記録ID: 6580014
全員に公開
山滑走
八幡平・岩手山・秋田駒
岩手山~乳頭山
2024年03月16日(土) ~
2024年03月20日(水)
- GPS
- 104:00
- 距離
- 50.6km
- 登り
- 3,196m
- 下り
- 3,175m
コースタイム
3/15(金)
東京=各自電車=盛岡
〈アプローチでの留意点〉
特になし。当初雫石から行こうとしていたが、荷物のデポやアクセスの良さから盛岡のほうが良いだろう。
今日はアプローチ。1年の慎之助以外は新幹線。東京から2時間くらいで来られるのは素直にすごい。やはり新幹線は正義である。4人は19時頃に集合したあと、盛岡冷麺の有名なお店で夕飯を食べ、快活へ直行した。いっぽうの慎之助は寝坊をかました末、列車が白鳥にぶつかったやら、強風やらで遅延して、盛岡に着いたのは22時くらいらしい。かわいそうに。
3/16 曇り、不動平付近はガス、岩手山山頂のみ時々ガスの晴れ間あり
盛岡駅=タクシー=網張温泉スキー場8:30-8:50発-9:40スキー場トップ9:50-(デポ5分)-10:25犬姥コル-(たるみ10分)-11:33姥黒コル-11:55黒鬼コル-(たるみ、弱テ、シール外し25分)-(シールつけ5分)-13:25お花畑13:35-(たるみ10分)-15:26不動平避難小屋15:55-16:30岩手山16:40-17:00不動平避難小屋(岩手山ピストンは2名以外空身)
〈危険個所〉
特になし。大量降雪後は、黒鬼コルからのトラバースで雪崩に注意する必要がある。
〈電波入る場所〉
基本的にスキー場から不動平避難小屋まで、岩手山は入る。お花畑は弱い。
快活を7:00くらいに出て駅へ向かう。水を汲んだり、ロッカーに荷物を入れたりしつつ7:30に駅を出発し、網張温泉スキー場へ。途中タクシーの運転手が行き先を雫石スキー場だと勘違いしていたため遠回りにはなったが8:30には網張温泉スキー場に着いたので、リフト券を買い、準備をしてリフトを3本乗り継ぎ10時前にはリフトトップに来られた。第3リフトは9:30からしかやっていないのでどうしてもこの時間になってしまうのが朝の時間を使えず勿体無い。手早くシールをつけて早速縦走を始める。今日の目標は不動平避難小屋、できれば岩手山ピストンも済ませたい。トップはほぼ今後もときが担当する。ピストンに不要なものは少し進んだところでデポしようということになり、夏道の分岐あたりでデポした。不動平までは赤布、竹竿を駆使して帰りの時短を図っている。FBを参考に細かくルート取りを決めておいたこともあるが今後もかなりの区間を巻きのペースで行くことになる。やはり隊の人数が少ないのと下級生が慎之助の一人だけだとトラブルが少なくて速いのだろう。デポした後の犬姥コルは少し東側に行きすぎてしまったようなので若干軌道修正を図る。その後犬姥コル先は1380mからうまくトラバースして崩落した沢を回避できた。ゆるゆるとトラバースを続けて次の姥黒コルにつき、そこから少し高度を上げたあと再びトラバース、黒鬼コルからも高度を30mほどあげ、シール外して滑走準備。トラバース区間で若干の雪の層のズレを感じたので一応ピットチェック。結果はCTM16(RP)down10,20, CTH30(RP)down50とそこまで雪崩の危険は高く無いので、トラバースしながらお花畑へ向かうこととする。ゆるゆると高度を下げていき、最後は沢地形にぶつかったので沢の中におりてシールをつけ、ハイクアップでお花畑着。そこからは最初は尾根上を進むが木がうるさいので、尾根の直上から若干はずしつつ進み、限界が近くなってからは右手へ少しトラバースして沢状地形を進んだ。不動平直前200mの地点からクラスとしており、上級生はそのまま進めたが、慎之助は難しそうだったのでクトーをつけさせることにする。しかし、ビンディングに雪が詰まったようでなかなか入らないので、上級生が板を回収し、不動平まで歩いて行かせた。不動平避難小屋はなかなか立派な見た目をしている。電波も入るし中にトイレもあってすばらしい。しかし、入り口が凍り付いていて空かないので雪を取ったり、金具を叩いたりしてやっとこじ開けられた。一旦中に荷物を入れて、サブザックを持っている鴨田とLが食料水などを持ち、その他は空身アイピケで岩手山へ。不動平避難小屋からずっとガスっているので、しぶいなーと思いながら登っていくと山頂はガスが時々晴れる天気。いい感じのタイミングを見計らって思い思いに写真撮影。風は強いが全く寒くは無い。それが済んだらスタスタ下山。小屋についたら水作り、サイト(一般的な鍋だが、油揚げが多くて美味かった)、ささやかな宴会等を終えて20時過ぎに就寝。
3/17 晴れ、12時ごろから雪途中みぞれ、17:00頃に複数回雷鳴を聞いた
不動平避難小屋5:00-6:15お花畑-(たるみ、シールつけ15分)-7:06黒鬼コル-7:30姥黒コル7:40-8:07犬姥コル-(デポ回収たるみ15分)-(たるみ10分)-10:18大松倉山-(シール外し換装10分)-10:53三ツ石山荘
〈危険個所〉
特になし。大松倉山は限界上風強い。
〈電波入る場所〉
スキー場近く。三石山荘も局所的に入る。
3半5。Lは塩見のトラウマから、寝ている間に飲みポリをこぼしてシュラフが濡れる夢を2回も見てしまった。もときがボッカしてくれた冷凍うどんを使ったカレーうどんは美味かった。外は風速15mほどの風で前に進みにくいので、小屋から少し歩いたところでスキーを履いて滑走を始める。しかし、慎之助はなかなか一人でスキーを履けないので手助けする。その後も慎之助がこけることがしばしばあったが、お花畑までの読みは15分くらいしか伸びなかった。お花畑からは昨日シールを履いたところまで滑走した後、シールをつけて昨日のトレース通りに三つのコルを経由してデポ地点まで戻った。途中何度かシール滑走の場面があり、Lも含めて数名こけていた。デポを回収した後、三ツ石山荘の方に向けて引き続きシールで歩いていく。他の人のトレースがあったのでラッセルもなく、途中の小ピークを適宜巻きつつ進む。途中もときの左のシールが死んだのでテーピングで応急措置をとった。大松倉山の登りは東側に雪庇があるので稜線の真ん中を登る。限界上に出ると西風がかなり強く、大松倉山の三角点を過ぎたところからは雪庇が西側に出ており、強風が一段と強まってきたので、少し東側に降りた場所をトラバース気味に進み、樹林下の風がない場所まで来たらシールを外し、三ツ石山荘をめがけて滑走した。三ツ石山荘は過去最高の素晴らしい小屋であり、薪ストーブもあった(薪は無いので、鴨田ともときが拾ってきた枝に火をつけようとしていたが湿っていて断念していた)。2階建てで他に誰も来ることはなかったため5人では持て余してしまった。着いてからとりあえず1時間休憩して水作りをする。サイトはビーフシチュー。バターのコクが効いていて美味すぎる。2時間さらにダラダラした後宴会をして19時くらいに寝た。
3/18 吹雪
終日停滞。8時に起きてジフィーズを食べた後、電波が入る場所で天気を確認する。19は大体晴れそうで、20も午前は耐える予報なので、明日明後日で縦走を完遂することを狙うこととする。ちなみに電波は2階の南側の手すりの少し東側がピンポイントで入った。それからダラダラして慎之助の履修相談などをし、13時くらいになるとじゃんけんで負けた川中とLは入り口が雪で埋まらないように雪かきに出た。昨日今日で30cmは積もっており、明日までにさらに積雪は増えそうだ。雪かき中に他の人が沸かしてくれたお湯で再びジフィーズを食す。どの味もうまい。
16時半から宴会をする。宴会のあとは明日以降の方針を会議する。ヤマテンやscw情報だと思う17時くらいまでは天気が持ちそうなので、明日は早めに出て大白森まで、明後日は雪だが、風は強く無い予報なのでそのまま乳頭山を打つ計画を立てた。
明日は勝負日になるだろう。18時半には就寝。
3/19 晴れ、午後から曇り
三ツ石山荘5:00-5:46三ツ石山-(たるみ10分)-7:02小畚山-(たるみ10分)-8:35八瀬森分岐-(たるみ10分)-(たるみ、換装15分)-(たるみ10分)-11:54八瀬森山荘-(たるみ10分×3、換装たるみ15分)-16:39大白森山荘
〈危険個所〉
三石山から子畚山(特に子畚山)が強風注意
〈電波入る場所〉
三石山~八瀬森分岐はところどころ途切れるがおおむね可。大白森山荘は無理。
今日も3半5。睡眠が足りないが、仕方ない。夜明け前の小屋を出発して三ツ石山へと登っていく。出発前に慎之助がストックを小屋に忘れたので、とりあえずLと慎之助以外でラッセルを初めてもらい、5分後に追いついた。昨日の積雪は40cm、吹き溜まりはさらに多いため、急登のラッセルはみんなで回していく。基本膝ラッセルだが、時折太ももラッセルになって朝一番にはキツイ。しかし読み通りに三ツ石山へと到着。風が強く、雪が剥げた山頂へは一旦板を脱がないと行けないのですぐ横をスルー。小畚山方面へと歩みを進める。ずっと限界上でたるめる箇所はわずかな針葉樹の陰だけである。ニセ小畚は東巻し、小畚山に登っていく。事前情報にある通り、ここは特に風が強く、ストックで支えないと転んでしまうほどである。もときのシールがまた剥がれたのでテーピングでリペアし、再び進む。この後ももときのシールののりが回復することはなくずっとテーピングをしていた。小畚山山頂からの下りは北が急すぎるので一旦西へ下りコルへと回り込むことにする。トラーゲンに代えて降ろうとするが、風が強すぎて誰もザックを背負えない。仕方ないので、手で持って下る。樹林下の風が弱くなったあたりで再びスキーを履き、たるんだ後、八瀬森分岐へ登っていく。ここは西に森林があるおかげか限界上でも風が強くなかった。分岐からは滑走のつもりだったが、もちろんパウダーが溜まっていて滑らないので下りラッセルとなる。少しでも滑走するため、1384を超えた後の本ルートより北側の沢を滑ることにする。先頭は引き続き下りラッセルが続いているようだが、後続は快適に滑ることができている。ラッセルしてくれた鴨田、もとき本当にありがとう。
1230あたりで再びシールを履いて西へ角度をききって尾根への復帰を試みる。かなり尾根が広く、若干西へトラバースしすぎたが、無事復帰できた。そのあとは関東森を巻いて、深く入っている沢を超えて尾根に乗った。1168への尾根への登りで気を抜いて地図読みをしていなかったLはトップを南西側の間違い尾根に誘ってしまった。すみません。元の場所まで復帰してもらって、無事、正解尾根を下り、八瀬森山荘に到着した。三ツ石山荘ほどではないがいい小屋である。そこからは予定通り、八瀬森を南巻きし、その後の小ピークもできるだけ巻いていく。この時点ですでに12時半をすぎているが、まだ曲崎が残っているし、そこからも大白森山荘まで長い。おまけに午後の腐れ雪でラッセルがどんどんキツくなってきている。川中の提案で地図をよく見てみると1170-80あたりの曲崎の南斜面は等高線が緩くなっている。ここなら雪崩の心配が少なく巻けるだろうということで、曲崎は巻くことになった。特にモスる必要もないが軽量化のためモスる。果たして結果はというと無事トラバースに成功し、大幅に時短になった。そのあとシール滑走、登行を繰り返して大沢森を巻き、先のベロを過ぎたあたりから、シールを外して滑走した。モナカ雪のために慎之助はこけて苦労していた。そのあとはシールをつけてテクテクと歩き、最後の急登を超えてやっと大白森山荘に到着した。なんとまあ12ピッチ近いロングデイとなった。小屋は2階が木板で1階は2人寝るスペース以外は土間になっている。いつも通り、水作り、サイト、宴会をする。今日はキーマカレー。いつものカレーと少し味と具が違うので嬉しい。明日も例によって早起きしなければならないので、宴会もそこそこに就寝。ラーメン、カルパス、マシュマロは安定してうまい。
3/20 雪、稜線上多少風あり
大白森山荘5:00-5:59大白森6:15-7:15小白森-(たるみ10分)-(たるみ20分)-9:39蟹場分岐-(たるみ10分×2)-11:29田代平山荘11:50-12:30乳頭山12:40-13:10田代平山荘13:35-15:40乳頭温泉
〈危険個所〉
特になし。最後の大釜温泉への下りはルートをミスると温泉パイプを超えなくてはいけない
〈電波入る場所〉
小白森を超えて蟹場分岐付近。田代平山荘もギリ入る。
3半5。小屋を出るとしんしんと雪が降っているこれは限界上は吹雪いていると思い、ゴーグルバラクラバでスタート。大白森の台地上は何もない雪原で、視界は50mほどしかなく、角度を信じて進むのみ。途中トップが左右にふらふらするので適宜進行方向を指示して無事誤差20mで大白森の大地の脇につく。ここでシールを外して滑走開始。昨日の溶けた雪がクラストした上に新雪が積もっていて、滑りにくい。コルで換装して再びシールハイク。小白森まで読みより巻いて進めている。そこからシール滑走し、うまいルートどりでサクサク進んでいく。しかし1068手前の急斜面で慎之助はクラストした斜面を登れず、クトーをつけるように指示する。またもやクトーがつかないので、手で持って登るように指示する。鴨田が荷物を回収しに降りてきてくれる。上級生は長い待ちによって冷え切ってしまったのでモスる。なんとか今日中に乳頭山を打ちたいがだんだんと怪しくなってきた。ここで電波が入ったので天気を確認すると昼までは風も弱いらしい。とりあえず今は少しでも早く進むしかない。蟹場分岐から田代平前の急登まではトレースを借りて少し早くなった。急登はラッセルが引き続き大変で、最後の方はクラストした影響でジグを切れなくなったので一旦板を脱いで30mほど持って登り、再び板を履いて進んだ。田代平まで出て仕舞えばあとは山荘までスムーズに着いた。山荘は昨日の大白森よりよく、三ツ石山荘より劣るという感じのグレード。電波も場所を探せば入りそうではある。サブ装に換えて、最後のピーク乳頭山を目指す。限界上からは竹竿を等間隔で打っていき、最後は雪が風で飛ばされていたのでスキーをデポし、ツボで登頂した。これであとはスキーで下るだけである。パウダーが緩やかな斜面の上に乗っており、時々ガリっとくる程度で滑りやすい。田代平山荘までの細尾根は風が強く、全面クラストしていたので慎重に下った。再び山荘で本ザックにし、ジャン勝ちのもときだけがシールでそれ以外はスキーで分岐まで下り、その後はみんなで滑走していく。途中慎之助がたしょうこけることはあるが基本パウダーの緩斜面なので今山行一番の楽しい滑走である。ところが930のベロは少し先が盛り上がっており、左手は雪庇が発達していたので右から巻こうとする。トップのもときは下りすぎてしまい沢を避けるために板を脱いで登り返す作業を2回も強いられていた。なんとか下りきったが孫六温泉から林道に下るところは温泉のパイプによって溝ができており、Lはジャンプで回避、その他のメンバーも跨いだり、板と荷物を先に対岸に投げたりしてクリアした。
あとは大釜温泉まで下り、若干降りる場所を間違えたが無事、下山完了。下山連絡ののちバスで田沢湖駅までいき、電車で盛岡駅まで戻って、とんかつ熊さんで上カツカレーの大盛り(コメ4合!)やらハンバーグ定食大盛り(こちらもおそらくコメ4合)を平らげて、近くの開運の湯で汗を流した後、再び快活に泊まってその日は就寝。翌朝21日に昼のわんこそば東家さんにお邪魔して全員100杯以上を平らげ(鴨田は165杯)、無事三月合宿は完遂で幕を閉じた。
東京=各自電車=盛岡
〈アプローチでの留意点〉
特になし。当初雫石から行こうとしていたが、荷物のデポやアクセスの良さから盛岡のほうが良いだろう。
今日はアプローチ。1年の慎之助以外は新幹線。東京から2時間くらいで来られるのは素直にすごい。やはり新幹線は正義である。4人は19時頃に集合したあと、盛岡冷麺の有名なお店で夕飯を食べ、快活へ直行した。いっぽうの慎之助は寝坊をかました末、列車が白鳥にぶつかったやら、強風やらで遅延して、盛岡に着いたのは22時くらいらしい。かわいそうに。
3/16 曇り、不動平付近はガス、岩手山山頂のみ時々ガスの晴れ間あり
盛岡駅=タクシー=網張温泉スキー場8:30-8:50発-9:40スキー場トップ9:50-(デポ5分)-10:25犬姥コル-(たるみ10分)-11:33姥黒コル-11:55黒鬼コル-(たるみ、弱テ、シール外し25分)-(シールつけ5分)-13:25お花畑13:35-(たるみ10分)-15:26不動平避難小屋15:55-16:30岩手山16:40-17:00不動平避難小屋(岩手山ピストンは2名以外空身)
〈危険個所〉
特になし。大量降雪後は、黒鬼コルからのトラバースで雪崩に注意する必要がある。
〈電波入る場所〉
基本的にスキー場から不動平避難小屋まで、岩手山は入る。お花畑は弱い。
快活を7:00くらいに出て駅へ向かう。水を汲んだり、ロッカーに荷物を入れたりしつつ7:30に駅を出発し、網張温泉スキー場へ。途中タクシーの運転手が行き先を雫石スキー場だと勘違いしていたため遠回りにはなったが8:30には網張温泉スキー場に着いたので、リフト券を買い、準備をしてリフトを3本乗り継ぎ10時前にはリフトトップに来られた。第3リフトは9:30からしかやっていないのでどうしてもこの時間になってしまうのが朝の時間を使えず勿体無い。手早くシールをつけて早速縦走を始める。今日の目標は不動平避難小屋、できれば岩手山ピストンも済ませたい。トップはほぼ今後もときが担当する。ピストンに不要なものは少し進んだところでデポしようということになり、夏道の分岐あたりでデポした。不動平までは赤布、竹竿を駆使して帰りの時短を図っている。FBを参考に細かくルート取りを決めておいたこともあるが今後もかなりの区間を巻きのペースで行くことになる。やはり隊の人数が少ないのと下級生が慎之助の一人だけだとトラブルが少なくて速いのだろう。デポした後の犬姥コルは少し東側に行きすぎてしまったようなので若干軌道修正を図る。その後犬姥コル先は1380mからうまくトラバースして崩落した沢を回避できた。ゆるゆるとトラバースを続けて次の姥黒コルにつき、そこから少し高度を上げたあと再びトラバース、黒鬼コルからも高度を30mほどあげ、シール外して滑走準備。トラバース区間で若干の雪の層のズレを感じたので一応ピットチェック。結果はCTM16(RP)down10,20, CTH30(RP)down50とそこまで雪崩の危険は高く無いので、トラバースしながらお花畑へ向かうこととする。ゆるゆると高度を下げていき、最後は沢地形にぶつかったので沢の中におりてシールをつけ、ハイクアップでお花畑着。そこからは最初は尾根上を進むが木がうるさいので、尾根の直上から若干はずしつつ進み、限界が近くなってからは右手へ少しトラバースして沢状地形を進んだ。不動平直前200mの地点からクラスとしており、上級生はそのまま進めたが、慎之助は難しそうだったのでクトーをつけさせることにする。しかし、ビンディングに雪が詰まったようでなかなか入らないので、上級生が板を回収し、不動平まで歩いて行かせた。不動平避難小屋はなかなか立派な見た目をしている。電波も入るし中にトイレもあってすばらしい。しかし、入り口が凍り付いていて空かないので雪を取ったり、金具を叩いたりしてやっとこじ開けられた。一旦中に荷物を入れて、サブザックを持っている鴨田とLが食料水などを持ち、その他は空身アイピケで岩手山へ。不動平避難小屋からずっとガスっているので、しぶいなーと思いながら登っていくと山頂はガスが時々晴れる天気。いい感じのタイミングを見計らって思い思いに写真撮影。風は強いが全く寒くは無い。それが済んだらスタスタ下山。小屋についたら水作り、サイト(一般的な鍋だが、油揚げが多くて美味かった)、ささやかな宴会等を終えて20時過ぎに就寝。
3/17 晴れ、12時ごろから雪途中みぞれ、17:00頃に複数回雷鳴を聞いた
不動平避難小屋5:00-6:15お花畑-(たるみ、シールつけ15分)-7:06黒鬼コル-7:30姥黒コル7:40-8:07犬姥コル-(デポ回収たるみ15分)-(たるみ10分)-10:18大松倉山-(シール外し換装10分)-10:53三ツ石山荘
〈危険個所〉
特になし。大松倉山は限界上風強い。
〈電波入る場所〉
スキー場近く。三石山荘も局所的に入る。
3半5。Lは塩見のトラウマから、寝ている間に飲みポリをこぼしてシュラフが濡れる夢を2回も見てしまった。もときがボッカしてくれた冷凍うどんを使ったカレーうどんは美味かった。外は風速15mほどの風で前に進みにくいので、小屋から少し歩いたところでスキーを履いて滑走を始める。しかし、慎之助はなかなか一人でスキーを履けないので手助けする。その後も慎之助がこけることがしばしばあったが、お花畑までの読みは15分くらいしか伸びなかった。お花畑からは昨日シールを履いたところまで滑走した後、シールをつけて昨日のトレース通りに三つのコルを経由してデポ地点まで戻った。途中何度かシール滑走の場面があり、Lも含めて数名こけていた。デポを回収した後、三ツ石山荘の方に向けて引き続きシールで歩いていく。他の人のトレースがあったのでラッセルもなく、途中の小ピークを適宜巻きつつ進む。途中もときの左のシールが死んだのでテーピングで応急措置をとった。大松倉山の登りは東側に雪庇があるので稜線の真ん中を登る。限界上に出ると西風がかなり強く、大松倉山の三角点を過ぎたところからは雪庇が西側に出ており、強風が一段と強まってきたので、少し東側に降りた場所をトラバース気味に進み、樹林下の風がない場所まで来たらシールを外し、三ツ石山荘をめがけて滑走した。三ツ石山荘は過去最高の素晴らしい小屋であり、薪ストーブもあった(薪は無いので、鴨田ともときが拾ってきた枝に火をつけようとしていたが湿っていて断念していた)。2階建てで他に誰も来ることはなかったため5人では持て余してしまった。着いてからとりあえず1時間休憩して水作りをする。サイトはビーフシチュー。バターのコクが効いていて美味すぎる。2時間さらにダラダラした後宴会をして19時くらいに寝た。
3/18 吹雪
終日停滞。8時に起きてジフィーズを食べた後、電波が入る場所で天気を確認する。19は大体晴れそうで、20も午前は耐える予報なので、明日明後日で縦走を完遂することを狙うこととする。ちなみに電波は2階の南側の手すりの少し東側がピンポイントで入った。それからダラダラして慎之助の履修相談などをし、13時くらいになるとじゃんけんで負けた川中とLは入り口が雪で埋まらないように雪かきに出た。昨日今日で30cmは積もっており、明日までにさらに積雪は増えそうだ。雪かき中に他の人が沸かしてくれたお湯で再びジフィーズを食す。どの味もうまい。
16時半から宴会をする。宴会のあとは明日以降の方針を会議する。ヤマテンやscw情報だと思う17時くらいまでは天気が持ちそうなので、明日は早めに出て大白森まで、明後日は雪だが、風は強く無い予報なのでそのまま乳頭山を打つ計画を立てた。
明日は勝負日になるだろう。18時半には就寝。
3/19 晴れ、午後から曇り
三ツ石山荘5:00-5:46三ツ石山-(たるみ10分)-7:02小畚山-(たるみ10分)-8:35八瀬森分岐-(たるみ10分)-(たるみ、換装15分)-(たるみ10分)-11:54八瀬森山荘-(たるみ10分×3、換装たるみ15分)-16:39大白森山荘
〈危険個所〉
三石山から子畚山(特に子畚山)が強風注意
〈電波入る場所〉
三石山~八瀬森分岐はところどころ途切れるがおおむね可。大白森山荘は無理。
今日も3半5。睡眠が足りないが、仕方ない。夜明け前の小屋を出発して三ツ石山へと登っていく。出発前に慎之助がストックを小屋に忘れたので、とりあえずLと慎之助以外でラッセルを初めてもらい、5分後に追いついた。昨日の積雪は40cm、吹き溜まりはさらに多いため、急登のラッセルはみんなで回していく。基本膝ラッセルだが、時折太ももラッセルになって朝一番にはキツイ。しかし読み通りに三ツ石山へと到着。風が強く、雪が剥げた山頂へは一旦板を脱がないと行けないのですぐ横をスルー。小畚山方面へと歩みを進める。ずっと限界上でたるめる箇所はわずかな針葉樹の陰だけである。ニセ小畚は東巻し、小畚山に登っていく。事前情報にある通り、ここは特に風が強く、ストックで支えないと転んでしまうほどである。もときのシールがまた剥がれたのでテーピングでリペアし、再び進む。この後ももときのシールののりが回復することはなくずっとテーピングをしていた。小畚山山頂からの下りは北が急すぎるので一旦西へ下りコルへと回り込むことにする。トラーゲンに代えて降ろうとするが、風が強すぎて誰もザックを背負えない。仕方ないので、手で持って下る。樹林下の風が弱くなったあたりで再びスキーを履き、たるんだ後、八瀬森分岐へ登っていく。ここは西に森林があるおかげか限界上でも風が強くなかった。分岐からは滑走のつもりだったが、もちろんパウダーが溜まっていて滑らないので下りラッセルとなる。少しでも滑走するため、1384を超えた後の本ルートより北側の沢を滑ることにする。先頭は引き続き下りラッセルが続いているようだが、後続は快適に滑ることができている。ラッセルしてくれた鴨田、もとき本当にありがとう。
1230あたりで再びシールを履いて西へ角度をききって尾根への復帰を試みる。かなり尾根が広く、若干西へトラバースしすぎたが、無事復帰できた。そのあとは関東森を巻いて、深く入っている沢を超えて尾根に乗った。1168への尾根への登りで気を抜いて地図読みをしていなかったLはトップを南西側の間違い尾根に誘ってしまった。すみません。元の場所まで復帰してもらって、無事、正解尾根を下り、八瀬森山荘に到着した。三ツ石山荘ほどではないがいい小屋である。そこからは予定通り、八瀬森を南巻きし、その後の小ピークもできるだけ巻いていく。この時点ですでに12時半をすぎているが、まだ曲崎が残っているし、そこからも大白森山荘まで長い。おまけに午後の腐れ雪でラッセルがどんどんキツくなってきている。川中の提案で地図をよく見てみると1170-80あたりの曲崎の南斜面は等高線が緩くなっている。ここなら雪崩の心配が少なく巻けるだろうということで、曲崎は巻くことになった。特にモスる必要もないが軽量化のためモスる。果たして結果はというと無事トラバースに成功し、大幅に時短になった。そのあとシール滑走、登行を繰り返して大沢森を巻き、先のベロを過ぎたあたりから、シールを外して滑走した。モナカ雪のために慎之助はこけて苦労していた。そのあとはシールをつけてテクテクと歩き、最後の急登を超えてやっと大白森山荘に到着した。なんとまあ12ピッチ近いロングデイとなった。小屋は2階が木板で1階は2人寝るスペース以外は土間になっている。いつも通り、水作り、サイト、宴会をする。今日はキーマカレー。いつものカレーと少し味と具が違うので嬉しい。明日も例によって早起きしなければならないので、宴会もそこそこに就寝。ラーメン、カルパス、マシュマロは安定してうまい。
3/20 雪、稜線上多少風あり
大白森山荘5:00-5:59大白森6:15-7:15小白森-(たるみ10分)-(たるみ20分)-9:39蟹場分岐-(たるみ10分×2)-11:29田代平山荘11:50-12:30乳頭山12:40-13:10田代平山荘13:35-15:40乳頭温泉
〈危険個所〉
特になし。最後の大釜温泉への下りはルートをミスると温泉パイプを超えなくてはいけない
〈電波入る場所〉
小白森を超えて蟹場分岐付近。田代平山荘もギリ入る。
3半5。小屋を出るとしんしんと雪が降っているこれは限界上は吹雪いていると思い、ゴーグルバラクラバでスタート。大白森の台地上は何もない雪原で、視界は50mほどしかなく、角度を信じて進むのみ。途中トップが左右にふらふらするので適宜進行方向を指示して無事誤差20mで大白森の大地の脇につく。ここでシールを外して滑走開始。昨日の溶けた雪がクラストした上に新雪が積もっていて、滑りにくい。コルで換装して再びシールハイク。小白森まで読みより巻いて進めている。そこからシール滑走し、うまいルートどりでサクサク進んでいく。しかし1068手前の急斜面で慎之助はクラストした斜面を登れず、クトーをつけるように指示する。またもやクトーがつかないので、手で持って登るように指示する。鴨田が荷物を回収しに降りてきてくれる。上級生は長い待ちによって冷え切ってしまったのでモスる。なんとか今日中に乳頭山を打ちたいがだんだんと怪しくなってきた。ここで電波が入ったので天気を確認すると昼までは風も弱いらしい。とりあえず今は少しでも早く進むしかない。蟹場分岐から田代平前の急登まではトレースを借りて少し早くなった。急登はラッセルが引き続き大変で、最後の方はクラストした影響でジグを切れなくなったので一旦板を脱いで30mほど持って登り、再び板を履いて進んだ。田代平まで出て仕舞えばあとは山荘までスムーズに着いた。山荘は昨日の大白森よりよく、三ツ石山荘より劣るという感じのグレード。電波も場所を探せば入りそうではある。サブ装に換えて、最後のピーク乳頭山を目指す。限界上からは竹竿を等間隔で打っていき、最後は雪が風で飛ばされていたのでスキーをデポし、ツボで登頂した。これであとはスキーで下るだけである。パウダーが緩やかな斜面の上に乗っており、時々ガリっとくる程度で滑りやすい。田代平山荘までの細尾根は風が強く、全面クラストしていたので慎重に下った。再び山荘で本ザックにし、ジャン勝ちのもときだけがシールでそれ以外はスキーで分岐まで下り、その後はみんなで滑走していく。途中慎之助がたしょうこけることはあるが基本パウダーの緩斜面なので今山行一番の楽しい滑走である。ところが930のベロは少し先が盛り上がっており、左手は雪庇が発達していたので右から巻こうとする。トップのもときは下りすぎてしまい沢を避けるために板を脱いで登り返す作業を2回も強いられていた。なんとか下りきったが孫六温泉から林道に下るところは温泉のパイプによって溝ができており、Lはジャンプで回避、その他のメンバーも跨いだり、板と荷物を先に対岸に投げたりしてクリアした。
あとは大釜温泉まで下り、若干降りる場所を間違えたが無事、下山完了。下山連絡ののちバスで田沢湖駅までいき、電車で盛岡駅まで戻って、とんかつ熊さんで上カツカレーの大盛り(コメ4合!)やらハンバーグ定食大盛り(こちらもおそらくコメ4合)を平らげて、近くの開運の湯で汗を流した後、再び快活に泊まってその日は就寝。翌朝21日に昼のわんこそば東家さんにお邪魔して全員100杯以上を平らげ(鴨田は165杯)、無事三月合宿は完遂で幕を閉じた。
天候 | 1日目:曇り、不動平付近はガス、岩手山山頂のみ時々ガスの晴れ間あり 2日目:晴れ、12時ごろから雪途中みぞれ、17:00頃に複数回雷鳴を聞いた 3日目:吹雪 4日目:晴れ、午後から曇り 5日目:雪、稜線上多少風あり |
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過去天気図(気象庁) | 2024年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
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その他周辺情報 | 乳頭温泉は色々日帰り温泉あり。盛岡のとんかつ熊さんは大盛りが安くて美味い |
写真
感想
Lとしては最長の合宿で色々精神的に気を使うことが多かったが、無事全員で完遂できて、とても充実した山行となった。でも、スキー縦走は足を痛めつけるのでまたこれと同規模のものをやるかといわれたら、悩む。
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