?
- GPS
- 26:26
- 距離
- 11.9km
- 登り
- 1,162m
- 下り
- 1,164m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2024年01月の天気図 |
---|---|
アクセス |
写真
感想
記録。
■1/29(日) 15:00頃 2590m
本来阿弥陀岳まで抜けたかったが思った以上に時間がかかったため
ここから下山開始とした。
■15:30頃 2500m付近
道中一番大きかった三段の氷瀑の2段目から滑り落ちた。
高さ3m程度の2段目から落ち右足踵を強打。
ひっくり返って続けて1段目の氷瀑も滑り落ちる。
幸い1段目は滑滝のためその後どこかをぶつけるということは
無かったが、氷瀑を落ちた後、頭を下に腹ばいの状態となり
そのまま雪面を滑り続けた。
アックスは両方とも腰のスクリュークリッパーに
掛けて使用できない状況。
手で何とか止めるしかなく、ひたすら雪面に指を立て続ける。
一度止まりかけ、また滑り始めときは絶望感がすごかった。
長々と滑り続けた気がしたが、停止まで5秒程度だろうか?
結局、氷瀑から30m程度のところで何とか止まることができた。
次の氷瀑があるような地形だったら確実に放り出され、死んでいただろう。
状況を確認。右足が痺れるように痛い。
立ち上がろうとするが痛み立つことができない。
折れたのだろうか?激しい捻挫レベルなのだろうか?
登山靴を脱ごうとは思わなかった。
一度脱いだらもうそこから動けなくなるかもしれない。
幸い装備を落として失くすようなことにはなっていなかった。
電波があり救助要請もすることもできがたが。
ここまで登りは3時間なので負傷した体で下ったら
6時間程度なのだろうか?
真夜中には下山できるかもしれない。
立つことができないので両手と左足で右ひざを
引きずり雪面を下りていく。
無雪期は沢なので、ところどころ雪の穴から水流が覗いており
落ちないように越える必要がある。
激痛に耐えながら立ち上がり一歩またいでまた雪面に倒れこむ。
■17:30頃 2300m付近
登りの際に高巻きをした氷瀑の滝口に着くが懸垂下降の支点に
できそうな木がみあたらない。
登りで通過した別の懸垂下降支点に心当たりがあったのでその場所まで
斜面を登り返し雪面をトラバースすることとた。
右足が使えない状態での登り返しは非常に難儀した。
アックスを確実に決め右膝を雪面に当て体を持ち上げていく。
トラバース中に完全に暗くなりヘッデンを灯す。
懸垂下降支点に到着するころには20時となっていた。
■20:00頃 引き続き2300mあたり。懸垂下降支点。
50mシングルロープとバックアップロープをつないで片足懸垂下降。
地図を開くと下山開始箇所から水平距離がほとんど
変わってないのに絶望。とはいえ進むしかない。
1/30(月) 0:30頃 2100m付近 クリスマスルンゼとの分岐。
日が変わってしまった。
登りの際フリーソロで越えた数mの高さの氷壁をいくつか
降りなければならなず、この身では地獄の断崖絶壁となる。
両手と左足の3点支持を確実にし慎重に下っていく。
■02:30頃 1960m付近 中央稜取付き近辺
傾斜がなくなり四つ這いでの移動は困難となり、
持ってきた1本のストックを杖に、激痛に耐えながら2足で歩いていく。
二股まで付けば林道まで直ぐのはずだが、そもそも二股までここから
さらに長かった。
少し進んでは座って休む。
時おり風の音に紛れて人の声が聞こえる。幻聴だろう。
座り込んでる間は睡魔が襲い、夢と現実がごっちゃになる。
カメラのフラッシュがチカチカと眩しく光るが夢なのか
幻視なのかよく分からない。
二股は幕営地なので、二股に近づいてるという思いが幻覚を見せるのだろう。
■03:30 1900m
ようやく二股も越え林道終端までたどり着く。
通常だと1時間もあるけば登山口まで着くイージーコースだが
ここからもまだまだ時間がかかる。
06:00 南稜取付き付近
とうとう明るくなってきた未だ着かない。
07:00
もうすぐ登山口。ここで初めて登山者と会う。
こちらの異変に気が付き何か手伝おうかと声を掛けられるが、
もうすぐだからお断りする。しかし全然すぐじゃなかった。
07:40
ついに舟山十字路駐車場にたどり着く。
駐車場に着いたら泣くかと思ったけどそんなことにはならなかった。
車が4−5台止まっているが人の気配は無い。
朝から登ってるのだろう。
自分の車にたどり着き荷物を後部座席に投げ込む。
すぐにでも病院へ行きたいが、職場に今日は休むと一報を入れ
運転席で眠り込む。
10:00
目が覚めると10時を回っていた。
車を出そうとバックで動かすと路面が凍っててスタックしてしまう。
絶望感すごかったが、今回はカーシェアのため、サポート窓口に電話すると1時間くらいでレッカー車の手配が終わってさらにその1時間後にはレッカー車がきて脱出できた。ロードサービスのお兄さんがめちゃ優しくくてありがたかった。
カーシェアは甲府駅近くのステーションで借りたものなので、
甲府近辺の病院に行くことにした。
13:00
諏訪南インターから高速乗る前のコンビニに寄ろうと車から降りるが、この時点でストック付いてもまともに立つことが出来なくなっていた。
店内の陳列棚に手を引っ掛けながら移動し辛うじてトイレと食料を調達。
車の運転席でおにぎりとパンを流し込む。
実に20時間ぶりのまともな食料。
14:30
甲府の整形外科に着いて、怪我した足から登山靴を脱がしてもらう。
パンパンに腫れていたので靴を破壊することを覚悟してたがなんとか脱げた。
足は腫れあがり変色しており、医師によると靴による締め付けで循環不良を起こしているとのこと。
そのままにしとくと足が壊死してしまう類のものらしい。
レントゲンを撮ってもらい応急処置。医者の見立てでは踵骨粉砕骨折のため、即手術と入院が必要とのこと。受け入れ先を探してもらうが山梨で入院する事にならないと受けてもらえないとのこと。
余りの痛さにそれでも良いですと答えたが、結局先方から断られてしまう。
この時点で17時。
病院から松葉杖を借りれたものの15kgのザックを背負って電車で東京に戻るのは無理だと思ったので、車でザックを東京の自宅にもどし、空身で甲府に戻って車を返却する作戦とした。
(荷物を梱包し宅急便で送る手もあったが、、)
中央道で東京を目指し都度 SA、PAで休憩。
途中エンジンをかけたまま仮眠をとるが目が覚めると何ともうガソリンが殆ど無い。ギリギリで首都高までたどり着き、途中のICから降りて24時間営業のセルフスタンドで補給。なんとか自宅にもどり荷物を部屋に担ぎ入れると火曜の午前3時となっていた。
車を返すため再び甲府へ戻る。
朝8時にカーシェアステーションに着くが今度は返却ための駐車場の
空きがないトラブル。
細かく利用延長を繰り返したためシステムで齟齬が生じたのであろう。
指示に従い近くのコインパーキングに返却することとなった。
松葉杖で甲府駅に向かい9時26分発東京行きのあずさに飛び乗る。
東京へ向かいつつ職場へ最悪手術入院で暫く休む可能性がある旨連絡。
新宿駅に着くとホーム間を移動するためのエレベーターの設置箇所がよく分からず難儀。
松葉杖で階段登るのか?ともじもじしてると通りすがりの方が駅員さんに問い合わせてくれた。
最寄り駅に着きタクシーで帰宅。時刻は昼過ぎ。
自宅から近くかつ火曜の午後に整形外科がやってる病院は限られていたため、自ずと病院は決まり、タクシーを呼ぶ。
病院では待ちが長く、順番が来るまで痛みに悶えた。
応急処置の包帯を解いてもらうと親指くらいの大きさの水疱が幾つもできており、凍傷も併発してるのかとゾッとした。
(組織の損壊で行き場を失った水分が皮膚の下に貯まるとのことで普通の現象らしい。)
CTスキャンの結果関節部分がきれいな状態のため手術なしの保存療法となった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する