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記録ID: 103114
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ハイキング
甲信越

鍬ノ峰・前越ルート

2007年06月03日(日) [日帰り]
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nobou その他20人
GPS
--:--
距離
3.0km
登り
541m
下り
451m
過去天気図(気象庁) 2007年06月の天気図
アクセス

感想

 沢登り,薮漕ぎ,岩魚獲り・・,鍬ノ峰探険登山in森くら

 トモさんには魂げた! 
 歩き始めからすぐ沢に入る。『ああしろ』『こうしろ』もあったもんじゃなく、いきなりザブザブと入って『ぬれても平気な人は沢の中を歩いて! ぬれたくない人はぬれないように歩いて!』と来たもんだ。
 子ども達は滑りやすい沢の中を必死で追いかける。中学年以上の子は難なく歩ける所でも『低学年にはきびしいかナ』と思ってみていたら何と年長さんまでいた。
 その年長の女の子がのっけから滑って水の中に尻餅をついた。立ち上がって1歩進もうとしてまた水の中・・,歯を食いしばって立ち上がり、2度,3度と滑っては転び,転んでは立ち上がりして早くもずぶぬれ。その1人前にも1年生くらいの男の子がいて滑ったり転んだりしており、同じようなのが2人並んでいるから余計いけない。
 固唾をのんで見守る子ども達と、見かねて手を出すおとなの参加者・・・。
 13人の子ども達と8人のおとな達の鍬ノ峰登山はこんな風に始まった。

 ボス吼える!
 最初の難関を何とか切り抜けて、ちょっとした平らな場所まで来て初めて先ほどの場面を振り返り『大きい子達,何でボーッと見てるんだ! 自分のことで精一杯な者ばかりじゃないだろッ,平気な奴だっているじゃないか。助けろよ!』と一喝。前の子が後ろの子を助けながら進むようにと注文をつける。
 そこから子ども達の動きが変わった。一行の中に頼もしい中学生君がいた。彼の目が小さい子達に注がれるようになり、高学年の子が小さい子の間に入ったりして並び方も変わってきた。
 ぬれまいとすると反って滑りやすい。一番安全なのは常に流れがあって藻が生えない水の中であることを教える。靴の予備も着替えも持っているんだから水の中を歩くようにと。それでもぬれることを嫌う子もいるが、おっかなびっくりで腰が引けてリズムが出ない。
 まあしかし、これは無理からぬことで慣れていくしかない。おとなはもっと下手だし・・。

 丸木橋のある淵のそばで休憩。丸木橋はおあつらえ向きのベンチで子ども達は目白押しに並ぶ。
 『さっきからそこにいるよ!』とトモさん。『ホラッ! そこにいるじゃないか・・,ホラッ,そっちへ行ったゾ,ホラッ』と、言われても見えない子ども達。流れの溜まりでイワナが走ったのに気づいていたのはトモさんだけだった。
 色めき立った子ども達は、せまい水溜りの中の石の裏に手を突っ込んで探り始め、『アッ,いた!』,『そっち行った!』,『触った! ぬるっとしてた』『・・・』と大騒ぎになった。好きだなぁ,こう言う光景・・。
 こうして逃げ回っていたイワナも遂に中学生君の手に落ちた。夕方には塩焼きだネッ。もう1尾はいたんだけど・・・,それは内緒! 
 えッ,私・・・? 写真どころじゃないっスよ,もちろん!
  足元の花や周りの景色を見る余裕はないかもしれないけど、色んな花が咲いているし、瑞々しい緑に囲まれている。葉の先端が尖っているところはラショウモンカズラ。でも花の数が少なくて並び方も立派じゃない・・。でもタツナミソウじゃないみたい・・

 子ども達が沢に慣れて来たのと、源流に近くなって水量が少なくなったのとでピッチが上がってきたが、傾斜もきつくなってきた。登るに従って沢はいくつかに分岐し、それと共に水の流れが消えて行くと厚い落ち葉の堆積に代わり、逆に歩きにくくなるが、はるか上方の木の間越しに青い空が見えるようになると尾根は近い。
 歩き始めてから約2時間で沢を抜けて稜線に立つ。行程では3分の1,高度差にすると約300mで半分と言うところで休憩。
 この稜線は、安曇野方面から見て長々と横たわる鍬ノ峰の、末端の仏崎から山頂まで続く最も長い主稜線で、ここからが厳しいやせ尾根の連続登りとなる。
 15分の小休止後,出発。尾根に出ると、そこからの道はやせていて南側がガレているところがあり、特に1520mのピークまでは急登で危険な所が多いので列を再編成し、子ども達の間におとなをちりばめて歩くことになる。12時を過ぎてそろそろ空腹気味。空腹のまま歩くと体が浮いてふらつきやすくなるが、ここは慎重に登る。
 オキュートな道で一気に高度を稼ぐと咲き残ったシャクナゲやムシカリの花が散見されるようになる。30分ほどで前越峠方面への分岐を通過すると、一息で1520mのピークに到達。

 1520mのピークはやや平らな広場になっているのでここで昼食とし、子ども達が中心となって味噌汁と飲み物をつくる。不安定な場での湯沸しのみおとなが受け持って、味噌汁の具やココアのパック,おわんやコップ等を配って廻ったり、小さい子の面倒を見るのは子ども達。よく鍛えられていてテキパキとよく動く。
 森くらの子ども達は、人数が多いのと年齢の幅が大きいことが何よりの強みで、わが山のあしおと小学校の小所帯には真似の出来ない,多様多彩な動きとダイナミックなパワーを発揮する。14時過ぎに出発し、15:10登頂。
 全員元気いっぱい。上空はどんよりした雲に覆われているが、水平方向の展望はよし。蓮華岳,針の木岳,北屑岳,船窪岳方面,七倉ダムから不動岳,烏帽子岳にかけての裏銀座の稜線,高瀬川を隔てて唐沢岳,餓鬼岳,燕岳,有明山方面の山々を確認。また東に目を転じて大町市街から松川村,池田町方面の町を見下ろす。 

 15:25発。下山路は昼食を食べたピーク下の分岐点から前越峠に向けて左折。でっかいミズナラの中でもひときわデカイ奴! どっしりした安定感の頼もしさ!
 次第に道が怪しくなり、丈余の笹薮に突入・・・って,トモさん,道間違ってない? ますます深くなる笹薮。この状況を楽しんじゃって・・,Madokaも強くなったもんだ。
 2時間近い薮漕ぎの末,林道に出る。そこは前越峠から500mあまり奥に入った地点。車までの約2kmを歩き、18:30に帰還。子ども達は最後まで元気だ。この中にアルプス登山教室の参加希望者がいれば、資格は充分だ。  終り

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