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虎塚古墳(とらづかこふん)

最終更新:youtaro
基本情報
場所 北緯36度22分24秒, 東経140度34分10秒
カシミール3D
前方後円墳で横穴式石室を持ち、石室には装飾壁画ある
国の史跡

山の解説 - [出典:Wikipedia]

虎塚古墳(とらづかこふん)は、茨城県ひたちなか市中根にある古墳。形状は前方後円墳。虎塚古墳群を構成する古墳の1つ。国の史跡に指定され、出土品はひたちなか市指定有形文化財に指定されている。
東日本では代表的な彩色壁画古墳(装飾古墳)として知られる。
茨城県中部、那珂川下流域北岸、那珂川支流の中丸川に流れ込む本郷川右岸の台地上に築造された古墳である。一帯には古墳数基が分布して虎塚古墳群を形成してその主墳に位置づけられるほか、周辺では東日本最大級の横穴墓群である十五郎穴横穴墓群(一部は茨城県指定史跡)が所在する。1973年(昭和48年)に発掘調査が実施されている。
墳形は前方後円形で、前方部を北西方向に向ける。墳丘外表で葺石・埴輪は認められていないが、後円部の石室西側において集石遺構が検出されている。墳丘周囲には周溝が巡らされ、周溝を含めた古墳全長は63.5メートルを測る。埋葬施設は後円部における両袖式の横穴式石室で、壁画が残された彩色壁画石室として著名であり、南南西方向に開口する。石室は板状の凝灰岩を組み合わせて構築され、壁面には白土を塗ってキャンバスとした上に赤色顔料(ベンガラ:第二酸化鉄)によって、幾何学文様や大刀・盾・靫などの具象的な壁画が良好な状態で遺存する。未開口石室として調査され、石室内からは成人男性人骨1体のほか小大刀・刀子・鉇・鉄鏃などが検出され、石室外からも鉄釘・鉄鉾・鉄鏃・土師器・須恵器などが検出されている。
この虎塚古墳は、古墳時代終末期の7世紀初頭頃の築造と推定され、7世紀前半頃の追葬が推測される。東日本を代表する彩色壁画古墳であるとともに、未開口状態での石室内の環境測定が初めて行われ現在も保存施設内で良好な状態で保存されており、文化財保存科学的にも重要視される古墳になる。
古墳域は1974年(昭和49年)に国の史跡に指定され、出土品は1980年(昭和55年)に勝田市指定有形文化財(現在はひたちなか市指定有形文化財)に指定された。現在は史跡整備のうえで「虎塚古墳史跡公園」として公開されているが、石室内への立ち入りは制限され春・秋にのみ一般公開されている。

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