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蝶ヶ岳(ちょうがたけ) / 長塀ノ頭

最終更新:hrshb

大パノラマの稜線闊歩を楽しむ一座


蝶ヶ岳は長野県にある山で、標高は2677mです。日本百名山や二百名山ではありませんが、北アルプスの南東に位置し、槍・穂高連峰の格好の展望地として有名です。危険箇所が少ないため、北アルプス初心者によく選ばれるほか、残雪期の登山も盛んです。

"多重山稜"
"多重山稜"

山頂部はなだらかで南北に長く、遠方から見ても頂上ははっきりとしません。また、複数の稜線が平行に並ぶ多重山稜で、稜線と稜線の間は凹地が線状に発達しています。
春先になると南東の斜面に白い蝶が舞うような雪形が現れ、山名の由来とされています。

槍・穂高連峰の絶景を望む

"山頂より:槍・穂高連峰を望む"
"山頂より:槍・穂高連峰を望む"

頂稜からの眺めは壮観で、梓川を挟んだ向かいには槍・穂高連峰が連綿と横たわります。その憧れの峰々を目の前に、多くの登山者は感嘆の声を上げます。北へ続く道の先には常念岳や大天井岳が聳え、こちらも迫力があります。
八ヶ岳と南アルプス、富士山も望め、東の眼下に見えるのは、安曇野の町です。

"蝶ヶ岳ヒュッテ"
"蝶ヶ岳ヒュッテ"

最高地点は山頂部南端の「長塀(ながかべ)の頭」で、近くには「蝶ヶ岳ヒュッテ」とそのテント場があります。蝶ヶ岳ヒュッテの北側は展望指示盤と避雷針が設置されており、「瞑想の丘」と呼ばれます。

"蝶槍"
"蝶槍"

稜線をしばらく北進すると三角点が設置されています。かつてはここが山頂とされていました。
近くの尖峰は「蝶槍」です。起伏の少ない蝶ヶ岳では惹きつけるフォルムで、稜線を散歩する際の目印になります。

ライチョウに会える山

"ライチョウの親子"
"ライチョウの親子"

蝶ヶ岳はライチョウの生息地で、登山道で見かけることは珍しくありません。春は白い冬羽のつがい、夏は親子連れでひょっこりと現れては、見る人を癒します。
山頂部はハイマツ帯で、高山植物や高山蝶もよく観察できます。また、「蝶ヶ池」「妖精ノ池」「カモシカの池」なる小さな湖沼があり、サンショウウオが生息しています。

最短登頂は三股から

"モデルコース"
"モデルコース"

1日目:5時間49分/6.3km
蝶ヶ岳登山口駐車場(39分)→三股(129分)→まめうち平(177分)→蝶ヶ岳(4分)→蝶ヶ岳ヒュッテ
2日目:3時間23分/6.1km
蝶ヶ岳ヒュッテ(102分)→まめうち平(72分)→三股(29分)→蝶ヶ岳登山口駐車場

"ゴジラみたいな木"
"ゴジラみたいな木"

三股からの登路は最も短い時間で登頂でき、よく選ばれています。(登山口:三股駐車場
出発してすぐに吊橋を渡り、「力水」と呼ばれる水場に出合います。序盤ですがここが最終水場です。
「ゴジラみたいな木」は定番の撮影スポットです。ある角度からは、ゴジラのような形に見える可笑しみのある枯れ木です。

"まめうち平"
"まめうち平"

「まめうち平」は平坦な休憩適地で、シラビソやコメツガなどの針葉樹に囲まれています。
更に上部は岩がごろついており、足元が不安定な急登が続きます。

"標高2110m付近:常念岳を望む"
"標高2110m付近:常念岳を望む"

道のりの大半は森の中ですが、時折、樹間から常念岳を望むことができます。

"山頂手前の登り"
"山頂手前の登り"

最終ベンチを過ぎると徐々に木々は低くなり、森林限界を越えます。槍ヶ岳の穂先が見え始め、振り返れば八ヶ岳と富士山が望めます。

"モルゲンロート"
"モルゲンロート"

山頂部の稜線に着くと、槍ヶ岳や穂高連峰の大パノラマが広がります。
健脚であれば日帰り山行も可能ですが、蝶ヶ岳ヒュッテでの宿泊も魅力的です。ゆとりが生まれるため、蝶槍まで稜線散策を楽しんだり、安曇野の夜景や穂高連峰のモルゲンロートを堪能することもできます。

三角形を描くような周回ルート

"モデルコース"
"モデルコース"

1日目:5時間49分/6.3km
蝶ヶ岳登山口駐車場(39分)→三股(129分)→まめうち平(177分)→蝶ヶ岳(4分)→蝶ヶ岳ヒュッテ(37分)
2日目:7時間15分/10.5km
蝶ヶ岳ヒュッテ(37分)→蝶槍(182分)→常念岳(29分)→前常念岳(158分)→三股(29分)→蝶ヶ岳登山口駐車場

三俣は、日本百名山の一座である常念岳の登山口でもあります。そのため、三俣を起点として蝶ヶ岳〜常念岳と周回する行程も可能です。この二座が狙えるルートは、中級者以上の登山者にたいへん人気です。(登山口:三股駐車場

アクセスに優れる上高地からのコース

"モデルコース"
"モデルコース"

1日目:6時間29分/11.3km
上高地(57分)→明神(55分)→徳沢(228分)→長塀山(45分)→蝶ヶ岳(4分)→蝶ヶ岳ヒュッテ
2日目:5時間45分/14.3km
蝶ヶ岳ヒュッテ(37分)→蝶槍(131分)→横尾(68分)→徳沢(53分)→明神(56分)→上高地

アプローチに公共交通機関を利用する場合は、南西の上高地からのスタートがおすすめです。上高地は、槍・穂高連峰や焼岳、霞沢岳の登山口であり、特別名勝と特別天然記念物に指定される山岳リゾート地でもあります。そのため交通の便が良く、登山中に立ち寄れる山小屋が多いことも特徴です。(登山口:上高地バスターミナル
登山口 三股駐車場
上高地バスターミナル
三郷スカイライン展望台
基本情報
標高 2677m
場所 北緯36度17分15秒, 東経137度43分33秒
カシミール3D
山頂
展望ポイント

山の解説 - [出典:Wikipedia]

蝶ヶ岳(ちょうがたけ)は、飛騨山脈(北アルプス)にある標高2,677mの山。常念山脈の稜線上、常念岳の南にあり、山体すべてが長野県に属する。中部山岳国立公園内にある。
蝶槍の南に三等三角点(標高2,664.32m、点名は蝶ヶ岳)があり、長塀ノ頭が最高点(標高2,677m)である。1990年(平成2年)頃に、蝶ヶ岳の山頂は前者から後者と解釈するように変わったとされている。
山体はなだらかで、蝶ヶ池、妖精ノ池などの湖沼が点在する。稜線は、二重稜線となっている。この二重稜線が積雪に大きく関与するため、高山植物の分布に影響を与えている。山頂付近は、森林限界のハイマツ帯で、ライチョウの生息地となっている。

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