西金駅ー奥久慈パノラマラインー西金駅
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.3km
- 登り
- 371m
- 下り
- 376m
コースタイム
13:10 古分屋敷
14:50 佐中分岐
15:00 不動滝入口
15:30 湯沢分岐
15:50 西金駅前駐車場
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道が狭いので時折通る自動車に注意しましょう。 |
写真
装備
備考 | 雨具兼用の上着、ウールミトン、水、非常食(チョコレート)、ヘッドランプ |
---|
感想
冬場は体調を崩したり、仕事が忙しかったり、家庭の事情だったりと運動から遠ざかってしまうことが多かった。正確には諸事情がきっかけとなってサボり癖が付くというべきなのだが、、、。2015年度は珍しく冬を通してジョギングなどできたのだが最後の最後の春先にふくらはぎに痛みが出て運動ができなくなり、春山シーズンはトレーニング不足のままで臨むこととなった。その故障から何とか回復して、夏から初冬にかけては順調に鍛えてきたのだが、またもや冬になって故障してしまった。
昨年12月ごろから足裏筋膜炎が出た。
もともと持病のようなもので、朝起きたときに最初の10歩くらいはひいひい言うのは慣れっこになっていたのであるが、日中階段を歩くときにも手すりに手を付くほどになってしまった。トレーニングの目的は体の強化であるにもかかわらず、結果的に体を損ねることになっては本末転倒と、二三日走るのを休んだ。すると痛みは引くのだがランニングを再開すると再発した。仕方がないので1月はトレーニングなしで過ごした。困ったことに体は動かさなくても食べる量は同じ。というよりも秋から冬場はどうしても食べる量が増え、さらには甘いものに揚げ物といった高カロリー系が多くなる。冬眠前の熊のようだ。そして冬眠前の熊のように肉が付いた。
しかし冬眠の甲斐もあり、2月には5キロほど散歩してもまったく痛みが出なくなったのだが、いったん付いた怠け癖は抜けない。そもそも真冬の夜遅くに帰宅して、夕食後、あるいは夕食前にまた走りに出るのはかなりやる気がなければできるものではない、日の出遥か前の深夜ならばなおのことだ。ずるずると2月は何もしないで過ぎてしまった。
このままでは春山登山ができなくなる。もともと走っているのは登山のためなのだから、モチベーションを高めるには山に行くことが一番だろう。そしてあまりきつくなく、なおかつわくわく感が一番高いところというわけで、奥久慈男体山方面を「見に行く」ことにした。10年ほど前、水郡線で袋田の滝と月居山のハイキングに出かけたとき、西金付近で奥久慈の山並に興奮し、西金で下車する登山者にあこがれたものだ。そして月居山頂から見える奥久慈の山並みを見て、この山々をずっと縦走してみたいと強く思ったものである。そのときはまさか奥久慈がホームグランドになるとは夢にも思っていなかった。奥久慈に行けば、寒い朝晩に走る気力もまたわくのではないか。
午前中に用事があったため、西金駅の駐車場を出発したときにはすでにお昼を回っていたが、今回は山登りはしないつもりだったのであまり気にはならなかった。のんびり行こう。
国道118号線を渡って、拡幅工事中の林道沿いに緩やかな坂を上った。足許には黄緑色の塊がそこかしこに顔を出していた。フキノトウだ。なんでも口に入れる筆者は思わずそのひとつを少しだけつまむと口に入れた。強い苦味が口の中に広がった。ひとつの春の合図だ。困ったことにフキノトウのつまみ食いをすると必ずそのあとでおなかが痛くなるのだ。今回もその例外ではなかった(トイレに駆け込むほどではない軽度のものだが)。
され、林道を歩き出すと程なくして遠くに奥久慈の稜線が見えてきたが、今回は今まで感じたほどの興奮がなかった。見るだけだとモチベーションが下がるのだろうか。一方道端には先ほどのフキノトウに加えて、菜の花、オオイヌノフグリなどが咲き乱れており、まだまだ灰色の自宅付近に比べるとむしろ奥久慈の山ろくのほうが春が速く近づいていることを感じて、そちらのほうがうれしくなった。
とはいえ、山は山である。見ているとだんだんと気持ちが高ぶってきた。それも未踏の山だったら。。。何度か登っている奥久慈男体山も、確かに茨城の穂高岳とも言うべき迫力があるけれども、奥久慈男体山の表縦走路、中でも入道岩や鷹取岩が気になってきた。思えば奥久慈パノラマラインを歩いたことがない。今までは点から点への自動車での移動だった。いい機会だから、パノラマラインを回って湯沢に出て、西金に戻ることを考えてみた。
古分屋敷から大円地へは向かわず、トンネルをくぐって湯沢方面へと車道を歩いた。始めての道を歩くといいこともある。奥久慈男体山の見え方も普段とは違って、結果的には奥久慈男体山を見て楽しむことに成功したのだ。また林道沿いにはよく見るといくつもの小道があって、もしかするとこれらを使うと表縦走路に出ることもできるのかもしれないと想像を膨らませた。
そうするうちに、P460 とその基部の崩落箇所、入道岩、鷹取岩が見えてきた。そして入道岩の根元あたりが伐採されていて、いい感じに尾根が露出している。今回はハイキングで終わるつもりだったし、ほとんど丸腰、手袋さえ毛糸のミトンしかはめていないのであるが、伐採地の先くらいまで行ってみようと取り付いてしまった。
結構な急斜面だったし、例によって茨城県の茨に難儀しながらの登高だった。ただこの角度から見る男体山、女体山(長福山)はすばらしかった。
本来ならば伐採地のてっぺんの小ピークまで出降りるつもりだったが、尾根筋に踏み跡が付いている。何やら十一号だの十二号だのと書き込まれた棒杭も落ちている。これはもうひと歩きしようということで、ところどころ一瞬笹薮をこぎながらも尾根筋を登っていった。尾根筋は驚くほど明瞭で、藪こぎも一瞬であった。この調子だと入道岩の基部にまで到達するのではないかとも考えたが、その考えは目の前の岩壁ではじき返されてしまった。岩壁の基部をトラバースしながらさらにアプローチできないこともなかったが、さすがにつま先がつるんと上がっているハイキングシューズでは力不足だし、そもそも今回は山を見に来たのであるから、この辺が潮時であろうということで引き返すことにした。一瞬蝋梅かと思うような(でもよく見ると形も色も違う)黄色い花が咲いていた
かなりの急斜面を林道まで降りるのには一苦労し、結局茨に引っかかれて出血するという憂き目を見ることとなってしまったが、無事林道まで戻ることができた。
林道の先には、当初ここからアプローチしようかと考えていた暗い沢があるが、もちろんここは見送りである。そして昨年の竜神峡から男体山往復のときに使った佐中分岐、不動滝入り口までひと歩きした。さらにつつじヶ丘を目指すつもりだったのだが、不動滝入り口のところに湯沢方面の標識と、狭い農道がある。今までの奥久慈ハイキングでは見落としていた道でもあり、有難く使わせてもらうことにした。
もう3月を過ぎていたが、道端の田んぼの中には氷が張っている箇所もあった。一日中凍り付いていることはほとんど間違えない。先ほどのように草花が咲き乱れている箇所があっても、奥久慈は奥久慈、まだ寒さは厳しいのだなあと感じるのであった。
あとは少し谷あいの農道を歩き、思いがけなく寺を見つけたり、何度か林道の分岐を通過し、最近できたと思しき産直販売所を通過すると程なく湯沢温泉跡の分岐に到着した。
高いモチベーションを取り戻すというわけには行かず、おなか周りの肉は増えるのであった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する