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Yamareco

記録ID: 1076472
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雪山ハイキング
東海

神崎川最奥ガッパ谷

2017年03月04日(土) [日帰り]
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天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2017年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
岐阜市街から45キロ、山県市神崎伊住戸まで車で1時間半。伊住戸鉱山の先ごろごろの滝で冬季通行止め。そこから仲越廃村まで徒歩2時間。ところどころ積雪30センチぐらい。往路は雪が締まって快適だったが、帰路はツボ足、股まで沈んだ。
コース状況/
危険箇所等
仲越まで特に危険個所はないが、途中に杉の倒木多数。伊住戸から一時間ぐらいはアマゴ釣り師の足跡をトレースするが、その先は鹿、兎の足跡のみ。分校跡からガッパ谷は林道が完全に雪で埋まっており、雪崩跡も多数見受けられた。無雪期の車止めから先は歩行困難。
その他周辺情報 武芸川温泉が新規開業しているが、以前の田舎のひなびた温泉から大きく変貌してスーパー銭湯になっていた。750円はちょっと高い。
仲越林道は伊住戸のごろごろの滝で通行止め。ここから廃村仲越まで歩いて2時間。
2017年03月04日 09:14撮影 by  F10C, DoCoMo
3/4 9:14
仲越林道は伊住戸のごろごろの滝で通行止め。ここから廃村仲越まで歩いて2時間。
雪崩の跡。この林道は標高の割には谷が深く雪崩の発生確率が高くなっている。
2017年03月04日 09:40撮影 by  F10C, DoCoMo
3/4 9:40
雪崩の跡。この林道は標高の割には谷が深く雪崩の発生確率が高くなっている。
仲越入口の「結界」。私の耳にはここを通るたび「この先、覚悟をもって入れ」の声がいつもどこからか聞こえてくる。通常の「結界」はしめ縄だが、ここにはなにか、きっぱりと他所者を拒んでいるかのような「門」がある。
2017年03月04日 10:34撮影 by  F10C, DoCoMo
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仲越入口の「結界」。私の耳にはここを通るたび「この先、覚悟をもって入れ」の声がいつもどこからか聞こえてくる。通常の「結界」はしめ縄だが、ここにはなにか、きっぱりと他所者を拒んでいるかのような「門」がある。
門を支える支柱。この構造物は30年まえからここにある。何のためなのかはいまだ分からない。
2017年03月04日 13:51撮影 by  F10C, DoCoMo
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門を支える支柱。この構造物は30年まえからここにある。何のためなのかはいまだ分からない。
「結界」のそばのお地蔵さん。車で通過するときは気づかなかったが今日は合掌。相当古い。文字の判読は不可能。
2017年03月04日 10:39撮影 by  F10C, DoCoMo
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「結界」のそばのお地蔵さん。車で通過するときは気づかなかったが今日は合掌。相当古い。文字の判読は不可能。
日影の道には雪がビッシリ。ここ数日ひとの歩いた形跡なし。
2017年03月04日 10:41撮影 by  F10C, DoCoMo
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日影の道には雪がビッシリ。ここ数日ひとの歩いた形跡なし。
伊住戸から2時間歩いて、やっと分校跡。雪の深さ50僂阿蕕い。陽が当たって暖かいが雪は固い。ツボ足でも沈むことはない。
2017年03月04日 11:01撮影 by  F10C, DoCoMo
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伊住戸から2時間歩いて、やっと分校跡。雪の深さ50僂阿蕕い。陽が当たって暖かいが雪は固い。ツボ足でも沈むことはない。
校庭から見上げた笹畑の尾根。空は真っ青。
2017年03月04日 11:06撮影 by  F10C, DoCoMo
3/4 11:06
校庭から見上げた笹畑の尾根。空は真っ青。
分校跡を後にして日永へと続く「ガッパ谷」へ向かう。
2017年03月04日 11:09撮影 by  F10C, DoCoMo
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分校跡を後にして日永へと続く「ガッパ谷」へ向かう。
ゴム長靴にアイゼンを装着。踵が浮かないようにくるぶしをゴムバンドで固定。これで充分。
2017年03月04日 11:35撮影 by  F10C, DoCoMo
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3/4 11:35
ゴム長靴にアイゼンを装着。踵が浮かないようにくるぶしをゴムバンドで固定。これで充分。
ガッパ谷は林道歩きというより山肌のトラバース。ほとんど沢筋に雪崩が落ちている。
2017年03月04日 12:03撮影 by  F10C, DoCoMo
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ガッパ谷は林道歩きというより山肌のトラバース。ほとんど沢筋に雪崩が落ちている。
無雪期には気づかなかった滝がところどころに。これは結構立派なもの。3段30メートル。雪崩と滑落の危険リスクが高いと判断。ここで引き返す。3月末に再度挑戦。
2017年03月04日 12:05撮影 by  F10C, DoCoMo
3/4 12:05
無雪期には気づかなかった滝がところどころに。これは結構立派なもの。3段30メートル。雪崩と滑落の危険リスクが高いと判断。ここで引き返す。3月末に再度挑戦。
分校跡に戻ってくる。気持ちのいい陽だまりで一時間以上「ボケー」。誰にも邪魔されない贅沢な時間だ。
2017年03月04日 12:34撮影 by  F10C, DoCoMo
3/4 12:34
分校跡に戻ってくる。気持ちのいい陽だまりで一時間以上「ボケー」。誰にも邪魔されない贅沢な時間だ。
笹畑、日永の稜線。
2017年03月04日 13:26撮影 by  F10C, DoCoMo
3/4 13:26
笹畑、日永の稜線。
この沢を鹿の親子が飛ぶように渡って行った。
2017年03月04日 13:40撮影 by  F10C, DoCoMo
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この沢を鹿の親子が飛ぶように渡って行った。
ガラケーの画像では再生できないが、エメラルドグリーンの落ち込み。
2017年03月04日 13:48撮影 by  F10C, DoCoMo
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ガラケーの画像では再生できないが、エメラルドグリーンの落ち込み。
この辺りアマゴのポイント。解禁になっているのに釣り師はここまで入ってこれない。
2017年03月04日 14:17撮影 by  F10C, DoCoMo
3/4 14:17
この辺りアマゴのポイント。解禁になっているのに釣り師はここまで入ってこれない。
2017年03月04日 14:19撮影 by  F10C, DoCoMo
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ごろごろの滝。
2017年03月04日 14:47撮影 by  F10C, DoCoMo
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ごろごろの滝。
神崎川沿いでひとの居住する最奥の家。
2017年03月04日 14:55撮影 by  F10C, DoCoMo
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神崎川沿いでひとの居住する最奥の家。
伊住戸の駐車場そばにあったお地蔵。千手観音だが文字の解読不能。江戸時代以前のものだろう。
2017年03月04日 15:06撮影 by  F10C, DoCoMo
3/4 15:06
伊住戸の駐車場そばにあったお地蔵。千手観音だが文字の解読不能。江戸時代以前のものだろう。

感想

 3か所のなだれ崩落跡を見ただけで日永岳へと続くガッパ谷の遡行は早々と諦めた。分校跡へと戻ってきた。グランド跡の平地は50センチの雪に覆われているが、鹿や兎の足跡だけでひとのもはひとつも無い。見上げると真っ青な空の下に笹畑山の稜線が日永岳へと延びている。またもや撤退かとため息をついた。ここはこの時期、花房や小津権現よりはるかに厳しいだろうか。きっぱりとひとの進入を許さない頑固親父そのものに思えてくる。ツェルトと寝袋を持参して尾根筋でのビバークも考えていたが、そんなごまかしなどとてもじゃないが通用しない。

分校跡の陽だまりで、湯を沸かして昼飯にした。遠くの谷筋で雪崩の轟音が、遠雷でも聞くように耳の奥に残った。今年、雪崩の音を聞くのはこれで2回目だ。海の溝洞で聞いた時より余韻が長いように思えた。

陽だまりはポカポカしていて気持ちがいい。Tシャツ一枚になっても寒くない。今朝、美山谷合集落での気温がマイナス2度だったのがうそのようだ。コーヒーを淹れてハーモニカを吹いた。

いまから30年くらい前までこの分校には子供たちが走り回っていた。きょう、人間は10キロ手前までしか入ってこれない。雪に覆われてすっかりケモノだけの世界になってしまったようだ。あれやこれやと考えてみた。
 むかしこどもたちは背丈より深く積もった雪の日に、毎日毎日、おんな先生のオルガン伴奏で音楽の授業があった。外には出られないからだ。「ふるさと」の曲もあっただろう。ガキ大将のはなたれ小僧はやけくそでがなりたてて、先生に怒られしょんぼりしている。
 ここに座っているだけで、ものがたりはいくらでもできてしまう。
ハーモニカではじめて「ふるさと」を吹いてみたが、楽譜も無しに最後まですらすらと吹けた。私の中にもまだはなたれ小僧のこころは生きているのだろう。
それにしてもいい天気だ。啓蟄だ春も近い。

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