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更新日:2022年01月05日 訪問者数:2739
ジャンル共通 技術・知識
日本の山々の地質;第4部 南アルプス 4−4章 甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山 −花崗岩の王国―
ベルクハイル
甲斐駒、鳳凰三山付近の地質図
・朱色;花崗岩類(中新世)
 (甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山を含む変楕円状の部分)

・灰色;四万十帯(メランジュ相 付加体)
・黄色;四万十帯(砂岩、泥岩相 付加体)

・赤い点線で囲った部分;甲斐駒鳳凰花崗岩体による熱変成を受けた部分(ホルンフェルス化)

※産総研 「シームレス地質図」をもとに筆者加筆
甲斐駒ヶ岳
仙丈ケ岳への登りから写したもの。

山頂の右手のこぶ状の岩峰は摩利支天峰

(筆者撮影)
鳳凰三山のうち、地蔵岳
・地蔵岳のいわゆるオベリスクと呼ばれる岩峰(トア)

・手前には花崗岩からできたザク(砂礫)が広がっている。

(筆者撮影)
鋸岳
仙丈ケ岳の中腹から写したもの。

ギザギザの岩稜になっているのが良く解る。



(筆者撮影)
(はじめに)
 4−3章までは、南アルプス全般について説明してきましたが、この4−4章より、南アルプスに並び立つ主な山々の地質についての説明を始めます。
 
 まずこの章では、南アルプス北部にそびえる、甲斐駒ヶ岳(2966m)、鳳凰三山(地蔵岳(2764m)、観音岳(2841m)、薬師岳(2780m))、及び鋸岳(2685m)について説明します。
1) 甲斐駒ヶ岳の地質と地形
 甲斐駒ヶ岳は、言わずと知れた、南アルプスを代表する名山で、百名山でもあります。その姿は、甲府盆地や、甲府から諏訪に向かうJR中央東線の車窓からも良く見え、標高差が約2300mもある巨大な山体に圧倒されます。

 甲斐駒ヶ岳は、地質的には花崗岩でできています(文献1)。
この花崗岩体は、約15Maころに、この位置に元々あった四万十帯という堆積岩の層に対し、地下深くでマグマが貫入し、その後そのマグマ溜りが冷却・固化してできた岩体です(文献1)。
 その後の地殻変動(南アルプスの隆起)に伴い、地下から上昇して地表に現れ、さらに隆起を続けて、今では3000mに届くほどの高峰となっています。

 甲斐駒ヶ岳に登ったことのある人には解ると思いますが、甲斐駒ヶ岳の頂上付近は、花崗岩が風化した、白っぽいザレ(ザク)で覆われています。また山頂の近くにあって、独特の形をしたドーム状のピーク「摩利支天峰(まりしてんほう)」は、この花崗岩の岩体で出来ています。

 甲斐駒ヶ岳へ登る登山ルートは大きく分けて2つあり、麓から長大な黒戸尾根を登るルートは、すべてこの花崗岩でできています。途中に、刃渡りという岩場があると思いますが、これも花崗岩でできた岩場です。

 もう一つは、山頂の南東側の北沢峠から、稜線伝いに登るか、もしくは仙水峠経由で稜線にでて駒津峰から甲斐駒ヶ岳へと至るルートです。最近は、北沢峠までバス路線があるので、このルートの方が登山者は多いかと思います。
 北沢峠付近は、花崗岩の地質ではなく、別の章で詳細説明予定の、「四万十帯」と呼ばれる付加体(堆積岩)の地質がベースとなっていますが、花崗岩体の元となったマグマの高温により、接触変成岩化しています(鋸岳の項で詳細説明)。
 産総研「シームレス地質図v2」にて確認すると、甲斐駒花崗岩体と四万十帯堆積岩由来の接触変成岩との境界は、駒津峰から少し先に行った、六方石という場所あたりです。


 続いて甲斐駒ヶ岳の地形的な特徴について説明します。

 甲斐駒ヶ岳は、山麓部に糸魚川静岡構造線(断層帯)があり、麓から急激に高度を上げており、かなりの急傾斜となっています。その急傾斜の部分に沢が食い込んでいて険しい谷を作っています。この急斜面を「釜無断層崖(かまなしだんそうがい)」とも呼び、日本列島では、四国の石鎚山脈にある石鎚断層崖(比高;約1700m)とともに、断層活動による隆起活動を目の当たりにすることができる場所です。

 また地形学的に興味深いのは、仙水峠(せんすいとうげ)付近にある、巨岩がゴロゴロと転がっている、いわゆる「岩塊斜面」です。
 これは、氷河期において、寒冷な気候のもとで、前述の四万十帯堆積岩由来の接触変成岩が、凍結破壊作用によって砕かれて、大小の岩塊、礫となったもので、ある意味、氷河期の名残ともいうべきものです(文献2)。

 ※ ”Ma”は 百万年前を意味する単位
2) 鳳凰三山の地質と地形
 甲斐駒ヶ岳と並んで、鳳凰三山(ほうおうさんざん;地蔵岳、観音岳、薬師岳)も、麓の甲府盆地や釜無川の流域から見ると、大きな壁のようにそびえたっていて、良く目立つ山です。特に地蔵岳はその山頂部が「オベリスク」と呼ばれる、高さ 約20mの鋭い岩峰となっており、麓や遠方からも、それと知れます。まとめて百名山に選ばれています。

 鳳凰三山も甲斐駒ヶ岳と同様、約15Ma頃にマグマの貫入とその後の冷却によって形成された花崗岩類で出来ています。なお細かく言うと、甲斐駒ヶ岳は岩石学的分類では「花崗岩」で、鳳凰三山は、「花崗閃緑岩」という、微妙に鉱物組成が異なる岩でできていますが、見た目は大きくは変わりません(文献1)。しいて言えば、甲斐駒ヶ岳の花崗岩のほうが、白っぽさが強く、遠くから見るとまるで雪化粧したように見えます。

 甲斐駒―鳳凰花崗岩体に関してさらに詳しいことは、(文献3)に記載されていますが、かなり専門的な内容なので、ここでは(文献3)の詳細には触れません。ご興味のある方は、ご参照ください。

 鳳凰三山は、その山稜を歩くと良く解りますが、花崗岩類でできた山に特有の、ザレ(ザク)が多い山稜のところどころに、小岩峰が点在しており、北アルプスの燕岳付近にも似た山容をしています。

 なお、地蔵岳の山頂部のような中規模の岩峰は、地形学的には「トア」と呼ばれています(文献4)。北アルプスの烏帽子岳の山頂部や、奥秩父の金峰山の山頂付近にある五丈岩などと類似のもので、風化、浸食に強い部分が岩峰状として残っているものです。

    ※ ”Ma”は 百万年前を意味する単位
3) 花崗岩体の貫入メカニズム
 4−2章でも述べましたが、南アルプスの大部分は「四万十帯」(付加体)などの堆積岩で出来ています。その中にあって、甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山を含む一帯は、マグマ由来の花崗岩(深成岩)でできているのは、ある意味、不調和的です。

 この理由は、新第三紀 中新世中期(約20−約15Ma)に起こった、日本海拡大/日本列島移動イベントと、大きなかかわりがあります。

 このイベント(地質学的事変)が生じた際、元々アジア大陸の縁(現在の日本海の中央部付近)にあった日本列島に相当する部分は、「西南日本」と、「東北日本」の2つのブロックに分裂した状態で、日本海が開くとともに、「西南日本ブロック」は時計回りに回転しながら南へと移動、「東北日本ブロック」は、反時計回りに回転しながら南東へ移動した、と考えられています。

 甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山を含む南アルプスは、「西南日本ブロック」に属していますが、南へと移動したことで、元々、南の海洋にあったフィリピン海プレートに乗り上げるような形となりました。(逆に言うと、フィリピン海プレートが、「西南日本ブロック)の下へと強制的に沈み込んだ)。

 当時、フィリピン海プレート(のうち、東半分)は、まだ出来立てでプレート内部は熱かったと考えられています。その熱くて軽いプレートが「西南日本ブロック」の下に潜り込んだため、プレート沈み込み帯に割と近い場所の、地下のあちこちでマグマが生じました。
 この時に生じたマグマが、この「甲斐駒―鳳凰 花崗岩体」の元となったと考えられています(文献5)。

 この、約15Maという時代には、上記のようなメカニズムによって、「西南日本ブロック」の、特に「外帯」(中央構造線より海側)の地下にマグマが生じ、通常はマグマができにくい外帯部分に、火山活動や、花崗岩類の生成が起きたことが解っています。

 具体的な例を挙げると、近畿地方中部の火山活動(二上山、倶留尊山などの火山性山体の形成;なおこれらは残丘であり、火山そのものではありません)、香川県での火山活動(五色台、屋島、小豆島などはこの時期に噴出した溶岩でできた溶岩台地の名残)、愛媛県・石鎚山の火山活動(大規模火砕流を噴出したうえで、カルデラを形成)、九州の祖母山、大崩山(おおくえやま)での火山活動(石鎚山と同様に、大規模カルデラ型の火山を形成)、さらに、屋久島を構成している花崗岩体の貫入などです(文献6,7)

   ※ ”Ma”は 百万年前を意味する単位
4)鋸岳;熱で焼きが入った険しい岩峰
 甲斐駒ヶ岳の西側には、鋸岳(第一高点の標高=2685m)という険しい山がそびえています。その山稜は名前の通り、鋸状の尾根を形作っており、例えば八ヶ岳や木曽駒ケ岳などからも、そのギザギザした特徴的な山容が目立ちます。

 さて、この山の地質はなんでしょうか?
その山容は、花崗岩でできた甲斐駒ヶ岳とは明らかに異なります。

 産総研の地質図のうち、「シームレス地質図(v2)」では、砂岩、泥岩を主体とする堆積層(付加体)としか記載されていませんが、5万分の1縮尺の詳細地質図に切り替えて確認すると、鋸岳付近の地質は、四万十帯堆積岩(砂岩/泥岩互層)が、「ホルンフェルス」という接触変成岩に変化していることが解ります。
 これは元々、「付加体」として海洋プレート沈み込み帯で堆積した砂岩、泥岩が、甲斐駒ヶ岳などを形成した花崗岩体の元となったマグマが、すぐ近くに貫入したために、その高温によって変成作用が生じ、「ホルンフェルス」と呼ばれる変成岩になったものです。

 「ホルンフェルス」とは、泥岩や砂岩といった堆積岩が、マグマによる高熱によって変成したものです。ホルンフェルス(Horn fels)という用語はドイツ語ですが、ホルン(horn)は日本語では「角」を意味し、フェルス(fels)は日本語で「岩石」を意味します。(文献8)。

 ホルンフェルスは非常に硬いのが特徴です。そのため鋸岳では浸食に抵抗して、あのようなギザギザの険しい稜線を形成しているものと思います(私見です)。
(参考文献)
 文献1)日本地質学会 編
    「日本地方地質誌 第5巻 中部地方」 朝倉書店 刊 (2006)のうち、
     各論の部、15-3章 「甲斐駒・鳳凰花崗岩」の項


 文献2)小泉
     「日本の山ができるまで」 エイアンドエフ社 刊 (2020)
      のうち、第15章 「1400万年前の火成活動でできた山々」の項
 

 文献3)佐藤、柴田、内海
    「甲斐駒ヶ岳花崗岩質岩体のKーAr年代と岩体冷却史
      −赤石山地の地質構造形成史における意義」
     地質学雑誌、第96巻 p33-44 (1989)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/geosoc1893/95/1/95_1_33/_article/-char/ja/

 (リンク先から、PDFファイル形式の本論文がダウンロードできる)


 文献4)小泉、清水 編
     「山の自然学入門」 古今書店 刊 (1992)のうち、
      第51章 「鳳凰山」の項


 文献5)「日本地方地質誌 第5巻 中部地方」 朝倉書店 刊 (2006)のうち、
      総論 3−4章「日本海拡大」の項


 文献6)「日本地方地質誌 第7巻 四国地方」 朝倉書店 刊 (2016)のうち、
     7-4章 「西南日本外帯および瀬戸内火成活動の成因論」の項


 文献7) 「日本地方地質誌 第8巻 九州・沖縄地方」朝倉書店 刊 (2016)   
      のうち、6-4章 「深成岩、新生代」の項


 文献8) 西本 著 
     「観察を楽しむ、特徴が解る 岩石図鑑」 ナツメ社 刊 (2020)
      のうち、「ホルンフェルス」の項
【書記事項】
初版リリース;2020年10月18日
△改訂1;文章見直し、一部修正。4−1章へのリンク追加。書記事項追加。
△最新改訂年月日;2022年1月5日
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コメント

南アの糸静線
bergheilさん、こんばんわ。
連載で素晴らしい地質・地形の解説をしてくださり有難うございます。

参考資料では糸静線は甲斐駒・鳳凰花崗岩体の東縁になっていますが、出典は覚えていませんが、北沢峠〜野呂川〜早川町を通過している糸静線もあったかと思います。地質から考えると、この考えもありかなと思えます。
糸静線はフォッサマグナの西縁(西南日本の東縁)と考えれば、日本列島が大陸縁から離れた時、即ち甲斐駒・鳳凰花崗岩体の貫入以前に決まったと思います。
糸静線が甲斐駒・鳳凰の東縁を通過するならば、花崗岩体の貫入が起きる前のフォッサマグナの西縁はどこだったのだろうとの問題が出てきます(枝葉末節なことかもしれませんが)。

次のようなことを述べると学問的でないと、お叱りを受けそうですが、素人の素朴な考えとしてお許しいただければ幸いです。

糸静線とフォッサマグナの西縁が必ずしも一致しなくても良いかと思いますが、素人の自分には、南アでbergheilさんの分類でいえば、ゾーン1〜3とゾーン4,5は全く別物(ゾーン4と5も全く別物)で、糸静線が野呂川なら地質図と合致するかと思えます。ただ糸静線は断層ですので地質図と乖離があっても良いのかもしれません。

昨秋から地学に興味を持ち始め、それまでは全く考えもしなかったことを考えるようになってしまいました。
甲斐駒・鳳凰花崗岩体は甲府岩体の一部と思いますが、自分には甲府岩体は謎で興味の対象です。
失礼をお許しください。
2020/10/19 19:26
Re: 南アの糸静線(糸静線について)
fujikitaさん、いつも拙稿を読んでいただき、ありがとうございます。
質問をいただくと嬉しい反面、正しく答えられるかな? という気にもなります。なんせ私も実際は地質学の素人ですから(笑)

さて、「糸静線」についてですが、「糸静線」という用語を使う場合、実は2つの違った定義で使われています。
一つは、地質学的な境界線としての「糸静線」です。(以下、「糸静線(地質境界)」と書くことにします。)
もう一つは、断層帯としての「糸静線」です。(以下、「糸静線(断層帯)」
と書くことにします。)

まず糸静線(地質境界)は、定義として、西南日本の帯状地質分布が途切れる東縁のライン、ということになっています。
南アルプスでは、領家帯、三波川帯、秩父帯、四万十帯が帯状に分布していますが、その帯状分布が途切れる部分が糸静線(地質境界)です。

地質図を見ると、諏訪湖の南から南アルプスの山麓に沿って、茅野、小淵沢と、地質境界が走っています。その先は、この章で説明した甲斐駒鳳凰花崗岩体になりますが、これは元々は四万十帯があった場所に、地下からマグマが貫入してきた、いわば外来者なので、この部分も糸静線の西側(=西南日本)になります。

その先は南アルプスの内部に入るので、やや不明瞭ですが、南へと走向を変えて夜叉神峠を通り、その先は、ほぼ安部川の流れに沿って静岡平野へと続いています。
ただし、南アルプスの東部から南東部は、火山岩である玄武岩体がバラバラと分布しているために四万十帯の東縁がとぎれとぎれになっており、きれいなラインにはなっていません。

一方、糸静線(断層帯)は、北部(北アルプス東部)から中部(松本ー諏訪)あたりでは、ほぼ糸静線(地質境界)と同じような場所を走っています。北部、中部の断層群の多くが活断層認定されています。
が、南アルプスの付近では、糸静線(地質境界)は、活断層として活動していません。一方で、富士川の流れに沿った細い谷沿いが、活断層帯になっています。日本列島を縦断する大断層帯としての糸静線は、南部では、富士川断層帯が実質的にはその役割を担っていると言えます。

(ちょっと長くなったので、糸静線の説明はここで終わります)
2020/10/19 20:30
Re[2]: 南アの糸静線(フォッサマグナについて)
次にフォッサマグナについてです。

フォッサマグナは、もともと明治時代にナウマンが、南アルプスの東北縁や、北アルプスの東の縁が大きな落差を持っていることを見て驚き、北ア、南アの東側を陥没した地溝帯と考え、大地溝帯という意味のフォッサマグナという地域名を付けたものです。

現在では、フォッサマグナ自体が地溝帯なのかどうかや、地溝帯ならどこが東の境界かも良く解っておらず、(むしろ霧ケ峰、美ヶ原などは隆起している)、地質学のテキストでも「いわゆる フォッサマグナ」というように、あまり触れてはいけないもの扱いです。

最近では、日本海拡大/日本列島移動イベントの際、西南日本ブロックと東北日本ブロックとの2つのブロックに分かれて移動したときに、その間が現在のフォッサマグナ地帯じゃなかろうか? という程度の扱いですね。

(フォッサマグナについては、これで終わりですが、話は続きます・・
2020/10/19 20:42
Re[3]: 南アの糸静線(甲府岩体について)
続いては、甲斐駒鳳凰花崗岩体と同様に、貫入した花崗岩体である、甲府岩体について説明します。(以下の文献による)

甲府岩体も、甲斐駒鳳凰花崗岩体とほぼ同時代に貫入した花崗岩体です。ただし細かく見ると、金峰山岩体(花崗岩)、徳和岩体(花崗閃緑岩)、昇仙峡岩体(花崗岩)、芦川岩体(トーナライト)と、4つの岩体に分けられ、それぞれ岩質がちょっと違うのと、貫入時期も少しずづ違うようです。

徳和岩体と芦川岩体はほかの2つの岩体より遅く貫入しています(約13-10Ma)。これについて以下の文献では、伊豆弧の日本列島への衝突による影響で新たにマグマが生じて、それが貫入したのだろう、と書いてあります。(以下の文献の記載は、ちょっと専門的すぎて私もよく理解できてません)

なお、15Ma前後は、日本海拡大/日本列島イベントの終盤期であるとともに、フィリピン海プレートの東方向への拡大の終盤期、さらに、フィリピン海プレートの移動方向が東から北へと変わったことによる、伊豆小笠原弧の日本列島への衝突開始と、3つの大きなイベントが起こった複雑な時代です。
面白い反面、謎の多い時代ともいえます。


(参考にした文献;「日本地方地質誌 5 中部」の15.2節 甲府深成岩体の項)
2020/10/19 20:57
Re[4]: 南アの糸静線(甲府岩体について)
ご丁寧なご回答をいただき大変恐縮しております。
明解なご説明で理解できました。もやもやが解消しました。

それにしてもbergheilさんの豊富な知識には毎回圧倒されますし、私の理解が不十分な所や混乱している点を見極めるお力にも脱帽です。非常に的確なご悦明ですので、すんなり理解できました。心より感謝申し上げます。

今後も宜しくお願いいたします。
2020/10/20 19:59
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