ウペペサンケ山:雄大な稜線を1848m本峰まで、半袖隊長、素晴らしい展望の静かな山旅
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- GPS
- 08:17
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 1,366m
- 下り
- 1,368m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ 稜線上では西(鹿追側)からの風強し |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
【往路】糠平温泉⇨(林道)⇨登山口 【復路】登山口⇨(林道)⇨糠平温泉⇨芽登温泉 ★林道 ДΕ撻撻汽鵐嬰仍蓋 糠平川沿いに片道7.1km 全て未舗装だが状況は良好 林道行き止まりに10台程度駐車可 6時半到着で3台目 ☆林道◆Р蠹于浩 最後に約3kmの林道走行あり 全て未舗装だが、道幅は広くすれ違いも可能 ★走行距離:当日58km(累積492km) |
コース状況/ 危険箇所等 |
●登山口直後や1399mピーク直前の急坂は、ロープも設置されていないので歩きにくい ●またササが刈払われた箇所では茎で足を取られやすい ●1399mピークから管野温泉コース合流点までは、灌木やハイマツが登山道を覆っており歩きにくく、足下の根っこや枝の出っ張りに注意 ●合流点から先は吹きさらしの稜線なので、悪天の際は、強風が吹き上げる ●糠平富士から1848m本峰までは細い岩尾根や路肩が崩れた道には注意したい ★糠平富士(1834.8m)に「ウペペサンケ山」との山頂標柱があり、一般的にはウペペの山頂とされるので、ここで引き返す登山者が多いようだ しかし更に1.5km西方の1848mピークが最高地点で、「本峰」と記された道標が設置されている 糠平富士まででも相当な体力を消耗するので、更に本峰まで往復するは余裕を持って臨むこと 【注意】 新・分県登山ガイド 北海道の山(2010年版/山と渓谷社):「23ウペペサンケ山」では、歩行時間6時間25分と紹介されているが、かなり甘い設定だと個人的には強く感じる。 一般的には、7~8時間を覚悟して挑むべきだろう。 同書では、他の山でも甘い歩行時間が記載されている場合があるので、頭から信じこまずに、複数の他者の山行記録会に当たって余裕を持った計画を練りましょう。 |
その他周辺情報 | 宿泊先:芽登温泉ホテル(日本秘湯を守る会会員) じゃらんで前日予約 7,710円(一泊二食、入湯税込み) 6畳和室バス・トイレ共用(ウォシュレット) ⇨ホテルと言う名前の旅館です コンビニ:上士幌まで行かないとありません 糠平温泉街では食料を調達出来ないので ●事前調達するか ●宿で用意してもらうか (ぬかびらYHでは、おにぎり150円/個) 事前に決めておきましょう |
写真
感想
【ウペペサンケ山】
2015年(夏季)北海道山旅四日目は東大雪山域のウペペサンケ山を歩いた。
今回の山旅において、我が隊にとって夕張岳と双璧をなす目玉商品であるが、日本100〜300名山や花100名山に選ばれているわけではないので知名度はさほど高くない。
いや、さほど高くないのは道内であって、内地(道外)の者にとって認知度はかなり低いと言い切ってもよいのではないだろうか?
そんな山に挑戦するきっかけとなったのは、昨年9月の緑岳(表大雪)山行である。北海道在住のsato_miuさんとattoさんとご一緒した緑岳への登山道から、東大雪の石狩岳やニペソツ山(ニペ)、ウペペサンケ山(ウペペ)を見渡すことができ、「来年はあそこだ!」と決めて掛かっていた。
当初はニペに登ることを想定していたが、ある日、1号隊員から駄目だしが入った。ヤマレコやガイド本でニペ登山道を研究した結果、入山直後の丸太橋や岩場の難易度が高過ぎると言うのである。拙者はそんなことはないと翻意を促したが、1号隊員の決意は固く「だったら一人で行ってちょうだいブ〜」。しかし、だからと言って、更に難易度・体力度が高い石狩岳・音更山にするわけには行かず、結果してウペペを目指すことになった。
前夜の天気予報では十勝は曇りだったが、降水確率は0%。但し、九州南方で発生した台風の影響に拠る強風が懸念された。長い稜線歩きがあるからだ。
翌朝、糠平温泉郷の上空は曇り空だが雨が降る気配はなく、最新の天気予報は大して変わりはない。
千葉から夫婦旅行で来ているご主人に見送られ出発。日本300名山のうち290ほどは登頂済みなのだが、完登に拘りはないので、今回は登山なしであくまで奥様孝行のための旅行なのだそうだ。話好きの方で、夕張岳に登った際のJRマンつながりの話などエンドレスになりそうだったので、適当なところで話の腰を折った。
宿から林道入口まではすぐだが、今日の林道走行距離は約7kmとそれなりに長い。夕張岳の11kmと比べればおよそ三分の二と短いものだ。路面状況は良好で、林道終点に着いたら先客は2台だけ。この2台はいずれも男性ソロで、我が隊の後の入山者はおらず、結果として、当日は3パーティー4人のみ。やはり東大雪は空いている?
山渓の「新・分県登山ガイド北海道の山」(2010年版)に拠れば、ウペペのデータは以下の通り。
・歩行時間:6時間25分
・歩行距離:12.5km
・累積標高差:1,310m
・体力度:★★☆☆
・危険度:★☆☆☆
これを念頭に歩いたら、適切な表現ではないかもしれないが、すっかり騙された。
とても6時間25分で歩ける道ではない。その理由はコース状況に記載した通りだが、特に1399Pから菅野温泉コース合流地点までは、ササやハイマツに道が覆われ足元の状況が見難く、ザックも引っ掛かるため、とても歩き辛い道だ。また1399Pへの急坂も足場が悪い箇所も多く、決してスピードを出せる区間ではない。
菅野温泉コース合流地点からは多少は歩きやすくなるが、その頃にはそれまでの苦闘で身体がヘロって来ている。糠平富士から先の本峰までも、細尾根あり・ハイマツ帯あり・路肩崩壊区間あり・・・で、たかだか1.5kmしかないのに時間を食う。
1号隊員は糠平富士から少し歩いた地点で前進するのを断念。その先は拙者のみ空身で歩いたので、まだ、時間を短縮できたと思うが、ザックを担いだままだったら、1時間は掛かりそうだ。
さて、時間を食う・食わないは置いておいて、稜線に出てから風は強かったが、天候はドンドン回復し、糠平富士・ウペペ本峰、そしてニペを眺めながらの素晴らしい稜線歩きを堪能した。
山座同定できないのが残念だったが、阿寒の山々、北大雪や表大雪の山々、十勝連峰、然別湖畔の山々・・・枚挙に暇なし。
夕張岳には劣るが、花だって咲いている。特に糠平富士からウペペ本峰の間は、このコースの真髄と言って過言はないだろう。スタスタ歩くには勿体無いくらいの道だ。本峰の先の西峰まで行けるが、1号隊員を一人で待たせていることもあってそこで引き返した。
さぁ、後は頑張って下山しよう・・・でも、風も少しは納まり、どんどん晴れ上がって来る感じで、長い稜線を歩きながら、時には振り返って「もうあんなに遠くなってしまった・・」と寂しさを感じながらも順調に下山した。
ところで、往路の菅野温泉合流地点の手前で、もう戻ってくる男性ソロハイカーと出会った。「早いなぁ・・・」と感じて話をしたら、5時に出発したのだが、風が強いので戻って来たのだと言う。
「ふ〜ん、やはり風が強いのか・・・」と思っていたら、「そんな格好(=半袖)じゃ、無理ですよ」・・・そうかもね。
それからびっくりしたのが「ひどいと思いませんか?」と尋ねられたこと。「何がひどいんだろう?」と思っていたら、「登山道をどこが管理しているのかと問いたい。樹木で覆われてこんなに歩きにくい道をそのまま放置しているのはおかしい。下山したら、XXXX(⇒聞きそびれた)に行って抗議する。」とえらい剣幕なんです。
そんなに驚くような悪路じゃないと思うがなぁ・・・と途中撤退するそのお方をお見送りしたのでありました。
下山後は秘湯で知られる芽登温泉へ。ちょうど同時期に道東の山に登り来ていた先輩が、わざわざ斜里から駆け付けてくれて合流。
「なんでマイナーなウペペなんだ?」「ウペペに登るのに朝から温泉に入るのはおかしい」「ウペペに登るのに6時半スタートとは遅過ぎる」とお小言を頂きながらも楽しい夜は更けて行きました。
【2015年度(夏季):北海道山旅 行程概略】
初日(7/12):穂別坊主山(791m、無冠)⇒夕張泊
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-676455.html
二日目(7/13):夕張岳(1668m、二百・花百・道新/渓百)⇒沙流川温泉泊
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-676784.html
三日目(7/14):東ヌプカウシヌプリ(1252m、道新百)⇒糠平温泉泊
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-677121.html
四日目(7/15):ウペペサンケ山(1848m、道新/渓百)⇒芽登温泉泊
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-678372.html
五日目(7/16):藻琴山(1000m、道渓百)⇒斜里温泉泊
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-678378.html
六日目(7/17):斜里から定山渓温泉への移動のみで登山せず⇒定山渓温泉泊
七日目(7/18):札幌岳(1293m、道新/渓百)⇒昆布川温泉泊
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-678663.html
八日目(7/19):イワオヌプリ(1116m、道渓百)⇒ニセコ五色温泉立寄り
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-679594.html
お疲れさんどした<m(__)m>
隊長
コメント
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ウペペ キタァ~(^_-)-☆
赤いTシャツの映えること
すんばらしかぁ スケールでかかぁ
天気予報がイマイチだったのですが、「降水確率はゼロ」を頼りに突撃しました。
元々、台風の影響で風は強いのではないかと想定していましたが、ここまで晴れ渡るとは思っていなかったので、嬉しい誤算でした。
渡島半島の山は別にしても、北海道中の山が全て見えたのではないか?と感じさせるほどでしたよ
山座同定できないのでウソかホントか分かりませんが
天気予報的に凹んでるかと、内心心配してましたが青空じゃないですか!
ウぺぺは全く調べたことないですが、地形図から想像していた景色でした
ナッキーがわからずググって見たけど、それでもわからず小鳥かなと思っていたら、その後のレコでやっと分かる程の北海道オンチな当方も隊長のレコを見ていたら
、「8月の計画を白紙に戻し、ゼロベースで計画を見直す」ことになりそです。だけど問題は計画を見直し予約を取る時間が足りるか(間に合うか)だ。
紀行倶楽部、JALパック、一人でも利用可とのことで早速調べたらレンタカー一日1000円は二人以上の設定でした
「成田発のLCC便+スカイレンタカー」調べてみます。
幌尻岳 はまだのようですが、もし過去に計画していたら、3つあるうちどのコースを選びましたか?計画していなかったらこの質問は無視してください。
お疲れ様でした。
羽田を出発する前の天気予報では、13日〜15日は雨模様だったので、夕張岳にせよ、ウペペにせよ、休暇後半にズラすことになるかも?・・・なんて考えていました。
ただ、宿を予約すると何日か前からキャンセル料金が発生するので、大幅に組み替えることは難しいのですよ。
幸いに夕張とウペペがなんとかなったので、予定組み換えはしませんでした。
もともとはニペソツ山を予定していたのですが、1号隊員の根強い反対にあって同じ山域のウペペに変更しました。
男性的なニペの尖塔に対して、女性的なウペペの稜線。
ウペペからニペを眺めると、さらに行きたくなるものです。
幌尻岳は日本百名山の中でも、困難さはトップ5に入るのではないでしょうか?
拙者、幌尻には未だ登っておらず、本格的な検討も未だなのです。
小屋泊まりコースだと、その小屋を予約すること自体が大変だと聞いたことがあります。
ツアー主催者大掛かりな見込み予約を入れているから・・・らしいです。
kenさんの場合、ご実家のクルマを借りてフェリーで北海道入りする手もあります。
大洗から苫小牧に入るのです。
その後は車中泊で、天気次第でアタック可否を決めるのです。
もっとも大洗からのフェリーが予約できなかったので、新潟から小樽行きフェリーで北海道入りした三浦(神奈川)の方ともお会いしました。
北海道で夏季にレンタカーを借りると高いので、フェリー作戦のほうが安いかも・・・?
但し、フライトの方が移動時間が少ないとの利点もあり、メリット・デメリットを総合的に判断するのでしょうね。
たしか遠征前は泣いていたはずですが
今は北の山旅を思い出して幸せに浸っているのではないでしょうか
ウぺぺはしばらく行ってないので行きたくなりました。
二ペペも素晴らしいので1号隊員さまと必ず登ってください。
例の丸太は全然問題ないですよ、本当に。
次回はご一緒できますよう日々の行いを改めたいと思います。
なにはともあれ無事に遠征を終えられて良かったですね。
北海道を愛していただいてとっても嬉しいです
私は
羽田を立つ前の天気予報では、夕張岳もウペペも日程を組み替えないと無理かな・・・と思っていました、ナントカなりました
斜里から定山渓に一日掛けて移動した16日が快晴で、「最も登山日和だった」とのオチもありますが、当初計画通りに終えたので結果オーライ
ニペはですねぇ・・・最初の丸太渡りと途中の岩場が、1号隊員にとっては「×」なんだそうです。
毎日、東ヌプカや坊主山ぐらいの山だったらOKなんですと
9月(シルバーウィーク)にもまた舞い戻って参ります
yamabeeryuさん、こんにちは
日々UPされる北海道レコ
雄大な稜線に花街道、良いですね〜
時間がかかるコースのようですが、こんなにお花があったら先に進みませんね…
それにしても…ウペペサンケ山!?
北海道のお山は名前が難しいですね
ウペペサンケとは、アイヌ語の「ウペペ・サンケ・ヌプリ」に由来するそうで、「雪解け水を押し出す山」を意味するそうです。
音更川や然別川の水源地なんですね。
ウペペが属する東大雪と呼ばれる地域の山は、これまで登ったこと・歩いたことがなかったのです。
旭岳や黒岳のある表大雪から遠望でき、昨年、「次はあの辺り(=東大雪)だなぁ」と思ったのが歩くきっかけです。
いや、長〜〜〜い稜線でした。
夕張岳ほどではないにせよ花も咲いているし、もっと人気が出ても良い山ですよ。
もっとも東大雪山域自体の入山者が少ないですからねぇ・・・その分静かな山歩きが出来ます
ウペペサンケ、山名として耳に記憶はあるんですが北海道の山は新婚旅行のトムラウシから大雪の縦走以外はあとはカムエクばかりで、まずはルートの地図の縮尺を小さくして位置の確認からです。
東大雪で1800の高度なら南アルプスでは3000手前と同じ植生ですね。
行きたい山は増えますが、北海道はリタイヤした後2か月くらい滞在してじっくり回るしかなさそう。
2ヶ月でも足りませんよ、きっと
夏山の季節も短いですから。
北海道はクルマを走らせていると、山もありますが、温泉もちょこちょこあります。
看板が出ている温泉に全部入るドライブツアーなんてどうかね?と話しながら運転していましたが、そんなことしたら、身体がふやけて登山どころではなくなりますね。
拙者も8回目の北海道とは言え、まだ渡島半島には足を踏み入れておりません。
それに・・・日高山脈も傍を通っただけです。
知れば知るほど行きたい山が増える・・・困っちゃうなぁ
yamabeeryuさん、こんにちは。
ウペペって言うんですね!
格好良い山ですね〜
アルプスのような稜線歩きが楽しそうですがyamabeeryuさんでこの時間だと我が家だと10時間コースですね
写真26の1号隊員様が格好エエ〜〜
山頂踏ませてあげたかったですね
アイヌの言葉に起源があるカタカナ山名は、かつぜつの悪い拙者など、下を噛みそうなので短縮しています・・・てのはウソで、道内の方は「短縮読み」されています。
他にも
●ニペソツ山⇒ニペ
●ニセイカウシュッペ山⇒ニセカウ
●上ホロカメットク山⇒カミホロ
●トムラウシ山⇒トムラ
・・・などなどです。
しかし長かったぁ〜〜〜〜このコースは。
他のレコを見ても8時間・9時間はザラですよ。
1号も糠平富士の段階では行く気満々だったのですが、実際に本峰に向かってみると「長い!遠い!」のが分かって白旗でした。
トムラに日帰り往復しているんですけどね、5年前には。
そっか・・・トシを食ったってことでしょうか
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