蒜場山


- GPS
- 08:54
- 距離
- 18.6km
- 登り
- 1,052m
- 下り
- 1,051m
コースタイム
合計8時間50分
過去天気図(気象庁) | 2025年02月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
計画していた山域の予報が悪くなったため行き先を再検討。天気の良さそうな方面でもろもろ検討して決定した転進先は蒜場山。Kさんからは二王子岳とかどうかと提案されたが、ちょっと拍子抜けするのではと言ってしまったばかりに蒜場山。確か夏道は細尾根が長く続いたような記憶があるがよく覚えていない。とりあえず初めてのルートは面白そう。
まずは夏道の取り付きまで5km近くの車道歩き。複数のスノーシェッドが続き、板の脱ぎ履きを繰り返す。デブリで入口がせまい箇所もあり先が思いやられる。二王子に転進しますか、とどちらからともなく牽制し合うが、その先を見たい欲求が勝り引き返すことなく慎重に進む。
夜明け前の加治川ダムの天端を恐る恐る通過し、スタートから2時間弱でようやく登山口。以降は面倒ではあるが進むのに支障はない細尾根を進み、地形や植生や斜面方位による雪質を観察しつつ932mの岩岳まで。それまでも雪庇やクラックはあったが、そこから先は雪庇やクラックだらけ。一段と尾根も細り、とても山スキーで向かうルートには見えない。以降は悪場系山スキーヤー(?)のKさんに先行してもらい、シートラに換装したりじっくり時間をかけて烏帽子岩を越える。さらに雪割れや雪庇や凸凹が顕著となるが、距離的にはもう少しの辛抱で比較的雪のつながった尾根に出られそう。とは言えこの往路をまた戻ることを考えると諸々危惧されることから、こちらからギブアップを申し出た。
クラックを避けつつ岩岳まで戻り、以降はシールを外して細尾根滑降。気温がだいぶ上がり日斜面では新潟らしい重湿雪になりつつあったが、夏道の尾根は北面になるためか尾根上にはまだいわゆる越後パウダーがところどころ残っていた。
この山行を滑走と呼ぶのか山スキーと呼ぶのか疑問が残らないでもない。ヤマレコの記録のジャンルは何になるのか。とは言え自分にとって山スキーとは自由の同義語であるからして、スキーの力を活用して雪山に思い思いのトレースを刻んだ時点で、これは山スキーの本道と言って良いのかもしれない(多分違う)。
林道にトレースがあり、驚いた。地下通路を利用してラッセルを回避するルート取りから、この地にかなり精通した人物のものかと思ったが、東北電力の雪下ろしのための入山だったようだ。そこから先はラッセル。懸念していた法面のデブリや片斜面は柔らかく、問題なく通過。ダムを渡り、尾根に取りつく。スキー向きではない細尾根を登る。日が出るとkawazakanaさんが「来てよかった」と一言。騙していませんよ。クラックも増え、雪庇も張り出してきて嫌らしくなってくる。ラッセルはたくさんやってもらったので、ここは前に出る。クラックと雪庇の隙間をキックターンを繰り返しながら無理やり進む。烏帽子岩の手前でツボ足に切り替え、シートララッセルで這い上がる。この先も厄介そうだが、時間をかけてトランジションを厭わなければ進める範疇。途中から薄々帰りたそうにしていたkawazakanaさんが、さらに帰りたそうな様子。時間も早いし面倒なことは我慢するだけだが、リスクに対する許容度は人それぞれ。ここまでにしましょう。
雪庇の下を一人ずつトラバースし、少し戻ってシールオフ。すぐにまたシールを装着し岩岳へ。ここまで来ればあとは下るだけ。広く気持ちよさそうなブナの斜面はすべて支尾根で、戻る方向は滑りにくい細尾根が続く。薮があったり狭かったりするが、十分滑走可能。
「意外と滑れる山ですね(本当)! ガイド本に載せてもいいくらい(冗談)」
「……。」
同意は得られなかった。気を取り直して滑っていく。藪尾根や密林を縫うように滑るのは、オープンバーンよりも正直楽しい。というより、興奮する。変化があるぶん、考えることが増えるからだろう。ダムまで降りたら、あとは延々と手漕ぎと片足シール。かなり腕が疲れた。
飯豊は渓が深く、主稜線にあがるまでは細く急な尾根が多い。スキー利用は山形側スタートや二王子岳以外では厳しいと思っていたが、今回行ってみて、大変ではあるものの、これだけ雪が多ければ新潟側でもなんとかなるとわかった。東京に住んでいた頃には通えなかった飯豊や朝日にも足跡を増やしていきたい。
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