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最終更新:ヤマレコ/YamaReco
地元に愛される北アルプスの前山
常念岳は長野県松本市と安曇野市にまたがる日本百名山の一座です。北アルプスの東に位置する常念山脈の主峰であり、標高は2857mです。
常念山脈は、北アルプス南部の前山にあたるため、麓からよく見ます。
特に常念岳は、松本市と安曇野市豊科から見ると端麗なピラミッド型です。春は水田に映る逆さ常念岳が美しく、地元の象徴的な存在です。天気のことわざを持つほど親しまれており「常念が峰だけ出て雲が帯のようにひくと雨となる」などと言われています。
一方で安曇野市穂高より北では、前常念岳が横に並んで見え、馬の鞍のような形です。
春先に現れる雪形「常念坊」は、徳利を持った僧侶を横から見た姿になぞらえたものです。常念坊は、安曇野の人々にとって田植えの目安でした。
山名の由来は諸説あります。そのひとつによると、盗伐のために山に入った木こりが、常に聞こえてくる念仏に恐れをなし、逃げ帰ったことからと言われます。
ダイナミックに槍・穂高を眺める
山頂は岩がごろごろしており狭く、岡宮神社の祠があります。岡宮神社は、松本の城下町を古くから護ってきたお宮です。
展望は素晴らしく、梓川を挟んだ向かいには、槍ヶ岳や穂高岳連峰が連なり、乗鞍岳、御嶽山も見渡せます。
常念山脈の縦走路の奥には、立山連峰、白馬連峰、北信五岳などが望めます。
松本盆地の向こうには、八ヶ岳や南アルプス、富士山も確認できます。
瀬音がBGMの登山道
1日目:5時間1分/6km
一ノ沢駐車場(32分)→一ノ沢登山口(70分)→王滝ベンチ(107分)→胸突八丁(92分)→常念乗越(常念小屋)
2日目:5時間13分/8.2km
常念乗越(常念小屋)(87分)→常念岳(47分)→常念乗越(常念小屋)(53分)→胸突八丁(61分)→王滝ベンチ(42分)→一ノ沢登山口→一ノ沢駐車場(23分)
登頂への最短ルートは、一ノ沢登山口からです。
沢沿いをひたすら詰めるルートで、「最終水場」までは水音を聞きながら登ります。涼を感じる行程で、支流を横切るためいくつか丸太橋を渡ります。
上部は夏まで雪が残ります。必要に応じてアイゼンを装着し、スノーブリッジに注意します。
「胸突八丁」は名の通りの急坂です。ジグザクの道を進み、沢をやや迂回します。
常念乗越につくと、槍・穂高連峰の大パノラマが広がります。常念小屋が建っており、宿泊すれば、槍ヶ岳と夕日のコラボレーションや、安曇野の夜景を楽しむことができます。
ここからはハイマツに囲まれた砂礫の道を、つづら折りに進み登頂です。常念乗越から山頂は見えません。その手前の地点は一見すると山頂のようで、勘違いする登山者もいます。登るにつれまだ先があることを知り、がっかりすることもあるようです。
人気の周回・縦走ルート
1日目:5時間32分/5.6km
三股駐車場(22分)→三股登山口(129分)→まめうち平(177分)→蝶ヶ岳(4分)→蝶ヶ岳ヒュッテ
1日目:7時間2分/9.8km
蝶ヶ岳ヒュッテ(37分)→蝶槍(182分)→常念岳(29分)→前常念岳(158分)→三股登山口(16分)→三股駐車場
人気のルートは三股登山口から入山し、周回して蝶ヶ岳と常念岳を巡ります。
蝶ヶ岳から常念岳の稜線は、いっとき樹林帯まで下りますが、槍・穂高連峰の好展望とお花畑を満喫できます。
一帯はライチョウが生息しています。運が良ければ、ほのぼのとした親子連れに出会えることもあります。
常念山脈の南北縦走はロングコースで、健脚な登山者に好まれています。並走する北アルプス主稜線を贅沢に見遣りながら、気持ちの良い歩きです。よく選ばれる登山口は、北は中房温泉、南は上高地です。
花と蝶の楽園
常念岳は、多数の高山蝶が美しく舞うことで知られています。
山岳写真家で高山蝶研究家の田淵行男は、研究拠点であった常念岳に延べ200回以上通ったそうです。彼は、淡黄色のミヤマモンキチョウを「山のムスメ」、褐色で風景に紛れやすいタカネヒカゲを「ハイマツ仙人」と称しました。
山域は高山植物も豊かです。特に北側は花崗岩質のため、可憐に咲くコマクサを観察することができます。
登山口 |
一ノ沢登山口 三股登山口 |
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周辺の山小屋 |
常念小屋 蝶ケ岳ヒュッテ 大天荘 大天井ヒュッテ |
基本情報
標高 | 2857m |
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場所 | 北緯36度19分32秒, 東経137度43分38秒 |
・常念山脈の主峰、安曇野から望む三角錐の山容が特長、東側の前常念岳に一等三角点がある
山頂 | |
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分岐 | |
展望ポイント | 360度の展望 |
山の解説 - [出典:Wikipedia]
常念岳(じょうねんだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)南部の常念山脈にある標高2,857 mの山である。山体すべてが長野県に属し、松本市と安曇野市にまたがる。常念山脈の主峰。日本百名山のひとつ。安曇野からは全容が望め、ピラミッド型のその端正な山容は一目瞭然ですぐ見つけられる。常念岳のこの印象的な形状は東に隣接する前常念岳の峰が重なって見える安曇野市豊科以南から眺める場合で、安曇野市穂高以北になるとそれぞれの峰が独立して見えるためまた印象が違って見える。なお、安曇野から眺められる北アルプスは、常念山脈が主役で、穂高岳、槍ヶ岳といった山々は、常念岳、蝶ヶ岳、大滝山といった前衛の常念山脈に隠れ、場所によってその間から顔を出す程度である。安曇野のシンボルであり、長野県立こども病院のマークにも使われている。常念岳の北側の山体は花崗岩質からなり、南側の不変成古生層と大きく異なる境界となっている。東側の山腹には常念岳断層が確認されている。高山帯の山頂部には花崗岩の岩塊が積み重なっている。
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