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鳥海山
山形県
最終更新:半袖大将
残雪と花園が麗しい日本海に面する火山
鳥海山は山形県と秋田県にまたがる火山で、山頂部は山形県に属しています。いくつものピークで構成されており、最高地点は標高2236mの新山です。
日本海まで裾野を広げた独立峰で、その秀麗な姿から「出羽富士」と称されています。また、秋田県では「秋田富士」、山形県では「庄内富士」と呼ばれることもあるようです。
日本百名山の一座であり、選定者の深田久弥(ふかだきゅうや:1903-1971年)は「山容秀麗という資格では、鳥海山は他に落ちない」と紹介しました。
気象庁の常時観測対象火山
鳥海山は約70〜55万年前に始まった火山活動で形成されました。有史以降も噴火を繰り返しており、気象庁の常時観測対象に指定されています。
山体は2つの成層火山から成り、古い火山は「西鳥海」、若い火山は「東鳥海」と大別されます。両火山とも二重式火山で、外側の火口縁である外輪山と、カルデラ内に新たにできた火山の中央火口丘を持ちます。
最高峰の新山は東鳥海の中央火口丘にある溶岩ドームで、1801年の噴火により生まれました。
「鳥海湖(別名:鳥ノ海)」は西鳥海の火口跡に水が溜まりできた火山湖です。その地形は約15万年前に造られたと推測されており、今では鳥海山のシンボル的存在です。
畏れ崇められた荒ぶる山
壮麗な姿と噴火の脅威は、人々に畏敬の念を抱かせ、古くから崇拝の対象とされています。そして火山活動の爆発は、山に宿る大物忌神(おおものいみのかみ)の怒りだと考えられてきました。鳥海山が噴火するたびに、朝廷は大物忌神の神階を上げこれを鎮めようとしました。
中世は修験道が栄え、多くの山伏が山に入りました。登拝口はいくつもあり、各々で修験が発展しました。ただし、拠点ごとに考え方が異なるため信徒らは論争も起こしていたようです。
新山山頂の直下には「鳥海山大物忌神社(ちょうかいさんおおものいみじんじゃ)」があります。山の上にありながら、伊勢神宮に倣い20年ごとに式年遷宮を行い、本殿を建て替えています。また、麓の吹浦(ふくら)と蕨岡(わらびおか)にも里宮が鎮座しています。
鳥海湖を望む御浜には「鳥ノ海御浜神社」が鎮座しています。
山中には「賽の河原」「舎利坂」など信仰に由来する地名が残ります。
山名もしかりで、「荒神ヶ岳(荒神岳)」「文殊岳」「行者岳」などいくつも挙げられます。
日本海を間近に望む
新山や隣り合う七高山の山頂は、大きな岩がごろついており、あまり広くありません。
眺望は折り紙付きです。月山や、岩木山、八幡平、早池峰山など東北の名峰に、庄内平野や飛島、佐渡島も見えます。
新山にほど近い鳥海山大物忌神社には「御室参籠所」が併設され、夏季のみ開いています。境内には「鳥海山頂美術館」も建っており、芸術鑑賞を満喫することもできます。
御室参籠所に宿泊すれば、早朝に現れる「影鳥海」を狙いやすくなります。御来光を受けた鳥海山の影が、日本海にピラミッドのように浮かびます。
花の百名山
鳥海山は花の百名山の一座です。様々な高山植物が自生しており、その種類は200を超えるとされています。
"チョウカイ"を冠する名の「チョウカイフスマ」や「チョウカイアザミ」は、鳥海山の固有種です。
夏はニッコウキスゲが見事です。鳥海湖や雪渓とも相まって、美しい風景を展開します。
万年雪が見られる山
鳥海山は日本海側気候のため積雪が多く、春はバックカントリースキーも盛んです。
夏でも雪はよく残り、雪渓歩きも楽しめます。
湯ノ台口からの登路に現れる雪渓は、「心」の字に見えることから「心字雪渓(しんじせっけい)」と呼ばれています。
また雪解け水も豊富です。北西麓では、あちこちで湧いた水が流れ出し「獅子ヶ鼻湿原」を形成しています。ここは国の天然記念物に指定されており、大小の湧水池や奇形のブナが成す景観は神秘的です。
湧水池は酸性度が高く、「熊の水の飲み場」の通称を持ちます。この別名は、クマをはじめとする動物達が、病気予防や傷口の殺菌に利用しているという風説に由来します。
酸性度や低温の条件から、池に生息するコケ群落はクッションのような球状です。世界的にも希少とされ、「鳥海マリモ」と呼ばれています。
ブナの奇形木は「あがりこ」と言われます。なかでも「あがりこ大王」は日本最大級で、幹回りは7.62mあります。
モデルコース
1日目:5時間12分 7.1km
鉾立(象潟口登山口)(91分)→賽の河原(43分)→御浜小屋(60分)→七五三掛(89分)→御室(17分)→→新山(12分)→御室
2日目:2時間59分 5.3km
御室(25分)→七高山(27分)→伏拝岳(76分)→河原宿小屋跡(36分)→滝ノ小屋(15分)→湯ノ台登山口
登山口 |
鉾立(象潟登山口) 吹浦口登山口(大平登山口) 山ノ神(長坂口) 一ノ坂 二ノ滝遊歩道入り口 湯ノ台口 開拓登山口 百宅口登山口 猿倉口 祓川駐車場 |
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基本情報
標高 | 2236m |
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場所 | 北緯39度05分57秒, 東経140度02分55秒 |
■火山防災情報
・気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/209.html
別名追加(2023年3月26日)。
・気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/209.html
別名追加(2023年3月26日)。
山頂 | |
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展望ポイント |
山の解説 - [出典:Wikipedia]
鳥海山(ちょうかいさん、ちょうかいざん・日本百景の一つ。2007年(平成19年)に日本の地質百選に選定された。2009年(平成21年)に国史跡「鳥海山」として指定された。読みは、秋田県側で「ちょうかいさん」、山形県側で「ちょうかいざん」となっている。またかつて秋田県ではちょうげと称されていた。鳥海山は、山形県の飽海郡遊佐町と酒田市そして秋田県の由利本荘市とにかほ市の4市町に跨がるが、山頂は山形県飽海郡遊佐町に位置し、山形県の最高峰である。山頂に鎮座する大物忌神を祀った「鳥海山大物忌神社」は上古の創建とされる。(山頂が飽海郡となった理由は #人間史 を参照のこと)
東北地方では燧ヶ岳(標高: 2,356 m)に次いで2番目に標高が高く、中腹には秋田県の最高地点(標高: 1,775 m)がある。山頂からは、北方に白神山地や岩手山、南方に佐渡島、東方に太平洋を臨むことができる。空気が澄み切れば約300km先の北アルプスの後立山連峰も見る事が出来る。
鳥海山の残雪の雪形は自然暦として用いられてきた(酒田市側から春先に見える「種まきじいさん」など)。山の南側には夏、「心」の字の形に雪が残る「心字雪渓」がある。山頂付近には夏場も融けない万年雪(小氷河と表現されることがある)が存在することや、氷河の痕跡として特徴的なカール地形が存在することから、かつて氷河が形成されていたという説がある。このため、山麓の市町村では「氷河」を冠した特産品が見受けられる。
鳥海山の固有種としてはチョウカイアザミやチョウカイフスマがある。
鳥海山は日本海に裾野を浸した秀麗な山容を持ち、多くの噴火によって畏れられ古くから山岳信仰の対象となった。豊富な湧水は山麓に農耕の恵みをもたらした。中世後期以来、徐々に修験道の修行場となり、鳥海山大権現、本地は薬師如来として崇拝された。南面からは蕨岡より登拝道をたどって山頂を目指した。江戸時代中期には登拝講が山麓に成立し、夏には多くの道者が登拝した。根拠地であった蕨岡は三十三坊を擁し龍頭寺を学頭とした。鳥海修験の山岳信仰の根底には、山を水分(みくまり)とする水への信仰があり、流れ出す川は月光川と日向川と名付けられて神聖視された。鳥海山へは、南は蕨岡と吹浦、北は矢島、滝澤、小瀧、院内などから登拝道が開けていた。江戸時代以降、蕨岡と矢島は当山派の醍醐三宝院末に帰入し、真言系の修験となった。山形県側は、明治以後、修験道の廃止に伴い、神仏分離の激動を経て、大物忌神社は、山麓に二つの口の宮、吹浦(山形県遊佐町)、蕨岡(山形県遊佐町)、山頂に本社を祀る形式をとることになった。大物忌神社は、出羽国一宮として崇められてきた。日本海に浮かぶ酒田市の飛島には、鳥海山の山頂部が吹き飛んできて出来た、あるいは鳥海に住む鬼が神罰を受けた際に飛んだ首によって出来たという伝承があり、それが島の名前の由来になっているという考え方もある。また、飛島に祀られた小物忌神社は鳥海山の大物忌神社と対をなしているという説もある。
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1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月日本海の海岸線から山頂まで一気に立ち上がる鳥海山。 鳥海山とその一帯は日本ジオパークにも認定されており、自然豊かな地域として知られています。山では雄大な景観と高山植物を楽しみ、下山後は気持ちの良い温泉と美味しい食事に舌鼓を打つ。是非とも観光と合わせて楽しんで欲しい山です。