籾糠山(天生峠ゲート〜国道ラッセル&激薮滑走)
- GPS
- 12:55
- 距離
- 24.7km
- 登り
- 1,618m
- 下り
- 1,612m
コースタイム
- 山行
- 12:13
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 12:56
天候 | 晴れ時々雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ゲートから先は冬季通行止。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■天生峠ゲート〜ソウレ山取付 ・この日はいきなり国道ラッセル。帰りのためにしっかりトレースを刻んでおく。 ・途中1箇所ショートカット可能。 ■ソウレ山取付〜天生峠 ・国道360号線をそのまま辿るとソウレ山をぐるっと一周する必要があり標高差を考えると帰りも手漕ぎになりそうだったのでソウレ山を越えていくことにした。 ・ソウレ山は西面は比較的薮が薄いが南面は薮が濃いのでこの時期のルート取りには注意する。 ・ソウレ山横のポコを巻いて再度天生峠側の国道まで下りていくが滑走せずに帰りの登り返しを考えてトレースを作っておいた。 ・天生峠までは再度国道ラッセル。 ■天生峠〜籾糠山 ・標高1400mくらいまではとにかく薮が濃い。基本夏道を辿るが薮に遮られているのでルート取りは臨機応変に。 ・天生湿原は今回のルートの一番の見せ場・・・だがラッセルは辛い。 ・微妙なアップダウンが多いので帰りのことを考えてトレースを刻んでいく。 ・地形図に現れない沢が多いのでスノーブリッジを探して臨機応変にルートを取る。 ■籾糠山〜天生峠ゲート(下山ルート) ・来た道をピストンするが全般的に薮を避けて滑走しやすい斜面を探しながらの下山となる。 ・この日は前日の雪のおかげで激パウ滑走だった。 ・全体的に薮スキーとなるので顔の保護は万全に。 ・ソウレ山は再度登り返しとなるので体力を温存しておく。 ・ソウレ山取付〜ゲートまでは自分のトレースを辿って自動運転。 |
写真
感想
当初は乗鞍スカイラインでラッセルトレーニングでも・・・と思っていたがYSHR先生から「籾糠でも行ってみれば?」とアドバイスをもらい行き先変更。
確かに平日の寒波襲来で低山でもそれなりに降雪があったはずだし淡々と林道ラッセルするより面白そうだ。
まずは自宅で地形図とにらめっこしながらルートを熟考する。
この時期は降雪量と薮の状況によりルートが決めきれないのでいくつか候補を用意しておこう。
■候補1.天生峠ゲートから直接斜面に取り付いて1400mポコ経由で籾糠山へ。
■候補2.国道からソウレ山手前まで行き沢沿いをショートカットして天生峠経由で籾糠山へ。
■候補3.国道からソウレ山手前まで行きソウレ山を越えて天生峠経由で籾糠山へ。
■候補4.国道を延々とラッセルして天生峠経由で籾糠山へ。
土曜日の朝3時に天生峠ゲートからPon2oonでラッセル開始。
最初は車の轍が残っていたがそれもすぐになくなり本格的にラッセルが始まった。
寒波が来たといってもやはり下部はまだ薮が多すぎて斜面に取り付くのは困難な状態だった・・・これで候補1が消えた。
ソウレ山手前まで辿り着くと候補2を試みる。
しかしソウレ山南面は薮が濃すぎてとてもショートカットできる状態ではなかった。
これで候補2も消えた。
次は候補3のソウレ山を越えていくという案だ。
水曜日にYSHR先生と大魔人さんがソウレ山を踏んでいたので少なくとも登りに関しては勝算がある。
候補4の延々と国道をラッセルというのは極力避けたい・・・ここはNishidenさん直伝の?「急がば回れ」ならぬ「急がば登れ」だ。
先生達が取り付いた場所と同じ場所から取付くが単独だし沢筋は雪崩が怖いので狭い尾根筋を登っていく。
隙あらば南面へトラバースしてショートカットできないかと様子を伺っていたが南面は薮が濃すぎ・・・狭いテクニカルな尾根筋の登りを余儀なくされた。
1380mのソウレ山脇のポコまで登ったら一旦1250mの国道まで下ることになる。
ここから先は未知の領域。
やはり地形図からは読み取れない薮に行き先を遮られ思うようにルートが取れない。
更に帰りの登り返しを意識しながらトレースを刻む必要がある。
何とか国道に合流するとある種の達成感を味わうことができた。
やっとの思いで天生峠まで到着したもののあくまでもスタート地点に立ったに過ぎない。
白山で言うところの別当出合到着といった感じか。
そこから先も甘くはなかった。
基本夏道なので楽勝かと思っていたが雪の重みで木が倒れて登山道を通せんぼしている。
むしろ登山道を外れた方が歩きやすいくらいだ。
この状況・・・ラッセルよりむしろ薮の方が辛い。
しかしここまで来て敗退するわけにはいかない。
白山と立山で2週連続の敗退を喫しているので今回は絶対ピークを踏もうと心を決めていた。
ヘトヘトになりながらも籾糠山に登頂した時には既にスタートから9時間が経過していた。
登頂を喜んでばかりいられない。
ここから激薮滑走とソウレ山の登り返しが待っている。
山頂で地獄ゴーグルとバラクラバを装着して薮スキー対策完了。
激パウダーと激薮という喜んでいいのか悲しんでいいのかわからない状況で斜面を滑っていく。
途中の細かい登り返しも含めシールの着脱も数回。
まじヘトヘトです。
最後にソウレ山を登り返して再び激薮滑走。
時折薮にスキーを取られて転倒してみたり・・・まさに総合格闘技だ。
国道に合流した後はマイトレースを滑って自動運転。
ゲートに到着した頃には陽も傾いていた。
単独ラッセル&激薮スキーというハードな山行をこなしたことでまたひとつ経験値が上がった気がした。
終始誰とも会わないという贅沢山行だった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
ボクたちもいろいろ考えながら登りましたが、結局サンちゃんのポントレースを感謝の気持ちで使わせて頂きました。ソウレの取り付きからの登りは苦心のあとが読み取れて、追体験(ボクたちも読図しながらいかに効率良くするか考えていたので)させて頂きました。ソロであのアドベンチャーをこなすのは勇気とこれまでの経験やスキルをミックスした総合力ですよね。分かっちゃいるけど、敵いません。立派の一言です。脱帽!
Chikauさん、ソウレ山お疲れ様でした。
僕もソウレ山の取付以降は試行錯誤の連続だったので登り辛いトレースになっちゃってたかもしれません。ごめんなさい。
PT山行で他の方から吸収できるスキルもあれば単独でこそ会得できるスキルもあると思っています。
これからもバランスよく経験値を上げていければいいなーと思っています。
Sanchan 本当にお疲れ様でした!
白山よりもハードだと思います。ここまで綿密な計画を立てていたとは、なんとしても登頂するという気迫がすごいですね!ソウレ山から籾糠まで行こうとしたときルートがまったく見えてきませんでした。その場ですぐ見いだせるほど甘くはないということですね。パーティ登山だったので余計に安易に考えすぎていましたので反省です。ルートを拝見した時になるほどーと思いました。地形図からは藪は読み取れないという言葉は本当にそうですね、いつも自分の都合のいいルートを考えてしまいます。
安全マージンもたっぷりとってこの時期のルート取りや行動の見本となるようなレコですね。気を引き締め直した次第です!
koueiさん、ソウレ山お疲れ様でした。
ソロだと自分の力だけが頼りになるのでどうしても綿密に計画する必要がありますね。
特に今回はハードラッセル&激薮ということで知力、体力、スキー力を総動員する必要がありました。
パーティー山行だと良くも悪くも人に頼ってしまう面がありますし。
未知の山をルーファイするドキドキ感とピークを踏んで下山できた時の達成感は最高です!
これからも安全に対する意識を持ちつつレベルアップに励んでいきたいと思います。
これは本当に地獄のラッセル&薮ですね〜
今日、ソウレ山にしようと決めたところから籾糠山へはまだまだ距離がありますね・・・これでは下山17時どころから22時くらいになっていたかも知りません。
確率は低いですが、不運な事故ということも起こり得ます。お互い備えを万全にして、安全な山スキーライフを楽しみましょう
momochann、荒島&ソウレお疲れ様でした。
2日連続で山スキーとは、今更驚きませんが相変わらず普通の人と違う(笑)素晴らしいモチベーションです。
そうですねー、ソウレ山の登りもしんどかったですが、体力が削られた後だった分籾糠の登りの方が辛かったです。
山スキーは常にリスクと隣り合わせ。
出来る限りの準備をした上でお互い安全に楽しんでいきましょう!
聞いた方は覚えてても、言った方は思い付きで言っただけで覚えちゃいない、「急がば登れ」も僕がいつどう言う場面で言ったんだろうか?
ともあれ、長い長いソロのラッセル、藪をこなしての籾糠登頂と帰還おめでとう、ご苦労様、そしてトレースありがとう。
さんちゃんの凄さは思ってた通りなので、僕はおみそれしてません。
Nishidenさん、こんばんは。
「急がば登れ」、Nishidenさんは覚えていらっしゃらないでしょうけど、無意識に?体現されてたんですよ。
典型的だったのは立山の天狗山。
弥陀ヶ原から浄土山へ向かう際に普通のスキーヤーなら麓を巻くのにNishidenさんはピークを超えていきましたよね。それまでの僕は何の疑問も持たずに山腹を巻いてました。
あの時体力的にも精神的にも「ピークを越えた方が楽だ」と身を持って体感させられました。
それ以外にも学ばせてもらったことは色々あります。
ってことで、まだまだ勉強させてもらいますよ!
富山の里山も教えてもらわないと!
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する