、注意していれば間違えることはない。前を見ずに足元だけ見てると間違えるかも。 ●新越沢二股〜白竜峡手前 下ノ廊下歩道区間前半「旧日電歩道」の始まり。道が細く岸壁沿いになるがアップダウンは減る。この辺りはそんなに怖くない。 ●白竜峡手前〜十字峡 日電歩道の危険区間ですが、注意していれば落ちることはない。ここの前後に梯子を登り下りするところで疲れます。歩道区間全てに言えることですが、番線のワイヤーを掴みながら壁寄りに進めば問題ないです。 ●十字峡〜半月峡 このあたりから高度感が増してきますが、すぐ慣れるので怖いのは最初だけ。十字峡越えて最初の吊り橋は高所恐怖症にはきつそう。 ●半月峡〜東谷吊り橋 ほぼ平坦な歩道区間。この辺りから慣れと飽きが来るので集中力を切らさないように。なお、今月上旬に崩落した箇所(阿曽原小屋のダイブツさんが修復)はどこなのか分からないほど元通りでした。東谷吊り橋はかなり揺れるので怖い人は怖いかも。 ●東谷吊り橋〜仙人谷ダム 東谷吊り橋を越えて左側へ。右側が開けているが、通行不可(休憩場所としては最適)。進むと右手にトンネルが見えるが無視して直進した先のトンネルに入る。この区間はたまに作業員の方々が居るので車の通行に注意。 ●仙人谷ダム〜人見平 ダム内の通路を進む。標識を見ていれば迷うことはない。高熱隧道を過ぎた先は硫黄臭と熱気がすごい。 ●人見平〜阿曽原温泉小屋 仙人谷ダムを抜けて人見平を過ぎると登り返しの急登。疲れた体に響きます。自分はヒィヒィ言いながら登りました。100mほどの急登が終わると再び起伏の少ない歩道。しばらく進むと阿曽原温泉小屋への下りが始まりますが、ここも急坂。焦ってコケないように。 ●阿曽原温泉小屋〜折尾谷 小屋を出てテン場の奥から登りスタート。やや急登なので目覚めたばかりの体にはキツい。梯子も多く、早朝出発の場合、足を踏み外さないよう注意。自分は斜面に気付かず数m滑落しました(自力で復帰)。 折尾谷にあるトンネルは若干浸水していますが、ハイカットなら問題無いと思います。 ●折尾谷〜蜆谷 下ノ廊下の歩道区間後半「水平歩道」区間です。前日歩いているので道自体は慣れます。慣れてからが要注意ですが…。撮影スポットの大太鼓付近は道が狭いので要注意。志合谷にあるトンネルはまあまあ長く、結構水位が深いです(前夜に降雨があったため平時は分かりません)。ハイカットでも少し水が入ります。気になる人は浸水対策した方がいいかも。その他、短いトンネルはいくつかありますが、浸水は無し。 ●蜆谷〜水平歩道終点 このあたりから起伏が増え始めます。鉄塔真下を過ぎるあたりから下山道がスタート。木の根や浮石が多い。水平歩道終点から下りと思いきや、その手前から下りが始まります。 ●水平歩道終点〜欅平駅 一気に400m下る急坂。階段や梯子が多く、踏み外せば命の危険に繋がります。ここに来る頃には疲労のピークだと思うので、ゆっくり足を進めたいところ。油断禁物! |
その他周辺情報 | ●ルートイン信濃大町駅前(前泊) 普通のホテル。特筆事項なし。 ●信濃大町駅〜扇沢駅(バス) 駅前交番にバス停があります。この日は10月下旬の金曜日、始発06:15のバスでしたが7割程度の乗車率。 ●阿曽原温泉小屋 48名収容する下ノ廊下唯一の温泉宿。その人気は絶大で、紅葉の時期は1ヶ月前の予約開始直後には満室になります。(平日のど真ん中でも即満室)自分は196回のコールの末に最終枠を確保しましたが、正規の寝室ではなく食堂に布団を敷いて寝ました。 ・宿泊費 素泊まり 9,000円 1泊2食 13,000円(夕食+朝食) 1泊2食 12,500円(夕食+朝弁当) 紅葉の時期は遅くとも11時には欅平に着く必要があるので、朝食を食べてる時間はありません。必然的に早起きして朝弁当になります。 ・温泉 1時間ごとに男女交代ですが、小屋から温泉までかなり降る(しかも足場悪い)ので暗くなる前に入るべき。この日は 13:30-14:30 男性 14:30-15:30 女性 15:30-16:30 男性 16:30-17:30 女性…(以下略) でした。 ・食事 夕食は主食(カレー🍛)と副菜(コロッケとサラダ)。こだわりのカレーは地元産コシヒカリと地元ブランドの黒部名水ポークの豚肉を使用していて、30分間食べ放題です。(過去最高記録は20分で5杯とのこと)食事の後はビデオの上映があります。 この日は 18:00 1回目 18:30 2回目 でした。 ・その他 小屋内は電波通じません。小屋前のゆったりコーナーではdocomoは通じました(YouTubeで動画が見れるくらい)。 登山道情報など、下ノ廊下に関する最新情報は阿曽原小屋のブログで確認できるので要必見。 来年から黒部キャニオンルートが開通しますが、途中下車不可なので阿曽原小屋に行きやすくなったり…ということはないため注意です。 ●黒部峡谷鉄道トロッコ列車 欅平駅から帰るには必須の交通手段ですが、予約ができません。(宇奈月方面からの往路は予約可、欅平からの復路は予約不可で早い者勝ち) そのため、可能な限り早い時間(繁忙期は遅くとも午前中)に欅平へ着く必要があります。間に合わなければ最悪数時間待つことに… ちなみに、紅葉時期は11時46分発の列車に乗るよう欅平駅長から指示が出ているようです。 ひいては、阿曽原小屋を朝4時台に出発することを目安にすると良いと思います。 この日は3時前からザワつき始め、5時前には殆どの人が出発していました。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
着替え
靴
ザック
ザックカバー
行動食
飲料
ヘッドランプ
GPS
常備薬
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
ヘルメット
携帯トイレ
カラビナ
スリング
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備考 | 150cmスリングで簡易チェストハーネスを作り、ワイヤー引っ掛け用に60cmスリングを繋いだが、結局使用することはなかった。 |
感想
紅葉の黒部峡谷下ノ廊下(旧日電歩道+水平歩道)へ行ってきました!
●下ノ廊下とは
富山県中新川郡の黒部ダムから黒部市の欅平駅を結ぶロングトレイルで、聳り立つ絶壁を通行することから登山グレーディングは「E」(大キレットと同じ)になっています。落ちたら命がないことから「黒部に怪我なし」と呼ばれています。
絶壁の細い通路を通る区間を「旧日電歩道(内蔵助谷〜仙人谷ダム)」「水平歩道(折尾谷〜)」といい、特に危険な区間とされています。
一般的な登山道と異なり登り下りは少なく、比較的平坦な道が続きますが、足を踏み外すと死ぬことが特徴です。
「日電歩道」は戦前に調査目的で開削された電力会社の作業道で、関西電力が登山者のため歩道を整備することを条件に国がダム建設の許可を出したため、今もなお毎年関電作業員による整備が行われています。
「水平歩道」はその名の通りですが、こちらも関電の黒四発電所へ続く巡視路のため整備が行われています。
この道を開削した偉大なる先人、そして現在も整備してくださる関電作業員の方々、阿曽原小屋を始めトレイル整備に尽力される皆々様に尊敬と感謝。。
普通の山もそうですが、登山道があるということは整備してくれる人がいるわけで、そういった歴史やバックグラウンドに想いを馳せて登りたいものです。。。
●感想
当初は行く予定ありませんでしたが、「今年1番記憶に残る登山」にしたかった奥穂高縦走が悪天候のため大キレット目前で撤退することに。どうしよう…と思ってたところに浮かんだのが下ノ廊下でした。奇跡的に小屋の予約も取れ、天気予報では悪天候予想でしたがトラフの進行が遅れたことから奇跡的に天気も持ち、無事に山行を終えることができました。
戦々恐々としていた山行前と比べた山行後の感想は、
・思ってたより怖くない(というか楽しい)
・歩道区間以外の方がキツい
・手の甲を切ったので「黒部に怪我あり」になった
・ブログだと厳しい阿曽原小屋の人々は優しい人たちばかり
・整備関係者に感謝
といったところです。
下山後の今はまた行きたい!という気持ちに駆られています。だいたいの山って写真ではリアルほど怖さが伝わらないと思いますが、下ノ廊下は写真の方が怖くリアルはそれほどでもないです。皆さんも是非行ってみてください。できれば紅葉の時期に。良ければ小屋泊で。一年を通しての想い出になること間違いなしです。
次の山行は子持山を予定しています。
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