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Yamareco

記録ID: 6337556
全員に公開
ハイキング
東海

10歳児がばあちゃんとゆく歴史の寺と絶景古城・本城山

2024年01月04日(木) [日帰り]
 - 拍手
子連れ登山 シューP その他3人
体力度
2
日帰りが可能
GPS
04:41
距離
7.9km
登り
498m
下り
491m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
3:25
休憩
1:18
合計
4:43
距離 7.9km 登り 498m 下り 491m
10:31
27
スタート地点
10:58
11:06
14
11:20
11:26
50
12:16
12:24
27
12:50
13:43
83
15:07
15:09
4
15:13
ゴール地点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年01月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
日龍峯寺駐車場
道中、おさるに遭遇
岐阜は少し山に入るだけで自然がいっぱい
2024年01月04日 10:25撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 10:25
道中、おさるに遭遇
岐阜は少し山に入るだけで自然がいっぱい
駐車場にとめてスタート
2024年01月04日 10:33撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 10:33
駐車場にとめてスタート
堂々たる鐘楼
2024年01月04日 10:42撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 10:42
堂々たる鐘楼
意気揚々と撞く息子さん
2024年01月04日 10:43撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 10:43
意気揚々と撞く息子さん
お堂裏の霊験あらたかな水をいただきます
2024年01月04日 11:03撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:03
お堂裏の霊験あらたかな水をいただきます
お堂を通り抜けて登山道へ
2024年01月04日 11:05撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:05
お堂を通り抜けて登山道へ
フユイチゴがかわいい
2024年01月04日 11:06撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:06
フユイチゴがかわいい
さあ出発
2024年01月04日 11:06撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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さあ出発
いきなりペースの速い息子さん
2024年01月04日 11:08撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:08
いきなりペースの速い息子さん
気持ちいい道ですこと
これは高澤古道、古い信仰の道だそうだ
2024年01月04日 11:12撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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気持ちいい道ですこと
これは高澤古道、古い信仰の道だそうだ
古道からそれてワイルドな斜面を登る
トレースが薄くてドキドキ
2024年01月04日 11:18撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:18
古道からそれてワイルドな斜面を登る
トレースが薄くてドキドキ
気持ちいい尾根に出たぞ
2024年01月04日 11:22撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:22
気持ちいい尾根に出たぞ
うーんいい眺め
2024年01月04日 11:24撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:24
うーんいい眺め
思わず通過しちゃったけど
ここが高沢山の山頂でした
2024年01月04日 11:26撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:26
思わず通過しちゃったけど
ここが高沢山の山頂でした
白山の白い姿が見える
おとといぶり
2024年01月04日 11:29撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:29
白山の白い姿が見える
おとといぶり
高澤古道におりてきた
でも何か気になる息子さん
2024年01月04日 11:35撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:35
高澤古道におりてきた
でも何か気になる息子さん
わきの小山に登りたかったのでした
2024年01月04日 11:36撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:36
わきの小山に登りたかったのでした
古道をどんどん進む
跳んで遊ぶ息子さん
2024年01月04日 11:40撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:40
古道をどんどん進む
跳んで遊ぶ息子さん
気持ちのいいところに出たよ
どれどれ
2024年01月04日 11:49撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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気持ちのいいところに出たよ
どれどれ
いい見晴らし!
2024年01月04日 11:49撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:49
いい見晴らし!
たしかに眺望地点だ
2024年01月04日 11:50撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:50
たしかに眺望地点だ
イノシシもよく通ります
2024年01月04日 11:53撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:53
イノシシもよく通ります
ここの眺望地点はちょっと
2024年01月04日 11:58撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:58
ここの眺望地点はちょっと
高澤古道から外れて尾根にのぼります
2024年01月04日 11:59撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 11:59
高澤古道から外れて尾根にのぼります
どんどん行くよ
古道に比べるとワイルドな道だ
2024年01月04日 12:02撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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どんどん行くよ
古道に比べるとワイルドな道だ
12時を回ったのでおなかがすきました
ここで何か食べよう
2024年01月04日 12:04撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:04
12時を回ったのでおなかがすきました
ここで何か食べよう
ここもなかなかの絶景ポイント
2024年01月04日 12:04撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:04
ここもなかなかの絶景ポイント
大仏山への道はトレースかなり薄め
2024年01月04日 12:14撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:14
大仏山への道はトレースかなり薄め
大仏山でなく大仏
だいぶつでなくおおぼとけ、なのね
2024年01月04日 12:15撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:15
大仏山でなく大仏
だいぶつでなくおおぼとけ、なのね
さらにトレースがうすい
帰りここ行くの大変そうだ
2024年01月04日 12:29撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:29
さらにトレースがうすい
帰りここ行くの大変そうだ
降りきったところがもう小野城の遺構
2024年01月04日 12:32撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:32
降りきったところがもう小野城の遺構
土塁だって
城のいろいろが出てきたね
2024年01月04日 12:33撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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土塁だって
城のいろいろが出てきたね
スピードを上げる息子さん
ついていくのがたいへん
2024年01月04日 12:35撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:35
スピードを上げる息子さん
ついていくのがたいへん
竪堀だ
2024年01月04日 12:39撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:39
竪堀だ
案内がたくさんあって親切
しかしガンガン進む息子さん
2024年01月04日 12:41撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:41
案内がたくさんあって親切
しかしガンガン進む息子さん
城の人たちが暮らした場所、曲輪だ
そして頂上までもうすぐ
2024年01月04日 12:42撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:42
城の人たちが暮らした場所、曲輪だ
そして頂上までもうすぐ
曲輪が急斜面にへばりつくように段々になっていてなかなかキツい
しかしブッ飛ばして登る息子さん
2024年01月04日 12:45撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:45
曲輪が急斜面にへばりつくように段々になっていてなかなかキツい
しかしブッ飛ばして登る息子さん
置いてかれた
頂上まであと100m
2024年01月04日 12:47撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:47
置いてかれた
頂上まであと100m
ひと足先に頂上を堪能していた息子さん
2024年01月04日 12:49撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:49
ひと足先に頂上を堪能していた息子さん
本城山に登ったよ
2024年01月04日 12:50撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:50
本城山に登ったよ
ヤッホー!!!!!
2024年01月04日 12:50撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:50
ヤッホー!!!!!
それにしても絶景だねえ
2024年01月04日 12:51撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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それにしても絶景だねえ
妻とばあちゃん到着
2024年01月04日 12:56撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:56
妻とばあちゃん到着
岩にぽつんと
2024年01月04日 12:56撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 12:56
岩にぽつんと
これがお楽しみ、ばあちゃんのおにぎり
2024年01月04日 13:00撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 13:00
これがお楽しみ、ばあちゃんのおにぎり
さっそくいただきます
2024年01月04日 13:00撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 13:00
さっそくいただきます
大絶景と食べるばあちゃんのおにぎりは最高
2024年01月04日 13:11撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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大絶景と食べるばあちゃんのおにぎりは最高
ジャンプして遊ぶ
ジャンプして遊ぶ
小野城は16世紀のお城。当時としてはかなりの大きなものだったそうな。城主は斎藤宗雄(宗祐)公、土岐頼芸と敵対した土岐頼純についた方であると
2024年01月04日 13:13撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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小野城は16世紀のお城。当時としてはかなりの大きなものだったそうな。城主は斎藤宗雄(宗祐)公、土岐頼芸と敵対した土岐頼純についた方であると
さて城の遺構を見ながらおりよう
2024年01月04日 13:40撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 13:40
さて城の遺構を見ながらおりよう
井戸の跡
こんな山の中だもの井戸が大事だよね
2024年01月04日 13:42撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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井戸の跡
こんな山の中だもの井戸が大事だよね
石垣跡から美濃を望む
2024年01月04日 13:49撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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石垣跡から美濃を望む
1500年代の石垣がよくこんなに残っているもんだよ
2024年01月04日 13:51撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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1500年代の石垣がよくこんなに残っているもんだよ
ブッ飛ばす息子さん
2024年01月04日 13:53撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 13:53
ブッ飛ばす息子さん
来たのと違うほうにおりてみようか
右に進むのだ
道しるべにはどっちも高澤観音とある
2024年01月04日 14:02撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 14:02
来たのと違うほうにおりてみようか
右に進むのだ
道しるべにはどっちも高澤観音とある
トレースを見ると分岐なんてない
そんな謎すぎる道しるべ
2024年01月04日 14:09撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 14:09
トレースを見ると分岐なんてない
そんな謎すぎる道しるべ
めっちゃ飛ばす息子さん
2024年01月04日 14:13撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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めっちゃ飛ばす息子さん
おりてきた
2024年01月04日 14:14撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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おりてきた
ばあちゃんと妻を待ってのんびり農村を歩く
2024年01月04日 14:39撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 14:39
ばあちゃんと妻を待ってのんびり農村を歩く
いい鐘
2024年01月04日 14:42撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 14:42
いい鐘
ちょっと長い舗装道歩きのあと、この橋からまた山へ
2024年01月04日 14:53撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 14:53
ちょっと長い舗装道歩きのあと、この橋からまた山へ
それなりにきつい登り
2024年01月04日 14:55撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 14:55
それなりにきつい登り
イノシシ?
2024年01月04日 14:57撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 14:57
イノシシ?
あとちょっとだからがんばろうね
2024年01月04日 15:02撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 15:02
あとちょっとだからがんばろうね
神社に出た
短いけどなかなかの登りだったね
2024年01月04日 15:08撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 15:08
神社に出た
短いけどなかなかの登りだったね
おつかれさまでした
2024年01月04日 15:09撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1/4 15:09
おつかれさまでした

感想

2024年の登り初めは快晴の高賀山。最高だったわけだけれど、岐阜ステイと冬の快晴はまだ続く。そこまでガチではないけれど眺めのいい山、ということでばあちゃんに紹介してもらったのが「本城山」。

岐阜(つまりは美濃国・飛騨国)でもっとも古いお寺で、開山は5世紀前半の仁徳天皇の時代。創建したのが両面宿儺という、もはや神話レベルの寺院「日龍峯寺」の奥にこの山はある。歴史的にど田舎であり続けた東国と違い、西国にはそこかしこにこういうスーパー歴史系が存在するので油断ができない。

まずは日龍峯寺の駐車場に車をとめて、トイレをすませてお寺に向かう。年季の入った鐘楼で鐘をつかせてもらって息子さん大満足。その近くにはこの寺を再建した北条政子が建てたという多宝塔。お寺のどこかには源頼朝の分骨もあるという。歴史のテーマパークかよ。

美濃清水、の異名をとる本堂、その裏手によき清水がありまずは飲んでみる。うまい。そのまた別の裏手に抜けて、そこが登山道。本日の山登り、スタート。

この日龍峯寺、別名高澤観音に参拝するための古道が「高澤古道」。関市と美濃市の境にある見坂峠から続くこの道を逆にたどってゆく。古道は長年の参拝客によって踏み固められていて、そうとう歩きやすい。

そんないい道からそれて、ヤブみたいな急登に突入してまず最初の山、高沢山に向かう。無理やり感のある登りを過ぎると小規模な尾根に出た。この尾根を少し進むと、北方面に視界の開けたなかなかの展望台に到着。白山がよく見える、おとといぶりですこんにちは。

ん? そういえば山頂は? と思ったら、「尾根に出た」ところだったっぽい。いちおう引き返して写真だけとっておく。

高澤古道に戻る。小さな築山のようなところがあり、速攻登る息子さん。

古道はよく踏み固められていて、アップダウンもあまりない。気持ちよく歩いていると見晴台があった。三重の方面がよく見えて気持ちがいい。

しばらく行くともうひとつの見晴台、こちらは木々が茂ってしまいもはや見晴らせない。そして古道とわかれて大仏山を目指す。

古道とはうってかわって、トレースのやや薄い道。見晴らしのよいところに出たあたりで12時になり、正確すぎる息子の腹時計が大きく鳴る。ちょいとひと休みしてオヤツタイム。

薄めのトレースを上がっていくと、ほどなく大仏山。ダイブツではなくおおぼとけ、だそうだ。眺望などはとくにない山中のゆったりピークである。

そのまま大仏山をおりていく。トレースはさらに薄い。なんとなく、ここをまた帰りに通るのはいやだなと思った。

坂をおりきったところから、小野城の遺構が始まる。土塁や竪堀が次々と現れる。道はかなりしっかりしている。

大きな段々になっている曲輪たちを縫うように急登の道をあがってゆく。正直、ここの登りはキツい。まるで意に介さずスタスタ登る息子さん、残り100mほどのところで完全に置いていかれた。

それにしてもこの曲輪群、相当大規模だ。武田信玄生誕の地とされる要害山を思わせる。山の中に街がひとつあるような感じだったのだろうか。

急登をのぼり詰めると、突然視界が開ける。青空の中に飛び出た岩があり、そのてっぺんに座って息子が景色を見ている。本城山に登ったよ。ほどなく妻とばあちゃんも到着。おつかれさまでした。

岩の上からの眺望は、見事の一言。広く遠く見渡せて、美濃国がぜんぶ見えてしまいそう。こんな景色と冬の澄んだ青空の下、お昼ごはんをいただきます。大好物であるばあちゃんのおにぎりに猛獣のようにかぶりつく息子さん。

この小野城、築城が大永年間(1520年代)と500年ほども昔。武田信玄も織田信長もいない頃のこと。城主は斎藤八郎左衛門宗雄(利直、宗久)、美濃国守護土岐氏の内紛に際して土岐頼純に与したという。それはつまり土岐頼芸と若き斎藤道三(当時は長井新九郎規秀)との対立を意味して……

と、山頂にある説明板をはじめいろいろな情報をまとめてみるものの、わからないことがあまりにも多い。斎藤宗雄(そうゆう)さんも美濃守護代の斎藤家と関係があるのかどうかも出てこない。ただ最近、実在すら確定していなかった彼の使っていた太刀が関市で発見されて、ようやく彼の存在が確実になったという。小野山合戦を経て城が廃城になったあと、彼はふもとで農民たちとともに生きていったそうな。

これほどの規模の城を維持するだけでも大変、衛兵だけでかなりの人数が必要だっただろう。それが大大名ではなく今ではあまりその姿が伝わっていない城主によって営まれていた、というのはかなり不思議なことだと思う。あまりにも顧みられていないのも残念。謎に包まれた大城郭、もっと研究が進むといいなと思う。

さておりていこう。井戸跡を見たあと、石垣が残っているというので見に行く。美濃方面が見渡せるよき見晴台に、見事な石垣が残っていた。これほど顧みられていないのに、500年もしっかり崩れずきれいな石組みが残っている。ちょっとこれは感動的。

やや細いトラバース道を抜けてメインルートに戻り、分岐を藤谷集落のほうに進む。柴っぽい大仏山を通るのは気が引けるし、ピストンより周回のほうが楽しいだろう。

それなりにしっかりした登山道をおりていく。息子はブッ飛ばすのでなんとかついていく、妻とばあちゃんはゆっくり来てください。視界が開けて神社が登場、ここで山道は終わりのどかな農村になった。少し待って妻とばあちゃんと合流、集落の道路を進む。こっちのルート、距離的にはちょっと遠回りである。

藤谷の集落のところで左ななめ後ろに曲がり、進んでいくと谷のつきあたりに出た。ここからまた山道、尾根をひとつ乗り越える。イノシシの頭蓋骨が木にひっかけてあった。

最後の最後にちょいとキツめの登り。なんとか乗り切ると廃旅館があり、さらに行くと高澤観音に続く階段に出た。あとは駐車場に戻り、今日の山登りはおしまい。

軽いハイキングかと思いきや、わりとヘビーな歴史と長歩きの旅になった。岐阜はやはり懐が深い。

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