御鼻部山、十和田湖東面直登沢


- GPS
- 06:30
- 距離
- 14.8km
- 登り
- 606m
- 下り
- 590m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
林道は施錠歩いて30分で東北電力取水施設。ここからは遊歩道だが整備をやめた模様。沢のアプローチとしては問題無し。 コンタ750連瀑帯で滝三つ。いずれもノーザイルだがぎりぎり。常識的にはザイル要るでしょう。 |
写真
感想
御鼻部山は十和田湖火山の最高峰、1010m。湖面からは600mそそり立ち、南面は噴火口壁でガケ。弱点は東面の沢と見てここから計画した。山頂が車の通り道という気の毒な山だが、ひとかどの山頂に車で登るのはやりきれない。
きょうは仕事が突然休み。天気もここ半月で一番の澄んだ空だ。でも出発を迷って、結局朝ご飯を食べてこどもが小学校に行ってから支度して家を出る。
車での入山は久しぶり。ジュディマリのCD鳴らして行くと、すっかり90年代気分に。
取水口への林道は入り口で鍵。少し下の湖畔に車を置いてスパジカを履き、とことこ歩く。立派な道だ。途中、養蜂家の蜂箱がたくさんあってぶんぶんしているところあり。
立派な林道は取水口のところまである。電力会社の施設は凄い有刺鉄線でえげつない。この業界は刑務所みたいな警備をする。人を信用しない伝統なのだろう。
古い看板多数によると、この先は「東北自然遊歩道」のはずだが、何年も整備をしていない模様だ。イタドリが生い茂り、入り口は分からない程荒れている。枝が落ちて死んだからと行政を訴えるような人はこの先行かない方が良い。
整備はしていないが快適な湖畔の道を進むと、大きな流れが。これが御鼻部山東面沢だな!湖面に別れ、遡行する。小さい沢だから地図読みもくそも無く、二つ三つ小滝を登るとあっというまに傾斜がついて、核心部。コンタ750mのゲジゲジ帯だ。案の定、岩壁が谷を塞いでいるようだ。記録も無かった沢なので、来てみなくちゃ分からない。数十mはある岩壁を遠目に見たときはやっぱ駄目か、帰るのかと思ったが、水流の落ちる滝F1は落差8mほど。ハングしているが、左岸側の泥壁に弱点を見つける。老練な草付きクライミングをアクロバチコに決め、なんとか上に這い上がる。スパジカにしといて良かった。ザックに40mザイルがあるんでいつでも懸垂できるというのが心の支えだ。こんなところを敗退してクライムダウンしたくない。続いて8mほどのF2、右岸側の草付きからカンテに乗り、ブッシュつかんで滝上に上がると、その上にも滝が更に10mほど続いていた。でもここからは大した傾斜は無い。
続くF3は6mほどだが立っている。左岸のシャワークライムを試みるが冷たくて諦め、右岸側の階段状水流脇を攻める。ここは見た目よりホールドが無く、スパジカがつるつる滑って裏目に出る。フェルト地下足袋でくりゃ良かったと思う場面。結局、どっちもどっちなのだ。
三つの滝を超えると傾斜が落ちてシラネアオイの咲く雪渓などあり、源頭ムードに。コンタ870二股は、水流の多い右股ではなく、山頂に近い左股を選び、ばりばり進撃する。溝状の沢を進み、最後は笹薮。きょうはタケノコ採りの人が多いはずだが、僕は全然興味無し。
自動車道路にも当たらず、直接山頂展望台脇に出る。美しい。御鼻部山よ、喜んでくれ。僕だけは徒歩で登って来たよ。
展望台に登ると十和田湖と、御鼻部山から湖面までなだれ落ちる急傾斜が見下ろせる。きょうは視界がよく、岩手山が明瞭に見える。珍しいこと。
展望台ではタケノコ採りのおばさんとしばらく話すが、なんかあんまり波長が合わない。
出発時間も遅かったし、元の沢を懸垂して降りるのも嫌なので、自動車道路をてくてく下る。タケノコ採りの車だらけだったが、ヒッチする気にもなれず。
□669.2のあたりから南西斜面の沢に下り、自動車道をショートカットする。最後に巨大堰堤が出て焦るが、泥壁をごりごり降りた。湖畔の道で行きでは目に入らなかったトチノキの巨木を見つけ、車に戻る。このへんの湖畔は浅く、湖底も小砂利風で歩き易い。地下足袋のまま入って、ざばざば歩きまわって泥を洗った。人も来ないしいいところだな。遊覧船が遠くのどかに見えた。
コメント
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十和田湖懐かしいです。
大昔、十和田湖畔のYHで夏場1シーズンバイトしたことあります。
今、地図で見るとそのYHはなくなってしまったようです。多分生出キャンプ場辺りかと思います。
毎日のように対岸の御鼻部山を眺めていました。あの切り立った崖登っちゃったんですね
すごい!
バイト中、休日を利用して徒歩で十和田湖一周を計画したのですが結局やらなかったこと思い出します。
しかし、沢ヤさんのパワーハンパないっすね。
ただただ感心するばかりです。
今回は対岸まで行けなかったもんで御鼻部山のかっこいい姿を撮れず残念でした。壁は正面から見ると突っ立て見えますもんね。御鼻部山はやはり対岸から見ないと山って感じがしないですし。
tabioさんもこのあたりの御縁ありましたか。ユースホステルも宿屋と同じで、永遠じゃないんですね。
湖岸一周、北辺は、遊歩道整備やめちゃっているみたいですが、踏み跡はありますから、かえって静かに歩けて良いと思います。数年前に奥入瀬渓流の歩道で枝が落ちて死亡事故があり、整備不行き届きを責められて県が裁判で負けちゃった事がありました。それからよけいな道を整備しない事にしたのかもしれません。
十和田関連では、冬期の西湖岸稜線のスキー縦走もやってみたいです。人がいなくてよさそう。
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