〔撮影山行〕全山紅葉!妙義山〜意外と手強くてびっくりした"鷹返し"〜


- GPS
- 08:15
- 距離
- 5.7km
- 登り
- 1,184m
- 下り
- 896m
コースタイム
- 山行
- 7:25
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 8:12
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
稜線は鎖場と高度感でほぼ全域楽しい危険地帯。 以下に鎖場について記載していますが、今回の反省点は紅葉が綺麗かどうかの判断だけで、妙義自体の鎖場の危険性について事前の調べが足らなかったということにつきます。 妙義の鎖場で腕力と握力が求められるというのは、どこでも記載されています。 繰り返しになるので以下は参考で。 □鎖場 〜≪私見≫ 他の鎖場とどこが違うのか/難易度について〜 1.経験・背景 大キレットやジャンダルム、槍・剱岳、不帰キレット、蟻の塔渡り等、他の難所をほぼ全て経験していたので、岩場にはそれなりの自信もありました。妙義も難所といえど、鎖や梯子が付いてる限り、何の問題もないし絶対に落ちることはないと思っていました。 しかし実際行ってみると思わず緊張を強いられることになり、なぜ妙義山で滑落死亡事故が多発するのかを、身を持って体感・理解することとなりました。 2.妙義の岩場 妙義の鎖場でまず違和感や難しさを感じたのが、他の岩場と違うということ。 その決定的な違いは、鎖場における足場のしっかり度、すなわち自重をすべて脚で支えられるか否かということです。 まず他の鎖場は、足場がしっかり切れており、鎖の有無に係わらず両脚だけで体を支えることができ、"脚で登って鎖は補助”という関係になるのがほとんどです。 一方、妙義の鎖場は、足場は薄く、両脚だけで自重を支えることができません。そのため、必然的に自重の多くの割合を腕力と握力で支えることになる点が、他の難所と決定的に違います。 したがって、妙義の鎖場で必要なスキルは、通常の岩場で求められるものの他に、]嗄呂鉢握力が必要になってきます。 より端的に言えば、妙義の鎖場は垂直系が多く、"腕力に頼った力技のファイト一発系”であるといえます。 以上より鎖場の難易度としては国内Maxで、例えば有名な剱のカニの縦ばいより上なのは間違いありません。 3.判断・対処 判断とすれば、私のように他の岩場の経験だけで判断せず、そこに]嗄呂鉢握力が必要であるとの認識がまず必要だと思います。 実際自分の場合でも、垂直系の鎖が連続した鷹戻しの後の下りの鎖では、一瞬オーバーハング気味の所もあり、腕力握力が頼りない私は、腕と握力がぱんぱんになりました。特に握力の方はかなり低下し、下り終えた後は力が入らない状態になっていました。 腕力や握力が消耗しきったときは何が起こってもおかしくないかと思いました。 このように、男性の自分でさえ垂直系の鎖が連続すると筋力が相当低下するくらいですので、男性よりもリーチが短く足場を探すことが難しく腕力握力が劣る女性は、このエリアが疲れた後半に出てくると非常に危険になると思います。 そのため、腕力握力有無の観点から行く行かないかの判断を検討するか、鎖からセルフビレイを取ったり、鎖を連続させず筋力の回復を待って次の鎖に進む等の対処が必要かと思います。 具体的には、妙義神社からスタートの場合、大の字上の奥の院の鎖場で、自分の体を持ち上げられないようでしたら、鷹戻し等の金洞山のエリアは踏み込まない方が無難だと思います。ロシアンルーレットになってしまいます。 □高度感 素晴らしい高度感です。鎖場を含め、覗き込むとその高度感で下腹部あたりがズキズキします。 先週行った黒部峡谷下の廊下より断然怖かった。。。 |
その他周辺情報 | 妙義ふれあいプラザ「もみじの湯」_510円。 食堂もあり重宝する(LO19:00)。 |
写真
撮り終わって三脚をしまっていると、ken1014さんとhossyさん(仮)の2人が鷹戻し方面から現れます。
話を聞くと、昨日も滑落事故があり鷹戻しを行くかどうか迷っているとのこと。
ここまできて、鷹戻しのヤバさがヒシヒシ伝わってきました。
しかし、やはり経験から梯子・鎖で落ちることはないと思えたので、実際行ってみて本当に無理そうだったら引き返すことを念頭に、3人で鷹戻しに進むことにしました。
鷹戻しの垂直の壁は足のステップが薄い中、腕力握力と体の柔軟性で無事何とか切り抜けました。
一方、ken1014さんとhossyさん(仮)もガシガシ危なげなく登ってきました。
核心部の写真は、両手が塞がっているため撮ることはできませんでした。
15:00 下りの2段の鎖(上から見て)。
下段は一瞬オーバーハング気味で、ここも危険です。
この鎖を下り終えた後、垂直系の鎖が連続したこともあり、腕力と握力のない私は、腕はパンパンで握力はほとんど力が入らない状況になっていました。
ken1014さんは難なく力強く下りてきました。
その次のhossyさん(仮)は、鎖の方が千切れんばかりにガシガシと力強く下りてきました。
2人とも安定感あるなぁ〜。
何が違うんだろう?と思ったら腕力が違うんですね。
感想
≪感想≫
三連休。紅葉がまだ綺麗なエリアを探すと妙義山が思いつきました。
妙義は前回時間の都合から大のぞきまで行って登っていたことにしており、あのギザギザスカイラインを歩かなければ妙義を登ったと言えないような気がするため、今回はギザギザスカイラインを歩く計画としました。
紅葉は国内最難関の険しいルートによく絡んで非常に綺麗でした。
ルートも実際行ってみると、「コース状況」で記載している通り思っている以上に手強く、久々に冷や汗をかくインパクトのあるものでした。
山自体が非常に急で危険な所が多々ありますが、腕力握力と岩場に自信があり、おサルになって全身を使ってアスレチックを楽しみたい方には、楽しい山になるのではないでしょうか。
鷹戻しからは、ken1014さんとhossyさん(仮)の2人とご一緒でき、こんな手強く楽しい鎖場体験を他の方と共有でき嬉しい限りです。
また、パトロールの方々から事故現場等の貴重のお話を聞けたり、さらに石門でお会いした方に車で送って頂いたり、天気や紅葉にも恵まれましたが、それ以上に人に恵まれた非常に記憶に残る山旅となりました。
感謝感謝です。
≪紅葉情報≫
紅葉は今がピーク。
稜線上の紅葉はやや遅いが、大の字から上あたりが紅葉のピーク。
≪撮影機材≫
24~70mmF2.8:◎ 紅葉や周囲の山々の切り取り等。
16~35mmF4:◎ 天狗岩等の岩塔をワイドで規模感を表現したい場合は必須で、標準24mmでは入らない。
70〜200mmF4:× 紅葉の切り取り等。軽量化のため不所持。
≪人の入り≫
三連休で多いが、稜線上を縦走する人は比較的少ない。
道の駅みょうぎの駐車場は8時前にはいっぱい。
≪山バッジ≫
探す暇なし。
コメント
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shibawannkoさん、初めまして。埼玉のmurasaki3378です。
詳細なレポ拝見しました。非常に参考になりました。小生も妙義の稜線は未踏で、いつかトライと思っておりますが、やはり安易に取りつかない方が良さそうですね。他の岩場との比較で難易度が分かりました。他の方のレポを拝見すると「なんとか自分も行けそう」な気になっておりましたが、貴レポで具体的なイメージがわきました。十分、準備してから挑戦します。
murasaki3378さん
初めまして、こんばんは。
コメントありがとうございます!
"難しさ”というものも、表現の仕方や双方の受け取り方によって相対的なもので、非常に伝わりにくいものだと感じます。
縦走路に幾度か出てくる「この先険しい岩場が続き大変危険!」の警告表示程度では、斜度高度なのか、逆層で滑りやすいのか、浮石があって落石が起こりやすいのか、まったく分からないので判断対処のしようがない、と率直に思ったものです(その点全く下調べが足りず突っ込んでしまい反省です...)。
この警告表示も、「この先腕力と握力を激しく消耗します。あなたは腕力と握力だけで自分の体重を支えながら垂直の壁の上り下りを繰り返せますか?」と表現してもらえれば、ある程度適切な判断が導かれ、高齢女性の墜落死というそれらしい確率で起こりそうな事故も減るのではないか、と思い、敢えて書かせて頂いた次第です。
正直この認識1つあれば、私もそれほど慌てなかったと思うのと、当然全部が全部当てはまりませんが「女性は無理かも...」と思いました。
私は174cmの細身の63kgで、これに撮影機材が入ったリュック7〜8kgを加えた重量を、特に強くはない腕力と握力で支えていたことになります。
したがって、男性で腕力握力も相当程度あり、自重と荷物が重くなければ、問題なく通過できるかと思います。
なんか細かくなってしまい申し訳ありません。
murasaki3378さんも、妙義のギザギザスカイライン是非是非楽しんでください!
shibawannkoさん、追加のアドバイス有難うございます。
足場の不安定な、垂直の鎖の連続は、何回が経験ありますが、後半、握力が無くなり冷汗の経験があります。小生、体力・筋力にあまり自身がありませんので、十分準備後トライします。
shibawannkoさん、おはようございます。
妙義山は自分もいつか登りたいと思っている山です。
なるほど、腕力と握力が必要ですか。
詳細なレコ、とても参考になります。
自分が今まで経験した鎖場で急だと感じたのは、谷川の西黒尾根途中の岩場にある鎖場、乾徳山の山頂直下の鎖場くらいでしょうか。
いずれも、垂直とまではいかない角度で足の置き場もあるので、腕の力だけで登らなければならないような鎖場は未経験です。
それでも翌日は腕の筋肉痛になったりしたので、妙義行くなら、もっと腕の筋肉痛を鍛えてからにした方がいいかもですねー。
山での出会いは素晴らしいですよね。
自分も以前、山頂でお昼をご一緒したご夫人に、下山地点から駐車場まで車で送ってもらったことがありました。その方は近くに住んでいるとはおっしゃっていましたが、一旦自宅に戻ってからわざわざ車を出してきてくれました。
山では、たまに上記のような貴重な出会いが経験できるのもいいですよね。
shibawannkoさん
こんにちは
記録参考になってなによりです。
数日たった今でも腕と特に背中の筋肉が激しい筋肉痛な状況です。
どんだけ一生懸命だったんでしょう(笑)。
山歩きって脚筋力と心肺持久力は鍛えられるんですが、
岩場行ったりしないと意外と腕等の上半身はからっきしですね。
山での出会いは良いものですね。
最近山行ったら、写真だけでなく、
心をフルオープンにして営業活動しようかと思っていたりします(笑)。
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