神崎川最奥ガッパ谷
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
仲越まで特に危険個所はないが、途中に杉の倒木多数。伊住戸から一時間ぐらいはアマゴ釣り師の足跡をトレースするが、その先は鹿、兎の足跡のみ。分校跡からガッパ谷は林道が完全に雪で埋まっており、雪崩跡も多数見受けられた。無雪期の車止めから先は歩行困難。 |
その他周辺情報 | 武芸川温泉が新規開業しているが、以前の田舎のひなびた温泉から大きく変貌してスーパー銭湯になっていた。750円はちょっと高い。 |
写真
感想
3か所のなだれ崩落跡を見ただけで日永岳へと続くガッパ谷の遡行は早々と諦めた。分校跡へと戻ってきた。グランド跡の平地は50センチの雪に覆われているが、鹿や兎の足跡だけでひとのもはひとつも無い。見上げると真っ青な空の下に笹畑山の稜線が日永岳へと延びている。またもや撤退かとため息をついた。ここはこの時期、花房や小津権現よりはるかに厳しいだろうか。きっぱりとひとの進入を許さない頑固親父そのものに思えてくる。ツェルトと寝袋を持参して尾根筋でのビバークも考えていたが、そんなごまかしなどとてもじゃないが通用しない。
分校跡の陽だまりで、湯を沸かして昼飯にした。遠くの谷筋で雪崩の轟音が、遠雷でも聞くように耳の奥に残った。今年、雪崩の音を聞くのはこれで2回目だ。海の溝洞で聞いた時より余韻が長いように思えた。
陽だまりはポカポカしていて気持ちがいい。Tシャツ一枚になっても寒くない。今朝、美山谷合集落での気温がマイナス2度だったのがうそのようだ。コーヒーを淹れてハーモニカを吹いた。
いまから30年くらい前までこの分校には子供たちが走り回っていた。きょう、人間は10キロ手前までしか入ってこれない。雪に覆われてすっかりケモノだけの世界になってしまったようだ。あれやこれやと考えてみた。
むかしこどもたちは背丈より深く積もった雪の日に、毎日毎日、おんな先生のオルガン伴奏で音楽の授業があった。外には出られないからだ。「ふるさと」の曲もあっただろう。ガキ大将のはなたれ小僧はやけくそでがなりたてて、先生に怒られしょんぼりしている。
ここに座っているだけで、ものがたりはいくらでもできてしまう。
ハーモニカではじめて「ふるさと」を吹いてみたが、楽譜も無しに最後まですらすらと吹けた。私の中にもまだはなたれ小僧のこころは生きているのだろう。
それにしてもいい天気だ。啓蟄だ春も近い。
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