定山渓天狗岳東尾根
- GPS
- --:--
- 距離
- 8.1km
- 登り
- 764m
- 下り
- 764m
コースタイム
天候 | ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
天狗平まではラッセルもひどくなく、快適に進めた。天狗平からは簡単そうな沢型を詰めていき(沢型は全層雪崩の凄惨な跡があった)わらじルンゼの下部の左側に到着した。そこから岩の基部に沿ってそこそこ傾斜のある雪面をトラバースしてゆきエプロンフェースの基部に着いた。エプロンフェース下部の雪崩が事前情報として危険視されていたが、すでに全層雪崩が相当起こっており、雪面も固くこれ以上雪崩れそうではなかったため弱層テストせずに行った。
エプロンフェースは最初は雪と泥の40度位の壁で、ザイルはいるいらないを相談しながら、ある程度までザイル無しで登り、途中で落ちたらまずいところ(下に岩がある)あたりでザイルを出してエプロンフェースの上部まで抜けた(実質1P目)。そこから東尾根の稜線に向けてミックスクライミングをした。(2P目)木と氷と雪と泥とのmixで中々辛い。中間支点はすべて木でとった。3P目も同様のミックスクライミングだったが、最後にはハング乗っこしがあったり、アックスが決まる場所が全然無かったりでかなり厳しい。これが記録にある核心だと思われる。2P目も3P目も稜線を右から巻くような感じで稜線に向かったがこのルートが本当にあっているのかは分からない。ただ、アイゼンで木が削られた跡はあった。3P目終了すると無事東尾根の稜線に出るため、リードを交代してナイフリッジ歩き、岩壁トラバース、雪壁登りなどを繰り返しイーストコルへの懸垂地点に到着する(4,5P)。中間支点は木や残置ハーケンなどがあったが、基本的に取りづらく10mランナウトすることもしばしば。ちなみに、すべての終了点は木で取ることができたのでその点では安心だった。イーストコルへの懸垂地点に到着したのは15:20頃だったのでこのまま8,9,10Pを行うのは困難と判断してイーストコルから撤退を決意。まず、懸垂を一回行って、イーストコルの一段上のテン場(?)っぽいところに到着。そしてそこから60mいっぱい懸垂するも、懸垂した先がわらじルンゼの中部の雪崩リスクがものすごく高そうなところだった。そのため、すこし登り返して太い木で一回懸垂を終了した。そこからパーティと相談して、わらじルンゼの真っ白に抜けている危険な箇所を懸垂下降でトラバースして通過することにした。ザイルに繋がっていれば雪崩れても救出は可能だろうとの判断である。
そして辛くもなんとか懸垂トラバースを終了して木がある場所に着いたが、その時点で17:10になっており、そこからまた懸垂を行うと日が暮れて危険エリアを日が出ているうちに脱出できないとの判断で、パーティ全員の合意の元に、ザイルを片付けてバックステップでルンゼを下ることにする。しばらくはブッシュがあるエリアだったので安心だったが、ブッシュの下は白く抜けていたので雪崩のリスクを考えながら、といってもここまで来たら下るしかないため慎重に降りていった。わらじルンゼを下ると、最初にトラヴースしたトレースと交差し、エプロンフェースの下部に合流。そこからさらに下って樹林内に入ったあたりでやっと危険エリアを通過したことを実感する。18:30頃。そこで換装や休憩を行ってラテルネつけながら下山沢をただひたすらくだる。
反省は色々あって、行動食や水分を多めに用意するべきだった。別に定山渓天狗岳東尾根をなめていたわけではないが、腹が減っては戦はできないという言葉の通りで、判断力の低下や士気の低下、体力の低下は食糧に大きく依存するのを軽視していた。そして、一番の反省はパーティを危険にさらしてしまったこと。わらじルンゼからの撤退は雪崩のリスクが大きく、進んではエスケープに使用したくないところであった。そういう場所から撤退しないといけないハメになるというのはリーダーとして未熟で且つ責められなければならないことだと思う。しかし、今回の状況(しかも天気予報では晴れと言ってたのに!!!)ではニピッチ目終了時に撤退するという判断も中々できるものではないと思うし、イーストコルから続投するのもかなりリスキーなので仕方ないかなとも思う。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する