雁坂峠が何と「開かずの国道140号」だったとは
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- GPS
- --:--
- 距離
- 10.1km
- 登り
- 1,006m
- 下り
- 997m
コースタイム
天候 | 晴れのような曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2017年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険な岩などないが、全体に片方が深い沢なので凍る時期は危険か。 水は井戸沢まであるので少しだけで良いと思う。 |
その他周辺情報 | 情緒ある渓谷沿いの雲龍館は500円で日帰り入浴可能 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
グローブ
雨具
靴
ザック
サブザック
行動食
飲料
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
ツェルト
ストック
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感想
雁坂峠への道は雁坂トンネル山梨側駐車場から始まります。ここには進入禁止のゲートがあって私有地らしいけれど、ちゃんと青い板に書かれた登山口の標識もあり駐車場も広く大変便利です。
歩き出すとすぐ左下に雁坂トンネル料金所が見下せ、こんな時代に歩いて行く自分が不思議でした。このルートを「秩父往環」というようで、歩いてこそ得るものは大きいと靴紐を締め直すしかありません。せめて片道の峠までは歩かなきゃと。
ここは140号線という国道だったのに「開かずの国道」と称されていて、何と10年も山道のままだったというから興味は尽きず、以前から気になっていたのでした。そこにやっと来たのだと思うとワクワクしました。 人って思い続ければ実現するのですね。
しばらくは久蔵沢沿いに明るく開けたセメントの舗装道路を歩きましたが、その間、ところどころに広場のような場所があったのが気になりました。まさか最近流行の太陽光建設予定地ではと老婆心が。そういえば、この入り口はゲートのある私有地だったっけ。
舗装路は葛切(クツキリ)橋で終わり山道が始まって、暗い林の中を進みます。ずっと左斜面遠く下方に白い水しぶきを上げる沢が続きました。緩やかな道とはいえバランスを崩せば斜面に縋るものは一切ないので下まで落ちてしまい、気を抜けません。
こんな道だから秩父往環は冬の間はまず無理で、雨の日もかなり難渋したでしょう。何人の人々が沢の藻屑となったことだろうか。交易のため思い荷を持って歩いたのだろうし、希望や絶望の交錯する若い花嫁たちも歩いたのだろうと思うと、遊びのためにここを歩いている自分と比べ、食べていくため精一杯だった昔の人にただ頭が下がるばかりです。
そんなことを思いながら、ロープのある一つ目のナメ滝のような沢と、「山頂まで2H」と書かれた道標のある二つ目の「クツキリ沢出合い」を越し、美味しそうなヌメリスギタケを素通りして、最後の源流のように細い沢に着きました。
ここには岩に赤ペンキで大きく「井戸沢」と記されています。ザックを置き、サツマイモ入りパンを一切れ齧って、あとまだ450mほど登らなければと気持ちを奮い立たせました。
ここからはトウゲ沢から大きく離れ、山の斜面に深く入っていきます。ジグザグとつづら折になっているけれど、心配性と高所恐怖症の私は転んでも沢に落ちる心配がないことが嬉しかったです。
この間、単独の男性二人と六組ほどのハイカーに会って、彼らに話を聞くと、ほとんどが秩父往環ではなく西澤渓谷の「徳ちゃん新道」から甲武信小屋に泊って下山中の人たちでした。皆さん足が強そうで羨ましい私。
ジグザグ道を歩いていると、初めて空のある風景が広がってきました。残念ながら富士山は霞んで見えず、すぐ近くの乾徳山も頂きはガスって白くなっていました。この辺りから笹原独特の景色になり、バイケイソウや名の知らない小さな白い花がありました。右の方に見える峠沢もガレた沢の急峻な源頭部状態です。
そして、ようやく誰もいない峠に着きました。約四時間でした。お日様がなかったので汗もたいしてかいてません。標識には「日本三大峠 雁坂峠」と記されていて、秩父往環、念願の片道達成ができました。
ここは日本武尊が通った道でもあり、縄文の遺物も出ているほど歴史ある場所ですが、何とこの真下の地中奥にトンネルがあり、車が行きかっているとは!
峠から左に登ると山梨百名山の雁坂嶺、右へ下ると雁坂小屋があるけれどもう十分。それでも心の奥ではいつか秩父側からここに登ってみようと思ったりしましたが。山って繋いでこそ充実感大なのですよね。
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